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本編
井出視点
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「井出くん、きて……」
「う、うん。いくよ。藤咲……」
全裸の藤咲彩音がベットの上で僕を挑発する。身にまとう物もない僕は藤咲へと近づく。
白いシーツに彼女の黒髪が広がっている。魅惑的な笑みを僕に向ける。
ペニスは興奮で天を向いている。藤咲のマンコも触れる必要もないくらいに濡れている。準備はオーケーだった。
「いくよ。……ああっ」
挿入は滞りなく行われた。僕のペニスは間違いなく藤咲のオマンコを貫いていた。
目測Eカップの乳を揉む。藤咲は喉を反らせて喘ぐ。腰を打ち付ける。何度も、何度も。
「あんっ、あんあぁっ! 井出くんの気持ち良い……! 最高よ……」
「僕も気持ち良いよ。最高に気持ち良い」
「ああっ……う、嬉しいわ。井出くんが私で気持ち良くなってるっ」
「ああ、本当に最高だ。素晴らしい身体だよ」
藤咲さんはうっとりとした表情で僕を見る。淫乱な表情をした藤咲は可愛かった。
腰を動かしながらも顔を近づける。理解の早い彼女はそっと唇を合わせてくれた。
「ん……ふぅ……」
動きながらなのでさすがに苦しくなる。だけど至福の時だ。濃厚な接吻を繰り返す。
「ぷはっ。藤咲、ぼ、僕を見てくれ!」
「う、うん。やああんっ」
ピストンピストンピストン! これだけの運動でどれだけのエネルギーが作られるのだろう? 数値が出るのならかなりのものが叩き出せると思う。
「井出くん……」
藤咲さんが僕の首に腕を回す。
「好き」
脳が震えた。それに伴い、神経を通ってしびれが全身に伝わる。
「ぼ、僕も! す、好きだよ」
これ以上固くならないと思っていたペニスが、もう一段階固さを増す。それと同時に快感も増した。
愛を確かめるように僕たちはもう一度キスをした。
「も、もう出るよっ!」
「わ、私も……い、イキそうっ」
できれば同時に。僕は歯を喰いしばって腰を振りたくる。
でも、もう限界だった。
「うおおおおおおおおおおっ!!」
最後の咆哮を上げた僕は――
※ ※ ※
ドピュドピュ! ドピュドピュ! ドププゥッ!
「あー、スッキリした。やっぱり藤咲さんを想像しながらのオナニーは最高だ」
白濁液をティッシュで後始末しながら息をつく。
日に日に増していく妄想力。自分でも怖くなるくらい洗練されてきている。今日の藤咲さんの出来は完璧だった。本当に本人を相手にしているようだった。
後始末を終えてベットに寝転がる。電球がちかちかして眩しい。
「あー……」
ことが済んでから襲ってくるのは虚無感。いわゆる賢者タイムというやつだ。
スッキリした頭で考えるのは昼間自分自身が口にしたこと。つまり盗撮の件である。
大変なことをしようとしているのはわかっている。見つかれば退学。いや、警察の厄介になるかもしれない。
でも、だ。よく考えてほしい。
僕の顔はお世辞にも良いとは言えない。むしろ悪い。はっきりブサオタと言われたことだってある。
二次元ならともかく、リアル女子と仲良くできる自信なんてないんだ。できれば僕だってちゃんとした彼女が欲しいけど、そんなの無理に決まってる。
それは今現在だけじゃなく、未来永劫そうかもしれない。そう考えたら行動するのは今しかない気がしてならないんだ。
僕の通う学園は美少女と呼ばれる女子が多い。それなりに学力と学費がいるところだ。大事に金をかけられて育ったからだろうと思う。何が言いたいかといえば、つまりお嬢様が多いのだ。
僕の家は金はなかった。その分勉強をがんばった。すべてはこの美少女揃いの学園で青春を謳歌するためである。
だが一年も過ぎればそんなことは無駄だと嫌でも理解する。どれだけ美少女が多かろうとも僕みたいなブサオタには誰一人として見向きもしない。
こうやって高校に堂々と通えるのは今しかない。大人になったら侵入するだけで犯罪だ。卒業生でも僕みたいなのじゃ真正面からなんて無理だろうしね。
だからこその盗撮。環境としては今が一番なのだ。学園に通っている今が。
成功するかはわからない。けれど、何かしらの弱みを握ることができれば。藤咲と高望みは言わなくても他の美少女でもいい。
恋人はいなくてもいい。代わりに性奴隷がいれば、僕にはそれでいい……。
よし! 決意は固まった。やるぞ! 僕はやる!
まずは準備だ。できるだけ金もいる。実際に盗撮する場所だって考えなきゃならない。
祐二は手伝ってくれるだろうか。なんだかんだ言って付き合いの良い奴だ。僕の計画がしっかり立てられるのがわかれば乗ってくるに違いない。あいつだって僕と同じ立場のはずなのだから。
「よしっ」
僕はベットから飛び上がって、早速準備に取り掛かった。
※ ※ ※
休日、買い物のため祐二と出かけた。電器街を男二人で歩く。
「マジでやる気なんだなー」
祐二がぼへーっとしながら言った。
正直、祐二のこのやる気のなさそうな態度に少なからず驚いている。僕と同じ境遇と言っても過言ではない彼なら嬉々として僕の作戦に乗ってくると思っていたのだ。
だがリスクを伴うことだ。祐二も慎重になっているに違いない。それでいてもし成功すれば自分にもおこぼれを、と言ってくるに違いない。この友人はそういう人物だ。
まあいい。なんだかんだで高校でできた唯一無二の友達だ。少しは手伝ってくれるのだろうしいいだろう。
店内を見て回るとカメラは様々な物があった。盗撮に向いていそうな物を中心に選ぶ。貯金を崩したり、コレクションを売ってまで作った金だ。妥協はしないが値段は気にする。
ついて来てくれてなんだが、祐二はこういった知識がないのか役には立たなかった。そのくせ店員に薦められてカメラを一個購入していた。薦められたからって安くもないカメラを買ってしまうなんて。僕と違って彼は案外金持ちなのかもしれない。
僕は厳選に厳選を重ねていくつかのカメラを購入した。自分でも納得できるものを購入できたと思う。祐二みたいに何も考えずに買ったわけではないのだ。
いける。僕は野望に一歩近づいたことを確信した。
※ ※ ※
そしてさらに日々が過ぎた。
不備がないように何度も試し撮りをした。実戦投入は近い。机に並べたカメラを見て思わずにやついた。
女子更衣室とトイレを中心にポイントは絞ってある。できるだけ可愛い子がいそうなところを狙っている。
にやにやが止まらない。ついに僕にも現実での春が来るのだ。笑顔になるのは仕方ない。
計画実行は明日から。そう決めてしまうと心臓がドキドキして眠れそうになかった。
ベットに潜り込む。やはり眠れそうにない。目が冴えてしまう。
そんな時、携帯の着信音が鳴り響いた。あまり着信がないことなのでびっくりした。相手を見ると、祐二だった。
「もしもし祐二?」
『夜遅いのにすまないな。今いいか?』
いつになく真面目な声だった。何かあったのかもしれない。
友達からの相談。こういう青春にも憧れていた。彼の言葉に耳を傾ける。
「大丈夫だよ。どうした」
『井出、戸倉坂真有って知ってるか? 同じ学園だと思うんだけど』
戸倉坂真有。後輩の一年生だ。確かサッカー部のマネージャーで、小さな身体をぴょこぴょこと動かす姿は愛らしくクラスや部でマスコット的な存在の女子だったと思う。
幼い外見ながらも、彼女もしっかりとした美少女なのだ。だからこそ僕は知っていた。全校女子(美少女に限る)を網羅している僕に死角はない。
「知ってるけど、それがどうした?」
いや、あれか? 恋なのか。ついに祐二にも春が来たというのか。こんな唐突なタイミングで名前が挙がるなんてそうとしか考えられない。
しかし僕の予想は大きく外れていた。
『知ってるなら話は早い。お前こないだ女子のあられもない姿を盗撮するって言ってたよな?』
「そ、そうだけど……」
『それならターゲットを絞らないか? その戸倉坂真有に』
「えっ!?」
なぜそんなことを言うのだろう。考えると一つの答えが出た。
「祐二……、お前ロリコンだったのか」
ターゲットをわざわざ指名するのは自分がその子とやりたいからに決まってる。僕はため息を吐いた。
『バッカ違うよっ』
「じゃあなんでさ」
言い淀むような雰囲気がした。しばらく待ってから答えが返ってくる。
『小さいから力ずくでなんとかできそうだし、楽かなぁって』
僕はあきれた。
「全然楽じゃないよ」
無知な友人に彼女の周辺について教えてやることにする。
「彼女はクラスや部内でマスコット的存在なんだ。要するに人気者なんだよ。そんな子が学校で一人きりになるなんてそうそうあることじゃないぞ」
『そ、そうなのか』
こいつ本当に何も知らない。外見だけで選びやがって。かわいいのは認めるけどさ。
「いいか。僕たちはリスキーなことをしようとしてるんだ。ターゲットを絞るのはいいけど、その相手は選べよ」
誰にでも簡単に盗撮が成功して女の子を好きにできるなら僕は真っ先に藤咲彩音を選んでいる。けれど彼女も大勢から注目される存在だ。最初から無理だと思っている。
そうなると選ぶとすれば美少女であることは前提として、地味で友達が少なく、そして実際にレイプされたとしても自身で抱え込む、そんなタイプの女子だ。
それを懇切丁寧に説明するが、意外にも祐二は引き下がらない。いつもは意地になったりする奴でもなかったのに。どうしたことだろう?
戸倉坂真有に何かあるのか? 確かに美少女だけれどそんなに固執する理由もわからなかった。
祐二はしばらく考えているのか無言になる。諦めたわけではない。それはなんとなくわかった。
『わかった。戸倉坂の弱みを握れるなら全面的に協力する。レイプするんだって俺は参加しなくていい。裏方に徹するよ。だから頼む』
頼む。電話越しでも頭を下げている光景が目に浮かぶほどの真摯な声だった。
「なんでそんなにも彼女に固執するんだい?」
当然の疑問だった。間髪いれずにきた答えは僕を驚かせる。
『恨みがあるからだ』
「恨み?」
『ああ。詳しくは言えないが、戸倉坂はひどい女なんだ。レイプされて当然の女なんだ』
祐二が女子を名指しで悪く言うなんて珍しい。藤咲彩音に告白して振られた時でも悪く言ったりしなかった。むしろ笑ってたくらいなのに。
外から見れば全然わからないけど、彼女は裏の顔があるのかもしれない。女はいくつも顔を持ってるって言うし、祐二は酷い扱いでもされたのかもしれなかった。
ふむ、どうしよう。どうせ犯すならそういう女の方が罪悪感がなさそうだ。
ちょっと未成熟な身体にも興味があるしな。それに手伝ってくれて僕が一人占めできるってのがいい。
ギブアンドテイクは基本だと思ってたけど、できれば僕専属の性奴隷が欲しい。彼女の弱みさえ握れればそれが叶う。
それに一度名前を出されると想像力がかきたてられる。どんな風にエッチしようか、そればっかりだ。
まあいいや。恨みってのも気になるけど、こういうのは聞かずにいるのがカッコいい男ってもんだ。いい男友達ってのは察するもんだろう。
「わかった。戸倉坂真有を徹底マークしてやるよ」
僕は了承していた。してしまった。何かこう、ドキドキするな。
祐二は『ありがとな』と言った。そして通話を終えた。
こうして、僕の性奴隷計画が実行されるのであった。
「う、うん。いくよ。藤咲……」
全裸の藤咲彩音がベットの上で僕を挑発する。身にまとう物もない僕は藤咲へと近づく。
白いシーツに彼女の黒髪が広がっている。魅惑的な笑みを僕に向ける。
ペニスは興奮で天を向いている。藤咲のマンコも触れる必要もないくらいに濡れている。準備はオーケーだった。
「いくよ。……ああっ」
挿入は滞りなく行われた。僕のペニスは間違いなく藤咲のオマンコを貫いていた。
目測Eカップの乳を揉む。藤咲は喉を反らせて喘ぐ。腰を打ち付ける。何度も、何度も。
「あんっ、あんあぁっ! 井出くんの気持ち良い……! 最高よ……」
「僕も気持ち良いよ。最高に気持ち良い」
「ああっ……う、嬉しいわ。井出くんが私で気持ち良くなってるっ」
「ああ、本当に最高だ。素晴らしい身体だよ」
藤咲さんはうっとりとした表情で僕を見る。淫乱な表情をした藤咲は可愛かった。
腰を動かしながらも顔を近づける。理解の早い彼女はそっと唇を合わせてくれた。
「ん……ふぅ……」
動きながらなのでさすがに苦しくなる。だけど至福の時だ。濃厚な接吻を繰り返す。
「ぷはっ。藤咲、ぼ、僕を見てくれ!」
「う、うん。やああんっ」
ピストンピストンピストン! これだけの運動でどれだけのエネルギーが作られるのだろう? 数値が出るのならかなりのものが叩き出せると思う。
「井出くん……」
藤咲さんが僕の首に腕を回す。
「好き」
脳が震えた。それに伴い、神経を通ってしびれが全身に伝わる。
「ぼ、僕も! す、好きだよ」
これ以上固くならないと思っていたペニスが、もう一段階固さを増す。それと同時に快感も増した。
愛を確かめるように僕たちはもう一度キスをした。
「も、もう出るよっ!」
「わ、私も……い、イキそうっ」
できれば同時に。僕は歯を喰いしばって腰を振りたくる。
でも、もう限界だった。
「うおおおおおおおおおおっ!!」
最後の咆哮を上げた僕は――
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ドピュドピュ! ドピュドピュ! ドププゥッ!
「あー、スッキリした。やっぱり藤咲さんを想像しながらのオナニーは最高だ」
白濁液をティッシュで後始末しながら息をつく。
日に日に増していく妄想力。自分でも怖くなるくらい洗練されてきている。今日の藤咲さんの出来は完璧だった。本当に本人を相手にしているようだった。
後始末を終えてベットに寝転がる。電球がちかちかして眩しい。
「あー……」
ことが済んでから襲ってくるのは虚無感。いわゆる賢者タイムというやつだ。
スッキリした頭で考えるのは昼間自分自身が口にしたこと。つまり盗撮の件である。
大変なことをしようとしているのはわかっている。見つかれば退学。いや、警察の厄介になるかもしれない。
でも、だ。よく考えてほしい。
僕の顔はお世辞にも良いとは言えない。むしろ悪い。はっきりブサオタと言われたことだってある。
二次元ならともかく、リアル女子と仲良くできる自信なんてないんだ。できれば僕だってちゃんとした彼女が欲しいけど、そんなの無理に決まってる。
それは今現在だけじゃなく、未来永劫そうかもしれない。そう考えたら行動するのは今しかない気がしてならないんだ。
僕の通う学園は美少女と呼ばれる女子が多い。それなりに学力と学費がいるところだ。大事に金をかけられて育ったからだろうと思う。何が言いたいかといえば、つまりお嬢様が多いのだ。
僕の家は金はなかった。その分勉強をがんばった。すべてはこの美少女揃いの学園で青春を謳歌するためである。
だが一年も過ぎればそんなことは無駄だと嫌でも理解する。どれだけ美少女が多かろうとも僕みたいなブサオタには誰一人として見向きもしない。
こうやって高校に堂々と通えるのは今しかない。大人になったら侵入するだけで犯罪だ。卒業生でも僕みたいなのじゃ真正面からなんて無理だろうしね。
だからこその盗撮。環境としては今が一番なのだ。学園に通っている今が。
成功するかはわからない。けれど、何かしらの弱みを握ることができれば。藤咲と高望みは言わなくても他の美少女でもいい。
恋人はいなくてもいい。代わりに性奴隷がいれば、僕にはそれでいい……。
よし! 決意は固まった。やるぞ! 僕はやる!
まずは準備だ。できるだけ金もいる。実際に盗撮する場所だって考えなきゃならない。
祐二は手伝ってくれるだろうか。なんだかんだ言って付き合いの良い奴だ。僕の計画がしっかり立てられるのがわかれば乗ってくるに違いない。あいつだって僕と同じ立場のはずなのだから。
「よしっ」
僕はベットから飛び上がって、早速準備に取り掛かった。
※ ※ ※
休日、買い物のため祐二と出かけた。電器街を男二人で歩く。
「マジでやる気なんだなー」
祐二がぼへーっとしながら言った。
正直、祐二のこのやる気のなさそうな態度に少なからず驚いている。僕と同じ境遇と言っても過言ではない彼なら嬉々として僕の作戦に乗ってくると思っていたのだ。
だがリスクを伴うことだ。祐二も慎重になっているに違いない。それでいてもし成功すれば自分にもおこぼれを、と言ってくるに違いない。この友人はそういう人物だ。
まあいい。なんだかんだで高校でできた唯一無二の友達だ。少しは手伝ってくれるのだろうしいいだろう。
店内を見て回るとカメラは様々な物があった。盗撮に向いていそうな物を中心に選ぶ。貯金を崩したり、コレクションを売ってまで作った金だ。妥協はしないが値段は気にする。
ついて来てくれてなんだが、祐二はこういった知識がないのか役には立たなかった。そのくせ店員に薦められてカメラを一個購入していた。薦められたからって安くもないカメラを買ってしまうなんて。僕と違って彼は案外金持ちなのかもしれない。
僕は厳選に厳選を重ねていくつかのカメラを購入した。自分でも納得できるものを購入できたと思う。祐二みたいに何も考えずに買ったわけではないのだ。
いける。僕は野望に一歩近づいたことを確信した。
※ ※ ※
そしてさらに日々が過ぎた。
不備がないように何度も試し撮りをした。実戦投入は近い。机に並べたカメラを見て思わずにやついた。
女子更衣室とトイレを中心にポイントは絞ってある。できるだけ可愛い子がいそうなところを狙っている。
にやにやが止まらない。ついに僕にも現実での春が来るのだ。笑顔になるのは仕方ない。
計画実行は明日から。そう決めてしまうと心臓がドキドキして眠れそうになかった。
ベットに潜り込む。やはり眠れそうにない。目が冴えてしまう。
そんな時、携帯の着信音が鳴り響いた。あまり着信がないことなのでびっくりした。相手を見ると、祐二だった。
「もしもし祐二?」
『夜遅いのにすまないな。今いいか?』
いつになく真面目な声だった。何かあったのかもしれない。
友達からの相談。こういう青春にも憧れていた。彼の言葉に耳を傾ける。
「大丈夫だよ。どうした」
『井出、戸倉坂真有って知ってるか? 同じ学園だと思うんだけど』
戸倉坂真有。後輩の一年生だ。確かサッカー部のマネージャーで、小さな身体をぴょこぴょこと動かす姿は愛らしくクラスや部でマスコット的な存在の女子だったと思う。
幼い外見ながらも、彼女もしっかりとした美少女なのだ。だからこそ僕は知っていた。全校女子(美少女に限る)を網羅している僕に死角はない。
「知ってるけど、それがどうした?」
いや、あれか? 恋なのか。ついに祐二にも春が来たというのか。こんな唐突なタイミングで名前が挙がるなんてそうとしか考えられない。
しかし僕の予想は大きく外れていた。
『知ってるなら話は早い。お前こないだ女子のあられもない姿を盗撮するって言ってたよな?』
「そ、そうだけど……」
『それならターゲットを絞らないか? その戸倉坂真有に』
「えっ!?」
なぜそんなことを言うのだろう。考えると一つの答えが出た。
「祐二……、お前ロリコンだったのか」
ターゲットをわざわざ指名するのは自分がその子とやりたいからに決まってる。僕はため息を吐いた。
『バッカ違うよっ』
「じゃあなんでさ」
言い淀むような雰囲気がした。しばらく待ってから答えが返ってくる。
『小さいから力ずくでなんとかできそうだし、楽かなぁって』
僕はあきれた。
「全然楽じゃないよ」
無知な友人に彼女の周辺について教えてやることにする。
「彼女はクラスや部内でマスコット的存在なんだ。要するに人気者なんだよ。そんな子が学校で一人きりになるなんてそうそうあることじゃないぞ」
『そ、そうなのか』
こいつ本当に何も知らない。外見だけで選びやがって。かわいいのは認めるけどさ。
「いいか。僕たちはリスキーなことをしようとしてるんだ。ターゲットを絞るのはいいけど、その相手は選べよ」
誰にでも簡単に盗撮が成功して女の子を好きにできるなら僕は真っ先に藤咲彩音を選んでいる。けれど彼女も大勢から注目される存在だ。最初から無理だと思っている。
そうなると選ぶとすれば美少女であることは前提として、地味で友達が少なく、そして実際にレイプされたとしても自身で抱え込む、そんなタイプの女子だ。
それを懇切丁寧に説明するが、意外にも祐二は引き下がらない。いつもは意地になったりする奴でもなかったのに。どうしたことだろう?
戸倉坂真有に何かあるのか? 確かに美少女だけれどそんなに固執する理由もわからなかった。
祐二はしばらく考えているのか無言になる。諦めたわけではない。それはなんとなくわかった。
『わかった。戸倉坂の弱みを握れるなら全面的に協力する。レイプするんだって俺は参加しなくていい。裏方に徹するよ。だから頼む』
頼む。電話越しでも頭を下げている光景が目に浮かぶほどの真摯な声だった。
「なんでそんなにも彼女に固執するんだい?」
当然の疑問だった。間髪いれずにきた答えは僕を驚かせる。
『恨みがあるからだ』
「恨み?」
『ああ。詳しくは言えないが、戸倉坂はひどい女なんだ。レイプされて当然の女なんだ』
祐二が女子を名指しで悪く言うなんて珍しい。藤咲彩音に告白して振られた時でも悪く言ったりしなかった。むしろ笑ってたくらいなのに。
外から見れば全然わからないけど、彼女は裏の顔があるのかもしれない。女はいくつも顔を持ってるって言うし、祐二は酷い扱いでもされたのかもしれなかった。
ふむ、どうしよう。どうせ犯すならそういう女の方が罪悪感がなさそうだ。
ちょっと未成熟な身体にも興味があるしな。それに手伝ってくれて僕が一人占めできるってのがいい。
ギブアンドテイクは基本だと思ってたけど、できれば僕専属の性奴隷が欲しい。彼女の弱みさえ握れればそれが叶う。
それに一度名前を出されると想像力がかきたてられる。どんな風にエッチしようか、そればっかりだ。
まあいいや。恨みってのも気になるけど、こういうのは聞かずにいるのがカッコいい男ってもんだ。いい男友達ってのは察するもんだろう。
「わかった。戸倉坂真有を徹底マークしてやるよ」
僕は了承していた。してしまった。何かこう、ドキドキするな。
祐二は『ありがとな』と言った。そして通話を終えた。
こうして、僕の性奴隷計画が実行されるのであった。
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