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第191話 楽しみな夏休み

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「ふう、光野って生徒に厳しすぎだろう」
呆れたように話す愛翔に楓がこたえる。
「ふふふ、これを厳しいって言える愛翔って17歳としては珍しいと思うわよ。ね、桜もそう思うでしょ」
「そうね。でも、これで全国でも有数の進学校の座を維持しているのだからはっきりと理解はしていなくても、皆それなりには理解しているんじゃないかなあ」
桜は相変わらずふよふよとした返事をかえしている。いつもの3人。
1学期も終わり、夏休み初日夜、愛翔の部屋でくつろぐその3人の目の前には「夏季休暇課題」と書かれた薄い冊子。光野の生徒であればそれこそ1日で終わるであろう量しかない。なんのことはない、愛翔が厳しいと言っている意味を楓も桜も理解している。
「さて、期末試験も1,2,3だったことだし、夏休みも予定通りでよさそうだな」
「T大過去問題での愛翔の実力確認も十分だったしね」
楓がニッコリと語り
「本当にあの時点で合格可能な点数だったものね」
桜がクスクスと笑う。
「そう言ってる2人だって大した差はなかったじゃないか」
愛翔が苦笑しつつ
「まあ、過信は禁物だけど、順調だよな」
「じゃあ、焦らず頑張りつつ、高校生活最後の夏休みを楽しみましょう」
愛翔の言葉を受けて桜がまるでエイエイオーとばかりに拳を振り上げる。
「とは言っても、勉強もしっかりしないといけないし、愛翔はサッカーも。そういえば愛翔、プレー時間の許可はどのくらいになったの?」
このあたり気がつくのは楓が早い。
「やっと90分フル出場の許可がおりた。先週クラブに報告したから早ければ次の試合からスタメンかな。で、桜はインターハイが8月か」
「ううん、7月28日から8月3日の1週間。久しぶりの全国大会だからワクワクしてる」
「女子バスも強くなったわよね。桜が入部したころは県大会の6位だったものね」
楓も感慨深げに目を細める。
「楓は軽音部どうなんだ?7月の県大会で入賞してたけど、全国大会もあるんだろ」
「うん、8月19日にリハーサル、20日に全国大会本番ね。全国大会用のオリジナル曲を練習中。1曲だけでの1発勝負だから”春”のみんなも気合入ってる」
「そっか、2人とも出場スケジュールが分かったら教えてくれよ。出来るだけ応援にいきたいから」
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