スキルを極めろ!

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341 冒険者ギルド

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#341 冒険者ギルド

 久しぶりに街に出た。
 最初のうちはいつ魔族が来るかと待機していたのだが、そんな集中力はいつまでも続くもんじゃない。なので俺は気晴らしに街に出て来たのだ。

 街の様子は特に変わったことはない。魔族の襲撃を受ける最前線だというのに呑気なもんだ。
 ちょっと冒険者の数が多いかなと思う程度だ。今の時期、冒険者も傭兵として雇われてたりするしね。

 ちなみに冒険者を戦争目的で依頼を出すのは禁止されている。だけど募集をかけるのは自由だし、応募するかも自由だ。応募自体禁止されてるのは上級冒険者だけだ。

 ふむ、依頼でもみるか。受けるつもりはないけど、どんな依頼があるか見れば街の状況もわかるかもしれない。


 冒険者ギルドはどの街でも中心地に近い一番良い場所に立っている。なので見つけるのはそう難しくない、、、はずだったんだけど、一番良い場所には大手の商会があるだけだった。

「すいません、冒険者ギルドはどこでしょうか?」

 街ゆく人に聞いてみると、一本裏手にあるそうだ。なんでも教会が殺伐とした冒険者ギルドが大通りにあるのを嫌ったとか。まあ確かに武器を装備したゴツい兄ちゃんたちが我が物顔で大通りを歩いてたら気分よくはないかもね。

 この街は首都なので大きな建物を予想していたのだが、結構こじんまりしていた。もしかしてそんなに冒険者は多くないのかもしれない。

 建物に入ると、受付と掲示板があるだけで酒場はなかった。まあ建物の大きさからしてもそんなスペースはなかっただろうけど。

「すいません、この街に来たばっかりなんですが、なんでこんなに小さいんでしょうか?ここは首都ですよね?もっと大きなのを想像してたんですけど」

「それは簡単な話ですよ。仕事が少ないからです。
 仕事が多いのは北にあるアズハの街です。魔の森に近いですからね。ここはこの教国全体のギルドの管理を主に行っています。
 依頼に関しては街中の仕事が多いですね。
 今は傭兵として雇われている下級冒険者が多いので余計に人が少ないです」

 なるほど。首都だからと言って一番大きな支部とは限らないのか。首都だけど支部でいいんだよな?確かザパンニ王国の王都にあるのが本部だったような気がする。

「それにしては街中に冒険者が沢山いたように思うのですが」

「それも戦争のせいね。魔物討伐は冒険者が一番慣れてますからね。傭兵として雇われた人たちも基本は魔物の残党を倒すのが仕事みたいですよ。
 あなたも傭兵として雇われるならきちんと装備を整えた方がいいわよ」

 あ、そう言えば武器も防具も装備してなかった。

「えっと、武器屋はどこでしょうか?」

「そうねちゃんと装備は整えた方がいいわね。この街では街中の仕事くらいしかないけど、何かあった時のためにも揃えておかないとね。
 武器屋はここから左に10分ほどの場所にあるわ。初心者用の店だからあんまり高くないはずよ」

 初心者用の武器じゃダメなんだけど。まあいいか。剣は一本持ってるし。結構いいやつだから折れることもないだろうしね。

「ありがとうございます」

 俺は一応掲示板も確認してみたが本当に街中の仕事しかなかった。Fランク依頼とかじゃないか?というかランク別になってないということはFランク専用?高位の依頼が出たらどうするんだろうか。

 その時入り口の扉が開き、女性3人組の冒険者が入って来た。魔物の納品だろうか。背中には大きな荷物を背負っている。

「リリィ、オークを狩って来た。買取を頼む」

 どうやらオークを討伐したらしいが、改めて掲示板を見てもオークの討伐依頼はない。

「お疲れ様です。集落を形成している感じはありましたか?」

「なかったな。こいつが1匹でうろついていただけだった。どこから迷い込んだのかは知らないけど1匹だけならと思って倒してしまった。依頼は調査だったけど問題ないよな?」

「ええ、問題ありません。集落を形成してたらアズハの街から上級冒険者を呼ばないと行けなかったですからね。問題がなかったようでよかったです」

「他に何か依頼はないか?なければ今日は酒盛りでもするが」

「今日はないですね。というか滅多にないですが。酒盛りでもしててください」

 なるほど、街中の依頼以外は直接依頼を伝えられるのか。中級以上の冒険者がいない支部だから出来ることだな。首都にある支部なのに田舎町みたいなやり方だ。

「パティさんは傭兵に応募はしないんですか?今は戦力を集めるためか金額が上がってるみたいですよ?」

「傭兵は自由がないからパスだな。稼ぎたくなったらアズハの街にでも行くさ」

 ふむふむ。傭兵を多く集めてると。王宮、教会?にいるよりも有用な情報が集まるな。これは酒場とかでも情報収集した方がいいかもしれないな。生の情報は価値がある。


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