もし学園のアイドルが俺のメイドになったら

みずがめ

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おまけ編

after 藤咲音々は求めている①(裏)

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「あ……」

 深夜。お母さんが祐二くんの部屋に入っていくところを見てしまった。
 祐二くんと私達の関係は他人に言えるものではない。それはお母さんも同様で、彼からどんな扱いをされているかなんて口にするまでもない。
 これまでお母さんが祐二くんの求めに応じていたのを見てきた。いっしょに祐二くんに可愛がってもらってもいた。
 けれど、二人きりの時間を過ごすのだと思うと胸が締めつけられた。どうしてこんな感情を抱くのか。今さら問いかけるものではないとわかっている。

「……っ」

 口元を押さえる。自分の気持ちを漏らさないように、落ち着いてと言い聞かせるようにぎゅっと目を閉じた。

「トイレ……」

 気持ちを落ち着かせれば、何のために夜中に部屋を出たのか思い出した。
 身震いとともに羞恥心が込み上げてくる。私は何を考えているのだろう。
 そそくさとその場を後にする。用が済んだらすぐに自室に戻って寝てしまおう。

「ふぅ……ふぅ……」

 ……そのつもりだったのに、無意識のうちに祐二くんの部屋の前で息をひそめていた。
 荒くなった呼吸が小さく漏れる。室内に聞こえないとわかっていても胸の鼓動が速くなった。

『はぁはぁ……。音々、俺のチンポに奉仕しろ』
『はい……ご奉仕させていただくことを嬉しく思います』

 耳をそばだてて、聞こえてくるのは卑猥なやり取り。胸が締めつけられる感覚がありながらも、ドアに耳を強く押しつけた。
 きっとお口でご奉仕しているのね……。微かに聞こえる音だけで何をしているのか想像できた。
 ああ……、なんていやらしいの……。
 室内で行われている行為を想像するだけで身体が熱くなった。この狂おしいほどの熱を発散するために、私は自慰行為にふけった。

「んっ……くぅんっ……」

 本当に無意識での行為だった。
 寝巻の上から自身の胸を愛撫していた。ドアの向こう側から聞こえる音に合わせて手を動かす。
 それだけの刺激では満足できなくて。もう片方の手はショーツの中をまさぐっていた。

「んくっ……んふぅぅっ……」

 クリトリスを摘まむ。快感が全身を貫く。けれど、それだけの刺激では足りないと感じてしまった。
 快感を求めてクリを擦ったり摘まんだり潰したりした。すべてが気持ちいいのに、私の心は満たされなかった。

「どう、して……んっ」

 ドア越しからでも聞こえる。お母さんのいやらしい姿と声に祐二くんは喜んでいるのだろう。

「ひ、ひどいわよ……んくぅーーっ!?」

 そんなことを想像したら快感が押し寄せてきた。自分の身体なのに、何がどうなっているのかもうわからない。
 ご主人様の部屋の前でうずくまる。痙攣を押さえようと小さく身体を丸める。

「──はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 やっと息ができるようになって、自分が絶頂していたのだと気づく。
 こんなところで、一人でイッてしまうだなんて……。現実を直視したくなかった。
 祐二くんを独り占めにしたい。こんな気持ちが心の中にあるだなんて、自覚したくなかった。
 彼はご主人様で、私は彼に仕えるメイドの一人にすぎないのだ。

「でも……」

 下腹部に触れる。まだ全然大きくないけれど、祐二くんと私が一つになった証が、確かに存在していた。
 それは私だけの証だから。身体の内側から幸せが溢れてくるみたいで、笑顔を止められない。

「ふふっ」
「こんなところで何してるのお姉ちゃん」
「~~っっっっ!?!?!?!?」

 背後からの声に叫びそうになった。
 ドアの向こう側にいるのは祐二くんとお母さん。この家にはもう一人いるのだと、冷や汗とともに思い出した。

「こ、琴音? こ、こんな時間まで起きていたの……?」

 振り返れば妹の姿がそこにはあった。就寝前だったのだろう。髪を下ろしてその身をワイシャツで包んでいた。

「くふっ」

 堪えられなかったとばかりの息が零れる。だって、琴音の口元は笑みの形だったのだから。

「お姉ちゃん♪」

 ドアの向こう側には決して聞こえない。けれど私にははっきりと聞こえる声量。
 琴音の顔が近づいてくる。笑顔なのに背筋が寒くなる。とても楽しそうで、とても嬉しそうなのに、とても怖く感じてしまった。

「お姉ちゃんもいけない子なんだねー♪」

 琴音は座り込んでいる私を優しく抱きしめた。温かいぬくもりを感じ、私の心は安堵した。
 なぜ私は琴音に恐怖を感じていたのだろう。妹が怖いだなんて姉失格ね。
 私にその身を擦りつけてくる琴音。可愛い妹は私の耳元でこう言った。

「いけない子同士……、いけないことしよっか」
「……え?」

 次の瞬間、アソコにずぶりと何かが入ってきた。

「~~!?」
「ダメだよお姉ちゃん。いけないことしてるの、ご主人様にバレちゃうよ?」

 反射的に口を押さえる。それでも何が起こっているのかを理解するまでに十数秒もかかってしまった。

「お姉ちゃんのここ……もうトロトロじゃない……。うわぁ……すっごいぐっしょりだー……」

 熱に浮かされたかのような琴音の声色。頬に当たる琴音の吐息はとてつもなく熱い。
 私は琴音の指にアソコを貫かれていた。祐二くんのゴツゴツした指とは明らかに違う。滑らかでしなやかな、女の指が私の大事なところを中から愛撫してくる。

「ん~~……っ」

 声は出せない。すぐそこのドアの向こう側では、祐二くんとお母さんの営みが行われているのだから。

「お姉ちゃん興奮してる……。あたしの指、もうぐしょぐしょだもん……。はぁぁ……お姉ちゃんの可愛い顔、もっと見せて?」
「やっ……ダメッ、琴音ぇ……」

 自分のアソコからクチュクチュって卑猥な水音が響く。静かな廊下に音が響いている気がして恥ずかしかった。
 喘ぎ声を出さないように両手で口を押さえていた。そうなると琴音の責める手を止められないわけで……、私は無抵抗に秘部を実の妹に愛撫され続けた。
 祐二くんよりも的確に気持ちいいところを責めてくる。なのに、祐二くんに比べて物足りない刺激だと思ってしまう。

「はぁ……、お、お姉ちゃん……。自分ばっかりずるいよ……あたしのも、触って……」

 琴音に右手を掴まれた。そして琴音のアソコへと手を引っ張られた。

「んっんっ……こ、琴音も、濡れてるじゃない……っ」
「お姉ちゃんがいけないんだよ……自分ばっかり気持ちよさそうな顔しちゃってさ……。あたしのも触って、気持ちよくしてよぉ……」

 琴音は目を潤ませながらそんなことを言う。情欲に潤んだ瞳が私を映していた。
 冷静に考えなくてもおかしな言動だ。それでも、私は自分の指を妹のアソコに突き立てた。
 それはこの身体の奥から込み上がる切なさを知ってしまったからかもしれない。

「ひにゃあああっ!」
「コラ琴音っ。声くらい抑えなさいよっ」

 琴音が喘ぎ声を上げるものだから心臓が跳ねるような思いになった。部屋にいる祐二くんとお母さんに気づかれたらどうするのよっ。
 ご主人様に聞き耳を立てていたことがばれてしまうかもしれない恐怖。そんな緊張に身体が縛られてしまうどころか、琴音を愛撫する指の動きを激しくしていた。
 気づけば責めるのは私ばかりになっていた。琴音は無抵抗で、私の指に逆らえない。

「あにゃあっ──んむっ」

 また喘ぎ声を上げようとする口を私自身の唇で塞ぐ。手のかかるいけない妹だ。

「ぷはっ……ダメよ琴音。ご主人様に気づかれたら叱られてしまうわよ?」
「ふぐぅ……っ」

 琴音は涙目で抗議してくる。けれど迫力はなかった。無抵抗なのも変わらない。
 姉に逆らうとどうなるか、琴音には身をもってわからせなければならないようだ。

「ふっ、んっ、ひにぃっ……お、お姉ちゃぁん……気持ちよすぎるよぉ……」
「我慢しなさい琴音。それに、してと言ったのは琴音からじゃない」
「んうぅっ……お姉ちゃん、顔が怖いよぉ……ひにゃあぁんっ」

 顔が怖いだなんて失礼ね。失礼な妹のクリトリスを親指で転がすように愛撫した。すると琴音は喉を反らして口を開けた。
 まったく、何度声を上げるつもりなのか。室内からはベッドの軋む音とお母さんの喘ぎ声が小さく聞こえる。こちらの状況には気づいていないようね。
 なら、今のうちに琴音を黙らせておきましょう。

「ひにっ!? はにゃっ、んむぅぅぅぅぅぅっ……」

 指をさらに琴音の奥へと侵入させる。根本までグチュリと感触が伝わってきた。
 キュウキュウと締めつけられる感覚。祐二くんはこれを敏感な性器で感じているのだろう。

「……」

 ……私は何を想像しているのかしら?
 思い浮かべてしまったことを頭を振って追い払う。今私がしているのは琴音を無力化するために仕方なくだ。仕方なくなのよっ!

「ふぐっ……ひぃんっ……ご、ごめんなさいぃ……。お姉ちゃん……ゆ、許してぇ……」
「ダメよ。姉として、ご主人様の代わりにしつけてあげるわ」

 口の端が吊り上がる。ほんの少しだけご主人様の気分を味わった気になる。
 声を漏らさないように必死に耐える琴音。そんな表情と、指から伝わる膣の感触が私の下腹部を熱くさせた。
 その熱を発散するように、指の動きを激しくさせる。

「あっ、ダメお姉ちゃんっ。これ以上されたらイッちゃうっ」
「我慢しなさい」
「そ、そんなっ……ああっ」

 琴音の身体がビクビクと痙攣する。指を締めつける膣も絶頂に至ったと教えてくれた。
 視線をどこか遠いところへと向けながらも、琴音は声を漏らさなかった。がんばって耐えた妹を褒めるように頭を撫でる。

「はうぅ~……」
「琴音?」

 声を漏らさずにイッた琴音は私に身体を預けてきた。ぐったりと、その重みからは意識を失ったと伝えてきた。

「って、嘘でしょ琴音!?」

 ご主人様の部屋の前で繰り広げられた行い。早く証拠を消さなければいけないのに、元凶の共犯者が倒れてしまった。
 声を出さなかったということは呼吸を我慢していたのだろう。今になってそう思い至って息をしているかどうかを確認した。

「すーすー」
「ね、眠っているわ……」

 琴音は気持ちよさそうに寝息を立てていた。ちゃんと呼吸をしていたことは一安心だけれど、後片づけは私一人でしなければならなくなった。

『俺のチンポで、お前のマンコを使い倒してやるよ』

 聞き耳を立てればベッドが激しく軋む音とともにそんな言葉が聞こえた。私も熱いものが迸る。

「き、気づかれていない今のうちに……」

 私は急いで琴音を部屋へと運んだ。
 ベッドに寝かせておけば、あとは一人でなんとかできるだろう。
 次はご主人様の部屋の前だ。琴音のせいで床に水たまりができていた。こんなことになっていたのかと改めて見て気づけた。これは放置できない。
 迅速に、でも静かに。私は入念に床を掃除した。今までの家事で一番本気で取り組んだかもしれない。

「……私、なにをやっているんだろう」

 掃除する傍らで、祐二くんとお母さんの喘ぎ声が聞こえてくる。ピカピカに掃除したのに心がもやもやした。
 自室に戻って眠りにつく。もやもやはまだ晴れない。

「全部祐二くんのせいよ」

 下腹部の熱をご主人様への怒りで誤魔化した。明日になったらこのイライラをぶつけてやろう。そうやって少し先の未来を想像しつつ、私は目を閉じた。
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