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第269話 居心地の良い時間
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ジュエリーショップでやらかした翌日。光野高校の校則に禁止されていないのを確認し、愛翔たち3人は左手薬指のリングをそのままに登校した。ほとんどの男子生徒は気付きもしなかったが、女子生徒の多くが気付いた。
「あ、ついにあの3人がリングを……」
「あれってそういう意味よね」
「噂ではもうご両親にあいさつも済ませたって……」
「もう、籍こそいれてないけど夫婦だって……」
事実として愛翔は桜と楓の両親に挨拶を済ませたし、正月に帰国した愛翔の父浩之に幼馴染としてでなく愛翔の妻として挨拶をしている。
「プロで通用するアスリートで学業ではうちのトップで誹謗中傷にさらされても毅然とした対応をするステラの折れない剣。横に並ぶのは全国トップクラスのバスケットボール選手と全国で注目される高校生ミュージシャン。しかも2人とも彼と同様にT大確実と言われるスーパーレディ……。もう嫉妬なんてレベルじゃなく憧れるわ」
そしてそんな状態なら
「わぁ、桜、噂を聞いてきたんだけど本当に。それペアリングじゃないわよね。マリッジリングよね」
「楓。ついに。おめでとう」
「住吉君。ご両親との話だけでなくちゃんとしたわね。しかも学校にまで堂々と。やっぱり本当のイケメンは違うわね」
「ね、2人とも見せてよ」
「2人を象徴するデザインよね。素敵」
「あ、住吉君。逃げないの」
彼女たちが一緒に居れば不安はないこともあり、女子の恋バナから逃げ出そうとした愛翔だったけれど、それを察した末成に捕獲されてしまった。
「い、いや、恋バナなら男が居ない方がいいだろう」
「ダメダメ。本人がいるのに逃がすわけないでしょ」
愛翔は”今日は仲間内でのさらし者だな”とため息をついた。それでもそこに悪感情はない。ただただ照れくさいだけだった。
「2人と結婚するって決めたのは……」
「今更かもしれないけど、あなたたちのファーストキスって……」
「ご両親に娘さんをくださいってしたのよね……」
本当に仲間と言える仲間たちからの口撃に愛翔たち3人は羞恥に真っ赤になってしまっている。仲間たちにも悪意はなく揶揄いながらも祝福の意思があり居心地のいい時間だった。
「あ、ついにあの3人がリングを……」
「あれってそういう意味よね」
「噂ではもうご両親にあいさつも済ませたって……」
「もう、籍こそいれてないけど夫婦だって……」
事実として愛翔は桜と楓の両親に挨拶を済ませたし、正月に帰国した愛翔の父浩之に幼馴染としてでなく愛翔の妻として挨拶をしている。
「プロで通用するアスリートで学業ではうちのトップで誹謗中傷にさらされても毅然とした対応をするステラの折れない剣。横に並ぶのは全国トップクラスのバスケットボール選手と全国で注目される高校生ミュージシャン。しかも2人とも彼と同様にT大確実と言われるスーパーレディ……。もう嫉妬なんてレベルじゃなく憧れるわ」
そしてそんな状態なら
「わぁ、桜、噂を聞いてきたんだけど本当に。それペアリングじゃないわよね。マリッジリングよね」
「楓。ついに。おめでとう」
「住吉君。ご両親との話だけでなくちゃんとしたわね。しかも学校にまで堂々と。やっぱり本当のイケメンは違うわね」
「ね、2人とも見せてよ」
「2人を象徴するデザインよね。素敵」
「あ、住吉君。逃げないの」
彼女たちが一緒に居れば不安はないこともあり、女子の恋バナから逃げ出そうとした愛翔だったけれど、それを察した末成に捕獲されてしまった。
「い、いや、恋バナなら男が居ない方がいいだろう」
「ダメダメ。本人がいるのに逃がすわけないでしょ」
愛翔は”今日は仲間内でのさらし者だな”とため息をついた。それでもそこに悪感情はない。ただただ照れくさいだけだった。
「2人と結婚するって決めたのは……」
「今更かもしれないけど、あなたたちのファーストキスって……」
「ご両親に娘さんをくださいってしたのよね……」
本当に仲間と言える仲間たちからの口撃に愛翔たち3人は羞恥に真っ赤になってしまっている。仲間たちにも悪意はなく揶揄いながらも祝福の意思があり居心地のいい時間だった。
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