105 / 314
第105話 財布とお弁当
しおりを挟む
「それで愛翔の今日の予定は?」
愛翔と一緒に食後の片付けをしながら桜が聞いた。
「ステラスポーツセンターに行って基礎練とジムワークをしようと思ってる。そのあとセンター内にプールがあるらしいからそこで少し水中トレーニングして仕上げかな」
愛翔の答えに桜は頬に手を当て少し考えると
「お昼ご飯はどうするの?」
「ん~、プール前にセンター内のレストランで食べるか、近くの店に行くかだけど、まだ決めてないよ」
桜は少し目をつぶって何かを考えていたと思うと
「あたしがお弁当作って持って行ってあげる。一緒に食べよ。それにあたしもプールで身体動かしたい。あ、会員制だったりするの?」
桜の提案は愛翔にとっても助かる。なにより桜と一緒にプールというのも中学以来で嬉しい気持ちになった。
「弁当は助かるよ。それとプールは会員制だけど確か俺のカードで3人までビジター入場出来るから大丈夫」
桜は愛翔の返事に瞳を輝かせ
「じゃぁお弁当作って水着とか準備していくから。本当は一緒に行きたいけど、そうすると遅くなるし愛翔は先に行ってトレーニング始めててね。着いたらスマホにメッセ入れるから」
「じゃぁお言葉に甘えさせてもらうよ。あ、弁当の材料買うよな。荷物持ちで行くよ」
愛翔が立ち上がる。
「もう、この時間じゃスーパーまだ開いてないわよ。お買い物もあたしがしていくからお弁当のお買い物くらい大して重くないし気にしなくていいわよ。一応これでもバスケットの全国経験者なんだからね」
「わかったじゃぁ、そこは桜に甘えるよ。ありがとう。でも俺の弁当の買い物だから」
そう言って愛翔は桜に小さな財布を渡す。
「え、良いのに。それにあたしが財布持ってたら愛翔困るでしょ」
頬を桜色に染めながらそういう桜に愛翔はもう一つ財布を見せる。
「そっちのは小分け用の財布だから気にしなくていいよ。それに弁当作ってもらうのに材料費まで負担してもらうのはさすがにね」
「うぅー」
愛翔の言葉に目を瞑り桜が唸る。しばらく目を瞑って深呼吸をし平静を取り戻した桜。
「わかった、一度家に戻ってお弁当作っていくね」
桜はニッコリ笑って一度帰っていった。
「せっかく桜が俺のトレーニング時間を調整しやすくするために弁当まで作ってくれるっていうんだから張り切らないとな」
愛翔は部屋着から街着に着替え、バッグに着替え等の準備をし出かけて行った。
「んんー、お弁当メニューどうしようかしら。野菜もお肉もバランスよく、愛翔たくさん食べるから量も……」
愛翔のためと楽しく弁当メニューを考え買い物をする桜。そして愛翔から預かった財布をちらりと見ては頬を緩める。
「えへへ。お財布預かっちゃった。そのうち鍵を渡されたりして」
「どうしたの桜。締まりのないかおしちゃって」
不思議そうな顔で声を掛けてきたのは楓。どうやら楓も食事の買い物に来たようで各種野菜や肉などが積まれた買い物カートを押している。とたんに顔を真っ赤に火照らせ言い訳を口にしようとする桜。
「え、えと、なんでもないわ。ちょっと昔の事を思い出してただけよ」
桜のごまかしに楓は目を細めながら、ふと桜の手もとに目をやりニヤっと笑う。
「桜、お財布変えたの?」
とたんに挙動不審になる桜。
「え、う、うん。ちょっと気分で」
そこに楓が
「愛翔……」
丁度手にしていたニンジンの束を取り落とす桜。
「な、なに、愛翔がどうかしたの?」
「その財布愛翔とお揃いね。愛翔はアメリカのマイナーブランド品だって言っていたけど」
桜は指をもじもじと絡め上目使いで楓を恨めしそうに睨む。
「もう、分かってるんでしょ。そうよ、愛翔の財布を預かったの」
「最初から素直に言えばいいのに。で、どうして愛翔の財布を預かることになったのかしら?」
もはやこれまでと桜は愛翔に弁当を作って届けること、その後一緒にプールでトレーニングをすることを楓に話した。話を最後まで聞いた楓は少し考えるそぶりの後
「そっか、お弁当、私も一緒に作る。そして私も一緒にプール行く」
愛翔と一緒に食後の片付けをしながら桜が聞いた。
「ステラスポーツセンターに行って基礎練とジムワークをしようと思ってる。そのあとセンター内にプールがあるらしいからそこで少し水中トレーニングして仕上げかな」
愛翔の答えに桜は頬に手を当て少し考えると
「お昼ご飯はどうするの?」
「ん~、プール前にセンター内のレストランで食べるか、近くの店に行くかだけど、まだ決めてないよ」
桜は少し目をつぶって何かを考えていたと思うと
「あたしがお弁当作って持って行ってあげる。一緒に食べよ。それにあたしもプールで身体動かしたい。あ、会員制だったりするの?」
桜の提案は愛翔にとっても助かる。なにより桜と一緒にプールというのも中学以来で嬉しい気持ちになった。
「弁当は助かるよ。それとプールは会員制だけど確か俺のカードで3人までビジター入場出来るから大丈夫」
桜は愛翔の返事に瞳を輝かせ
「じゃぁお弁当作って水着とか準備していくから。本当は一緒に行きたいけど、そうすると遅くなるし愛翔は先に行ってトレーニング始めててね。着いたらスマホにメッセ入れるから」
「じゃぁお言葉に甘えさせてもらうよ。あ、弁当の材料買うよな。荷物持ちで行くよ」
愛翔が立ち上がる。
「もう、この時間じゃスーパーまだ開いてないわよ。お買い物もあたしがしていくからお弁当のお買い物くらい大して重くないし気にしなくていいわよ。一応これでもバスケットの全国経験者なんだからね」
「わかったじゃぁ、そこは桜に甘えるよ。ありがとう。でも俺の弁当の買い物だから」
そう言って愛翔は桜に小さな財布を渡す。
「え、良いのに。それにあたしが財布持ってたら愛翔困るでしょ」
頬を桜色に染めながらそういう桜に愛翔はもう一つ財布を見せる。
「そっちのは小分け用の財布だから気にしなくていいよ。それに弁当作ってもらうのに材料費まで負担してもらうのはさすがにね」
「うぅー」
愛翔の言葉に目を瞑り桜が唸る。しばらく目を瞑って深呼吸をし平静を取り戻した桜。
「わかった、一度家に戻ってお弁当作っていくね」
桜はニッコリ笑って一度帰っていった。
「せっかく桜が俺のトレーニング時間を調整しやすくするために弁当まで作ってくれるっていうんだから張り切らないとな」
愛翔は部屋着から街着に着替え、バッグに着替え等の準備をし出かけて行った。
「んんー、お弁当メニューどうしようかしら。野菜もお肉もバランスよく、愛翔たくさん食べるから量も……」
愛翔のためと楽しく弁当メニューを考え買い物をする桜。そして愛翔から預かった財布をちらりと見ては頬を緩める。
「えへへ。お財布預かっちゃった。そのうち鍵を渡されたりして」
「どうしたの桜。締まりのないかおしちゃって」
不思議そうな顔で声を掛けてきたのは楓。どうやら楓も食事の買い物に来たようで各種野菜や肉などが積まれた買い物カートを押している。とたんに顔を真っ赤に火照らせ言い訳を口にしようとする桜。
「え、えと、なんでもないわ。ちょっと昔の事を思い出してただけよ」
桜のごまかしに楓は目を細めながら、ふと桜の手もとに目をやりニヤっと笑う。
「桜、お財布変えたの?」
とたんに挙動不審になる桜。
「え、う、うん。ちょっと気分で」
そこに楓が
「愛翔……」
丁度手にしていたニンジンの束を取り落とす桜。
「な、なに、愛翔がどうかしたの?」
「その財布愛翔とお揃いね。愛翔はアメリカのマイナーブランド品だって言っていたけど」
桜は指をもじもじと絡め上目使いで楓を恨めしそうに睨む。
「もう、分かってるんでしょ。そうよ、愛翔の財布を預かったの」
「最初から素直に言えばいいのに。で、どうして愛翔の財布を預かることになったのかしら?」
もはやこれまでと桜は愛翔に弁当を作って届けること、その後一緒にプールでトレーニングをすることを楓に話した。話を最後まで聞いた楓は少し考えるそぶりの後
「そっか、お弁当、私も一緒に作る。そして私も一緒にプール行く」
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる