もし学園のアイドルが俺のメイドになったら

みずがめ

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おまけ編

after 彩音がデレると学園生活がとっても楽しい⑥

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 普段の俺は、目立つのが苦手なごく普通の男子である。
 そんな俺にしては、今回は目立ちすぎた。彩音と二人で授業をサボるとか、昼休みに二人で消えたことと合わせれば、俺達がただならぬ関係だと思うのも無理はないだろう。

 ぶっちゃけピンチである。
 藤咲彩音という存在の人気を考えれば、校舎裏でリンチされても文句は言えない。いや、一応優等生の通う学園だしそんな野蛮なことする奴はいないか。……いないよね?

「もしもし堂本か? 少し話があるんだが」

 てなわけで堂本に連絡をした。
 なんだかんだで俺をひいきにしてくれている中年男だ。俺もそうだが、音々さんに思い入れがあるようだし、無理だと思うことでも無理やりなんとかしてくれる。
 今回は金があっても力ずくでもどうにもならない。だが、どんなやり方かは知らないがエロメイドを作る手腕。というか堂本の怪しげな力がなんとかしてくれるはずだ。

『お任せくださいませ』

 事情を説明しての堂本の返答である。ニタリと笑った堂本の顔が容易に想像できてしまう。本当に頼りになるぜ。


  ※ ※ ※


 学校が終われば帰宅する。それから飯食ったり風呂入ったりした。
 実は真面目な琴音は夜に勉強している。時間を決めて部屋にこもって静かに学業に励んでいた。部活もやってるのに偉いものだ。

「祐二くんも琴音を見習って勉強したら?」

 彩音の言葉が突き刺さる。
 ちょっとドライな対応。俺とエッチしたせいで授業をサボってしまったことを気にしているらしい。誘ってきたのはそっちじゃんか。
 ちなみに彩音の成績は優秀ではあるのだが、家での勉強時間は琴音よりも短い。学習の効率がいいようだ。う、羨ましくなんかないんだからねっ。
 そして俺は勉強が苦手で嫌いだ。

「彩音が俺とエロいことしてくれるってんなら、勉強してもいいぞ」
「な、なんでそうなるのよ!」

 そりゃああれだよ。嫌いなことでもご褒美があればがんばれるだろ? 人参ぶら下げられた馬の気分にさせてほしい。興奮するから。

「きょ、今日は朝から……その、たくさんしたじゃない……」

 そうだな。朝起きてから、昼でも学校でたくさん精を出した。枯渇してもおかしくないほどに。もう回数を覚えてないほどだもんな。
 それでもまだやれるのだと、身体の奥底から力が湧いてくる。数々の修羅場、というかエッチの数を重ねた結果、俺の一日の最大射精回数が増えたみたい。これが成長期か。
 それに、まだまだやり足りないのは彩音もだろう。
 俺がその気を見せただけで顔を赤らめチラチラと股間に視線を向けてくる。とんだエロ娘になったものだ。初めてメイドになった頃を考えるとすっげー不思議な気分。

「そんなわけで出かけようぜ」
「え? 家の中でしないの?」

 不思議そうに尋ねる彩音。もうやる気満々じゃないか。

「少し散歩してからにしよう。ちょっとしたデートだよ」
「デート……。そうね、少し身体を動かしたい気分ね」

 彩音は少しだけ微笑んで了承してくれた。照れてる感じが可愛いよ。

「なら、出かけるのだから着替えてくるわね。さすがにまたメイド服で、とは言わないわよね?」

 清楚なメイド服姿でいる彩音。そのままでもいいが、せっかくだから夜の外出っぽい格好がいいな。

「まさか。でも着てほしいものがあるんだよ」

 俺の言葉を聞いた彩音がとても嫌そうな顔をした。俺の考えを察せられるようになったじゃないか。付き合いの長さを感じるね。


  ※ ※ ※


 家事は音々に任せて家から出た。

「……」

 彩音は俯きながら俺の後ろをついて来ている。
 当たり前だが夜道は見通しが悪い。遠くに人がいるのかどうか、目を凝らさなければならないほどだ。もうちょっと街灯増やした方がいいと思う。
 街灯の下を通る度に彩音が身を寄せてくる。イチャイチャ的な身体の寄せ方ではなく、何かから隠れるようにしていた。俺は壁かよ。

「彩音、顔上げろって。せっかく散歩に出たんだからさ」
「だ、誰のせいだと思っているのよ……」

 小さな声で恨みがましい言葉を吐かれる。
 彩音の格好はメイド服ではない。ただの厚手のコートだ。肩から膝下まですっぽりと覆っている。
 まだ暑さが残っている時期ではあるが、夜は冷えてくるようになった。身体のためにもコートを着てもらった。なんて優しいご主人様なのだろうか。

「う~……」

 彩音は顔を赤くしている。冷えてきたといっても、さすがに厚手のコートは暑かったかな。
 気遣いから彩音の顔を覗き込む。

「大丈夫か? コンビニで何か飲み物でも買うか?」
「ダメ! 人のいるところに行きたくないわ……」

 声を上げて俺の腕を掴んで止めてくる。
 それほど俺と二人きりの時間を大切にしたいのか。これは感動するしかないな。

 ……さて、いじめるのもここらで終わりにしようか。
 俺は公園へと足を踏み入れる。後ろからついて来ていた彩音が一瞬足を止めたが、すぐに後を追ってきた。

「祐二くん……、えっと……そ、外は危ないと思うわ、よ……」

 そう言っても、俺が止まらないともうわかっているだろうに。
 彩音からすれば俺に襲われたことのある公園だ。これからの展開を察していても、まあ断ったりはしないはずだ。
 ざっと辺りを見回して誰もいないことを確認する。どうやら問題なさそうだ。
 さすがだぜ堂本。仕事ができる男は信用できるな。
 公園の中心。俺は足を止めて振り返った。

「じゃあ彩音、そのコートの前を開いてくれるか?」
「……」

 ビシリッ。そんな音が聞こえてきそうなほどわかりやすく彼女は固まった。
 抵抗のつもりなのか。彩音は腕を抱えたまま動かない。
 まったく、ご主人様の言うことを聞かないとは。メイドとして減点だな。
 面倒くさい感情を込めて、大きなため息をついた。

「やってくれないならいいよ」
「え?」

 俺は彩音に背を向ける。

「せっかく今日は彩音の日だって思ってたのにな。当の本人がその態度じゃあできることなんかないよな。もう帰って琴音か音々に相手してもらうわ」

 ぶっきら棒に言って、スタスタと公園の出口に向かって歩を進める。
 もちろんこれは彩音をその気にさせるフリである。まあ何もなければ言った通りにするつもりだけどな。

「待って!」

 背中を掴まれる。シャツにしわがついちゃいそうなほどぎゅっと握られてしまった。

「何? 俺の言うこと聞くの嫌なんだろ」

 ぶっきら棒な態度はそのままに。期待を込めて振り返った。
 そこには眉尻を下げて涙目になっている彩音がいた。いやいや、泣かなくてもいいでしょうに。

「……ご主人様の言う通りにするわ。だから……ちゃんと私を見てください……」

 意を決した彩音がコートに手をかける。
 目をぎゅっとつむり、身体を震わせながら。彼女はコートの前を開いていく。今日はあれだけエロいことしたってのに、どうしてこんなに恥ずかしい仕草をするんでしょうね。こっちまでドキドキしちゃうじゃないか。

「見て……」

 そうして、開かれた中身を目にして息を呑んだ。
 コートの下には、彩音の美しい裸体が輝いていたのだから。
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