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第116話 評価

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「ステラスターFCU18所属、住吉愛翔です」
「はい、住吉愛翔さん。お部屋は3階の0324になります。カギはこのカードキー……」
カードキーを受け取った愛翔はエレベーターで3階に上がり部屋に向かった。
「0324。ここか」
愛翔がドアチャイムを鳴らすと、少しおいてわずかにドアが開いた。
「ふぁい。どなた?」
スポーツマンとしてはやや長めの髪をぼさぼさにした長身の男がドアの隙間から眠たそうな顔を出した。
「同室の住吉です」
「あ、ああ。そっか同室の人がいるって言ってたな。わかった入って」
男はチェーンロックを外し愛翔を招き入れた。
「改めて、ステラスターFCU18所属の住吉愛翔16歳、普段のポジションはライトウィングです。よろしく」
愛翔が自己紹介をすると
「ああ、堅苦しいのは無しにしようぜ。俺は高城一典(たかしろかずのり)。グリーンウィンドFCU18所属18歳だ。チームではレフトサイドハーフに入っている。住吉とはポジションを争う事は無さそうだな」
ニヤリと笑いながら自己紹介を返し
「しかし、噂の住吉と同室になるとはな」
高城の一言に愛翔は首を傾げ
「噂って、俺は日本でそんなにサッカー歴長くないというか、ぶっちゃけ短いんだけど、何が噂になってるんですか?」
その言葉に高城は、呆れたような答えを返した。
「まったく自覚が無いのか。それほど上位ではないプロリーグMLSとは言え、U18昇格直後の15歳の日本人がスポット参戦して存在感を示した。それが日本に帰国してステラスターFCU18に所属。しかも派手に記者会見までやったんだろう。一般人ならともかく俺たちサッカー選手が知らないわけがないだろうが」
「じゃぁ、この合宿で俺は自己紹介を……」
「するまでも無いな。それと同時にフォワード陣のターゲットだ。俺たちフォワード以外のメンバーからすれば強力なフォワードは心強いが、ポジションを争うフォワード陣にとってはどうかな」
「とは言っても俺の基本ポジションはライトウィングで……」
「ふん、それは普段のポジションでしかないだろう。ゲームでの住吉を録画で見たことがあるが、別にライトウィングに特化している訳じゃないだろう。例えばセンターフォワードやれと言われれば、住吉は苦も無くできるだろう」
「そりゃ出来ない事は無いけど……」
「視野の広さ、個人技、スピード、相手の動きを読む洞察力。年齢的に身体が出来上がっていないからフィジカル面での弱さを抱えているだけにディフェンスには向かないだろうが、フォワード全般から攻撃的ミッドフィルダーまでは選択肢に入るだろうし、上もそう見ているはずだ」
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