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本編
28話目
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「あ、あぁ……そこは、ダメェ……」
息も絶え絶えに彩音は口だけの抵抗を試みる。
うつ伏せになって尻を高々と上げている。丸見えになった秘所に這わせる指は琴音のものだった。
「大丈夫だからね。すぐにお姉ちゃんも良くなるから」
すっかり紅潮している彩音の身体。玉の汗が浮かんでおり切羽詰まった表情をしている。
琴音は親指を彩音の膣口に入れて、中指をアナルに挿入していた。二点攻撃である。
琴音は嬉々として実の姉を攻めていた。それはもう充実した表情である。
祐二はといえばのんびり休憩中であった。冷蔵庫で冷えたペットボトルのお茶を飲んで体力を回復させることに努めている。
姉妹の淫行を眺めているとまた勃起してくる。今は琴音に任せているので手を出す気はないのだが。勝手にムラムラしてくるのだからどうしようもない。
「ああああぁぁぁぁぁっ!」
彩音から嬌声が上がる。声は枯れており、体力的にも限界ではなかろうか。肺に酸素を取り込もうと上半身が動いている。
急な嬌声の原因は、琴音が彩音のアナルに思いっきり指を入れたからである。膣から親指を抜くと、中指をアナルの奥まで突っ込みほじりだしたのである。
出すようにはできていても入れられるものだとは想定していない器官。それを何度も擦られ引っ掻かれ、奥をほじられる。刺激に対して直腸がうごめきを持って返す。
琴音はこれも気持ち良いことだからと彩音のアナル開発に取りかかっていた。
さすがは開発している本人だけあって手際が良い。一度祐二も彩音に試したことがあるが指を入れるだけでも難しかった。膣に比べるのもおこがましいほど硬かったのだ。
それが今ではどうだ。指の出し入れがスムーズに行われている。中指一本とはいえしっかりピストン運動をしているまでになっている。
そんな淫猥な出し入れに祐二は釘づけとなる。彩音のアナルも使えるかな、と期待感が膨らむ。
琴音はローションを足してさらにアナルの拡張に励む。ついに二本目が入った。
「ふあああああっ!」
伏せていた上体を起こして彩音は喉を震わせた。甘くせつなくさせる音色だった。
ズチュ、ズチュ、ズチュ。まるでセックスしているかのような水音だ。腸液とローションが混じり合ってヌルリヌルリと指を飲みこんでは吐き出してを繰り返す。
「ふふっ、だいぶほぐれてきたね」
呟く琴音は満足そうだ。てかてかに濡れた指をアナルから抜いた。ズポッと音が響き一瞬だけ彩音のアナルがぽっかりとした空洞を作る。
疲労困憊といった感じで彩音は激しい呼吸をする。あれから何度も快楽を与えられており、今では尻の穴にさえ快楽を送られてきている。身体中で感じない部位はないと言ってもいいほどであった。
ぐったりとしながらも尻だけは高々と上げられている。ひどく間抜けな姿ではあったが、今の彼女にそれを気にするだけの余裕はなかった。
「祐二様、そろそろ良い具合になったと思いますよ」
「あ、いいの?」
「はい。あとは祐二様が広げてあげてください。お姉ちゃんも喜びます」
「そういうことならやるか。彩音に気持ち良くなってもらうためだからな」
祐二は待ってましたと言わんばかりに立ち上がった。手早くコンドームを装着。ローションを塗りたくるのだって忘れない。準備が終わると鼻息荒く彩音に近づく。
彩音はそんな祐二の接近に気づかない。そんな余裕がないほどに頭は白く染まり、溶けてしまいそうなほど朦朧としていたのだ。尻に触れられても反応がない。
「では、いただきます」
「はぁはぁ…………んああああああああんっ!!」
閉じそうになっていた彩音の目が見開かれる。藤咲彩音、初めてのアナルセックスであった。
挿入は意外にも簡単であった。しかしすぐにチンポが押し出される感覚。腟と比べてもかなり狭い。挿入できたのが信じられないほどである。
これも琴音が開発してくれたからだろう。祐二は感謝しながら腰を前後運動し始めた。
ズチュ、ズチュ、ズチュ。祐二にしてはゆっくりとした腰遣いだ。あくまで彩音の快楽を優先している結果だった。
初めてだし、傷つけないようにしないとな。祐二は思いやりの心境に至っていた。
「あぁんっ、あっ、やっ、ひあああんっ」
そのおかげだろうか。彩音の声は甘ったるい。何回も声を上げてすっかりかすれてしまっているにも関わらず、その色には艶があった。
初めてのアナルセックスで彩音は感じていた。快感を得ていたのだ。恥ずかしい不浄の穴を攻められて、脳に送られる信号は快感ばかりであった。
攻め方もいつもと違っている。ただ自分の欲望ばかりをぶつけていた男のものとは思えなかった。精一杯のいたわりがあったのだ。そう感じ取ってしまったのだ。
彩音の目から一筋の水滴が落ちる。涙がぽろぽろと零れ出している。
それは悲しみの涙ではない。快感という欲望が満たされて、溢れてしまった涙であった。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁんんっ!!」
獣のような咆哮。彩音の中で何かが弾けた音だったのかもしれない。
いきなりの大声にビクリと反応してしまった祐二だが、腰の動きが止まったのは一瞬のことですぐに再開した。
ただ、今までにないほど彩音が気持ち良くなっているのを思い、彼の中で満たされるものがあった。それは男の欲望。支配欲であった。
自らの腰つきが彩音をよがらせている。今までつれない態度だった彼女を、である。
手の届かなかったはずの藤咲彩音。学園のアイドル的存在。そんな彼女が自分のチンポを受け入れていた。
本当に女を支配した感覚。本物の感情に祐二は震えずにはいられなかった。
アナルはすでにほぐれていた。祐二の形に染まりつつあったのだ。
彩音は何も考えられないでいた。頭の中は真っ白で、現在自分が何をされているのかすら曖昧になってくる。
しかし快感だけは認識できた。気持ち良い。半開きの口からよだれが垂れる。学園一の美少女の顔は快楽で歪んでいた。
どうしようもない。彩音にはどうしようもなかった。できることはこの身体中を満たす快楽に耐えることだけである。それしか許されていないように思えた。
これほど高まってきた彼女に絶頂が訪れるのは必然。やがてそれはやってくる。
(イク! イク! イッちゃうーーっ!!)
考えられることは一つだけ。視界までもが白に染まる。彩音もまた本物の絶頂を味わったのだ。
ひと際大きい絶叫の後、彩音は糸の切れた操り人形のようにぱたりと突っ伏してしまう。びっくりしたのと突然のアナルの強い収縮に祐二は思わずといった感じで果ててしまっていた。
「あふ……」
意識がなくなっているようだが、息はしているようだった。祐二はひとまず安堵する。
アナルからチンポを抜くと空洞ができていた。普通ならば汚いところではあるのだが、彩音のそこはそんなことを感じさせないほど綺麗であった。ちゃんと出すもの出しているのかと疑ってしまうレベル。
祐二が見惚れているとコンドームが外されていく。祐二自身の手ではない。見れば琴音が恭しくコンドームを外していた。
「これでお姉ちゃんも大丈夫だと思いますよ」
「本当か? また怒りだしたりしないかな」
「お姉ちゃんけっこう怒りっぽいですけどあまり根に持つタイプじゃないですから。それにもう祐二様に対して恨み事を言ったりとか、そんなことしないと思います」
「そっか……。なら安心だな」
妹のお墨付きを聞くと一気に力が抜けてきた。
大きく息を吐くと祐二は腰を下ろした。気持ち良かったとはいえ体力をだいぶ消費してしまったようだった。
見ると琴音がコンドームに溜まった精液を飲んでいるところであった。垂れてくる精液を口を開けて迎え入れている。見せつけるように赤い舌を伸ばし、そこへ吐き出したばかりの精液が垂れ落ちる。
「おいおい」
思わず呟いてしまう祐二。改めて琴音は根っからのエロい子なんだと再確認する。
「あーん……んぐ。だって今日はお姉ちゃんの日って決めてましたから。祐二様だってさすがに限界ですよね?」
そう言われると立ち上がりたくなるのが男の性である。しかし、さすがに限界なのは隠しきれない。これから琴音の相手は無理そうだ。
そんなわけで、琴音は祐二の精液で我慢するそうだ。恍惚の表情で飲みほしていく。そんなに美味しいのかと疑ってしまうがすぐにそんなわけないだろと頭を振った。祐二だってそこまで冒険をする気はないのである。
しかし、災い転じて福と成すとはこのことかと祐二は思う。
こんなきっかけがなければ彩音とここまでの行為を致すことはなかったであろう。そう考えるからこそ、良い機会に恵まれたのだと結論づけられる。
ピンチはチャンスだった。まあそのまま最悪の展開になりえたかもしれないのも事実なのであるが。
「琴音。今日はありがとうな」
「お礼でしたら後日受け取りますよ。もちろん身体で」
パチンとウインクする琴音に、祐二は「ははっ」と苦笑いするしかない。彼女は彼女で一貫している。
だが今回の彩音の変化は良い方向に向かってくれたはずだ。ちょっとでも琴音みたいなエロい娘になってくれたら……。それが祐二の望みであった。
※ ※ ※
彩音が目覚めたのは次の日の朝であった。
カーテンの隙間から陽光が漏れている。起き抜けで頭が働かない彩音は時刻を確認する。
少し早いが起きても良い時間帯だろう。布団から出て着替えを始める。
そこで気づく。彩音は布団をかけられ全裸で寝ていた。昨日の行為の跡はないと言っていいほどに綺麗にされていた。まるで夢でも見ていたかのようだった。
けれど、股間の違和感は現実だったと教えてくれる。アナルまで何かが入っていたかのような変な感じがするのだ。夢なわけがない。
自分の痴態を思いだし顔を赤くする彩音。頭を振って気を取り直すとメイド服に着替えた。
彩音はもう迷わないと決めた。自分の仕事をするのみである。ご主人様のために。メイドの精神である。
バカでエロくてどうしようもないご主人様に仕えるのだ。そう考えた瞬間、なぜかゾクゾクした感覚に身震いする。
昨日は何も仕事をしていない。この場合の仕事はもちろん家事である。決して淫行のことではない。
キッチンで彩音が朝食の支度をしていると琴音がやって来た。妹も朝が早いのだ。いつも遅いのは祐二だけである。まったく困ったご主人様だった。
琴音も当たり前のようにメイド服だ。最初からノリノリではあったから、つまり最初から祐二とそういう関係だったのだろうと彩音は思う。
琴音が嫌がっていないのなら黙認することにする。彩音なりの大人の対応だった。
「お姉ちゃんおはよう」
「おはよう琴音」
いつも通りのあいさつ。昨日のことが嘘のようだ。
これでも身構えていた彩音は肩透かしを食らった気分になる。あまり昨日の感想を尋ねられても困ってしまうのだが。
肩を並べて手伝う琴音。この家に来る前に比べて家事スキルが格段に上がってきたと彩音は感心していた。
すべてはご主人様のため。琴音の心構えは最初からメイドのそれであったのだ。だからこその上達だと今さらながら彩音は感じ取った。
「お姉ちゃん。あたしお姉ちゃんに協力するのは昨日までだからね」
「え?」
不意な言葉に彩音は首をかしげるしかない。真横にいる琴音は真剣な面持ちで姉を見つめていた。
「昨日はお姉ちゃんのために行動したの。祐二様のためってのが大きかったのは事実だけど、それでもお姉ちゃんに立ち直ってほしかったから」
恥辱に震えていた姉を見てそう言いきるのか。彩音は妹の将来が心配になった。
「でも、これからはあたしのために行動する。祐二様にいっぱい可愛がってもらうの。お姉ちゃんよりもね」
「え……?」
琴音は何を言っているのか。彩音は固まった。
「祐二様からどれだけ寵愛を受けられるか。勝負だよお姉ちゃん!」
ずびしっと人差指が彩音に向けられる。琴音のテンションについて行けていない自分がそこにいた。
なぜか琴音はキッチンを飛びだした。残されたのはぽかんとしている彩音ただ一人。
「なんで……そうなるの?」
素直な疑問であった。別に勝負なんて考えたことがない。考えるつもりもない。自分から祐二を求めるなんて考えるに値しないからである。そんなのはあり得ないとすぐに結論ができてしまうに決まっているのだから。
妹の言葉を要約すれば、祐二を取り合う勝負をしようということだ。バカバカしいと彩音は一笑に伏す。
なんでわざわざ自分から求めねばならないのか。男の欲望のはけ口にされてしまうだけではないか。
「……」
しかし昨日の行為が思い出されて彩音は口を閉じた。あの時の彼は思いやりがあったのだ。そして自分は……。
「別に寵愛なんてっ」
吐き捨てるように呟いてみる。意図してなのか自然になのか、その声は小さかった。
「彼の寵愛、なんて……」
しばらくの間、彩音は顔を赤くしたまま思考の渦に没頭するのであった。
息も絶え絶えに彩音は口だけの抵抗を試みる。
うつ伏せになって尻を高々と上げている。丸見えになった秘所に這わせる指は琴音のものだった。
「大丈夫だからね。すぐにお姉ちゃんも良くなるから」
すっかり紅潮している彩音の身体。玉の汗が浮かんでおり切羽詰まった表情をしている。
琴音は親指を彩音の膣口に入れて、中指をアナルに挿入していた。二点攻撃である。
琴音は嬉々として実の姉を攻めていた。それはもう充実した表情である。
祐二はといえばのんびり休憩中であった。冷蔵庫で冷えたペットボトルのお茶を飲んで体力を回復させることに努めている。
姉妹の淫行を眺めているとまた勃起してくる。今は琴音に任せているので手を出す気はないのだが。勝手にムラムラしてくるのだからどうしようもない。
「ああああぁぁぁぁぁっ!」
彩音から嬌声が上がる。声は枯れており、体力的にも限界ではなかろうか。肺に酸素を取り込もうと上半身が動いている。
急な嬌声の原因は、琴音が彩音のアナルに思いっきり指を入れたからである。膣から親指を抜くと、中指をアナルの奥まで突っ込みほじりだしたのである。
出すようにはできていても入れられるものだとは想定していない器官。それを何度も擦られ引っ掻かれ、奥をほじられる。刺激に対して直腸がうごめきを持って返す。
琴音はこれも気持ち良いことだからと彩音のアナル開発に取りかかっていた。
さすがは開発している本人だけあって手際が良い。一度祐二も彩音に試したことがあるが指を入れるだけでも難しかった。膣に比べるのもおこがましいほど硬かったのだ。
それが今ではどうだ。指の出し入れがスムーズに行われている。中指一本とはいえしっかりピストン運動をしているまでになっている。
そんな淫猥な出し入れに祐二は釘づけとなる。彩音のアナルも使えるかな、と期待感が膨らむ。
琴音はローションを足してさらにアナルの拡張に励む。ついに二本目が入った。
「ふあああああっ!」
伏せていた上体を起こして彩音は喉を震わせた。甘くせつなくさせる音色だった。
ズチュ、ズチュ、ズチュ。まるでセックスしているかのような水音だ。腸液とローションが混じり合ってヌルリヌルリと指を飲みこんでは吐き出してを繰り返す。
「ふふっ、だいぶほぐれてきたね」
呟く琴音は満足そうだ。てかてかに濡れた指をアナルから抜いた。ズポッと音が響き一瞬だけ彩音のアナルがぽっかりとした空洞を作る。
疲労困憊といった感じで彩音は激しい呼吸をする。あれから何度も快楽を与えられており、今では尻の穴にさえ快楽を送られてきている。身体中で感じない部位はないと言ってもいいほどであった。
ぐったりとしながらも尻だけは高々と上げられている。ひどく間抜けな姿ではあったが、今の彼女にそれを気にするだけの余裕はなかった。
「祐二様、そろそろ良い具合になったと思いますよ」
「あ、いいの?」
「はい。あとは祐二様が広げてあげてください。お姉ちゃんも喜びます」
「そういうことならやるか。彩音に気持ち良くなってもらうためだからな」
祐二は待ってましたと言わんばかりに立ち上がった。手早くコンドームを装着。ローションを塗りたくるのだって忘れない。準備が終わると鼻息荒く彩音に近づく。
彩音はそんな祐二の接近に気づかない。そんな余裕がないほどに頭は白く染まり、溶けてしまいそうなほど朦朧としていたのだ。尻に触れられても反応がない。
「では、いただきます」
「はぁはぁ…………んああああああああんっ!!」
閉じそうになっていた彩音の目が見開かれる。藤咲彩音、初めてのアナルセックスであった。
挿入は意外にも簡単であった。しかしすぐにチンポが押し出される感覚。腟と比べてもかなり狭い。挿入できたのが信じられないほどである。
これも琴音が開発してくれたからだろう。祐二は感謝しながら腰を前後運動し始めた。
ズチュ、ズチュ、ズチュ。祐二にしてはゆっくりとした腰遣いだ。あくまで彩音の快楽を優先している結果だった。
初めてだし、傷つけないようにしないとな。祐二は思いやりの心境に至っていた。
「あぁんっ、あっ、やっ、ひあああんっ」
そのおかげだろうか。彩音の声は甘ったるい。何回も声を上げてすっかりかすれてしまっているにも関わらず、その色には艶があった。
初めてのアナルセックスで彩音は感じていた。快感を得ていたのだ。恥ずかしい不浄の穴を攻められて、脳に送られる信号は快感ばかりであった。
攻め方もいつもと違っている。ただ自分の欲望ばかりをぶつけていた男のものとは思えなかった。精一杯のいたわりがあったのだ。そう感じ取ってしまったのだ。
彩音の目から一筋の水滴が落ちる。涙がぽろぽろと零れ出している。
それは悲しみの涙ではない。快感という欲望が満たされて、溢れてしまった涙であった。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁんんっ!!」
獣のような咆哮。彩音の中で何かが弾けた音だったのかもしれない。
いきなりの大声にビクリと反応してしまった祐二だが、腰の動きが止まったのは一瞬のことですぐに再開した。
ただ、今までにないほど彩音が気持ち良くなっているのを思い、彼の中で満たされるものがあった。それは男の欲望。支配欲であった。
自らの腰つきが彩音をよがらせている。今までつれない態度だった彼女を、である。
手の届かなかったはずの藤咲彩音。学園のアイドル的存在。そんな彼女が自分のチンポを受け入れていた。
本当に女を支配した感覚。本物の感情に祐二は震えずにはいられなかった。
アナルはすでにほぐれていた。祐二の形に染まりつつあったのだ。
彩音は何も考えられないでいた。頭の中は真っ白で、現在自分が何をされているのかすら曖昧になってくる。
しかし快感だけは認識できた。気持ち良い。半開きの口からよだれが垂れる。学園一の美少女の顔は快楽で歪んでいた。
どうしようもない。彩音にはどうしようもなかった。できることはこの身体中を満たす快楽に耐えることだけである。それしか許されていないように思えた。
これほど高まってきた彼女に絶頂が訪れるのは必然。やがてそれはやってくる。
(イク! イク! イッちゃうーーっ!!)
考えられることは一つだけ。視界までもが白に染まる。彩音もまた本物の絶頂を味わったのだ。
ひと際大きい絶叫の後、彩音は糸の切れた操り人形のようにぱたりと突っ伏してしまう。びっくりしたのと突然のアナルの強い収縮に祐二は思わずといった感じで果ててしまっていた。
「あふ……」
意識がなくなっているようだが、息はしているようだった。祐二はひとまず安堵する。
アナルからチンポを抜くと空洞ができていた。普通ならば汚いところではあるのだが、彩音のそこはそんなことを感じさせないほど綺麗であった。ちゃんと出すもの出しているのかと疑ってしまうレベル。
祐二が見惚れているとコンドームが外されていく。祐二自身の手ではない。見れば琴音が恭しくコンドームを外していた。
「これでお姉ちゃんも大丈夫だと思いますよ」
「本当か? また怒りだしたりしないかな」
「お姉ちゃんけっこう怒りっぽいですけどあまり根に持つタイプじゃないですから。それにもう祐二様に対して恨み事を言ったりとか、そんなことしないと思います」
「そっか……。なら安心だな」
妹のお墨付きを聞くと一気に力が抜けてきた。
大きく息を吐くと祐二は腰を下ろした。気持ち良かったとはいえ体力をだいぶ消費してしまったようだった。
見ると琴音がコンドームに溜まった精液を飲んでいるところであった。垂れてくる精液を口を開けて迎え入れている。見せつけるように赤い舌を伸ばし、そこへ吐き出したばかりの精液が垂れ落ちる。
「おいおい」
思わず呟いてしまう祐二。改めて琴音は根っからのエロい子なんだと再確認する。
「あーん……んぐ。だって今日はお姉ちゃんの日って決めてましたから。祐二様だってさすがに限界ですよね?」
そう言われると立ち上がりたくなるのが男の性である。しかし、さすがに限界なのは隠しきれない。これから琴音の相手は無理そうだ。
そんなわけで、琴音は祐二の精液で我慢するそうだ。恍惚の表情で飲みほしていく。そんなに美味しいのかと疑ってしまうがすぐにそんなわけないだろと頭を振った。祐二だってそこまで冒険をする気はないのである。
しかし、災い転じて福と成すとはこのことかと祐二は思う。
こんなきっかけがなければ彩音とここまでの行為を致すことはなかったであろう。そう考えるからこそ、良い機会に恵まれたのだと結論づけられる。
ピンチはチャンスだった。まあそのまま最悪の展開になりえたかもしれないのも事実なのであるが。
「琴音。今日はありがとうな」
「お礼でしたら後日受け取りますよ。もちろん身体で」
パチンとウインクする琴音に、祐二は「ははっ」と苦笑いするしかない。彼女は彼女で一貫している。
だが今回の彩音の変化は良い方向に向かってくれたはずだ。ちょっとでも琴音みたいなエロい娘になってくれたら……。それが祐二の望みであった。
※ ※ ※
彩音が目覚めたのは次の日の朝であった。
カーテンの隙間から陽光が漏れている。起き抜けで頭が働かない彩音は時刻を確認する。
少し早いが起きても良い時間帯だろう。布団から出て着替えを始める。
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けれど、股間の違和感は現実だったと教えてくれる。アナルまで何かが入っていたかのような変な感じがするのだ。夢なわけがない。
自分の痴態を思いだし顔を赤くする彩音。頭を振って気を取り直すとメイド服に着替えた。
彩音はもう迷わないと決めた。自分の仕事をするのみである。ご主人様のために。メイドの精神である。
バカでエロくてどうしようもないご主人様に仕えるのだ。そう考えた瞬間、なぜかゾクゾクした感覚に身震いする。
昨日は何も仕事をしていない。この場合の仕事はもちろん家事である。決して淫行のことではない。
キッチンで彩音が朝食の支度をしていると琴音がやって来た。妹も朝が早いのだ。いつも遅いのは祐二だけである。まったく困ったご主人様だった。
琴音も当たり前のようにメイド服だ。最初からノリノリではあったから、つまり最初から祐二とそういう関係だったのだろうと彩音は思う。
琴音が嫌がっていないのなら黙認することにする。彩音なりの大人の対応だった。
「お姉ちゃんおはよう」
「おはよう琴音」
いつも通りのあいさつ。昨日のことが嘘のようだ。
これでも身構えていた彩音は肩透かしを食らった気分になる。あまり昨日の感想を尋ねられても困ってしまうのだが。
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すべてはご主人様のため。琴音の心構えは最初からメイドのそれであったのだ。だからこその上達だと今さらながら彩音は感じ取った。
「お姉ちゃん。あたしお姉ちゃんに協力するのは昨日までだからね」
「え?」
不意な言葉に彩音は首をかしげるしかない。真横にいる琴音は真剣な面持ちで姉を見つめていた。
「昨日はお姉ちゃんのために行動したの。祐二様のためってのが大きかったのは事実だけど、それでもお姉ちゃんに立ち直ってほしかったから」
恥辱に震えていた姉を見てそう言いきるのか。彩音は妹の将来が心配になった。
「でも、これからはあたしのために行動する。祐二様にいっぱい可愛がってもらうの。お姉ちゃんよりもね」
「え……?」
琴音は何を言っているのか。彩音は固まった。
「祐二様からどれだけ寵愛を受けられるか。勝負だよお姉ちゃん!」
ずびしっと人差指が彩音に向けられる。琴音のテンションについて行けていない自分がそこにいた。
なぜか琴音はキッチンを飛びだした。残されたのはぽかんとしている彩音ただ一人。
「なんで……そうなるの?」
素直な疑問であった。別に勝負なんて考えたことがない。考えるつもりもない。自分から祐二を求めるなんて考えるに値しないからである。そんなのはあり得ないとすぐに結論ができてしまうに決まっているのだから。
妹の言葉を要約すれば、祐二を取り合う勝負をしようということだ。バカバカしいと彩音は一笑に伏す。
なんでわざわざ自分から求めねばならないのか。男の欲望のはけ口にされてしまうだけではないか。
「……」
しかし昨日の行為が思い出されて彩音は口を閉じた。あの時の彼は思いやりがあったのだ。そして自分は……。
「別に寵愛なんてっ」
吐き捨てるように呟いてみる。意図してなのか自然になのか、その声は小さかった。
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