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170 高級肉
しおりを挟む#170 高級肉
俺たちはそれからもCランクの依頼を受け続けた。そうなると俺のランクも簡単に上がり、Dランクになった。
受付からは、実力もないのにランクの上がったボンボンに見えてるんだろうけど。それともハーレムにでも見えるのかな?確かに綺麗どころ4人を連れてるしね。
まあ、予定のDランクになったので問題ない。これ以上受ける必要もないしね。
さて、当座の目的は果たした。この後は観光だ。
べスク王国に来てから、満足に観光していない。
「メアリー、何か特産とかあるのか?」
「ふう、事前に調査されてないんですね。
ええ、ありますよ。ザパンニ王国への交易品は塩が多いですが、それ以外にも穀物類が多く、大変肥沃な畑を抱えています。それゆえに質のいい家畜なども多く、高級肉も交易品になっています」
「なるほど、肉ね。そんなに高級品は味が違うのか?」
俺はスーパーの肉も、ブランド肉も大して変わらないように感じるので、一定以上の味さえあれば良い。
「ええ、全く別物と言ってもいいほどに違います。ステーキにすれば一目瞭然です」
「それほど違うのか。一度食べてみたいな」
「それなら、店を予約しましょう。あ、クレアとマリアはどうしましょうか?高級店なので、奴隷は。。。」
「個室とかでなんとかならないか?」
「一応確認してみますね」
「ダメでした。入るの自体がダメみたいで。あと、お土産もダメだそうです」
「仕方ないな」
俺たちは高級料理店に来ていた。木の部分が、黒っぽく艶が照っており、高級感に溢れている。リリアもメアリーもドレス姿だ。俺はこの前買ったタキシードだ。
店に入ると、燕尾服を着たギャルソンが案内してくれる。ボーイっていうだっけ?高級店は行ったことないのでよく分からん。
お勧めを頼むと、ワインについて聞かれた。3人なので、ボトルで頼む。
高級料理店らしく、コース料理だ。
フォークとナイフは外側から使うんだっけ?俺はメアリーとリリアが食べ始めるのを確認してから、同じようにして食べる。
主祭でようやくステーキが出てきた。さて、どうだろう?
普段食べるオーク肉よりも肉がジューシーで旨味もたっぷりだ。素直に美味しい。これが高級肉の味か。
リリアの屋敷や王宮でも食べる機会があったのだが、これより上だっただろうか?正直覚えてない。比較して食べないとわからないよね。
ここの肉は専用の畜産農家と契約し、上質な肉を得ているという。家畜の食べ物まで指定しているらしい。肉を持ってくるときにギャルソンが語ってくれた。
美味しかったが、3人で大銀貨3枚は安いのだろうか?一人一食10万円、十分高いわ。
だけど、コストパフォーマンスは悪いな。それにマナーに気を使って、食べた気がしない。俺には高級店は合わないようだ。定食屋で奮発してワイバーンの肉とかがいいかな?
宿に帰ると、1階の食堂で騒ぎが起きていた。
「なんだと。もう一度いってみやがれ!」
「何度でも言ってやる、ここは貴族様がくるような店じゃねぇ。貴族を振り回すなら他の店に行きやがれ!」
どうやら貴族が食べにきたらしい。食事は美味しいけど、貴族が来るような店じゃないですよ?
「チャーミーちゃんに手を出してみやがれ!俺たちが黙ってないからな!」
どうやら、給仕の女の子はチャーミーちゃんと言うらしい。貴族が言いよったのかな?
「うるさい、平民は俺の言うことを聞いていればいいんだ。俺の女にしてやると言ってるんだ。ありがたがっても断るなどあり得ん!」
ふむ、貴族がチャーミーちゃんを手篭めにしようとしていると。なんでまた俺のいる宿でやるかねぇ。
俺たちが入っていくと、貴族はビクッとした。タキシードとドレスで着飾っているのだ。貴族だと思われても仕方ない。
「貴殿らもそう思うだろう。俺の女になった方がその女は幸せになれる!断るのは不敬だ!」
「あー、そう言うのはよそでやってくれませんか?せっかく食事の余韻に浸っているところなんで」
「ふん、平民がいきがっていたのか。当然だな、貴族なら俺に賛成するはずだからな」
いや、俺以外の二人は貴族ですよ?
「今日のところはこれで帰ってやるが、明日にでも俺の屋敷にこい。いいな!」
言うことだけ言って帰ってしまった。
クレアとマリアが俺の方をみているが、俺は何もする気は無いよ?わざわざ貴族とやりあうのも面倒だし。
クレアかマリアが直接何とかしてくれと、相談してくるなら考えてもいいけど、自分からは突っ込まないよ?
「メアリー、リリア、部屋に帰って、着替えよう」
メアリーとリリアがため息をついていたが、俺の方が正しいと思うよ?
女性同士で何か思うところはあるのかもしれないけど。もう一度言うけど、積極的に相談してくるなら考えるよ?
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