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109話
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教会で参列者の中で最前列に並び僕とミーアは新郎新婦の入場を待っている。子爵家とはいえ勇者様の結婚の儀ということで参列者は皇帝の名代としてアーマデューク・エアリー・クレスト公爵を始め中々のものだ。教会の作りも聖都の大聖堂ほどではないけれど子爵領領都の教会は中々に厳かな中にも煌びやかさのある作り。そこにパイプオルガンの厳かな曲が流れ出す。参列者が立ち上がる。後方の大扉が開き盛装した勇者様とウェディングドレスに身を包んだアーセルの姿がそこにあった。真剣な顔の勇者様と緊張でガチガチになっているアーセルに微笑ましい物を感じ、それと同時に何かがやっと区切りがついた気がした。ふと僕の隣を見ればミーアがそっと微笑んでいて、僕はそっとその手を握る。ちょっと驚いた顔で僕の顔を覗き込むミーアに微笑みかけると、少し強めに握り返してくれた。
「アーセル綺麗ね」
「そうだね」
「あら、それだけ。昔の恋人のウェディングドレス姿に何かないの」
「不思議に何もないなあ。幼馴染が幸せになってくれるといいなってだけだね」
実際アーセルのウェディングドレス姿を見たら、もう少し何か感じると思ったのだけれど、あまり大きなものは無く、古い恋は既に思い出に過ぎなくなっていた。今は懐かしい幼馴染の幸せを純粋に祝福できている。これも隣にいてくれるミーアのおかげだと改めて感謝と愛情を感じながら祭壇の前に立つ2人を見ていた。司祭様の穏やかな通る声が聞こえる。
「汝ギーゼルヘーア・フォン・ヘンゲンは、アーセルを妻とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「汝、アーセルはギーゼルヘーア・フォン・ヘンゲンを夫とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「指輪の交換を」
可愛らしい衣装をまとった幼子が清楚でそれでいて華やかな小箱を捧げ持ち2人の横に付き従う。小箱からシルバーに煌めく指輪を手に取りお互いの左手の薬指にはめる。
「では、誓いの口づけを」
2人が向き合い勇者様の腕がアーセルを引き寄せる。優しい口づけを交わしそっとはなれる2人。
「神の名のもとに2人が夫婦となったことを宣言します。神が結び付けたものを人が引き離してはいけない」
そして司祭様の宣言をうけて参列者の拍手が響く。僕も穏やかな気持ちで拍手をした。隣を見れば愛しい妻が優しい笑顔で拍手をしている。参列者の拍手の中、勇者様とアーセルが腕を組んで退場していく。それを見送った僕たちはどちらからともなく身体を寄せ合い口づけを交わした。
結婚式が終われば、結婚祝賀パーティーが催される。
席次は爵位と家格によって行われる。つまり僕たちが侯爵に叙せられたことでひとつ下のテーブルに回された人物もいる。そういった中の1人がどうも機嫌がよろしくないようだ。こんなところで騒ぎを起こさなければいいのだけれど。
僕とミーアはヘンゲン子爵家の配慮もあったのだろうグラハム伯と同じテーブルについている。
「今日は大丈夫そうだな」
どうやら先回の僕とミーアの様子を思い出して気にしてくれていたようだ。
「ええ、もうあそこまで酷い事にはならずに済むと思います」
「あたしも、ラーハルトの事は胸に沈めてなんとかやっていけると思います」
僕たち2人の言葉にグラハム伯は安心したように穏やかな微笑みを向けてくれた。そんな雑談をして時間をすごしているところに
「では新郎新婦の入場です。祝福の拍手にてお迎えをお願いいたします」
ホールを照らしていた魔法の明かりが光を絞り大扉に明かりが集められる。楽隊が明るく軽やかな音を奏で扉が開く。深紅の騎士服に身を包んだ勇者様、横にはピンクのカラードレスに聖女のシンボルを胸にかけたアーセルが満開の華のような笑顔で並んでいた。お互いに携えたその手には大きなキャンドルをもちゆっくりと各テーブルを回っている。笑顔で受け答えをする2人、何やら揶揄われたのか照れて真っ赤になるアーセルと、それをそれとなくフォローする勇者様。誰がどう見てもお似合いの夫婦だろう。ゆっくりとそれぞれのテーブルをまわり僕たちのテーブルに来た2人。
「おめでとうアーセル。勇者様も約束を守ってくれているようで嬉しく思います」
「おめでとうアーセル。とてもきれいよ」
「おめでとう。良い式だったな」
僕たちに続いてグラハム伯も祝いの言葉を口にした。
「ありがとうございます。特にグリフィン侯爵には過去のいきさつがありながら……」
「祝いの席でそういうのはやめよう。なにより僕たちの幼馴染を幸せにしてやってくれればそれでいい」
半公式的な場のため侯爵としての言葉遣いで接する。違和感が酷い。
「フェイ、後で時間とれないかしら」
アーセルが何か言いたげに言葉を紡ぐ。ここでは話しにくいことがあるのか。こういった場でフェイ呼びは誤解を招きかねないのだけれど
「どのみち今日は泊っていくつもりだからかまわない。あと、こういった場でフェイ呼びは誤解を招く。まだ貴族としての立ち回りを学んでいないだろうけど気を付けた方が良い。余計な敵をつくるよ」
後半は他人に聞こえないように小声でつぶやく。
その後はしばらくアーセルが数回のお色直しをし、その姿に感嘆を受け和やかな宴の席となっていた。そろそろ宴も終わりに近づいた頃、好きな人間にはほどほどに酒が回ってきた頃合いにやや酔いの過ぎた感の男が1人僕たちのそばにやってきた。
「アーセル綺麗ね」
「そうだね」
「あら、それだけ。昔の恋人のウェディングドレス姿に何かないの」
「不思議に何もないなあ。幼馴染が幸せになってくれるといいなってだけだね」
実際アーセルのウェディングドレス姿を見たら、もう少し何か感じると思ったのだけれど、あまり大きなものは無く、古い恋は既に思い出に過ぎなくなっていた。今は懐かしい幼馴染の幸せを純粋に祝福できている。これも隣にいてくれるミーアのおかげだと改めて感謝と愛情を感じながら祭壇の前に立つ2人を見ていた。司祭様の穏やかな通る声が聞こえる。
「汝ギーゼルヘーア・フォン・ヘンゲンは、アーセルを妻とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「汝、アーセルはギーゼルヘーア・フォン・ヘンゲンを夫とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「指輪の交換を」
可愛らしい衣装をまとった幼子が清楚でそれでいて華やかな小箱を捧げ持ち2人の横に付き従う。小箱からシルバーに煌めく指輪を手に取りお互いの左手の薬指にはめる。
「では、誓いの口づけを」
2人が向き合い勇者様の腕がアーセルを引き寄せる。優しい口づけを交わしそっとはなれる2人。
「神の名のもとに2人が夫婦となったことを宣言します。神が結び付けたものを人が引き離してはいけない」
そして司祭様の宣言をうけて参列者の拍手が響く。僕も穏やかな気持ちで拍手をした。隣を見れば愛しい妻が優しい笑顔で拍手をしている。参列者の拍手の中、勇者様とアーセルが腕を組んで退場していく。それを見送った僕たちはどちらからともなく身体を寄せ合い口づけを交わした。
結婚式が終われば、結婚祝賀パーティーが催される。
席次は爵位と家格によって行われる。つまり僕たちが侯爵に叙せられたことでひとつ下のテーブルに回された人物もいる。そういった中の1人がどうも機嫌がよろしくないようだ。こんなところで騒ぎを起こさなければいいのだけれど。
僕とミーアはヘンゲン子爵家の配慮もあったのだろうグラハム伯と同じテーブルについている。
「今日は大丈夫そうだな」
どうやら先回の僕とミーアの様子を思い出して気にしてくれていたようだ。
「ええ、もうあそこまで酷い事にはならずに済むと思います」
「あたしも、ラーハルトの事は胸に沈めてなんとかやっていけると思います」
僕たち2人の言葉にグラハム伯は安心したように穏やかな微笑みを向けてくれた。そんな雑談をして時間をすごしているところに
「では新郎新婦の入場です。祝福の拍手にてお迎えをお願いいたします」
ホールを照らしていた魔法の明かりが光を絞り大扉に明かりが集められる。楽隊が明るく軽やかな音を奏で扉が開く。深紅の騎士服に身を包んだ勇者様、横にはピンクのカラードレスに聖女のシンボルを胸にかけたアーセルが満開の華のような笑顔で並んでいた。お互いに携えたその手には大きなキャンドルをもちゆっくりと各テーブルを回っている。笑顔で受け答えをする2人、何やら揶揄われたのか照れて真っ赤になるアーセルと、それをそれとなくフォローする勇者様。誰がどう見てもお似合いの夫婦だろう。ゆっくりとそれぞれのテーブルをまわり僕たちのテーブルに来た2人。
「おめでとうアーセル。勇者様も約束を守ってくれているようで嬉しく思います」
「おめでとうアーセル。とてもきれいよ」
「おめでとう。良い式だったな」
僕たちに続いてグラハム伯も祝いの言葉を口にした。
「ありがとうございます。特にグリフィン侯爵には過去のいきさつがありながら……」
「祝いの席でそういうのはやめよう。なにより僕たちの幼馴染を幸せにしてやってくれればそれでいい」
半公式的な場のため侯爵としての言葉遣いで接する。違和感が酷い。
「フェイ、後で時間とれないかしら」
アーセルが何か言いたげに言葉を紡ぐ。ここでは話しにくいことがあるのか。こういった場でフェイ呼びは誤解を招きかねないのだけれど
「どのみち今日は泊っていくつもりだからかまわない。あと、こういった場でフェイ呼びは誤解を招く。まだ貴族としての立ち回りを学んでいないだろうけど気を付けた方が良い。余計な敵をつくるよ」
後半は他人に聞こえないように小声でつぶやく。
その後はしばらくアーセルが数回のお色直しをし、その姿に感嘆を受け和やかな宴の席となっていた。そろそろ宴も終わりに近づいた頃、好きな人間にはほどほどに酒が回ってきた頃合いにやや酔いの過ぎた感の男が1人僕たちのそばにやってきた。
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