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第202話 女子バスケットボール部のIH⑦

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高校女子バスケットボールインターハイ3回戦。光野高校女子バスケットボール部メンバーたちは会場となる体育館の前の広場でウォーミングアップをしていた。
「集合!」
末成の言葉に集合し無意識に円陣をくむ。
「みんなマンマークと対応覚えてるわね」
真剣な表情で頷くメンバーたち。前日の弱気がウソのようだ。手には昨日愛翔が差し入れたステラスターFC御用達と言われる輝く星をデザインしたボトルを持ち喉を潤している。
「私はスモールフォワードのマーク。フェイントの癖は覚えたわ。その対応方法も」
「わたしの相手は……」
それぞれがマークを確認していく。
「そして私は相手のセンターを抑える。でも」
末成の視線は桜に注がれている。
「分かっているわ。あたしが相手のポイントガードを潰す。そして全体もケアするわ」
前日の分析で実力として全体に劣る光野それぞれのポジションにおいて桜だけが相手ポイントガードより上だと判断した。だからこそ桜自身が口にした。
「みんな少しずつでも耐えて。そしたらあたしが駆け付ける。いざとなったらあたしが活路を開いて見せる。とことんまで頑張ろう」
「幸いなことに相手のポイントガードよりうちの桜の方が上。ポイントガードを抑えることが出来れば相手は攻撃の起点、司令塔が機能不全を起こす。そうすれば総合力では劣っていてもチャンスはある。勝ちにいくよ」
桜の言葉に末成が続けた。
”パチパチパチ”そこに二組の拍手が響いた。
「さすがだ。応援のし甲斐があるな」
「やっぱり応援するなら諦めてる人じゃなく頑張る人相手がいいものね」
桜が目を見張る。そこには愛翔と楓がニッコリと嬉しそうな笑顔で立っていた。
「あ、あいと。それに楓も。愛翔は今日はクラブの練習があるんじゃないの?今上に上がる評価を稼ぐって言ってたのに。楓だって全国大会にむけての練習が」
「俺は大丈夫だ。試合が終わってすぐ帰れば、まあ間に合う」
「私は練習時間をずらしてもらってきたわ」
「「だから俺(私)を気にしないで全力の桜をみせてくれ(見せてちょうだい)」」
桜は愛翔と楓に飛びつくように抱きついた。
「うん、うん、頑張る。最後まであきらめないから見てて」
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