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第4章 アレグスト帝国編

098 ミール様

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#098 ミール様

 それから数日はミール様は俺と顔を合わせるたびに顔を赤くしてさっとどこかに行ってしまう。食事も部屋で取っているようで食堂にもこない。
 やっぱり嫌われたかな?俺にもよく分からないが裸で同じベッドに寝てたのは間違いないし。俺って手を出してないよね?下半身に疲れが残ってないから大丈夫だと思うんだが。

 俺が時間を浪費している間にもミール様の出発準備はどんどんと進み、帰る時期が近づいてきた。外堀だけ埋められて本人との会話すら出来ない状況なんだがどうしろと?
 同じベッドで寝てたから婚約自体断れないのは分かっているが、本人の気持ちを聞いていない。いやいやなら王国に戻った後は自由に過ごせるように手配するんだけど。どうせ手を出すつもりはないし、好きに過ごしてくれれば良いと思う。ただ立ち位置だけははっきりとして欲しい。




ーーーー

「どうしましょう。ジン様の顔を直視できませんわ。まさか私がど、同衾してしまうなんて。もし子供でも出来てたらどうしましょう?」

 そう言ってベッドで転げ回る。

「お嬢様、はしたないですよ。ベッドは寝るもので転がるものではありません」

「だってだって、ジン様と同衾してしまいましたのよ?は、裸もみられてしまいましたし。もうお嫁に行けませんわ」

「そのジン様と婚約、つまり将来は結婚する訳ですから問題ありませんでしょう?」

「そう?なのかしら?そうよね!ジン様も婚約に反対してませんでしたし、きっと賛成してくれてるに違いありませんわ!
 こうなったら輿入れの準備をしないと!」

「その辺りはこちらで準備しております。
 お嬢様には他の婚約者様達への贈り物などを選んでいただきたく思います」

「そ、そうね。それは大事ね。ジン様に一番に愛していただくには他の婚約者たちともうまくやっていかないと。御用商人を呼んで頂戴。それとお父様にお小遣いをもらえるように頼んで頂戴」

「承知しました」





ーーーー

「バレてはいないだろうな?」

「もちろんでございます。お嬢様もジン様も寝る前の記憶が曖昧ですので、何故、とは思っているでしょうけれどもはっきりとは否定できないでしょう」

「うむ。なら良い。
 まあ元から婚約者として送るつもりだったからここまでしなくても良かったのだが、やはり他の国の婚約者よりも一歩先にいかんとな。事実がどうであれ一番最初に手をつけたという評判は侮れんからな。
 本人たちの意識もそうなるだろうしな。これでミールが正妻になる可能性が上がったな」

「誠に。正妻になれば女神様からの恩寵も得られるかもしれませんな」

「うむ。次にジン殿が女神様とお会いになられた時には婚約者の話もするだろうし、そこで我が国の名前でも出てくれれば御の字だな」

「陛下も悪うございますな」

「お主がけしかけたのだろうが」

「ははは」



ーーーー


「ふむ、婚約者ですか。さすがはジンさんという言うべきでしょうが、ジンさんには私がいるというのに。しかし人間の理で動いている以上神罰を与えるわけにもいきませんしどうしてくれようかしら。

 リスモット!」

「はっ!こちらに!」

「神託を与えなさい。
 内容は・・・・・・です」

「承知しました」

「これで多少は時間が稼げるでしょう。やはり最初は私でないと。一番は私ですからね」






ーーーー

作者(注)
視点が変わりすぎて分かりにくくなってしまいすいません。


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