根暗男が異世界転生してTS美少女になったら幸せになれますか?

みずがめ

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二章 魔道学校編

第42話 精霊使いvs精霊使い

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「さて、精霊使い同士の戦いを始めようか」

 飛行魔法で浮いているディジーはわたしを見下ろしながらそう言った。
 彼女の隣には燃え盛るような存在感を持った炎の大精霊。名前はフレイと言ったか。つまりアウスと同じ存在ということだろう。
 わたしとアルベルトさん以外にも精霊使いがいたなんて。まったくそういう人が出てこないもんだから意識の外になってたよ。
 あんな存在を出されたんじゃあわたしの手に負える相手じゃない。現時点でもアウスの力には遠く及ばないのだ。同格の大精霊の力はそれほどに凄まじい。
 ど、どうすべきか。わたしが迷っていると、隣に暖かな空気が広がる。
 灰色の髪をおさげにした少女。いつも通りの眠たげな眼をしているのはアウスだった。

「エル、あーしの力を使うの」
「アウス……? で、でも……」
「あいつが出てきたからにはエルに勝ち目はないの。それに、同じ条件なら卑怯でもなんでもないの」

 そうだ。相手は精霊使い。わたしと同じなのだ。
 この対校戦は魔道士の卵達の戦いだ。だからこそ自身の魔法で戦わなきゃフェアじゃない。だからこそアウスに頼ろうとはしなかった。
 でも、相手が同じく精霊の力を使おうというのなら話は別だ。
 精霊使い同士の戦い。そんなガチンコバトルは初めてだ。それでもいいだろう。やってやろうじゃないか!

「わかった。力を貸して、アウス」
「任せるの。あーしあいつが嫌いだから喜んでエルに協力するの」

 精霊にも好き嫌いがあるんだなぁ。そう思ってはたと気が付いた。

「そういえばアウス。最初にディジーに会った時にすごく警戒してたけど、ディジーが精霊使いって気づいてたの?」
「もちろんなの。むしろ大精霊の存在に気づけない精霊使いなんていないの」
「うっ……」

 気づかなかった精霊使いのわたしなんですが……。ていうかそういうことだったら早く言ってくれればよかったのに。
 いや、この口ぶりだとわたしなら気づくのが当たり前だったのだろう。鈍感でごめんなさい。

「ふふっ、準備はいいようだね。じゃあ始めようか」

 アウスの存在を確認したみたいで、ディジーは杖を構えた。
 やっぱりディジーもアウスが見えていたのか。気づかなかったのはわたしだけ。なんてこったい……。
 と、気落ちしている場合じゃない。フレイがディジーの杖と一体化するように溶けていった。そして彼女の杖から赤い光が輝き出す。

「え?」

 ディジーの杖の先端から赤く輝いたビームのようなものが放たれた。その光は速く、力強かった。
 いきなりのことで動けないわたしの前にアウスが出る。するとビームを防ぐように巨大な盾が現れた。
 巨人でもなければ持つことすらできないような大きな盾だ。それがディジーの放ったビームとぶつかる。
 耳を塞ぎたくなるほどの轟音! 思わず目をつむってしまうほどの衝撃だった。
 衝撃が収まった頃に目を開ける。そこにはわたしとアウスを守る盾が存在し続けていた。
 あのすべてを蒸発させてしまいそうなビームを防いだのか? アウスってすごいんだなぁ。頭が働かないのかそんな感想しか出てこなかった。

「ク、ククククク……アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

 ディジーの高笑いが響く。ど、どうした!?

「これだ! やっぱりこうじゃなくちゃ面白くない! 血が躍るようだよエル! ボクはキミのような強者を求めていた!!」

 実に楽しそうな声色だった。
 まさかディジーが戦闘狂(バトルジャンキー)だったとは。セリフから考えてそうとしか思えない。ちょっと狂気じみていて一歩退いてしまう。
 なんだかんだと言っても精霊の力は強大だ。大精霊なんて存在自体が人間よりも格上だと言っても過言じゃない。
 それほどの力を持ってしまったディジーには同格の敵なんていなかったのだろう。だから同じ精霊使いであるわたしに期待していたのか。
 なるほど。やけに気にかけられていると思ったけどそういうことだったのか。普通に考えて初対面からこんなに早く仲良くなれるもんじゃないしね。
 しかし、今はディジーの目的とかそんなことはどうでもいい。
 今わたしが考えなきゃいけないのは、この戦いでどうやって勝つか。ただそれだけだ。

「エルもやっとやる気になったの。やれやれなの」
「う、うるさいな。急展開で頭の中を整理するのが大変だったんだよ」
「あの熱苦しいフレイに目にもの見せてやるの」
「お、おーっ! ……仲悪いの?」
「精霊にはニンゲンに理解できないほどの深ーいわだかまりというものがあるの」
「そ、そっすか」

 触れていいのかどうか微妙な感じ。精霊の交友関係ってどうなってんだろ?

「遠慮なく行かせてもらうよ!」

 盾の向こう側からとんでもない力の奔流を感じる。力は集約し、放たれた。

「まずいの」

 口調がいつもののんびりした感じだったから警戒が少し遅れた。
 轟音とともに盾がビキビキと不穏な音を立てる。それから間もなく砕けてしまった。
 その先ではいくつもの赤く輝く塊があった。それがビームとなって襲いかかる。

「あの数は反則だって!」
「口を動かしている暇はないの。エルはマナの循環に集中するの」
「わかってるよ!」

 ディジーから 距離を取りながら外界からマナを取り込む。それを体内で魔力に変えるのが魔法使いである。
 それを体内で魔力に変換することなく精霊の糧として捧げる。それが魔法使いと精霊使いとの違いである。
 ただ、大精霊にはそのような過程は必要なかったりする。本人自体がマナの塊のような存在なので、わたしがいくらマナをあげたところで雀の涙ほどにしかならないのだ。
 だから、わたしが捧げる相手はこの場にいる微精霊である。
 これによって簡易的に微精霊と契約したことになる。つまり、力をもらえるということだ。
 アウスが盾を作る。それをフレイの力であろうビームが壊す。そんな攻防が続いていた。
 耐えてはいるが守っているばかりでは勝ち目がない。
 わたしは微精霊から力を借り受ける。やり方は簡単だ。小さい頃に何度もやっている。というか魔法よりも先に微精霊の力を使ってきたわたしだ。イメージするだけでいい。
 イメージのまま生成する。それは空に浮いているディジーの近くに現れた。
 土でできた手がディジーに掴みかかる。それも両手でだ。その手は大きく、両手を使えば大の大人ですらすっぽりと覆えるだろう。
 アウスが作る盾で視界が塞がっているはずなのに、土の手は正確にディジーに向かっているのがわかる。この辺は精霊さん達が気を利かせてくれているのだろう。グッジョブ!

「その程度じゃあボクは捕まらないよ」

 ディジーは飛行魔法でスイスイとよけていく。それどころかあのビームの反撃で土の手が破壊されてしまった。
 ただ、それは織り込み済みだ。
 アウスの盾から剣が生える。盾と同じく巨大な剣だ。
 その剣先がものすごいスピードでディジーに向かう。反撃したばかりの彼女は反応が遅れた。

「くっ!?」

 盾から攻撃されるとは思っていなかったのだろう。ディジーは無理な体勢から体をよじる。
 かろうじてかわしたものの、ディジーは墜落して地面に着地した。あの体勢から無事着地するなんてかなりの身のこなしだ。
 だけどそれは隙になる。
 ディジーの足が埋まる。彼女が着地した地点は泥と化している。そこから腕が出てきてディジーを飲み込もうとしているのだ。

「――エリアディスペル。……やはり効果はないか」

 微精霊とはいえれっきとした精霊の力だ。ディスペルは効かない。魔法とは根本的に作りが違うのだろう。

「だったら、フレイ!」

 ディジーを炎が包む。焼かれてしまった!? と心配したものの、炎が纏わりついているのに彼女は無事な様子だった。術者には影響がないらしい。
 泥の腕は溶けてなくなる。地面の泥自体も微精霊が焼かれて消滅していった。

「嘘!? 微精霊が死んじゃった!?」
「精霊は死なないの。フレイの力に耐えきれなくなって消滅しただけなの。時間をかければまた復活するの」
「あ、ああそうなのか。びっくりした」

 わたしのせいで微精霊が死んだのかと思った。死んでないとはいえ申し訳ないことをしちゃったかな。

「先に一撃を入れた方が勝ちなの」
「わかってる。魔障壁を壊すのがルールだからね」
「だったら格の違いを思い知らせてやるの。アレをやるの」
「え、ここで?」
「もちろんなの。それにもともとエルがやりたいって言ってたの」
「いやまあ、そうだけどさぁ……」
「悩んでいる暇はないの。早くするの」

 こんなところでぶっつけ本番になるとは。
 アウスも何がなんでも勝ちたいみたいだし。このままやってたら長期戦になりそうだ。だったら覚悟を決めてやってやろうじゃないか!
 アウスがわたしに重なる。光の粒子がわたしを包んだ。
 わたしを包んだまま見えざる力が働く。それは精霊の力だ。人間とは別の種類の力である。
 わたしは鋼鉄のゴーレムの中にいた。

「これは……?」
「精霊術式ゴーレム。その初号機だ」

 首をかしげるディジーに宣言してやる。
 そう、これはわたしとアウスが生み出したロボット。つまり……ガ○ダム!
 ……をモデルにした操縦型ゴーレムである。
 大きさは五メートルほど。アウスならもっと大きくできるのだが、そうしてしまうとわたしの力がゴーレムの全身に及ばなくなってしまう。そのため今はこの大きさで落ち着いている。いつかはリアルガ○ダムの大きさを操れるようになるのが目標だ。
 形をガ○ダムにしたかったのだが、なかなかそれが難しかった。わたしとアウスのイメージがどうしても一致しなかったのである。絵心のない自分が恨めしい。
 そんなわけで外見は全身鎧の騎士みたいになった。まあこれはこれでかっこいいのでとりあえずは納得しておく。
 そして中身はわたしとアウス。
 中は操縦席になっているわけではなく、すっぽりとわたしを覆っている状態だ。それでも生命維持には問題なく、操縦に至っては手を動かす必要もなくわたしの意思だけで行えるという優れものだ。
 わたしが中に入って動かすことによって、ゴーレムの精密な動きを可能にしたのだ。本来のゴーレムは簡単な命令しか実行できないので性能の差が段違いなのである。
 土属性でゴーレムを作れるようになってからの夢である。自分がパイロットになれるロボットを作り動かすのだ。これはその試作機である。
 軽くポーズを決めてみる。ガチョンガチョンと軽快に動いてくれる。おおっ、素晴らしいじゃないか!

「なるほど。エルはその中にいるのか」
「そうだよ。このロボ……ゴーレムはわたしが直に動かしているんだ」
「そうかい。でも、そんなところにいて大丈夫かい?」

 ディジーが杖を向ける。そこに集約した力はビームとなって襲いかかる。
 アウスが作っただけあってこのゴーレムはとんでもなく硬い。それでもあのビーム相手に耐えれるかどうかは未知数だ。
 だから当たってやろうとは思わない。
 わたしは命じるだけだ。そのビームをかわすように。

「何っ!?」

 スライドするようにビームをかわした。そのまま摩擦を無視した動きでディジーに接近する。

「ただのゴーレムじゃないということかっ!」

 ディジーはいくつものビーム弾を作り出す。軽く十以上はあった。それが一斉に発射される。
 精霊術式ゴーレム初号機のスピードはケタ違いだ。ディジーの攻撃を回避して回避して回避しまくった。ビームの発射と同時に反応できる。その速度は身体能力を強化していたディジーですら止まっているように感じられるほどの速さだ。
 これだけの速度で動いているのに乗り物酔いはない。中はとても快適です。さすがはアウスだね。

「あ、当たらない……っ」

 愕然とするディジー。普通ならあのビームをよけられる人なんていないだろう。それどころか防御したって防げるような代物でもない。
 すごいのはアウスだ。普段はやる気がないくせに、やる時はとっても頼りになるのだ。
 それがわたしの契約した大精霊。相棒であるアウスの力だ!
 ビームをすべてかわし、わたしはディジーの前に立つ。そして、一撃を加えるために腕を振り上げた。
 自分の負けを悟ったのだろうか。とんがり帽子の下の表情は穏やかに笑っていた。

「さすがは……アルベルトが見込んだ女の子、か」
「え?」

 ディジーの呟き。聞き返す暇なんてなく、わたしが繰り出したゴーレムの拳が彼女を打ち抜いた。
 その瞬間、パリンッという音とともに、ディジーは転移してしまった。
 そして歓声が沸き上がった。

「勝者エル・シエル!!」

 遅れて審判の声が響いた。歓声はさらに大きさを増してゴーレム越しにわたしに届いた。
 とてもうるさく、とても心地が良かった。
 その振動として伝わってくる歓声が、優勝を実感するのには充分だった。
 わたしは勝ったんだ。この対校戦で優勝したんだ。そういった実感が喜びとなって胸から弾けた。
 拳を天に突き出し喜びを表す。ガッツポーズは感情のままに出てしまうことを初めて知った。
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