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第6章 マルモス王国編
115 海棲のダンジョン(1)
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#115 海棲のダンジョン(1)
今日はダンジョンに潜る日だ。取り敢えずは3泊4日の予定で低階層で慣れるのが目的らしい。
騎士からも6人が選ばれ、マックスさんのパーティーと2パーティー構成となるようだ。基本マックスさん達が魔物の相手をするが、騎士さん達は俺の直衛ということで俺から離れないのが基本だ。
ただ今回は騎士達が慣れるのが目的なので役割を逆にして騎士達が魔物と戦う事になる。
低階層なので強い魔物は居ないらしいが、足元が不安定なので結構苦戦している。戦ってない俺が滑って転ぶほどぬかるんでいる。
それでも流石に選ばれた6人だけあって次第に慣れていった。
戦闘が安定した頃にキャンプとなったのだが、周辺は全てぬかるみ。テントを張ろうにも地面に杭が刺さらないので安定しない。
マックスさん達がどうしてるのかというと、火魔法で一度地面を乾燥させてマントに包まって寝るらしい。食事は火を使わずに保存食を齧るだけ。飲み物は水だ。
騎士達もテントを張るのを諦めたようで一緒に保存食を齧っている。
このダンジョンでは海棲の魔物しか出ないが、それは光に敏感だという意味でも有る。基本は光に引かれる性質を持っており、日中の移動時ならともかく夜は足元を照らす専用のランタンを使う。焚き火をしないのも光と匂いを出さないためらしい。目が発達していないので匂いで獲物を探すのだとか。
まあ完全に生態が分かっているわけではないので経験から来る常識という物だ。
魔物は色々だが鱗を持つようなのが多く、ある程度の攻撃力がないと話にならないらしい。マックスさんが両手剣なのもそれが理由だそうな。このダンジョンをホームと決めるまでは普通に長剣を使っていたが、鱗に苦労してからは両手剣に変えたとか。
騎士達は当然全員が長剣装備だ。鱗には苦労していたが、この階層なら何とかなるようで武器を変える予定は無いらしい。訓練では一通りの武器の扱いを習うらしいが、あくまで扱いを知っているというレベルで魔物との戦いには不安があるらしい。
そして3日目、今までで一番強い魔物と出会ってしまった。低階層でそこそこ稼いで生活している冒険者はこいつとは戦わずに逃げるほど強い。
一応騎士達が相手をするようだが、マックスさん達も臨戦態勢だ。
魔物の形を表現するとしたら魚だ。魚に手足が付いている。正直強そうには見えないのだが、一瞬でトップスピードに乗れるらしく、そのスピードを生かして突撃してくる。名前をスピードフィッシュと言う。
マックスさんが言うには魔物から見た正面にしか進めないのでその射線から少しずれて剣を突き出しておけば自分から突っ込んでくるので戦いやすいらしいが。ただ突進のスピードは衝撃も強く、突き出した剣を飛ばされて逃げるしかない時もあると言う。
実際戦い方を教えてもらっていた騎士達も何人かが剣を飛ばされていた。
マックスさん達が居なかったら逃げるしかなかっただろう。
マックスさんレベルになると剣を突き出しておくだけでなく、突っ込んで来るのに合わせて剣を振れるらしく、一撃で倒してしまった。何ともないような顔をしているが、あのスピードに合わせて攻撃ができるのは凄いことだと思う。
今回は戦いの経験を積むのが目的なので採取などは行わなかったが、葦のような植物や海藻のようなものが売れるらしい。結構嵩張るのだが目一杯持って帰れば日銭くらいにはなるそうだ。
多少腕に自信のある冒険者はリザードマンを狙うらしい。それ程出現率が高いわけではないが、内臓が薬の原料になるらしい。
リザードマンは全身鱗で包まれた2足歩行の魔物で、騎士さん達も戦ったが結構しぶとい。鱗があるために叩きつけるような攻撃しか有効ではなく、周りを囲んでタコ殴りにするのだが、リザードマンも爪と尻尾で反撃してくる。中でも尻尾を振り回すような攻撃が厄介なようで、タコ殴りの為に周囲を囲んでいたら吹き飛ばされていたとかが普通にあった。
内臓が薬の材料になるくらいなので内臓は食べれる。新鮮なものは生でも食べれるらしく、一口貰った。まあ味は予想通りの生レバーだったが、低階層で食べれるのはリザードマンの内臓くらいらしいのでマックスさん達は深層に行くときに見かけたら持っていくようにしているそうだ。
内臓だけに日持ちがしなく、数日も経てば火を入れても食べれないらしい。食べれる間は非常に栄養が豊富で貴重なビタミン源だ。
そんな事を聞いている俺が何をしているかと言うと、実は何もしていない。と言うか何もできない。
海藻の採取くらいなら出来るかもしれないが今回の趣旨ではないし、魔物と戦ったらあっさりと死ぬ未来しか見えない。
そんな感じで4日間のダンジョンアタックが終わったのだが、俺は一つ思い出したことがある。
偽の奥殿で気持ちの悪い会話をした時に言われた内容だ。
確か祭壇にある魔石を持っていれば魔物に襲われないと言われたはず。そして俺はそれを取らないままに本来の奥殿に転移されてしまった。もしかしなくてもあれを持っていれば探索が楽になってたんじゃないだろうか?
今更そんなアイテムが有ったなんて騎士達にはとてもでは無いが言う勇気は無いが。
今日はダンジョンに潜る日だ。取り敢えずは3泊4日の予定で低階層で慣れるのが目的らしい。
騎士からも6人が選ばれ、マックスさんのパーティーと2パーティー構成となるようだ。基本マックスさん達が魔物の相手をするが、騎士さん達は俺の直衛ということで俺から離れないのが基本だ。
ただ今回は騎士達が慣れるのが目的なので役割を逆にして騎士達が魔物と戦う事になる。
低階層なので強い魔物は居ないらしいが、足元が不安定なので結構苦戦している。戦ってない俺が滑って転ぶほどぬかるんでいる。
それでも流石に選ばれた6人だけあって次第に慣れていった。
戦闘が安定した頃にキャンプとなったのだが、周辺は全てぬかるみ。テントを張ろうにも地面に杭が刺さらないので安定しない。
マックスさん達がどうしてるのかというと、火魔法で一度地面を乾燥させてマントに包まって寝るらしい。食事は火を使わずに保存食を齧るだけ。飲み物は水だ。
騎士達もテントを張るのを諦めたようで一緒に保存食を齧っている。
このダンジョンでは海棲の魔物しか出ないが、それは光に敏感だという意味でも有る。基本は光に引かれる性質を持っており、日中の移動時ならともかく夜は足元を照らす専用のランタンを使う。焚き火をしないのも光と匂いを出さないためらしい。目が発達していないので匂いで獲物を探すのだとか。
まあ完全に生態が分かっているわけではないので経験から来る常識という物だ。
魔物は色々だが鱗を持つようなのが多く、ある程度の攻撃力がないと話にならないらしい。マックスさんが両手剣なのもそれが理由だそうな。このダンジョンをホームと決めるまでは普通に長剣を使っていたが、鱗に苦労してからは両手剣に変えたとか。
騎士達は当然全員が長剣装備だ。鱗には苦労していたが、この階層なら何とかなるようで武器を変える予定は無いらしい。訓練では一通りの武器の扱いを習うらしいが、あくまで扱いを知っているというレベルで魔物との戦いには不安があるらしい。
そして3日目、今までで一番強い魔物と出会ってしまった。低階層でそこそこ稼いで生活している冒険者はこいつとは戦わずに逃げるほど強い。
一応騎士達が相手をするようだが、マックスさん達も臨戦態勢だ。
魔物の形を表現するとしたら魚だ。魚に手足が付いている。正直強そうには見えないのだが、一瞬でトップスピードに乗れるらしく、そのスピードを生かして突撃してくる。名前をスピードフィッシュと言う。
マックスさんが言うには魔物から見た正面にしか進めないのでその射線から少しずれて剣を突き出しておけば自分から突っ込んでくるので戦いやすいらしいが。ただ突進のスピードは衝撃も強く、突き出した剣を飛ばされて逃げるしかない時もあると言う。
実際戦い方を教えてもらっていた騎士達も何人かが剣を飛ばされていた。
マックスさん達が居なかったら逃げるしかなかっただろう。
マックスさんレベルになると剣を突き出しておくだけでなく、突っ込んで来るのに合わせて剣を振れるらしく、一撃で倒してしまった。何ともないような顔をしているが、あのスピードに合わせて攻撃ができるのは凄いことだと思う。
今回は戦いの経験を積むのが目的なので採取などは行わなかったが、葦のような植物や海藻のようなものが売れるらしい。結構嵩張るのだが目一杯持って帰れば日銭くらいにはなるそうだ。
多少腕に自信のある冒険者はリザードマンを狙うらしい。それ程出現率が高いわけではないが、内臓が薬の原料になるらしい。
リザードマンは全身鱗で包まれた2足歩行の魔物で、騎士さん達も戦ったが結構しぶとい。鱗があるために叩きつけるような攻撃しか有効ではなく、周りを囲んでタコ殴りにするのだが、リザードマンも爪と尻尾で反撃してくる。中でも尻尾を振り回すような攻撃が厄介なようで、タコ殴りの為に周囲を囲んでいたら吹き飛ばされていたとかが普通にあった。
内臓が薬の材料になるくらいなので内臓は食べれる。新鮮なものは生でも食べれるらしく、一口貰った。まあ味は予想通りの生レバーだったが、低階層で食べれるのはリザードマンの内臓くらいらしいのでマックスさん達は深層に行くときに見かけたら持っていくようにしているそうだ。
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