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本編

48話目

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 浜辺に来ても聞こえるのはさざ波だけで、自然の音しか存在しないかのようだ。
 ついこの間、ざわざわと人波ばかりの海に行っただけに不思議な感じだ。人がいるかいないかだけでこんなに雰囲気が変わるものなのかとびっくりである。

「祐二様ぁー。何ぼーっとしているんですか。早くこっちに来てくださいよー!」
「ちょ、ちょっと琴音……こんな格好……は、恥ずかしくないの?」

 声の方向に顔を向けてみれば、大きく手を振る琴音と、珍しく妹の背中に隠れようとする彩音の姿があった。
 俺が近づくと、彩音はさらに身を縮こまらせる。両手を広げてオープンマイハートしている琴音とは対照的である。

「すまんな。自然との一体感に酔いしれていたぜ」
「わかりますわかります。あたしも海の向こう側まで続く水平線を眺めていると、世界に溶け込んじゃいそうな気分になってましたから!」

 しばし琴音と見つめ合う。それから二人して笑顔になりハイタッチをかました。とくに意味はない。

「こんな非現実な場所に来てしまったからかしら。二人ともテンションがおかしくなっているわね……」

 オイ、その可哀そうなものを見る目をやめないか。むしろこういう場所に来た時くらいはっちゃけちゃってもいいのではなかろうか。はっちゃけちゃっていいんだよ!

「そんなこと言わないで。お姉ちゃんも楽しもうよ。夏にこんなに綺麗な浜辺を占拠できるんだからさ」

 そう言った琴音が彩音の左手を取る。

「そうだぜ。彩音ももっと自分を解放していこう。見渡す限り海しかない景色はなかなか味わえるものじゃないからさ。こんなに開放感がある海はお目にかかれないぜ」

 俺は彩音の右手を取った。

「ま、待って! 琴音……ゆ、祐二くんやめてっ!」

 彩音が身体を緊張させる。怖いのは最初だけなんだからさ。ほら、抵抗すんなって!
 俺と琴音は同時に彩音の手を引っ張った。抵抗をみせてはいたが、二人掛かりではろくに抵抗できなかったようだ。彼女の両手が伸ばされる。

「い、いやあぁぁぁぁぁぁーーっ!!」

 彩音の甲高い声が真夏の太陽にまで届いた。とか言ってみる。
 なんで彩音が悲鳴なんて上げてしまったのか。その謎は彼女自身の格好に隠されていた。
 両手を広げる彩音は肌色面積が広かった。これでもかってくらい広い。広大だからこそ肌の綺麗さが目立っていた。
 彩音はマイクロビキニを着ていたのである。隠しているのはほとんど乳首と陰部くらいなものである。これを水着と言っていいのかと悩んでしまうレベルだ。ほぼ裸じゃね?
 ちなみに、琴音も同じ面積のマイクロビキニである。姉と違うのは色くらいか。赤が彩音でピンクが琴音である。面積の小ささを考えれば多少の違いでしかないが。
 別に恥ずかしがる素振りすらないから指摘していないが、こいつもかなりエロい。ぶっちゃけ最初に見た時に勃起しました。ブラジリアンビキニを着た時にも思ったけど、琴音はスクール水着なんかよりも普通にビキニが似合うと思う。新体操やっててスタイルもいいんだしさ。ほぼ紐しかない背中の曲線なんて美しいの一言では収まらないほどだ。

「ほらほらー、見るのはあたしと祐二様だけなんだからそんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない」

 ニッコニコの琴音が姉を引っ張る。こいつに羞恥心がないのは新体操をして見られることに慣れたからだろうか。ここにきてなんだけど、さすがに裸同然の水着とか恥ずかしいと思うぞ。
 だが、乗っからせてもらおう。俺も琴音の言を盛り立てる。

「そうそう、俺達しかいないプライベートビーチだ。それに、俺は彩音のエロい水着をもっと見たいぜ」

 キメ顔を作って言い切る。気持ち悪い? ほっとけ!

「そ、そうなの……。祐二くんが、そう言うなら……仕方ないわね……」

 しかし、嫌悪感を露わにすると思ったのだが、意外にも彩音の反応は悪くないように見えた。
 これって俺の勘違い? それともメイドとしてご主人様の希望に逆らうまいとでも思ったか? なんにしても彩音の抵抗は完全になくなった。
 学園のアイドルと、その妹にエロい水着を着せて(命令じゃなくて勝手に着てたんだけど)他に人っ子一人いないビーチで、キャッキャウフフと遊ぶ……。よく考えなくてもすごいシチュエーションだな。
 まさに夢の中でしか拝めなかったシチュエーションだ。俺のメイドになった時も衝撃を受けたものだが、今の状況はただのご主人様では成しえなかっただろう。
 まさに堂本さまさまである。確かに島であれば誰かに見つかる心配なくエロいことに集中できる。野外プレイもやりたい放題だ。

「さて祐二様。海でまずやることがありますよね?」
「あん?」

 琴音が目をキラリと光らせる。これは俺にとって都合のいいことを口にしようとしているな。

「ああ、準備体操ね。確かに必要なことだわ。えらいわね琴音」

 この場で唯一の真面目要員である彩音の回答である。いや、間違ってはないんだけどさ。
 姉として妹を褒めるが、そういう答えを求めているんじゃあないんだよ。現に出題者である琴音は不満げだ。

「違うよお姉ちゃん! それでも祐二様のメイドなの!? そんなんじゃあご主人様専属メイドにはなれないよ!!」
「え、えぇっ!?」

 妹の剣幕に押される姉の図がここにあった。
 琴音はやれやれと、これ見よがしにため息を吐いた。あんまりな態度に、彩音もカチンときたようで、わずかに唇を尖らせる。
 琴音が指を差す。俺と彩音はその先へと視線を向けた。

「ビーチパラソルがあるわね」

 彩音の言う通り、視線の先にはビーチパラソルがある。今回は俺達が持ってきたものではない。最初から用意されていたのだ。
 ビーチパラソルで日陰になっている場所にはシートが敷かれている。さらにはクーラーボックスがあり、いろんな種類の飲み物が入れてあった。これも堂本の計らいってやつだ。
 一応にと、スマホも置いてあった。もちろん俺達のものではない。そのスマホにはこの島の屋敷の電話番号が登録してあり、何かあった時は連絡していいそうだ。
 この干渉しすぎないという気遣いよ。なんだかんだと言っても、あのおじさんは心配りというものをよくわかっている。
 だから、俺はこの島で、安心した気持ちでエロいことができるのだ。
 俺はビーチパラソルの下にあるシートに寝そべった。日陰は涼しくて気持ちいい。

「祐二くん?」

 唐突な行動に彩音が首をかしげる。遊びに来たはずなのに、いきなり寝た俺が不思議なのだろう。
 それとは対照的に、琴音は表情を明るくさせる。行動で示した俺の答えに満足してくれたようだ。
 琴音はクーラーボックスの陰に隠れていたものを取る。それは日焼け止めだった。

「まずはご主人様に日焼け止めを塗るの。それを最初にしないとね」
「あ、ああ、日焼け止め……。確かにそうね」

 間違いを認める彩音。いや、準備体操も間違ってないからね?
 しかし会田家ではエロいことが最重要事項なのだ。よって琴音が正解になる。
 そう、琴音の行動は正解となるのだ。

「んっ、冷たい……」

 日焼け止めはローションタイプのようだった。それをたっぷり手のひらへと落とした琴音は、自身の胸や腹へと馴染ませるように塗り込んでいく。
 まずは自分の日焼け止め……ではない。

「それじゃあ、失礼しますね祐二様♪」

 日焼け止めローションでヌルヌルになった身体で、琴音は俺に抱き着いてきた。
 柔らかく滑りのいい身体だ。ヌッチョヌッチョと滑る度に聞こえる音が興奮を誘ってくる。
 にしても、ここまでヌルヌルだとエロい意味でのローションとしても使えるのだろう。さすがは堂本だ。良い物をわかっていやがる。

「え、え?」

 彩音は戸惑っているようだ。ふっ、まだまだだな。
 そんな俺のメイドとしてまだまだの彩音に、妹は熱い吐息を零しながら言う。

「ほら、お姉ちゃんも……んっ。ご主人様の身体に日焼け止めを塗るのも……はぁ……あたし達メイドのお仕事だよ」

 そう言いながら、琴音は上下に身体を動かす。その度にヌルヌルの身体が俺の身体と擦れ合い、ヌチョヌチョと粘着性のある水音が響く。
 いやぁ、これなら日焼け止めもバッチリ塗れるな。ついでに興奮も高まってきた。

「お仕事……なのよね……」

 フラフラとした足取りで彩音が近づいてくる。なんだか千鳥足みたいで危うさを感じる。こけたりしないか心配だ。下敷きになってしまわないかという心配だが。……それもアリかな。
 ぶつぶつ何かを呟きながら、彩音はおもむろに日焼け止めローションで自身をヌルヌルにしていく。それに対しての迷いは一切ない。少なくとも俺にはそう映った。

「ん……ご主人様……」

 なんとも淫靡な表情だ。熱っぽく頬を紅潮させながら、彩音が迫ってくる。
 彼女が俺に触れた瞬間、ヌチョリと音がした。それが思ったよりも大きく聞こえたのか、彩音の顔がさらに真っ赤になる。

「えいやっ」

 そんな恥ずかしがっている姉を置いて、琴音は俺への密着度を上げる。もうべったりって感じ。抱き心地の良い奴である。

「わ、私も、するから……。琴音、少しどいてよ……」
「やだ。お姉ちゃん行動が遅いんだもん。ご奉仕は早い者勝ちなんだからね」

 まさかの妹の反撃に、彩音が戸惑う。琴音もけっこう言うなぁ。

「……」

 琴音の身体が俺の肌面積のほとんどを占拠している。これには彩音も黙りこくるしかない。
 だが、見ているだけかと思われた彩音は、意外な行動に出た。
 琴音を押しのけて俺へと密着したのだ。そのまま何事もなかったかのように、俺にその豊満な身体を擦りつけてくる。

「わっ!? ちょっとお姉ちゃん! 割り込み禁止!!」
「琴音が悪いのよ。私がせっかく祐二くんにご奉仕しようとしているのに邪魔をするから」
「お姉ちゃんがもたもたしているのが悪いんじゃない!」

 琴音が声を荒らげた。いつもニコニコしている娘だからかけっこう驚いたぞ。
 怒る妹を前にしても姉は動じない。無言で俺に身体を押しつけ、ほとんど露出したおっぱいの形を歪ませる。
 押し出される形となった琴音は怒りで顔を真っ赤にしている。こいつも怒ることがあるんだなぁ、とぼんやり思った。……ごめん、本当は内心ひやひやしています。

「ん……んっ……ゆ、祐二くん……」
「もういい! お姉ちゃんなんか知らないっ!」

 琴音が再び俺に抱きついてきた。しかし今度は彩音がいるせいでうまく密着できない。
 ヌチョヌチョと身体を擦りつけてきてはいるが、なんだか苛立ちのようなものを感じる……。

「……」
「……」

 無言で藤咲姉妹がその肉体を使って、日焼け止めを塗るということで俺へ奉仕してくれている。
 なのになぜだろう? エロくて気持ちいいことをされているはずなのに、なんか快楽に没頭させてくれない空気が充満しているような……。空はあんなにも青いのに、本当になんでなんだろうね?

「よっこいしょお!」
「きゃあっ!?」
「わわっ!? 祐二様?」

 藤咲姉妹のご奉仕を押しのけて起き上がる。急にそんなことをするものだから、二人はシートへと転がってしまう。

「お前らのせいでヤりたくなった。むちゅー」
「え、そんないきなり……んっ」

 倒れた琴音に覆い被さると、衝動に身を任せて唇を押し当てた。
 強制的なキスにもすぐ応えてくれる。さすがは琴音。舌を入れれば絡み合わせてくる。
 今度は俺が上になって身体を密着させる。擦るように動けばニチョニチョと音がした。自分で動いても気持ちいいな。興奮が限界に達したので、水着を脱いだ。さらけ出された股間を、琴音の太ももに押しつける。

「んっ、んんっ……んふぅ……♪」

 勃起したモノをヌチュヌチュの太ももに押しつけて腰を動かせば、琴音はくすぐったそうに身をよじる。
 盛りのついた犬みたいに、琴音の太ももでオナニーをした。キスをしたままだから、俺のよだれは全部彼女の口内へと落ちていった。

「ぷはぁっ。さて、と。そろそろ挿入させてもらおうか」
「は、はぁい……ご主人様の好きな時にどうぞ……あたしのオマンコに入れてください……」

 顔を離せば恍惚の表情をしている琴音がいた。そんな表情を見せられたらチンポに力が入るだろうが。
 足を開かせて水着をずらす。慣れた動作で挿入のポジショニングを取る。横目で彩音を確認する。こっちを見つめながらも身体を震わせていた。何をするでもなく、ずっと見ていたようだ。
 目の前で妹を犯そうとしている。藤咲彩音は文句を言うでも、行為を止めようとする様子もない。ただ黙って見つめているだけだ。
 内心でどう思っているんだろうな? 頭ではどうにもならないと理解しているだろう。メイドとして、ご主人様がしたい時は、その通りにしなければならないともうわかっているだろうからな。
 それでも納得できているかは別問題だ。
 ここで俺が「犯すのは一人だけだ」とでも口にすれば、優しい彩音は自分の身体を差し出すだろう。今の琴音がどう思っていようが、お姉ちゃんとして身代わりになる行動をしてしまう。それが頭と身体に染みついたことだからな。
 姉としてにせよ、メイドとしてにせよ、彩音の行動には義務感がついて回る。
 でもなぁ。そういうのはもう求めていないんだよね。
 お綺麗な精神のままの彩音とセックスして、どうというのか。確かに快感であることには変わりない。でも、俺はもうそれだけじゃあ満足できないのだ。

「んはあああああぁぁぁぁぁっ!!」

 てなわけで、今回は琴音とエッチすることにしたのだ。
 さざ波だけしか聞こえないほど静かだ。日中のだだっ広い浜辺でセックスをおっぱじめた。これはなかなかできない経験だろう。
 野外プレイだなんて、したとしても静かにこそこそとしなきゃならない。見つかったらどうしようという不安がある。それがスリルになるものの、どうしたって消化不良になりがちだ。
 パァンッ! と、音が響くくらい腰を打ちつけた。琴音の嬌声も遠慮がない。この間行った海水浴場でも、これほど大きな声を上げれば見つかってしまうのが確実なほどの声量だ。
 普通の野外プレイならば、どこだろうともこんなに堂々と音を出せば誰かしらに見つかってしまう。だがここでは関係ない。この場にいるのは俺と琴音。それから交じり合う俺達を見つめる彩音だけだ。

「オラ! もっと喘げよ琴音! お前のマンコで俺をもっと気持ちよくしろ!!」
「はいぃぃぃぃーー!! がんばってオマンコ締めますーーっ! ご主人様専用のオマンコになれるようにがんばりますぅぅぅぅぅぅ!! ご主人様オチンポ気持ちよくなってくださいーーっ!!」

 互いに叫ぶような大声だ。開放感が胸中に広がる。
 こんな光景を間近で目にする彩音は何を思うのだろうか? 黙っていないで何か言えよと思う。
 上から腰を叩きつける。琴音のマンコを壊してしまうんじゃないかってくらい激しくピストン運動をする。俺が突く度に琴音の身体が跳ねる。

「はっ、んはぁっ、くぅんっ、あっ、ひにゃあっんっ!」

 喘ぎ声がよく聞こえる。青空の下で、姉の目の前で妹を犯すという背徳的な行為。俺がこいつらのご主人様だから許される行為だ。
 こんな場所で、こんな状況で、シチュエーションに酔いしれたまま快楽を貪る。腰の動きが止まらない。
 本当の意味でやりたい時にやる。それが実現できる。欲望を自由気ままに発散できるのだ。

「出る! 出すぞ琴音! お前の中にたっぷり射精してやるからな!!」
「はいぃぃぃぃ! くださいっ! ご主人様の精液をあたしの膣内に全部注いでくださいぃぃぃぃぃぃーーっ!!」
「このエロメイドが!! うっ……出るっ!!」

 ドピュドピュドピュバビュビュプビュドピュピュピュルルゥゥゥゥーーッ!!

 背筋を反らせて腰を突き出した。その瞬間、尿道から快感の塊が駆け上がってきて、弾けた。
 ビクンビクンと身体を跳ねさせながら射精をする。望み通りに最後の一滴まで精液を出してやった。
 そこでようやく一息入れられた。

「はぁはぁ……。ふぅっ」

 息を整えて平静を取り戻す。こんな青空の下でエロいことするだなんて興奮しすぎだろ俺! と、突っ込みをしたいところではあるが、冷静になってみても辺りには誰もいないのを見るに、マジですごいところに来ちゃったんだなとしみじみ……。

「あっ……んふぁぁ……。あ、熱いのが、ご主人しゃまの熱い精液がお腹の中にいっぱい……気持ちいいよぉ……」

 見下ろせば涙とよだれを垂らして、人様には見せられない表情をしている琴音。顔もそうだけど、乱れたマイクロビキニにローションでネチョネチョになっている身体も問題だ。こんな姿の美少女が海水浴場で発見されたら大騒ぎだろうな。絶対に襲われるぞ。

「んはぁんっ……抜かないでぇ……ご主人様のオチンチンもっと感じていたいよぅ……」

 膣から肉棒を引き抜こうとすると、甘ったるい声で嫌々と首を振る琴音がいた。まったく、可愛い奴め。
 膣の入り口がぎゅぎゅっと締めつけてくる。可愛くて気持ちいい反応だが、心を鬼にして抜いてやった。最後に精液の残り汁が琴音の恥丘に降りかかった。
 ローションでテラテラにされた身体は、さらに汗ばんでいることによって体臭までエロかった。マンコからは先ほど出したばかりの白濁液がドロリと流れており、まさに犯したばかりの図となっていた。
 やべーなこれ……。マジでやべー。もう語彙力がなくなっちゃうくらいやべーエロさだ。
 俺はムズムズする心を持て余していた。これはもう発散しなければならない。俺は立ち上がって、駆け出した。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーっ!!」

 腹の底から大声を出しながら砂浜を走る。全裸のままで真っ白な砂浜に俺の足跡を残していく。
 さざ波が俺の足首までを濡らした。そこで足を止めて、海へ向かって叫んだ。

「この俺がやってやったぞ!! 美少女を犯してやったぞ!! バカヤローー!!」

 突飛な行動に走った俺の背後には一人分の気配がある。琴音はダウンしたままだから、振り返らなくても誰だかわかっていた。

「と、突然叫んで……どうしたのよ……?」

 彩音だ。呼びかける声は硬い。そりゃあ突然全裸で走り出して叫ぶ奴がいたら引くだろうな。
 でもこのムズムズした気持ちを発散させたかったのだからしょうがないだろ。むしろここにいる今しかできないことだ。

「彩音」

 彼女に尋ねられたことを無視して振り返る。琴音と同じくローションでテラテラになっている身体。そこに申し訳程度のマイクロビキニが彼女をエロく彩る。

「俺のチンポを舐めろ」

 清々しい想いのまま命令を下した。

「え……あ……」

 彼女から逡巡が見て取れる。変わらないなと思う。
 俺のチンポは一発出したとは思えないほど硬くそそり立っている。さらに精液と愛液でベトベトのままだ。お掃除フェラにしても戸惑うのはわかる。
 まあ琴音ならついてる愛液が彩音のだろうが音々さんのだろうが、嬉々としてやりそうだけどな。

「……はい、わかりました」

 彩音は膝をつく。俺が命令すれば彼女は逆らわない。戸惑いながらも淡々とした返事をするのは予想通りだ。
 だけど、俺の命令がなければ何もしないのだろう。彼女はそういうメイドだ。

「ちゅぷ……んぶ……はむ……れろ……」

 舐めたり吸ったり咥えたり、フェラのテクニックを駆使して俺に奉仕してくれる。
 風が通り抜ける。遮るもののないここでは、街中で吹く風とは違っているように感じた。
 お外でお掃除フェラしてもらえるなんて最高です……。開放感に身を任せて全身を脱力させる。刺激される股間だけに力がこもっていた。
 腕をだらんと下げて、視線を下げる。ひざまずいて顔を俺の股間に埋めている学園のアイドルがいた。
 学園のアイドルと名高いあの藤咲彩音に、口でしてもらっているってだけで夢みたいだってのに、さらに場所は南の島って感じのところだ。これはもう夢の世界だったとしても不思議じゃない。でも不思議なことに現実なのよね。
 これが現実かどうか確かめるわけじゃないけど、なんとなく力こぶを作るマッスルポーズをしてみた。気づいているのかいないのか、彩音のフェラは止まらない。

「んっく……ずずーっ……んちゅっ、んぶっ、んぐぅん……」

 リズミカルなストロークだ。彩音の顔が俺のチンポを咥えたまま前後に動いている。いつ見てもスゲー。
 尿道に残った汁まで吸い取ってもらえた。息とともに感想が漏れる。

「口を使った奉仕も上手くなったな」

 上からそんな言葉をかける。フェラで忙しい彩音の綺麗な黒髪を撫でる。見事に編み込まれたものとなっていた。
 開放感のある状況でのお掃除フェラ。いつ射精したっていい。自分勝手に欲望を発散できる状況だ。

 ――しかし、俺は彩音のフェラで射精することはなかったのであった。
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