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8話
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部屋に案内されたあと少しして夕食ができたとの声が掛けられ、1階の酒場、いやあれはもうレストランかな、で夕食をいただいた。”夜の羊亭”の料理は驚くほど美味しかった。おそらく食材自体は僕たちが村で食べていたものとあまり変わらない。でも料理にかけている手間がまるで違うのだろう。レッドベアの肉があんなに柔らかくジューシーだとは思わなかった。サラダもあんなに繊細な味付けになるなんて信じられなかった。サル芋のスープもあんなに滑らかになるなんて。
そしてお風呂。初めて体験したお風呂は、あんなに気持ちいいとは……。手足を伸ばして温かいお湯につかっていると固まっていた身体がゆっくりと溶け出していくような感じで僕もミーアも長湯をしてしまった。村に帰ったら自宅用になんとか作れないかな。
ベッドも信じられないほど柔らかで空を飛んでいるような心地よさで朝までぐっすりと寝てしまった。
翌朝、村からの徒歩での移動にフォレストファングやシルバーファングとの遭遇、フォレストファングの亡骸の処置等で疲れていたはずの身体が素晴らしいお風呂やベッドのおかげかすっきりと疲れが抜けて普段になく気持ちよく起きた。隣ではミーアもゆっくりと身体を起こしていた。
「ミーア、おはよう」
「おはよう、フェイ」
朝の挨拶と一緒にキスを交わす。
まだ朝も明けておらず、空が少し白み始めた程度の時間。でも僕たちは昨日レーアさんに言われたように、早い時間に教会に行くので外出準備をした。そして出かけようと階下に降り受付カウンターに寄るとラルクさんがいた。
「フェイウェル様、ミーア様、おはようございます。教会に行かれるのですね」
声を掛けられたので僕が応える。
「ラルクさん、おはようございます。ええ、昨日レーアさんに勧められたので行ってきます」
そう言うと、ラルクさんは、カウンターの中から包みを出してきた。
「これをお持ちください。何も食べないで動かれるのはつらいでしょう。軽いものを包んであります。あ、もちろんお帰りになったら朝食もお楽しみいただけますので、お気軽にお持ちください」
「ありがとうございます。では遠慮なくいただきますね」
僕たちは二人分の軽食を受け取って早朝の聖都を教会に向かう。まだ暗い時間というのにさすが聖都というべきか、あちこちで人が動き始めている。宿の朝食の準備をする匂い、夜のかたずけをする酒場、少しでも割の良い依頼を受けるためだろうギルドへ急ぐ冒険者。村の朝とは違った喧騒が都会なんだなと改めて意識させる。
教会は聖都の中心で周りより一段高い丘の上にあった。そのため教会前の広場からは聖都が一望できる。その広場で僕たちは腰を下ろして宿でもらったサンドイッチをつまみながら空が明るくなってくるのを眺めていた。そして太陽が地平線から顔を出した瞬間、聖都全体がまるで光に覆われたかのように光り輝いた。僕もミーアも言葉を失いただただ見とれていた。
しばらく呆けたようにただ見とれていた僕たちの周りに朝の喧騒が戻ってくる。どうやらあの景色はここにいる皆の意識を持って行ってしまっていたようだ。
「すばらしい、景色だったね」
僕はつぶやいた。
「うん、フェイと一緒にこんな素敵なものを見られて幸せ」
ミーアを抱き寄せ優しく口づける。ミーアの言う通りこんな穏やかで素敵な朝を迎えられるなんてなんて幸せなことなんだろう。
そのあと落ち着いた僕とミーアは一度”夜の羊亭”に戻り朝食をいただいた。フワフワのパンに温かく滑らかで濃厚なスープ、カリカリに焼き上げたベーコンと一緒にお皿に盛りつけられた目玉焼きや茹で野菜。どれもが素材のおいしさを生かしながら丁寧に手間をかけて1段も2段もおいしくなっている。お皿も一般の木皿なんかひとつもない、料理の見た目も全部素敵な絵柄が描かれており見事な盛り付けでまるで芸術品のようだ。
朝食を終え席を立つと僕たちは部屋に戻り、教会に行く準備をする。準備といっても大したことはなく、ちょっとよそ行きの綺麗な服を着て儀礼用の弓を持っていくだけだ。儀礼用の弓には弦がなく弓としては形だけのものに少し装飾が施されている。教会で祝福を受けるときにはそれぞれの職のシンボル的なものを持っていく。僕とミーアは二人とも狩人なので弓だ。
「ミーア、行こうか」
「うん」
教会に行き、わずかばかりの寄進をして祝福の儀式をお願いする。祝福を望む人は多く順番待ちの列の最後尾に並んだ。僕たちと同じように結婚の祝福を望む人、あの人は赤ちゃんを抱いているから子供の健康の祝福を頼むのかな。他にも新しい仕事を始めるときなどには祝福を受けに来る人も多いと聞く。厳かな雰囲気のため、おしゃべりをする気にならず僕とミーアは黙って手をつないで祝福の儀式を眺めながら順番を待っていた。
しばらくして僕たちの順番が来た。聖なるシンボルを持った司教様が僕たちの前に立ち声を掛けてくださる。
「本日は婚姻の祝福をご希望でしたね」
「はい、お願いします」
「お二人の名前を宣誓してください」
「僕はフェイウェルといいます」
「あたしはミーアです」
「ではお二人のシンボルをこちらに重ねてください」
小さな台のを示され僕たちはそこにお互いの弓を重ねる。手を放すことなく支えていると、そこに司教様が聖なるシンボルを掲げお祈りをしてくださる。
「汝、フェイウェルはミーアを妻とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「汝、ミーアはフェイウェルを夫とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「神の御前で誓いし二人に祝福を」
司教様のその言葉と共に身体の中に不思議な暖かさのようなものが現れた。最初お腹のあたりに現れたその暖かさは次第に全身に広がり僕と一体化するようにおさまっていった。ミーアを見ると何かキラキラとした光が全身を包んでいてスゥっとミーアにしみこむようにおさまった。
僕たちの様子を見ていた司教様が驚いたように
「これは、神が最上の祝福をお二人にくださりました。お二人がともにある限り神もともにあられるでしょう」
僕たちは緩む頬を抑えられず教会の外に向かったのだけれど、教会前の広場にでたところで声を掛けられた。
「あれ、フェイ。フェイでしょ。どうしたのこんなところで」
目を向ければ、そこには数か月前に別れた幼馴染、アーセルの姿があった。
「アーセル。久しぶりだね。今日は教会で祝福を頂きにきたんだよ。それにしてもアーセルこそこんなところで一人で何をして……」
「祝福。フェイは狩りには十分な実力あるし。あ、それよりもさ、もう一度考えてくれないかな」
「考えるって」
「そ、そのギーゼのパーティーに加わって欲しい」
「ギーゼ?」
「あ、ゆ勇者様の……」
そこまで話したところでミーアが割り込んできた
「アーセル何を言っているの。自分からフェイを振っておきながら」
そこでミーアがいることに初めて気づいたアーセルは
「え、ミーアがなんでフェイと一緒に……」
そこまで言ってアーセルも僕たち二人が一緒に聖都の教会で祝福を受けて出てきた意味に気づいたのだろう。言葉を失い俯いてしまった。別れたとはいえアーセルも幼馴染だから、あまり険悪にはなりたくない。そこで僕は話題を変えてみる。
「それにしてもアーセルはなんでここにいるの。勇者様と一緒に冒険に出てるものだと思ってたよ」
「そ、その実は森の中層を探索していた時にギーゼが怪我をして今治療中なの」
「は、勇者シリーズでフル装備してたら中層の魔獣程度で怪我なんて」
渋い顔をしてアーセルが話してくれたのは、近くの森を探索し最初こそ順調だったものの勇者様は中々実力が伸びなくなり、周囲から強さは装備のおかげだとか陰口をたたかれることもあり、愚痴を言う日々。時にパーティーメンバーに当たることさえあったそうだ。そうこうしているうちに中傷に傷つき装備を外したまま森に入り、あせりから森の奥に入りすぎてということらしい。以前村であった時には我は強いものの理想を持ちそれに向かって頑張れる人に見えたのだけれど。勇者様の祝福は最初から強いけれどより強くなるために多くの試練が必要というから、そのせいだろうか。
「でも、アーセル。アーセルの聖女の祝福ならかなりの怪我でも……」
そこまで言って僕は気づいた、アーセルの聖女の祝福による癒しは体の傷は癒すけれど心の傷は自らの力で立ち上がらない限り……
「勇者様は今どこに」
僕は、僕らしくないことを少しだけすることにした。
そしてお風呂。初めて体験したお風呂は、あんなに気持ちいいとは……。手足を伸ばして温かいお湯につかっていると固まっていた身体がゆっくりと溶け出していくような感じで僕もミーアも長湯をしてしまった。村に帰ったら自宅用になんとか作れないかな。
ベッドも信じられないほど柔らかで空を飛んでいるような心地よさで朝までぐっすりと寝てしまった。
翌朝、村からの徒歩での移動にフォレストファングやシルバーファングとの遭遇、フォレストファングの亡骸の処置等で疲れていたはずの身体が素晴らしいお風呂やベッドのおかげかすっきりと疲れが抜けて普段になく気持ちよく起きた。隣ではミーアもゆっくりと身体を起こしていた。
「ミーア、おはよう」
「おはよう、フェイ」
朝の挨拶と一緒にキスを交わす。
まだ朝も明けておらず、空が少し白み始めた程度の時間。でも僕たちは昨日レーアさんに言われたように、早い時間に教会に行くので外出準備をした。そして出かけようと階下に降り受付カウンターに寄るとラルクさんがいた。
「フェイウェル様、ミーア様、おはようございます。教会に行かれるのですね」
声を掛けられたので僕が応える。
「ラルクさん、おはようございます。ええ、昨日レーアさんに勧められたので行ってきます」
そう言うと、ラルクさんは、カウンターの中から包みを出してきた。
「これをお持ちください。何も食べないで動かれるのはつらいでしょう。軽いものを包んであります。あ、もちろんお帰りになったら朝食もお楽しみいただけますので、お気軽にお持ちください」
「ありがとうございます。では遠慮なくいただきますね」
僕たちは二人分の軽食を受け取って早朝の聖都を教会に向かう。まだ暗い時間というのにさすが聖都というべきか、あちこちで人が動き始めている。宿の朝食の準備をする匂い、夜のかたずけをする酒場、少しでも割の良い依頼を受けるためだろうギルドへ急ぐ冒険者。村の朝とは違った喧騒が都会なんだなと改めて意識させる。
教会は聖都の中心で周りより一段高い丘の上にあった。そのため教会前の広場からは聖都が一望できる。その広場で僕たちは腰を下ろして宿でもらったサンドイッチをつまみながら空が明るくなってくるのを眺めていた。そして太陽が地平線から顔を出した瞬間、聖都全体がまるで光に覆われたかのように光り輝いた。僕もミーアも言葉を失いただただ見とれていた。
しばらく呆けたようにただ見とれていた僕たちの周りに朝の喧騒が戻ってくる。どうやらあの景色はここにいる皆の意識を持って行ってしまっていたようだ。
「すばらしい、景色だったね」
僕はつぶやいた。
「うん、フェイと一緒にこんな素敵なものを見られて幸せ」
ミーアを抱き寄せ優しく口づける。ミーアの言う通りこんな穏やかで素敵な朝を迎えられるなんてなんて幸せなことなんだろう。
そのあと落ち着いた僕とミーアは一度”夜の羊亭”に戻り朝食をいただいた。フワフワのパンに温かく滑らかで濃厚なスープ、カリカリに焼き上げたベーコンと一緒にお皿に盛りつけられた目玉焼きや茹で野菜。どれもが素材のおいしさを生かしながら丁寧に手間をかけて1段も2段もおいしくなっている。お皿も一般の木皿なんかひとつもない、料理の見た目も全部素敵な絵柄が描かれており見事な盛り付けでまるで芸術品のようだ。
朝食を終え席を立つと僕たちは部屋に戻り、教会に行く準備をする。準備といっても大したことはなく、ちょっとよそ行きの綺麗な服を着て儀礼用の弓を持っていくだけだ。儀礼用の弓には弦がなく弓としては形だけのものに少し装飾が施されている。教会で祝福を受けるときにはそれぞれの職のシンボル的なものを持っていく。僕とミーアは二人とも狩人なので弓だ。
「ミーア、行こうか」
「うん」
教会に行き、わずかばかりの寄進をして祝福の儀式をお願いする。祝福を望む人は多く順番待ちの列の最後尾に並んだ。僕たちと同じように結婚の祝福を望む人、あの人は赤ちゃんを抱いているから子供の健康の祝福を頼むのかな。他にも新しい仕事を始めるときなどには祝福を受けに来る人も多いと聞く。厳かな雰囲気のため、おしゃべりをする気にならず僕とミーアは黙って手をつないで祝福の儀式を眺めながら順番を待っていた。
しばらくして僕たちの順番が来た。聖なるシンボルを持った司教様が僕たちの前に立ち声を掛けてくださる。
「本日は婚姻の祝福をご希望でしたね」
「はい、お願いします」
「お二人の名前を宣誓してください」
「僕はフェイウェルといいます」
「あたしはミーアです」
「ではお二人のシンボルをこちらに重ねてください」
小さな台のを示され僕たちはそこにお互いの弓を重ねる。手を放すことなく支えていると、そこに司教様が聖なるシンボルを掲げお祈りをしてくださる。
「汝、フェイウェルはミーアを妻とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「汝、ミーアはフェイウェルを夫とし愛し慈しみ死がふたりを分かつまで共に生きることを誓うか」
「はい、誓います」
「神の御前で誓いし二人に祝福を」
司教様のその言葉と共に身体の中に不思議な暖かさのようなものが現れた。最初お腹のあたりに現れたその暖かさは次第に全身に広がり僕と一体化するようにおさまっていった。ミーアを見ると何かキラキラとした光が全身を包んでいてスゥっとミーアにしみこむようにおさまった。
僕たちの様子を見ていた司教様が驚いたように
「これは、神が最上の祝福をお二人にくださりました。お二人がともにある限り神もともにあられるでしょう」
僕たちは緩む頬を抑えられず教会の外に向かったのだけれど、教会前の広場にでたところで声を掛けられた。
「あれ、フェイ。フェイでしょ。どうしたのこんなところで」
目を向ければ、そこには数か月前に別れた幼馴染、アーセルの姿があった。
「アーセル。久しぶりだね。今日は教会で祝福を頂きにきたんだよ。それにしてもアーセルこそこんなところで一人で何をして……」
「祝福。フェイは狩りには十分な実力あるし。あ、それよりもさ、もう一度考えてくれないかな」
「考えるって」
「そ、そのギーゼのパーティーに加わって欲しい」
「ギーゼ?」
「あ、ゆ勇者様の……」
そこまで話したところでミーアが割り込んできた
「アーセル何を言っているの。自分からフェイを振っておきながら」
そこでミーアがいることに初めて気づいたアーセルは
「え、ミーアがなんでフェイと一緒に……」
そこまで言ってアーセルも僕たち二人が一緒に聖都の教会で祝福を受けて出てきた意味に気づいたのだろう。言葉を失い俯いてしまった。別れたとはいえアーセルも幼馴染だから、あまり険悪にはなりたくない。そこで僕は話題を変えてみる。
「それにしてもアーセルはなんでここにいるの。勇者様と一緒に冒険に出てるものだと思ってたよ」
「そ、その実は森の中層を探索していた時にギーゼが怪我をして今治療中なの」
「は、勇者シリーズでフル装備してたら中層の魔獣程度で怪我なんて」
渋い顔をしてアーセルが話してくれたのは、近くの森を探索し最初こそ順調だったものの勇者様は中々実力が伸びなくなり、周囲から強さは装備のおかげだとか陰口をたたかれることもあり、愚痴を言う日々。時にパーティーメンバーに当たることさえあったそうだ。そうこうしているうちに中傷に傷つき装備を外したまま森に入り、あせりから森の奥に入りすぎてということらしい。以前村であった時には我は強いものの理想を持ちそれに向かって頑張れる人に見えたのだけれど。勇者様の祝福は最初から強いけれどより強くなるために多くの試練が必要というから、そのせいだろうか。
「でも、アーセル。アーセルの聖女の祝福ならかなりの怪我でも……」
そこまで言って僕は気づいた、アーセルの聖女の祝福による癒しは体の傷は癒すけれど心の傷は自らの力で立ち上がらない限り……
「勇者様は今どこに」
僕は、僕らしくないことを少しだけすることにした。
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