116 / 314
第116話 評価
しおりを挟む
「ステラスターFCU18所属、住吉愛翔です」
「はい、住吉愛翔さん。お部屋は3階の0324になります。カギはこのカードキー……」
カードキーを受け取った愛翔はエレベーターで3階に上がり部屋に向かった。
「0324。ここか」
愛翔がドアチャイムを鳴らすと、少しおいてわずかにドアが開いた。
「ふぁい。どなた?」
スポーツマンとしてはやや長めの髪をぼさぼさにした長身の男がドアの隙間から眠たそうな顔を出した。
「同室の住吉です」
「あ、ああ。そっか同室の人がいるって言ってたな。わかった入って」
男はチェーンロックを外し愛翔を招き入れた。
「改めて、ステラスターFCU18所属の住吉愛翔16歳、普段のポジションはライトウィングです。よろしく」
愛翔が自己紹介をすると
「ああ、堅苦しいのは無しにしようぜ。俺は高城一典(たかしろかずのり)。グリーンウィンドFCU18所属18歳だ。チームではレフトサイドハーフに入っている。住吉とはポジションを争う事は無さそうだな」
ニヤリと笑いながら自己紹介を返し
「しかし、噂の住吉と同室になるとはな」
高城の一言に愛翔は首を傾げ
「噂って、俺は日本でそんなにサッカー歴長くないというか、ぶっちゃけ短いんだけど、何が噂になってるんですか?」
その言葉に高城は、呆れたような答えを返した。
「まったく自覚が無いのか。それほど上位ではないプロリーグMLSとは言え、U18昇格直後の15歳の日本人がスポット参戦して存在感を示した。それが日本に帰国してステラスターFCU18に所属。しかも派手に記者会見までやったんだろう。一般人ならともかく俺たちサッカー選手が知らないわけがないだろうが」
「じゃぁ、この合宿で俺は自己紹介を……」
「するまでも無いな。それと同時にフォワード陣のターゲットだ。俺たちフォワード以外のメンバーからすれば強力なフォワードは心強いが、ポジションを争うフォワード陣にとってはどうかな」
「とは言っても俺の基本ポジションはライトウィングで……」
「ふん、それは普段のポジションでしかないだろう。ゲームでの住吉を録画で見たことがあるが、別にライトウィングに特化している訳じゃないだろう。例えばセンターフォワードやれと言われれば、住吉は苦も無くできるだろう」
「そりゃ出来ない事は無いけど……」
「視野の広さ、個人技、スピード、相手の動きを読む洞察力。年齢的に身体が出来上がっていないからフィジカル面での弱さを抱えているだけにディフェンスには向かないだろうが、フォワード全般から攻撃的ミッドフィルダーまでは選択肢に入るだろうし、上もそう見ているはずだ」
「はい、住吉愛翔さん。お部屋は3階の0324になります。カギはこのカードキー……」
カードキーを受け取った愛翔はエレベーターで3階に上がり部屋に向かった。
「0324。ここか」
愛翔がドアチャイムを鳴らすと、少しおいてわずかにドアが開いた。
「ふぁい。どなた?」
スポーツマンとしてはやや長めの髪をぼさぼさにした長身の男がドアの隙間から眠たそうな顔を出した。
「同室の住吉です」
「あ、ああ。そっか同室の人がいるって言ってたな。わかった入って」
男はチェーンロックを外し愛翔を招き入れた。
「改めて、ステラスターFCU18所属の住吉愛翔16歳、普段のポジションはライトウィングです。よろしく」
愛翔が自己紹介をすると
「ああ、堅苦しいのは無しにしようぜ。俺は高城一典(たかしろかずのり)。グリーンウィンドFCU18所属18歳だ。チームではレフトサイドハーフに入っている。住吉とはポジションを争う事は無さそうだな」
ニヤリと笑いながら自己紹介を返し
「しかし、噂の住吉と同室になるとはな」
高城の一言に愛翔は首を傾げ
「噂って、俺は日本でそんなにサッカー歴長くないというか、ぶっちゃけ短いんだけど、何が噂になってるんですか?」
その言葉に高城は、呆れたような答えを返した。
「まったく自覚が無いのか。それほど上位ではないプロリーグMLSとは言え、U18昇格直後の15歳の日本人がスポット参戦して存在感を示した。それが日本に帰国してステラスターFCU18に所属。しかも派手に記者会見までやったんだろう。一般人ならともかく俺たちサッカー選手が知らないわけがないだろうが」
「じゃぁ、この合宿で俺は自己紹介を……」
「するまでも無いな。それと同時にフォワード陣のターゲットだ。俺たちフォワード以外のメンバーからすれば強力なフォワードは心強いが、ポジションを争うフォワード陣にとってはどうかな」
「とは言っても俺の基本ポジションはライトウィングで……」
「ふん、それは普段のポジションでしかないだろう。ゲームでの住吉を録画で見たことがあるが、別にライトウィングに特化している訳じゃないだろう。例えばセンターフォワードやれと言われれば、住吉は苦も無くできるだろう」
「そりゃ出来ない事は無いけど……」
「視野の広さ、個人技、スピード、相手の動きを読む洞察力。年齢的に身体が出来上がっていないからフィジカル面での弱さを抱えているだけにディフェンスには向かないだろうが、フォワード全般から攻撃的ミッドフィルダーまでは選択肢に入るだろうし、上もそう見ているはずだ」
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
泉南佳那
恋愛
植田奈月27歳 総務部のマドンナ
×
島内亮介28歳 営業部のエース
******************
繊維メーカーに勤める奈月は、7年間付き合った彼氏に振られたばかり。
亮介は元プロサッカー選手で会社でNo.1のイケメン。
会社の帰り道、自転車にぶつかりそうになり転んでしまった奈月を助けたのは亮介。
彼女を食事に誘い、東京タワーの目の前のラグジュアリーホテルのラウンジへ向かう。
ずっと眠れないと打ち明けた奈月に
「なあ、俺を睡眠薬代わりにしないか?」と誘いかける亮介。
「ぐっすり寝かせてあけるよ、俺が。つらいことなんかなかったと思えるぐらい、頭が真っ白になるまで甘やかして」
そうして、一夜の過ちを犯したふたりは、その後……
******************
クールな遊び人と思いきや、実は超熱血でとっても一途な亮介と、失恋拗らせ女子奈月のじれじれハッピーエンド・ラブストーリー(^▽^)
他サイトで、中短編1位、トレンド1位を獲得した作品です❣️
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
呪われ侯爵のお嫁様★嫁いだら溺愛が始まるなんて聞いてない★
cyaru
恋愛
呪われ侯爵として有名なブレッドマン侯爵家のジンジャーの元に嫁ぐ事になったパプンキン子爵家のホリー。
ホリーの父親が賭け事をするのに借りた金が原因でホリーが嫁ぐ事になってしまった。
「すまない!」詫びる父にホリーは「謝ったところで父さんの涙と謝罪に銅貨1枚だって払ってくれる人はいないわ」と腹を括る。
このブレッドマン侯爵は王家も必要最低限しか王城に呼ばない悪魔に呪われた侯爵として有名で、公の場に出る時は仮面をつけている。素顔を見ると呪われると忌避されているのだが…。
生活の内情を知ってびっくり。ジンジャーの使ったものは全て廃棄していると言う。
ホリーの貧乏魂が叫ぶ。「捨てるなら、くれ!」
なのにジンジャーは「夫の使ったものを欲しがるとは」…「違ぁう!!」
ホリーは経費削減大作戦を展開しつつ、ジンジャーを見ても触れても呪いなんかないと皆に知ってもらうべく奮闘するのだが――
そして突然始まるスピンオフはジンジャー&ホリー夫婦が全力サポートする恋物語!!
(こちらのヒロインはケイトリン)
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★タグの①は本編、②はスピンオフ
★10月11日投稿開始、完結は10月14日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
転生嫌われ令嬢の幸せカロリー飯
赤羽夕夜
恋愛
15の時に生前OLだった記憶がよみがえった嫌われ令嬢ミリアーナは、OLだったときの食生活、趣味嗜好が影響され、日々の人間関係のストレスを食や趣味で発散するようになる。
濃い味付けやこってりとしたものが好きなミリアーナは、令嬢にあるまじきこと、いけないことだと認識しながらも、人が寝静まる深夜に人目を盗むようになにかと夜食を作り始める。
そんななかミリアーナの父ヴェスター、父の専属執事であり幼い頃自分の世話役だったジョンに夜食を作っているところを見られてしまうことが始まりで、ミリアーナの変わった趣味、食生活が世間に露見して――?
※恋愛要素は中盤以降になります。
傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。
実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。
それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。
ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。
目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。
すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。
抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……?
傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに
たっぷり愛され甘やかされるお話。
このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。
修正をしながら順次更新していきます。
また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。
もし御覧頂けた際にはご注意ください。
※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。
俺の婚約者は侯爵令嬢であって悪役令嬢じゃない!~お前等いい加減にしろよ!
ユウ
恋愛
伯爵家の長男エリオルは幼い頃から不遇な扱いを受けて来た。
政略結婚で結ばれた両親の間に愛はなく、愛人が正妻の扱いを受け歯がゆい思いをしながらも母の為に耐え忍んでいた。
卒業したら伯爵家を出て母と二人きりで生きて行こうと思っていたのだが…
「君を我が侯爵家の養子に迎えたい」
ある日突然、侯爵家に婿養子として入って欲しいと言われるのだった。
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のローズ・ブライトはレイ・ブラウン王子と婚約していた。
婚約していた当初は仲が良かった。
しかし年月を重ねるに連れ、会う時間が少なくなり、パーティー会場でしか顔を合わさないようになった。
そして学園に上がると、レイはとある男爵令嬢に恋心を抱くようになった。
これまでレイのために厳しい王妃教育に耐えていたのに裏切られたローズはレイへの恋心も冷めた。
そして留学を決意する。
しかし帰ってきた瞬間、レイはローズに婚約破棄を叩きつけた。
「ローズ・ブライト! ナタリーを虐めた罪でお前との婚約を破棄する!」
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
美醜逆転異世界で、非モテなのに前向きな騎士様が素敵です
花野はる
恋愛
先祖返りで醜い容貌に生まれてしまったセドリック・ローランド、18歳は非モテの騎士副団長。
けれども曽祖父が同じ醜さでありながら、愛する人と幸せな一生を送ったと祖父から聞いて育ったセドリックは、顔を隠すことなく前向きに希望を持って生きている。けれどやはりこの世界の女性からは忌み嫌われ、中身を見ようとしてくれる人はいない。
そんな中、セドリックの元に異世界の稀人がやって来た!外見はこんなでも、中身で勝負し、専属護衛になりたいと頑張るセドリックだが……。
醜いイケメン騎士とぽっちゃり喪女のラブストーリーです。
多分短い話になると思われます。
サクサク読めるように、一話ずつを短めにしてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる