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第4章 アレグスト帝国編
101 温泉街
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#101 温泉街
街に到着すると、そこかしこから湯気が上がっている。まさに温泉街!
近くに火山はないらしいけど、山がなくても温泉ならなんでも可。別に露天風呂から見えるのは山景色でないといけないなんて思ってないし。
それにこの世界、高い建物って王城くらいしかないから温泉旅館も平屋かせいぜい2階建てだろうしね。
「ジン様、この街には王立の博物館もあるんですよ。後で行ってみませんか?」
「良いですね。博物館ってことは歴史的なものが置かれたりしてるんですか?」
「もちろんです。初代国王様が使われてた剣とか、初代王妃様の肖像画とかが展示されてるそうです」
「あれ、もしかしてミール様も来たことないんですか?」
「ええ、王族はそう簡単には外に出れませんので。ここの温泉も初めてです」
「なら一緒に楽しみましょう」
「い、一緒にお風呂、いえそうですね、楽しみましょう」
ふむ、博物館か。確か国の歴史は1000年くらいあったよな。その間にどんな歴史があったのやら。戦争はなかったっていうし、文化的なのがあるのだろうか?でもこの世界中世で文化レベル止まってるし、1000年前も今の文化レベルだとしか想像できない。
宿は予想通り平屋の建物だった。その代わり広くて外から見ただけでは周囲を囲む塀が見えるだけで中の様子は分からなかった。ただ塀の上に建物が見えないので平屋だと分かっただけだ。
中に入ると石造りのしっかりとした建物が最初にあり、周りには木造の家がたくさん並んでいた。
「当店の説明をさせていただきますね。まず、この建物が本館となりますが、宿泊は周囲にあります家ごと使っていただきます。温泉も各家に引いてありますので24時間いつでもお入りになれます。
食事はこの本館の大食堂でご用意させていただきます。今回はミール様がご利用ということでお食事の場所は仕切りで分けてありますのでご安心ください。
それと当館の裏には大浴場がございますが、こちらは男女で別れております。ですが広いですので開放感溢れる場所となっております。お二人で入られるなら家に付属の温泉を、お一人で入られるのであれば大浴場をご利用ください。
タオルや石鹸などは備え付けてありますのでご自由にお使いください。
それと各家ごとにメイドを一人置きますので何か分からないことがあれば聞いてください」
ふむ、離れのある温泉場といった感じか。それにしてもこれだけの広い敷地面積を持ってて大浴場というのだから本当に広いのだろう。楽しみだ。
「それでは家の方にご案内しますね」
外を見ると、荷馬車から色々と運び込んでいるのでその家とやらに設置するのだろう。せっかく宿側が家を用意してくれてるんだからその設備だけで十分だと思うんだけど。それとも日本の温泉と違ってアメニティーとか無いのかな?
用意された家はもう家と言うには大きすぎて屋敷じゃ無いかと思うほどのサイズだった。2階建てで部屋もたくさんある。そして家の裏側には露天風呂があるそうだ。
「先にお風呂いただいても良いですか?」
俺は温泉が待ち遠しくて仕方がなかったのだ。ミール様の荷物の整理に時間がかかりそうなので俺は先に入ってしまうことにした。
備え付けの石鹸で体を洗って温泉につかる。
うん、これは良いものだ。温度も少し熱いかなと言うくらいで長湯は出来そうにないけど気持ちよく入れた。
「じ、ジン様、私もよろしいでしょうか・・・?」
ん?ミール様の声が聞こえたような気がしたが気のせいか?まだ荷物の整理をしているはずだが。
振り向くとそこにはタオルで前を隠したミール様が入ってくるところだった。
いやいや、ダメでしょう?!
温泉は寛ぐ場所であってエッチな気分になる場所じゃないですよ!?
「ジャジャーン」
そう言ってタオルをはだける。俺はとっさに目を瞑ったが一瞬だけ見えたのは彼女の裸・・・ではなくて水着だった。いや水着なら良いと言うものではないんだけどある意味裸よりもエロいから。
掛け湯して入ってくるが、白い肌にドキドキだ。俺はさりげなく奥の方に移動するとさらっと隣に座ってきた。
「良いお風呂ですねえ」
良い風呂。うん、良い風呂だ。間違いない。だけど何故彼女がここにいる?俺先に入るって宣言してから入ったよね?
「ジン様とお風呂デートです。じっくり温まっていきましょうね」
そう言って腕に抱きついてくるが、柔らかいものが当たってます。水着の薄い生地の上から当たってます。何度でも言いますが当たってます。フニュフニュしてます。
「ジン様、お背中流しますか?」
「い、いえさっき洗ったので大丈夫です」
「そうですか?じゃあ私の背中を流してくださいね」
せ、背中を流す?
「い、いえ、もう十分温まったので俺は出ますね。ゆっくり入っててくださいね。ゆっくりですよ?」
俺は逃げ出すように温泉を出た。脱衣所には彼女のものと思われる服が置いてあるが、俺は見てない。いや見ない。だって脱衣所にメイドさんが立ってるんだもの。俺が着替える間だけでも出て行ってもらえませんかね?ダメ?そうですか。
メイドさんに背を向けるようにして服を着た俺は部屋に戻る。俺とミール様には一人部屋があり、使用人は2人部屋を使うらしい。護衛の騎士たちは別の家に拠点を置き、警備の担当だけがこの家の玄関を守っている。
はあ、まさか入ってくるとは思ってなかった。これは大浴場に行くしかないか?
街に到着すると、そこかしこから湯気が上がっている。まさに温泉街!
近くに火山はないらしいけど、山がなくても温泉ならなんでも可。別に露天風呂から見えるのは山景色でないといけないなんて思ってないし。
それにこの世界、高い建物って王城くらいしかないから温泉旅館も平屋かせいぜい2階建てだろうしね。
「ジン様、この街には王立の博物館もあるんですよ。後で行ってみませんか?」
「良いですね。博物館ってことは歴史的なものが置かれたりしてるんですか?」
「もちろんです。初代国王様が使われてた剣とか、初代王妃様の肖像画とかが展示されてるそうです」
「あれ、もしかしてミール様も来たことないんですか?」
「ええ、王族はそう簡単には外に出れませんので。ここの温泉も初めてです」
「なら一緒に楽しみましょう」
「い、一緒にお風呂、いえそうですね、楽しみましょう」
ふむ、博物館か。確か国の歴史は1000年くらいあったよな。その間にどんな歴史があったのやら。戦争はなかったっていうし、文化的なのがあるのだろうか?でもこの世界中世で文化レベル止まってるし、1000年前も今の文化レベルだとしか想像できない。
宿は予想通り平屋の建物だった。その代わり広くて外から見ただけでは周囲を囲む塀が見えるだけで中の様子は分からなかった。ただ塀の上に建物が見えないので平屋だと分かっただけだ。
中に入ると石造りのしっかりとした建物が最初にあり、周りには木造の家がたくさん並んでいた。
「当店の説明をさせていただきますね。まず、この建物が本館となりますが、宿泊は周囲にあります家ごと使っていただきます。温泉も各家に引いてありますので24時間いつでもお入りになれます。
食事はこの本館の大食堂でご用意させていただきます。今回はミール様がご利用ということでお食事の場所は仕切りで分けてありますのでご安心ください。
それと当館の裏には大浴場がございますが、こちらは男女で別れております。ですが広いですので開放感溢れる場所となっております。お二人で入られるなら家に付属の温泉を、お一人で入られるのであれば大浴場をご利用ください。
タオルや石鹸などは備え付けてありますのでご自由にお使いください。
それと各家ごとにメイドを一人置きますので何か分からないことがあれば聞いてください」
ふむ、離れのある温泉場といった感じか。それにしてもこれだけの広い敷地面積を持ってて大浴場というのだから本当に広いのだろう。楽しみだ。
「それでは家の方にご案内しますね」
外を見ると、荷馬車から色々と運び込んでいるのでその家とやらに設置するのだろう。せっかく宿側が家を用意してくれてるんだからその設備だけで十分だと思うんだけど。それとも日本の温泉と違ってアメニティーとか無いのかな?
用意された家はもう家と言うには大きすぎて屋敷じゃ無いかと思うほどのサイズだった。2階建てで部屋もたくさんある。そして家の裏側には露天風呂があるそうだ。
「先にお風呂いただいても良いですか?」
俺は温泉が待ち遠しくて仕方がなかったのだ。ミール様の荷物の整理に時間がかかりそうなので俺は先に入ってしまうことにした。
備え付けの石鹸で体を洗って温泉につかる。
うん、これは良いものだ。温度も少し熱いかなと言うくらいで長湯は出来そうにないけど気持ちよく入れた。
「じ、ジン様、私もよろしいでしょうか・・・?」
ん?ミール様の声が聞こえたような気がしたが気のせいか?まだ荷物の整理をしているはずだが。
振り向くとそこにはタオルで前を隠したミール様が入ってくるところだった。
いやいや、ダメでしょう?!
温泉は寛ぐ場所であってエッチな気分になる場所じゃないですよ!?
「ジャジャーン」
そう言ってタオルをはだける。俺はとっさに目を瞑ったが一瞬だけ見えたのは彼女の裸・・・ではなくて水着だった。いや水着なら良いと言うものではないんだけどある意味裸よりもエロいから。
掛け湯して入ってくるが、白い肌にドキドキだ。俺はさりげなく奥の方に移動するとさらっと隣に座ってきた。
「良いお風呂ですねえ」
良い風呂。うん、良い風呂だ。間違いない。だけど何故彼女がここにいる?俺先に入るって宣言してから入ったよね?
「ジン様とお風呂デートです。じっくり温まっていきましょうね」
そう言って腕に抱きついてくるが、柔らかいものが当たってます。水着の薄い生地の上から当たってます。何度でも言いますが当たってます。フニュフニュしてます。
「ジン様、お背中流しますか?」
「い、いえさっき洗ったので大丈夫です」
「そうですか?じゃあ私の背中を流してくださいね」
せ、背中を流す?
「い、いえ、もう十分温まったので俺は出ますね。ゆっくり入っててくださいね。ゆっくりですよ?」
俺は逃げ出すように温泉を出た。脱衣所には彼女のものと思われる服が置いてあるが、俺は見てない。いや見ない。だって脱衣所にメイドさんが立ってるんだもの。俺が着替える間だけでも出て行ってもらえませんかね?ダメ?そうですか。
メイドさんに背を向けるようにして服を着た俺は部屋に戻る。俺とミール様には一人部屋があり、使用人は2人部屋を使うらしい。護衛の騎士たちは別の家に拠点を置き、警備の担当だけがこの家の玄関を守っている。
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