277 / 314
第277話 世界中から
しおりを挟む
「ここだ。今ちょうど世界中から若手が集まってきている。チームとしてもセリエA7位の現状から更に上位を目指すのに有望な若手につばをつけたいという思惑もあってな、トップチームと合同練習をしているんだ。これに参加してもらう。まあ、色々内部機密的な事情もあるから細かいフォーメンション練習とかは無いが、愛翔なら十分にチャンスがあると考えている。頑張れ」
ロッカールームで着替えを済ませた愛翔をミケル・レガスが連れていったのはサブグラウンド。そこには愛翔と同年代のプレイヤー十数人がトップチームの選手と共にウォーミングアップを始めていた。
「ちょうどウォーミングアップ中だな。おーい、みんな一度集まってくれ」
ミケル・レガスが声を掛けると、思い思いにウォーミングアップをしていたメンバーがミケル・レガスのもとに集まる。そしてその横にいる愛翔を見て皆が怪訝な顔をした。
「紹介する。住吉愛翔。日本人だ。2年前に偶然見つけて、今回やっと呼ぶことが出来た」
そう言うと愛翔の背中を軽く押しミケル・レガスは前に出す。
「住吉愛翔です。サッカーは12歳で始め、15歳でMLSスポット出場。先日までJリーグで6試合スポット扱いで参戦してきました。外部事情で契約が保留になっているためこちらに参加させていただきます。よろしくお願いします」
集まったメンバーがざわつく。
「あんな子供がMLSだのJだのって……」
「本当だとしたらプロ契約直前の人間がなんで……」
ざわつく中、愛翔が口を開いた。
「日本人は若く幼く見えるそうなので一応言っておきます。俺は18歳です。子供扱いは遠慮します」
ウォーミングアップを済ませ、簡単に基礎練習を行うとすぐに試合形式の練習となった。
「愛翔はライトウィングがメインポジションだったな。ヘイ、セニョール・ラザーロ。今日は後半からトップチームに入ってくれ。後半からのチャレンジャーチームのライトウィングには住吉を入れる。愛翔、お前は前半でチャレンジャーチームの動きを把握しろ」
ミケル・レガスは、トップチームの正ライトウィング、ダリオ・ロ・ラザーロに声を掛け、愛翔の後半からの参加を指示してきた。
「お、セニョールスミヨシは俺のライバルか?」
「いや、愛翔はスピードタイプのアタッカーではあるが、オールラウンドプレーヤーだ。ゴールキーパー以外ならなんでもこなすぞ。日本のJリーグではリベロもこなしていたからな」
ミケル・レガスのその言葉に愛翔は”え?”っとばかりに反応をした。
「レガスさん、俺のJリーグでの試合もそこまでチェックしてくれてたんですか?」
「当たり前だ、俺自身が見つけた有望な若手をチェックしないわけがないだろう」
と気障に右目を瞑って見せる。そのあたりの仕草はイタリア人男性らしく様になっていた。
ロッカールームで着替えを済ませた愛翔をミケル・レガスが連れていったのはサブグラウンド。そこには愛翔と同年代のプレイヤー十数人がトップチームの選手と共にウォーミングアップを始めていた。
「ちょうどウォーミングアップ中だな。おーい、みんな一度集まってくれ」
ミケル・レガスが声を掛けると、思い思いにウォーミングアップをしていたメンバーがミケル・レガスのもとに集まる。そしてその横にいる愛翔を見て皆が怪訝な顔をした。
「紹介する。住吉愛翔。日本人だ。2年前に偶然見つけて、今回やっと呼ぶことが出来た」
そう言うと愛翔の背中を軽く押しミケル・レガスは前に出す。
「住吉愛翔です。サッカーは12歳で始め、15歳でMLSスポット出場。先日までJリーグで6試合スポット扱いで参戦してきました。外部事情で契約が保留になっているためこちらに参加させていただきます。よろしくお願いします」
集まったメンバーがざわつく。
「あんな子供がMLSだのJだのって……」
「本当だとしたらプロ契約直前の人間がなんで……」
ざわつく中、愛翔が口を開いた。
「日本人は若く幼く見えるそうなので一応言っておきます。俺は18歳です。子供扱いは遠慮します」
ウォーミングアップを済ませ、簡単に基礎練習を行うとすぐに試合形式の練習となった。
「愛翔はライトウィングがメインポジションだったな。ヘイ、セニョール・ラザーロ。今日は後半からトップチームに入ってくれ。後半からのチャレンジャーチームのライトウィングには住吉を入れる。愛翔、お前は前半でチャレンジャーチームの動きを把握しろ」
ミケル・レガスは、トップチームの正ライトウィング、ダリオ・ロ・ラザーロに声を掛け、愛翔の後半からの参加を指示してきた。
「お、セニョールスミヨシは俺のライバルか?」
「いや、愛翔はスピードタイプのアタッカーではあるが、オールラウンドプレーヤーだ。ゴールキーパー以外ならなんでもこなすぞ。日本のJリーグではリベロもこなしていたからな」
ミケル・レガスのその言葉に愛翔は”え?”っとばかりに反応をした。
「レガスさん、俺のJリーグでの試合もそこまでチェックしてくれてたんですか?」
「当たり前だ、俺自身が見つけた有望な若手をチェックしないわけがないだろう」
と気障に右目を瞑って見せる。そのあたりの仕草はイタリア人男性らしく様になっていた。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!
ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。
苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。
それでもなんとななれ始めたのだが、
目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。
そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。
義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。
仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。
「子供一人ぐらい楽勝だろ」
夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。
「家族なんだから助けてあげないと」
「家族なんだから助けあうべきだ」
夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。
「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」
「あの子は大変なんだ」
「母親ならできて当然よ」
シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。
その末に。
「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」
この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。
婚約相手と一緒についてきた幼馴染が、我が物顔で人の屋敷で暮らし、勝手に婚約破棄を告げてきた件について
キョウキョウ
恋愛
カナリニッジ侯爵家の一人娘であるシャロットは、爵位を受け継いで女当主になる予定だった。
他貴族から一目置かれるための権威を得るために、彼女は若いうちから領主の仕事に励んでいた。
跡継ぎを産むため、ライトナム侯爵家の三男であるデーヴィスという男を婿に迎えることに。まだ婚約中だけど、一緒の屋敷で暮らすことになった。
そしてなぜか、彼の幼馴染であるローレインという女が一緒についてきて、屋敷で暮らし始める。
少し気になったシャロットだが、特に何も言わずに受け入れた。デーヴィスの相手をしてくれて、子作りを邪魔しないのであれば別に構わないと思ったから。
それからしばらく時が過ぎた、ある日のこと。
ローレインが急に、シャロットが仕事している部屋に突撃してきた。
ただの幼馴染でしかないはずのローレインが、なぜかシャロットに婚約破棄を告げるのであった。
※本作品は、少し前に連載していた試作の完成版です。大まかな展開や設定は、ほぼ変わりません。加筆修正して、完成版として連載します。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
もう終わりにしましょう、その愛は永遠ですから…
矢野りと
恋愛
婚約者だった夫と結婚して半年が経っても私に対する周りの評価は変わらない。
『愛し合う二人を無理矢理別れさせた悪女』
『身分を笠に着る嫌な女』
貴族社会では噂が真実かどうかは関係ない、信じたいことが真実になる。
誰も庇ってはくれない、夫でさえも…。だから私はあなたを嫌いになりたい。
【完結】都合のいい妻ですから
キムラましゅろう
恋愛
私の夫は魔術師だ。
夫はものぐさで魔術と魔術機械人形(オートマタ)以外はどうでもいいと、できることなら自分の代わりに呼吸をして自分の代わりに二本の足を交互に動かして歩いてほしいとまで思っている。
そんな夫が唯一足繁く通うもう一つの家。
夫名義のその家には美しい庭があり、美しい女性が住んでいた。
そして平凡な庭の一応は本宅であるらしいこの家には、都合のいい妻である私が住んでいる。
本宅と別宅を行き来する夫を世話するだけの毎日を送る私、マユラの物語。
⚠️\_(・ω・`)ココ重要!
イライラ必至のストーリーですが、作者は元サヤ主義です。
この旦那との元サヤハピエンなんてないわ〜( ・᷄ὢ・᷅)となる可能性が大ですので、無理だと思われた方は速やかにご退場を願います。
でも、世界はヒロシ。
元サヤハピエンを願う読者様も存在する事をご承知おきください。
その上でどうか言葉を選んで感想をお書きくださいませ。
(*・ω・)*_ _))ペコリン
小説家になろうにも時差投稿します。
基本、アルファポリスが先行投稿です。
あなたが婚約破棄したいと言うから、聖女を代替わりしたんですよ?思い通りにならなくて残念でしたね
相馬香子
恋愛
わたくし、シャーミィは婚約者である第一王子のラクンボ様に、婚約破棄を要求されました。
新たに公爵令嬢のロデクシーナ様を婚約者に迎えたいそうです。
あなたのことは大嫌いだから構いませんが、わたくしこの国の聖女ですよ?聖女は王族に嫁ぐというこの国の慣例があるので、婚約破棄をするには聖女の代替わりが必要ですが?
は?もたもたせずにとっととやれと?
・・・もげろ!
殿下はご存じないのでしょうか?
7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」
学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。
婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。
その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。
殿下はご存じないのでしょうか?
その方は――。
両親も義両親も婚約者も妹に奪われましたが、評判はわたしのものでした
朝山みどり
恋愛
婚約者のおじいさまの看病をやっている間に妹と婚約者が仲良くなった。子供ができたという妹を両親も義両親も大事にしてわたしを放り出した。
わたしはひとりで家を町を出た。すると彼らの生活は一変した。
運命の相手は自分で選びます!
浅海 景
恋愛
ある日気づけば見知らぬ世界に迷い込んでいた陽香。助けを求めて彷徨っていたところ親切そうな商人に出会い安心したのも束の間、騙されて奴隷契約を結ばれてしまう。数か月後、内気な女子高生から人間不信となりすっかりやさぐれてしまった陽香の元に王子の使いと名乗る者が現れて、トルドベール王国へと連れて行かれる。
王子の「運命の相手」としてこの世界に召喚されたことを知り、陽香の怒りは激しく燃え上がった。
「運命の相手」など知った事ではない。自分の運命は自分で決める!
運命に否定的な少女、運命に焦がれる王子、運命を諦観する騎士。少しずつ変化する心とそれぞれの立ち位置に悩み、成長していく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる