もし学園のアイドルが俺のメイドになったら

みずがめ

文字の大きさ
上 下
117 / 127
おまけ編

if もしマジカルチンポで女の子を魅了できるようになったら①

しおりを挟む
「マジカルチンポがあれば苦労はないよなぁ」

 最近読み始めたエロ漫画の感想である。

 どんな美女が相手でも、主人公のチンポで即オチ展開。逆に清々しくて、ある種の爽快感すら感じさせてくれる。
 相手が嫌がっていようが関係ない。主人公にゴミを見るような目を向けてくる悪役令嬢だろうが、高慢ちきな悪の女幹部だろうが、清廉潔白清純そのもののような存在である聖女様だろうが、主人公の一物の前では皆等しくメス顔をさらさずにはいられない。
 それこそが人類の男が望んでいる、マジカルチンポなのだ!

「あ~あ。実は俺、マジカルチンポ持ちでしたって展開にならねえかなぁ。ならないよなぁ……」

 どんな女でも即オチさせられるマジカルチンポさえあれば、片っ端から学園の美少女を犯しまくるってのにな。もちろん妄想だよ。んなフィクションでしか存在しない現象が起こるわけがないってわかっている。
 わかっていても、美少女に「あなたのオチンポ様に逆らえないのおおおおおぉぉぉぉぉぉーーっ!!」と言われてみたい男の願望を抱かずにはいられない。俺もそんな夢を抱いている一人だ。だって男の子だもん。

「それよりまずは童貞を卒業したいもんだ」

 そもそもセックスしなければ「しゅごいのおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーっ!!」って言ってもらえない。経験がなければ自分の戦闘力すら測れない。誰かスカウターを持ってきてくれ。

「うーん……。特別小さいわけじゃないとは思うんだけど……」

 エロ漫画を読みながら、パンツを脱いで下半身を露出させる。チンポをしこしこしてみれば、ムクムクと立ち上がり戦闘モードになった。
 おそらく平均サイズはあるはずだ。決して小さくはないはずだ。お手頃サイズのはずなのだ!

「大きすぎるのも敬遠されるらしいし……。きっと、俺の程よい大きさでガチガチに硬いカリ高チンポはウケが良いはずだ」

 成長したムスコに自信を持つ。エロ漫画の世界に浸りながら、一発抜いてから寝た。


  ※ ※ ※


「どうぞ。これさえ飲めばあなたも今日からマジカルチンポの持ち主です。どんな女性だろうとも、一目見ればあら不思議。骨抜きのメロメロになること間違いなしですな」

 怪しい脂ギッシュの中年男が、俺に怪しげな瓶を差し出してきた。怪しさ大爆発の状況である。

 休日。家でゴロゴロしていたら来客を知らせるチャイムが鳴った。
 出てみれば堂本と名乗る怪しげな中年男。早々にお引き取り願おうかと思ったが、口から飛び出すのは「マジカルチンポは欲しくありませんか?」というぶっ飛んだ内容だった。
 ご近所さんの耳に入れば一大事。俺は慌てて怪しい脂ギッシュな中年男を家に招き入れたというわけだ。
 そしてじっくりと話を聞いてみる。これはあれだ、興味をそそられたというわけじゃなくて、外で話をするのは相手に悪いかなと考えた俺なりの配慮だ。

「わかっていますとも。会田様がとてもお優しい方なのは、痛いほど伝わってきていますよ」

 堂本は滲み出る汗を拭いながら訳知り顔で頷く。ちょっとイラッときた。
 まあなんやかんやあって、堂本は怪しげな液体の入った瓶を差し出してきたというわけだ。
 これを飲めば今日から俺もマジカルチンポ持ちになる? そんなエロ漫画みたいな都合の良い展開があるはずがない。バカめ、俺はその辺のカモとは違うのだよ。

「でも、こういうのって高いんですよね?」
「ご安心を。初回は無料でお試しできますよ」
「無料……?」

 ぐらりと心の天秤が傾いた。
 だって無料だよ? つまりタダってことだろ? ゼロ円ってことなんだよな?
 頭の中で「〇」の魅力的な数字が躍り始める。タダより高いものはない? いやいや、タダは言葉通りの意味だろうがよ。
 あくまでお試しだ。何も効果がなければやめればいいだけの話だ。何の問題もない。うん、ちょっとだけ……ちょっとだけだから。

「じゃあ、お試しだけなんだからねっ」
「はい。ありがとうございます」

 堂本のセールストークにやられたわけではない。マジカルチンポ化するというふざけた商品が本物なのかどうか、その真偽を確かめるために俺自ら立ち上がらなければならないと思ったのだ。
 こうして、俺はマジカルチンポドリンクを手に入れたのである。


  ※ ※ ※


 マジカルチンポの能力。それは女を魅了し、セックスをすればするほど病みつきにしてしまうという、男にとっては夢のようなチート能力である。
 神様からチートスキルをもらえるとすれば、間違いなく候補の一つに入る。それほどの優れた力だ。夢そのものと言っても言い過ぎではないだろう。

「しかし、問題はどうやってセックスに持ち込むのかってことだ」

 堂本の説明によれば、マジカルチンポ状態なら一物を見せるだけでも女を発情させられるらしい。何その最高の一目ぼれは!
 だが、それを実行するには勇気が必要すぎる。
 女子の目の前で下半身を丸出しにする……。もしマジカルチンポの効果が嘘だった場合、俺は確実に社会的に抹殺されてしまう。

「あの堂本っておっさんを信じていいものか……」

 俺にマジカルチンポになる薬をくれた中年男。脂ギッシュの顔でニヤニヤしている姿を思い出すと、なぜだか無性に殴りたくなった。

「あのニヤニヤした顔を思い出すと胡散臭いんだけども……」

 脂でテカった顔。たるんだ腹。汗をかきすぎて濡れたワイシャツには不快感しかなかった。あんなのが営業をする会社とか、人材不足が嘆かわしくてしょうがない。

「でも……」

 でも、不思議と信じかけている自分がいる。
 まさかセールストークってやつにやられてしまったのか? 大人はいつだって子供を騙すんだ! と、テキトーなことを言ってみる。
 そうだ。悪いのは堂本だ。俺が奇行に走るのも、奴が俺を騙したからなんだ!
 よし。騙されていたら責任はすべて堂本に押しつけよう。俺はいたいけな思春期の男子学生なんだからな。

 てなわけで、俺はマジカルチンポドリンクを一気飲みした。


  ※ ※ ※


 ドリンクの効果は丸一日効くらしい。

「はぁ……はぁ……」

 下半身がやけに熱い。俺のモノがマジカルチンポに作り替えられているのだろうか?
 呼吸が荒くなっていく。これはドリンクのせい……、じゃなくて緊張しすぎているせいだ。
 マジカルチンポドリンクを飲んでしまった以上、効果を試さずのんびり過ごしてなんかいられない。スクールカースト底辺の俺が、強制的に美少女にアプローチしなければならなくなったってわけだ。

「はぁ……はぁ……」

 今日はセックスするつもりでいく。目ぼしい女子がうっかり一人になったら……マジカルチンポの力で童貞を卒業してやるのだ!
 やり方は簡単だ。俺のマジカルチンポ化した一物を見せればいい。それだけで目にした女子は発情する。俺のチンポが欲しくてたまらなくなるはずだ。
 そう、見せるだけでいいんだ。そんな簡単なことのはずなのに、勇気を振り絞らなければならないことだった。

「女子にチンポを見せる……勇気!」
「会田くん? 独り言がうるさいわよ」
「うひょおっ!?」

 いきなり背後から話しかけられて、飛び上がりそうなほど驚いた。
 振り向けばそんじょそこらではお目にかかれないほどの美少女。我が校のアイドルと名高い藤咲彩音が立っていた。
 大きくてパッチリとした、男を狂わせるような魔性の目が俺に向けられている。制服越しでもわかるほどの胸の膨らみには、男の夢をこれでもかと詰め込まれていた。くそっ、どこに目を向ければいいんだ!

「な、なんで藤咲さんがこんなところに?」
「なんでって……ここ、私のクラスでもあるのだけれど」

 ここは俺が所属する教室だ。クラスメイトである藤咲さんがいてもおかしくはない。

「いやだって、今ってけっこう早い時間だろ? 他の連中は誰も来ていないのに、なんで藤咲さんがいるのさ?」
「その質問をそっくりそのまま会田くんに返したいのだけれど」

 現在、教室にいるのは俺と藤咲さんだけだ。部活の朝練すら始まっていない早すぎる時間帯。
 チャンスをうかがおうと気持ちが逸って、登校するのが早すぎてしまったかと思っていたけど、まさか学園のアイドルと二人きりになる状況になるとは思ってもみなかった。
 あれ……これって、チャンス到来か?

「いやー、俺は集中して勉強に取り組めるかと思って早く来てみたんだよ。家よりも教室や図書室の方が集中できるって聞いたからさ」
「そう。会田くんは意外と勉強熱心だったのね」
「あははー……意外とは余計かな」

 藤咲さんが自分の席に鞄を置く。ただそれだけの動作が洗練されているかのように美しい。所作の一つ一つに目を奪われる。これが学園のアイドルか。

「で、藤咲さんはどうしてこんなに早くに登校したんだ?」
「私も同じ理由よ。もうすぐ中間考査でしょう。家よりも集中できると思ったの」
「あ、テスト……」
「……まさか会田くん、忘れていたわけじゃないでしょうね?」
「あははー……。そんなわけないじゃないか。勉強するためにわざわざ朝早く教室に来たんだから」

 話を合わせながら、耳に意識を集中させて周囲に人がいないかと確認する。部活すら始まっていない時間だからか、人の気配どころか物音ひとつ聞こえなかった。
 正直、女友達の一人もいない俺が、女子と二人きりになれるシチュエーションを作るなんて難しいと思っていた。
 一応いろいろと作戦を考えてはいたが、まさかいきなり最高のシチュエーションが転がり込んでくるとはな……。神は俺の味方ってことか。
 この千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかねえ! バックンバックンとうるさい鼓動を意志の力で抑え込み、俺は作戦を実行した。

「じゃ、じゃあ藤咲さんが良かったらなんだけど──」

 俺は座っていた席から立ち上がる。藤咲さんは長い黒髪をふわりとなびかせながら振り向いて俺を真っすぐに見つめる。

「おおおお……俺とっ……い、一緒に勉強を……、ヤラないか?」

 そう言いながら、顔が熱くなるのも無視して藤咲さんに歩み寄っていく。

「っ!?」

 藤咲さんが目を見開き、息を呑む。というか恐怖で喉が引きつっただけかもしれない。
 なぜなら、俺の社会の窓は全開になっており、そこからポロリとは可愛らしく表現できないほどに、チンポが堂々とさらされていたのだから。
 これが俺の練り上げた作戦の一つ。「うっかり社会の窓が開いちゃっていたぜ☆」大作戦である。
 あくまでうっかりしていただけだ。つまりこれは事故である。もしマジカルチンポなんて嘘だと騙されていただけだとしても、俺のダメージは最低限に抑えられる! え、浅はかな作戦だって? ……うっせ。

「ふ、藤咲さん? どどど、どうしたんだい?」

 チンポをプラプラさせながら女子に近づく。まるで変態みたいだ。だが不可抗力なので決して変態ではない。
 ああ恥ずかしい……。だけど変な気持ち良さも確かに感じていた。もうちょっとで新たな性癖に目覚める予感……っ。

「あ、会田くん……その……待って……それ以上はっ」

 藤咲さんは声を震わせる。彼女の反応次第で、俺の運命が決まるだろう。
 俺はあくまで何も気づいていないという態度で彼女と向かい合う。羞恥心で内心のたうち回りながらも、顔には出さないように力を込める。

「もう……っ!」

 藤咲さんの雪のように白い肌が真っ赤に染まる。これは……どっちだ?
 じっと様子をうかがっていると、スイッチが切り替わったかのように藤咲さんの目がトロンと緩む。それからフラフラと俺に近づき、ストンと目の前で跪いた。

「え……ふ、藤咲さん?」

 信じられなかった。
 なぜなら藤咲さんがおもむろに俺のチンポに顔を寄せて、まだ勃起もしていないチンポをパクリと咥えてしまったのだ。あまりのことに、ゆっくりとした動きだったにもかかわらず俺は身動き一つできずにいたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

クールな生徒会長のオンとオフが違いすぎるっ!?

ブレイブ
恋愛
政治家、資産家の子供だけが通える高校。上流高校がある。上流高校の一年生にして生徒会長。神童燐は普段は冷静に動き、正確な指示を出すが、家族と、恋人、新の前では

元おっさんの幼馴染育成計画

みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。 だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。 ※この作品は小説家になろうにも掲載しています。 ※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

処理中です...