スキルを極めろ!

アルテミス

文字の大きさ
上 下
170 / 351

170 高級肉

しおりを挟む

#170 高級肉

俺たちはそれからもCランクの依頼を受け続けた。そうなると俺のランクも簡単に上がり、Dランクになった。

受付からは、実力もないのにランクの上がったボンボンに見えてるんだろうけど。それともハーレムにでも見えるのかな?確かに綺麗どころ4人を連れてるしね。

まあ、予定のDランクになったので問題ない。これ以上受ける必要もないしね。

さて、当座の目的は果たした。この後は観光だ。
べスク王国に来てから、満足に観光していない。

「メアリー、何か特産とかあるのか?」

「ふう、事前に調査されてないんですね。
ええ、ありますよ。ザパンニ王国への交易品は塩が多いですが、それ以外にも穀物類が多く、大変肥沃な畑を抱えています。それゆえに質のいい家畜なども多く、高級肉も交易品になっています」

「なるほど、肉ね。そんなに高級品は味が違うのか?」

俺はスーパーの肉も、ブランド肉も大して変わらないように感じるので、一定以上の味さえあれば良い。

「ええ、全く別物と言ってもいいほどに違います。ステーキにすれば一目瞭然です」

「それほど違うのか。一度食べてみたいな」

「それなら、店を予約しましょう。あ、クレアとマリアはどうしましょうか?高級店なので、奴隷は。。。」

「個室とかでなんとかならないか?」

「一応確認してみますね」



「ダメでした。入るの自体がダメみたいで。あと、お土産もダメだそうです」

「仕方ないな」



俺たちは高級料理店に来ていた。木の部分が、黒っぽく艶が照っており、高級感に溢れている。リリアもメアリーもドレス姿だ。俺はこの前買ったタキシードだ。
店に入ると、燕尾服を着たギャルソンが案内してくれる。ボーイっていうだっけ?高級店は行ったことないのでよく分からん。
お勧めを頼むと、ワインについて聞かれた。3人なので、ボトルで頼む。

高級料理店らしく、コース料理だ。
フォークとナイフは外側から使うんだっけ?俺はメアリーとリリアが食べ始めるのを確認してから、同じようにして食べる。
主祭でようやくステーキが出てきた。さて、どうだろう?
普段食べるオーク肉よりも肉がジューシーで旨味もたっぷりだ。素直に美味しい。これが高級肉の味か。

リリアの屋敷や王宮でも食べる機会があったのだが、これより上だっただろうか?正直覚えてない。比較して食べないとわからないよね。

ここの肉は専用の畜産農家と契約し、上質な肉を得ているという。家畜の食べ物まで指定しているらしい。肉を持ってくるときにギャルソンが語ってくれた。

美味しかったが、3人で大銀貨3枚は安いのだろうか?一人一食10万円、十分高いわ。

だけど、コストパフォーマンスは悪いな。それにマナーに気を使って、食べた気がしない。俺には高級店は合わないようだ。定食屋で奮発してワイバーンの肉とかがいいかな?



宿に帰ると、1階の食堂で騒ぎが起きていた。

「なんだと。もう一度いってみやがれ!」

「何度でも言ってやる、ここは貴族様がくるような店じゃねぇ。貴族を振り回すなら他の店に行きやがれ!」

どうやら貴族が食べにきたらしい。食事は美味しいけど、貴族が来るような店じゃないですよ?

「チャーミーちゃんに手を出してみやがれ!俺たちが黙ってないからな!」

どうやら、給仕の女の子はチャーミーちゃんと言うらしい。貴族が言いよったのかな?

「うるさい、平民は俺の言うことを聞いていればいいんだ。俺の女にしてやると言ってるんだ。ありがたがっても断るなどあり得ん!」

ふむ、貴族がチャーミーちゃんを手篭めにしようとしていると。なんでまた俺のいる宿でやるかねぇ。

俺たちが入っていくと、貴族はビクッとした。タキシードとドレスで着飾っているのだ。貴族だと思われても仕方ない。

「貴殿らもそう思うだろう。俺の女になった方がその女は幸せになれる!断るのは不敬だ!」

「あー、そう言うのはよそでやってくれませんか?せっかく食事の余韻に浸っているところなんで」

「ふん、平民がいきがっていたのか。当然だな、貴族なら俺に賛成するはずだからな」

いや、俺以外の二人は貴族ですよ?

「今日のところはこれで帰ってやるが、明日にでも俺の屋敷にこい。いいな!」

言うことだけ言って帰ってしまった。
クレアとマリアが俺の方をみているが、俺は何もする気は無いよ?わざわざ貴族とやりあうのも面倒だし。
クレアかマリアが直接何とかしてくれと、相談してくるなら考えてもいいけど、自分からは突っ込まないよ?

「メアリー、リリア、部屋に帰って、着替えよう」

メアリーとリリアがため息をついていたが、俺の方が正しいと思うよ?
女性同士で何か思うところはあるのかもしれないけど。もう一度言うけど、積極的に相談してくるなら考えるよ?

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。 子供の頃、僕は奴隷として売られていた。 そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。 だから、僕は自分に誓ったんだ。 ギルドのメンバーのために、生きるんだって。 でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。 「クビ」 その言葉で、僕はギルドから追放された。 一人。 その日からギルドの崩壊が始まった。 僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。 だけど、もう遅いよ。 僕は僕なりの旅を始めたから。

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。 牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子 信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。 初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった *** 異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います

処理中です...