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十七歳になったわたしは夜会にも出席するようになり、自分でもびっくりするほどの美貌を惜しげもなく披露していた。
子供の頃から知っているエミリーやスーザンとは今も親交があり、どこのデザイナーの装飾がいいだの、あの職人のレース編みはただごとじゃないなどと買い物に興じたり、どこそこの誰と誰はできているだのなんだのと噂話をしたり自由気ままに楽しんでいる。
もちろんあれからいろいろな場所に御呼ばれをして、エミリーやスーザンだけではなく友人知人問わず様々な人脈が広がった。楚々とした立ち居振る舞いを心がけ、凛とした姿勢を崩さず、微笑みをたたえ、王妃に相応しいと誰からも認められるように努力をした。
けれど、そんな日々は唐突に終わりを告げた。
ある日父は家族を全員集め、ニコニコと顔を崩しながら一人の男性を紹介した。
「サロメ、お前の婚約が決まったぞ」
「え……?」
「お相手はこのウォルド公イグナチウス殿下だ。お前は王妃になるんだぞ」
「…………え」
「サロメ嬢、相応しい男になれるよう、精進するつもりだ。そして、二人で手を取り合ってこの国の民に誇れる王室にしよう」
「彼が成人すると同時に王位に就くことが決まった。おそらく結婚はその前……少しごたごたが続くだろうしな、来年になるだろう。皆もそのつもりでいなさい」
家族中がその吉報に歓びイグナチウス殿下を取り巻き、声を上げていた。
殿下は黒髪の奥で困ったような顔をしながらも、真面目に母や祖父母の会話に付き合っている。
当のわたしは、頭に靄がかかったようで考えを巡らせることができないままで、なんとか父を呼ぶ。
「どうした?」
「あの、……ヨハン様は?」
幼い頃から何度も呼んだ名前がぎこちなく感じる。ここ十年、この屋敷からは足が遠退き、かすかに噂で聞くくらいしか近況を知る術がなかったのだから当然かもしれない。
「あの方のことはお前には関係のないことだ。もう忘れなさい。御名を口にしてもいけない」
殿下に聞こえないよう声を抑えながらも厳しい口調でたしなめる父が、急に他人に感じられた。
家族はわたしの様子に目もくれず、驚きと喜びを分かち合っている。
自分だけがまったく違う空間にいるような気がした。どうして、と思わずにはいられなかった。
「夕飯までごちそうになってしまって、まだ顔合わせなのに」
「いえ、お口に合いましたでしょうか」
「ええ、王宮で食べるものよりも美味だったくらいだ」
両親は調子に乗ってイグナチウス殿下を夕飯にまで招待した。わたしは機械的に料理を口に運ぶだけで味なんてほとんどわからなかった。
さらに迷惑なことに、こうして殿下と二人で食後のお茶を飲んでいるわけだが、
「――それにしてもサロメ、久しぶりだな。俺を覚えているか?」
彼の目の色が変わった。きちんと座っていた姿勢を崩し、足を机に乗せる。
この横柄な態度に思い当たるのは小さい頃に報復合戦をした思い出のある、
「……イグナス」
「ふんっ、幼い頃に池に落とされてから随分経つな。元気そうで何よりだ」
「その節は申し訳ありませんでした」
「昔の話だ。まさか婚約することになるとはな。王の命とは言え、世の中どうなるかわからないものだな」
やれやれとでも言いたげだ。王の命。命令でもなければ、彼がわたしの前にこうして立つことなど、確かにあり得なかっただろう。
どう答えていいのか戸惑っていると、イグナチウス殿下はフッとニヒルな笑みを浮かべる。
「決まったことだ。諦めてくれ、俺も諦める」
「わたしとの結婚は本意ではない、と?」
彼は答えずに用は済んだとばかりに背を向けた。
期待も情もなかったのが幸いだった。ロマンスも何もない、おそらくプロポーズにあたるのだろうそれがなんと「諦めてくれ」とはお粗末過ぎる。家族がいたときの二人で手を取り合って、というのは外面というものなのか。
だがわたしの心は決まっていた。諦めてくれだと、誰が諦めるものか。
それからわたしの画策が始まった。
しかしわたしの婚約者となったイグナチウス殿下というのは、なかなかに隙のない人物である。常に護衛はつけているし、人前では礼儀正しい青年の仮面を外さず、その上好青年の仮面をせずとも友が多い。国民からも愛され、貴族からですら慣れたように扱うのだから、悔しいが彼を推す一派がいるのも無理もないと思わずにはいられなかった。
そこに裏工作を挟むことは難しいことではあったが、幸いにも殿下はわたしを疑いの目では見ていないようで、少しずつではあるが計画を進めていった。情報や人を金で買い、彼の周辺の事情を詳しく探った。
計画は彼の抹殺。ただし物理的なものではなく、社会的なものだ。
婚礼の日取りが決まり、近しい者だけを集めて小さなパーティを開くことにした。それを決行日に決める。
この日がイグナチウス殿下にとって断罪日となるのだ。
「婚礼が近いのに、パーティを開く必要はないんじゃないか」
「殿下、まだ渋っているんですか。親しい方しかお呼びしていませんし、硬くなることもないでしょう?」
「それはそうだが、何も今でなくとも」
「婚礼の直前もその後も慌ただしくなるでしょうし、皆さんに落ち着いて報告できるのは今くらいしかありません」
「……まあな」
いつもならなんだかんだと言いながらも、公的な場には進んで出席する殿下には珍しいことだ。なかなか納得しないイグナチウス殿下をなだめすかして、なんとかパーティ会場まで引っ張り出す。
友人達から様々な祝いの言葉をかけられる中、さりげなく周囲を見回す。
黒い髪にあどけない顔立ちの少女。彼女は最近殿下の周りをうろちょろしていて、殿下自身もその存在を決して邪険にはしていないようだった。招待状はすべてわたしが用意した、彼女の分ももちろん送った。それなのに見当たらない。パーティが始まって一時間は経った。遅れて来るつもりなのか、それとも来ないとでもいうのだろうか。
これから彼女はウォルド公イグナチウス殿下を婚約者から寝取った女として吊るし上げられる……はずだった。わたしは発狂して殿下にナイフで襲いかかる。その醜聞により殿下の名誉は地に落ちる。これが今日のシナリオだ。それなのに、
「誰か探しているのか?」
「殿下……いえ。招待したはずなのに姿が見えない方がいて」
「そうか、体調が優れずに来られなかったのかもしれないな。あまり思いつめた顔をするな」
「はい」
そんなに顔に出ていただろうか。
最悪彼女がこの場にいなくても、大騒ぎすればいいだけのことだ。護衛が気を使って少し距離を取っているこのパーティの日が、最初で最後のチャンスだ。
「招待と言えば、実は俺も個人的に招待した方がいるんだ」
「どなたを?」
「まだ秘密だ。サプライズだからな。お前も幼い頃から知っている方だ」
「それは、楽しみです」
ちゃんと微笑むことができただろうか。
これから傷つけようとしている相手にもかかわらず、悪戯っ子のように笑う彼に不思議と力が緩む。なんて皮肉だろう。この人はこんな笑顔だけは、あの人によく似ている。
殿下がパーティに来ている客人たちを見つめる目は穏やかで、動悸が治まっていくのを感じる。
わたしはずっと隠し持っていたナイフに手をかけ、
「なあサロメ。俺は、お前との結婚――」
彼に切りかかった。
誰かの悲鳴が耳に届く。気にしていられない。勢いのままに切りかかったので感触は浅い、とっさに庇ったのか、手のひらに血が滲んでいた。もっと深くなくては――。倒れこみそうになるのを踏ん張って、もう一度振り上げる。
「サロメ!!」
ナイフを振り下ろす前に、右足に激痛が走った。
目線を下げると太腿に矢が突き刺さっている。この矢は……。ドレスにじわりと血が滲んでいく。
矢が放たれた方向を見る。見たくないのに、追ってしまう。
「ヨハンが……?」
イグナチウス殿下の護衛に取り押さえられながら、わたしの目はヨハンに釘付けになっていた。
矢を放ったのは彼だった。恐らく殿下が言っていたサプライズで招待したというのが、ヨハンだったのだ。想像すれば簡単に推測できたのに。
ヨハンはわたしに一言だけ、
「君のせいではない」
そう言った。久しぶりに聞いた声はとてもかすれていた。
ヨハン、どうしてそんなことを言うの。どうして弓を持っていたの? どうして迷いもなくわたしを射たの? どうして、どうして、どうして。連行されながらわたしはずっと彼に問い続けていた。彼の姿がもうとっくに見えなくなっているのに。ずっとずっと問い続けた。だって、いつも、なんでも、問えば答えてくれたのに。
ねえ、どうして、
どうしてそんな顔をしているの?
子供の頃から知っているエミリーやスーザンとは今も親交があり、どこのデザイナーの装飾がいいだの、あの職人のレース編みはただごとじゃないなどと買い物に興じたり、どこそこの誰と誰はできているだのなんだのと噂話をしたり自由気ままに楽しんでいる。
もちろんあれからいろいろな場所に御呼ばれをして、エミリーやスーザンだけではなく友人知人問わず様々な人脈が広がった。楚々とした立ち居振る舞いを心がけ、凛とした姿勢を崩さず、微笑みをたたえ、王妃に相応しいと誰からも認められるように努力をした。
けれど、そんな日々は唐突に終わりを告げた。
ある日父は家族を全員集め、ニコニコと顔を崩しながら一人の男性を紹介した。
「サロメ、お前の婚約が決まったぞ」
「え……?」
「お相手はこのウォルド公イグナチウス殿下だ。お前は王妃になるんだぞ」
「…………え」
「サロメ嬢、相応しい男になれるよう、精進するつもりだ。そして、二人で手を取り合ってこの国の民に誇れる王室にしよう」
「彼が成人すると同時に王位に就くことが決まった。おそらく結婚はその前……少しごたごたが続くだろうしな、来年になるだろう。皆もそのつもりでいなさい」
家族中がその吉報に歓びイグナチウス殿下を取り巻き、声を上げていた。
殿下は黒髪の奥で困ったような顔をしながらも、真面目に母や祖父母の会話に付き合っている。
当のわたしは、頭に靄がかかったようで考えを巡らせることができないままで、なんとか父を呼ぶ。
「どうした?」
「あの、……ヨハン様は?」
幼い頃から何度も呼んだ名前がぎこちなく感じる。ここ十年、この屋敷からは足が遠退き、かすかに噂で聞くくらいしか近況を知る術がなかったのだから当然かもしれない。
「あの方のことはお前には関係のないことだ。もう忘れなさい。御名を口にしてもいけない」
殿下に聞こえないよう声を抑えながらも厳しい口調でたしなめる父が、急に他人に感じられた。
家族はわたしの様子に目もくれず、驚きと喜びを分かち合っている。
自分だけがまったく違う空間にいるような気がした。どうして、と思わずにはいられなかった。
「夕飯までごちそうになってしまって、まだ顔合わせなのに」
「いえ、お口に合いましたでしょうか」
「ええ、王宮で食べるものよりも美味だったくらいだ」
両親は調子に乗ってイグナチウス殿下を夕飯にまで招待した。わたしは機械的に料理を口に運ぶだけで味なんてほとんどわからなかった。
さらに迷惑なことに、こうして殿下と二人で食後のお茶を飲んでいるわけだが、
「――それにしてもサロメ、久しぶりだな。俺を覚えているか?」
彼の目の色が変わった。きちんと座っていた姿勢を崩し、足を机に乗せる。
この横柄な態度に思い当たるのは小さい頃に報復合戦をした思い出のある、
「……イグナス」
「ふんっ、幼い頃に池に落とされてから随分経つな。元気そうで何よりだ」
「その節は申し訳ありませんでした」
「昔の話だ。まさか婚約することになるとはな。王の命とは言え、世の中どうなるかわからないものだな」
やれやれとでも言いたげだ。王の命。命令でもなければ、彼がわたしの前にこうして立つことなど、確かにあり得なかっただろう。
どう答えていいのか戸惑っていると、イグナチウス殿下はフッとニヒルな笑みを浮かべる。
「決まったことだ。諦めてくれ、俺も諦める」
「わたしとの結婚は本意ではない、と?」
彼は答えずに用は済んだとばかりに背を向けた。
期待も情もなかったのが幸いだった。ロマンスも何もない、おそらくプロポーズにあたるのだろうそれがなんと「諦めてくれ」とはお粗末過ぎる。家族がいたときの二人で手を取り合って、というのは外面というものなのか。
だがわたしの心は決まっていた。諦めてくれだと、誰が諦めるものか。
それからわたしの画策が始まった。
しかしわたしの婚約者となったイグナチウス殿下というのは、なかなかに隙のない人物である。常に護衛はつけているし、人前では礼儀正しい青年の仮面を外さず、その上好青年の仮面をせずとも友が多い。国民からも愛され、貴族からですら慣れたように扱うのだから、悔しいが彼を推す一派がいるのも無理もないと思わずにはいられなかった。
そこに裏工作を挟むことは難しいことではあったが、幸いにも殿下はわたしを疑いの目では見ていないようで、少しずつではあるが計画を進めていった。情報や人を金で買い、彼の周辺の事情を詳しく探った。
計画は彼の抹殺。ただし物理的なものではなく、社会的なものだ。
婚礼の日取りが決まり、近しい者だけを集めて小さなパーティを開くことにした。それを決行日に決める。
この日がイグナチウス殿下にとって断罪日となるのだ。
「婚礼が近いのに、パーティを開く必要はないんじゃないか」
「殿下、まだ渋っているんですか。親しい方しかお呼びしていませんし、硬くなることもないでしょう?」
「それはそうだが、何も今でなくとも」
「婚礼の直前もその後も慌ただしくなるでしょうし、皆さんに落ち着いて報告できるのは今くらいしかありません」
「……まあな」
いつもならなんだかんだと言いながらも、公的な場には進んで出席する殿下には珍しいことだ。なかなか納得しないイグナチウス殿下をなだめすかして、なんとかパーティ会場まで引っ張り出す。
友人達から様々な祝いの言葉をかけられる中、さりげなく周囲を見回す。
黒い髪にあどけない顔立ちの少女。彼女は最近殿下の周りをうろちょろしていて、殿下自身もその存在を決して邪険にはしていないようだった。招待状はすべてわたしが用意した、彼女の分ももちろん送った。それなのに見当たらない。パーティが始まって一時間は経った。遅れて来るつもりなのか、それとも来ないとでもいうのだろうか。
これから彼女はウォルド公イグナチウス殿下を婚約者から寝取った女として吊るし上げられる……はずだった。わたしは発狂して殿下にナイフで襲いかかる。その醜聞により殿下の名誉は地に落ちる。これが今日のシナリオだ。それなのに、
「誰か探しているのか?」
「殿下……いえ。招待したはずなのに姿が見えない方がいて」
「そうか、体調が優れずに来られなかったのかもしれないな。あまり思いつめた顔をするな」
「はい」
そんなに顔に出ていただろうか。
最悪彼女がこの場にいなくても、大騒ぎすればいいだけのことだ。護衛が気を使って少し距離を取っているこのパーティの日が、最初で最後のチャンスだ。
「招待と言えば、実は俺も個人的に招待した方がいるんだ」
「どなたを?」
「まだ秘密だ。サプライズだからな。お前も幼い頃から知っている方だ」
「それは、楽しみです」
ちゃんと微笑むことができただろうか。
これから傷つけようとしている相手にもかかわらず、悪戯っ子のように笑う彼に不思議と力が緩む。なんて皮肉だろう。この人はこんな笑顔だけは、あの人によく似ている。
殿下がパーティに来ている客人たちを見つめる目は穏やかで、動悸が治まっていくのを感じる。
わたしはずっと隠し持っていたナイフに手をかけ、
「なあサロメ。俺は、お前との結婚――」
彼に切りかかった。
誰かの悲鳴が耳に届く。気にしていられない。勢いのままに切りかかったので感触は浅い、とっさに庇ったのか、手のひらに血が滲んでいた。もっと深くなくては――。倒れこみそうになるのを踏ん張って、もう一度振り上げる。
「サロメ!!」
ナイフを振り下ろす前に、右足に激痛が走った。
目線を下げると太腿に矢が突き刺さっている。この矢は……。ドレスにじわりと血が滲んでいく。
矢が放たれた方向を見る。見たくないのに、追ってしまう。
「ヨハンが……?」
イグナチウス殿下の護衛に取り押さえられながら、わたしの目はヨハンに釘付けになっていた。
矢を放ったのは彼だった。恐らく殿下が言っていたサプライズで招待したというのが、ヨハンだったのだ。想像すれば簡単に推測できたのに。
ヨハンはわたしに一言だけ、
「君のせいではない」
そう言った。久しぶりに聞いた声はとてもかすれていた。
ヨハン、どうしてそんなことを言うの。どうして弓を持っていたの? どうして迷いもなくわたしを射たの? どうして、どうして、どうして。連行されながらわたしはずっと彼に問い続けていた。彼の姿がもうとっくに見えなくなっているのに。ずっとずっと問い続けた。だって、いつも、なんでも、問えば答えてくれたのに。
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