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第222話 表彰式
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「やっぱり最後の3グループのレベルは違ったわね」
長嶺が溜め息をついて完敗と認めれば
「でも、高校最後の年にいい思い出ができたわ」
大塚がうれしそうだ。
「でも、発表はまだこれからよ。ちゃんと結果を聞かないとね」
そして楓がニッコリと微笑む
「最後の3グループ、レベルが違ったけど。やっぱり最後のグループが1位かな?」
「そんな感じするわよね」
全グループの演奏が終わり、発表を待つ間”春”のメンバーと愛翔と桜がそんな雑談を交わす。
「第〇回全国軽音楽コンクール。優秀者の発表を行います」
最終グループの演奏が終わって30分ほどしたところで成績発表が始まった。
「第6位、神奈川県代表……」
「第5位……」
発表があるたびに歓声が上がる。
「第1位、東京都代表……」
優秀者の発表が終わった。
「ああ、ダメだったかあ」
”春”のメンバーが揃って溜め息をついたそのとき
「最後に特別賞の発表があります」
”え?”会場全体が静まり返った。
「特別賞に関してですが、これは全体のレベルとしては入賞にすることは出来なかったグループにおいて、特別光るものがあり、それが入賞グループを超えていると判断されたグループを今回3組選出しました」
楓たち”春”のメンバーも顔を引き締めた。
「これなら、楓ちゃんのアレンジの”愛にささげる”なら可能性あるよね」
ステージの司会者の元にメモが届けられる。会場に更に緊張が走る。静まり返った中、司会者が口を開いた。
「特別賞、受賞1組目。大阪府代表……。このグループは特にテクニカルな演奏が群を抜いていました。sこに更に……」
「2組目……。演出が素晴らしく……」
「特別賞、受賞最後の1組は、……代表、私立光野高校軽音楽部”春”。演奏曲”愛にささげる”です。エモーショナルなアレンジで、このオリジナルソングを心に響くものにしています。他がやや粗削りなところが残念ですが将来に期待します」
”春”のメンバーが一瞬固まり、次の瞬間抱き合っていた。
「やったー!」
抱き合い涙を流す4人。愛翔と桜が手を握りながらそれを優しい微笑みと共に見みている。そして、そこから楓が離れ愛翔に飛びついてきた。
「愛翔。やったわ。入賞では無かったけど。”春”で……」
そこまで言うと楓は愛翔の胸に縋りつき涙を見せる。
「おめでとう。よかったな」
愛翔は楓をそっと抱き寄せ優しく頭をなでた。
ひとしきり抱き合い涙を流し喜びを分かち合った”春”のメンバーたちは、他の受賞者と共にステージ上にいた。
「では、特別賞の3組の皆さんから順に演奏していただきたいと思います。まずは……」
”春”以外の特別賞受賞2組の演奏が終わり、次は”春”の演奏順。ステージに立った4人は朝とは違ったプレッシャーを感じていた。
”観客が多い”受賞者の演奏なのだから注目されるのは当然。今朝まではone of them その他大勢の一組だった”春”が今では特別賞とは言え受賞者として注目されているのだから。”それでも”楓は頭を振り緊張を追いやる。”愛翔だって桜だってこういう注目される中で実力を発揮してきたのよ。私だって横に並ぶならこのくらい”そう思い、手に持ったマイクに向かう。
「光野高校軽音部”春”です。”愛にささげる”聞いてください」
長嶺が溜め息をついて完敗と認めれば
「でも、高校最後の年にいい思い出ができたわ」
大塚がうれしそうだ。
「でも、発表はまだこれからよ。ちゃんと結果を聞かないとね」
そして楓がニッコリと微笑む
「最後の3グループ、レベルが違ったけど。やっぱり最後のグループが1位かな?」
「そんな感じするわよね」
全グループの演奏が終わり、発表を待つ間”春”のメンバーと愛翔と桜がそんな雑談を交わす。
「第〇回全国軽音楽コンクール。優秀者の発表を行います」
最終グループの演奏が終わって30分ほどしたところで成績発表が始まった。
「第6位、神奈川県代表……」
「第5位……」
発表があるたびに歓声が上がる。
「第1位、東京都代表……」
優秀者の発表が終わった。
「ああ、ダメだったかあ」
”春”のメンバーが揃って溜め息をついたそのとき
「最後に特別賞の発表があります」
”え?”会場全体が静まり返った。
「特別賞に関してですが、これは全体のレベルとしては入賞にすることは出来なかったグループにおいて、特別光るものがあり、それが入賞グループを超えていると判断されたグループを今回3組選出しました」
楓たち”春”のメンバーも顔を引き締めた。
「これなら、楓ちゃんのアレンジの”愛にささげる”なら可能性あるよね」
ステージの司会者の元にメモが届けられる。会場に更に緊張が走る。静まり返った中、司会者が口を開いた。
「特別賞、受賞1組目。大阪府代表……。このグループは特にテクニカルな演奏が群を抜いていました。sこに更に……」
「2組目……。演出が素晴らしく……」
「特別賞、受賞最後の1組は、……代表、私立光野高校軽音楽部”春”。演奏曲”愛にささげる”です。エモーショナルなアレンジで、このオリジナルソングを心に響くものにしています。他がやや粗削りなところが残念ですが将来に期待します」
”春”のメンバーが一瞬固まり、次の瞬間抱き合っていた。
「やったー!」
抱き合い涙を流す4人。愛翔と桜が手を握りながらそれを優しい微笑みと共に見みている。そして、そこから楓が離れ愛翔に飛びついてきた。
「愛翔。やったわ。入賞では無かったけど。”春”で……」
そこまで言うと楓は愛翔の胸に縋りつき涙を見せる。
「おめでとう。よかったな」
愛翔は楓をそっと抱き寄せ優しく頭をなでた。
ひとしきり抱き合い涙を流し喜びを分かち合った”春”のメンバーたちは、他の受賞者と共にステージ上にいた。
「では、特別賞の3組の皆さんから順に演奏していただきたいと思います。まずは……」
”春”以外の特別賞受賞2組の演奏が終わり、次は”春”の演奏順。ステージに立った4人は朝とは違ったプレッシャーを感じていた。
”観客が多い”受賞者の演奏なのだから注目されるのは当然。今朝まではone of them その他大勢の一組だった”春”が今では特別賞とは言え受賞者として注目されているのだから。”それでも”楓は頭を振り緊張を追いやる。”愛翔だって桜だってこういう注目される中で実力を発揮してきたのよ。私だって横に並ぶならこのくらい”そう思い、手に持ったマイクに向かう。
「光野高校軽音部”春”です。”愛にささげる”聞いてください」
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