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第145話 クリスマスコンフュージョン

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「ええ、去年のクリスマスはアイトと一緒だったのよ」
クリスが敢えて一部省略して話すと
「あたしも一緒だったけど」
更にケイトが頬を染めまるで3人で過ごしたかのように言い添える。
「ハイスクールのクリスマスパーティーな。参加者300人近いパーティーだったからな」
愛翔が誤解を修正しようと口を挟むと、次はクリスが
「ダンスの相手してくれたわよね」
「あたしもダンスの相手してもらったわ」
クリスに負けずとケイトも胸を張る。
「愛翔。アメリカのクリスマスパーティーでのダンスって告白と一緒じゃなかったかしら?」
「楓、何かと勘違いしているぞ。プロムでさえそこまでのことは無いんだから」
楓が愛翔の言葉に首をかしげる。
「確かに、アメリカに限らず公的な場所でのダンスでは特定の異性と踊ることはあるけど、必ずしもそうじゃない。ほら映画なんかでも貴族の令嬢に順番にダンスを申し込んだりもするシーンがあったりするだろう。ただ、クリスとケイトの気持ちに当時気が付かなかったことに関しては謝るしかないけど。でも、俺は毎回断ってた……」
「う、そ、そうだけど。だけどアイトが真剣に受け止めて無かったのは確かでしょ」
ケイトも簡単に引き下がるつもりはなく……
「まあま、ここはクリスマスパーティーよ。愛翔君がモテるのはしかたないけど、そのあたりにしてパーティーを楽しみましょ」
さすがの捌きで丘がここは収めにはいった。とは言えアメリカ勢2人は簡単に止まらず
「そう言って、あなたがアイトをかすめ取ろうとしてるんじゃないの?」
クリスが丘に食って掛かったけれど、
「あら、私は愛翔君を恋愛対象にしたことはないわよ。私はただ愛翔君には幸せになって欲しい、そう思うだけだもの」
さらりとかわす丘にケイトが追い打ちをかける。
「そう言って自分で幸せにするって思っているんじゃないの?」
その言葉に丘は静かに微笑み
「私が愛翔君の片羽として幸せにする未来はないわね。クリスさんとケイトさんには悪いけど、私の本音としては桜ちゃんか楓ちゃんと幸せをつくって欲しいかなぁ」
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