85 / 124
第4章 アレグスト帝国編
085 山越え
しおりを挟む
#085 山越え
順調に山を登っていく。ワイバーンも襲ってこないし、他の魔物も出てこない。こう言った順調な旅が良いよね。
周りの景色は変わりばえないけど、ウンディーネと念話しながらだとすぐに時間が経つ。
ウンディーネは最近の情報にこそ疎いが、昔の話は結構詳しい。興味本位で人間の街にも行ったことがあるそうな。今の生活レベルがあまり変わってない事に驚いていたが、魔法があるこの世界の技術革新なんてそんなもんだと思う。
他にも精霊魔法というのがどういう物なのかを学んだ。まあ何をするかのイメージを念話経由で伝達して、必要分の魔力を持っていかれる。そして魔法のように現象が現れるという事だ。魔法のように特別決まった魔法があるわけでなく、イメージさえ出来れば何でもできるらしい。
ただ、力の強さは周囲の水気の多さに影響を受けるらしい。砂漠では飲み水を出すのがせいぜいだとか。まさか精霊魔法の水が空気中の水を集めているわけじゃないだろうから単純に水分があった方が精霊が強化されると思っておいた方が良いだろう。
「ジン様、そろそろ山の頂上につくようです。そこで休憩を取るらしいですので風景を楽しまれてはいかがですか?」
高い山の山頂か。まあこの場合は峰と言った方が正しいかもしれない。出来るだけ低い場所を選んで街道になってるみたいだし。
それでも他の場所よりも高い場所にあるのには変わりないので王国側と帝国側の両方が楽しめるだろう。
馬車が止まったら外に出て伸びをする。これをしておかないと後で大変な事になる。一日中同じ格好で固定しているのを想像して欲しい。体が固まってしまって普段使わない筋肉が痛み出したりする。
王国側を見ると山肌は森で一面を覆い、その更に下には少し先に村が見える。最後に水を補給した村だろう。基本的には草原と言っても良い平原が広がっており、豊かな土なのがよくわかる。
反対側の帝国側を見ると、目立つのは山の下にある城塞都市だ。俺たちもまずはそこに寄る予定だ。そして他に感じるのは王国側と違って山肌に生えている木々がまばらな事だ。森というより林という感じかもしれない。
山の稜線を跨ぐだけでこれだけ違うというのも不思議だが、どうやら帝国側から乾いた風が吹いているせいらしい。
ウンディーネがあちこち回って水が足りない土地に水を巻いて回っているようだが、その程度では大した違いは出ないだろうと思う。
こちらの林にはたまに高ランクの魔物が出没するらしく、騎士たちが注意事項を確認しあっている。漏れ聞こえる限りでは、2人でコンビを組んで先行偵察を行うようだ。
「問題ありませんでした!」
「なら出発するぞ!全員隊列をくめ!」
調査も終わり、再度出発する。体を伸ばした後だけに同じ体勢を撮り続けるのが余計に苦痛に感じる。時間が経てば筋肉が悲鳴をあげ出すんだが。
「ジン殿、姿勢が悪くなっておりますぞ」
「この程度で音を上げるとは気合が入ってない証拠ですな」
「貴族の子女でさえきちんとしてるというのに」
うるさいな。分かってるよ。だけど馬車の振動がもろにお尻に来るんだよね。前屈みになって太ももで受けるとまだマシなんだけど、背筋を伸ばすと直接尾てい骨に来るんだ。クッションがあるとはいえ結構きつい。
「オーガが出たぞ!」
「第2小隊は前方に移動しろ!」
どうやら大物が出たようだ。数で攻めてくるゴブリンも厄介だが、力のある単機の方が厄介だ。今回は人数がいるから魔物の数が増えても対応できる。だけど単機の強い敵だと攻撃力不足などでダメージが与えられない場合は相手が疲れるのを待つのが基本戦略になる。
だけど魔物の体力はほとんど無尽蔵だ。ある程度普通の攻撃でダメージが与えられないとこちらの体力が先に尽きてしまう。
「よし、棍棒を落としたぞ!」
「ギャァ、腕が、腕が握り潰される!」
ボゴッ
なんかやばそうな悲鳴が上がってるけど大丈夫だよね?
「ジン殿、そんなに落ち着きがなくては国の代表として・・・」
はいはい。お説教はもう良いですよ。それよりも騎士たちだ。この辺りの魔物ならなんとかなると話してたけど、結構苦戦してるっぽいし、何か手伝った方が良いのだろうか?
「ジン様、ジン様が出て行かれても守りに人を割くだけ戦力が落ちます。ここで大人しくしてるのが1番の貢献です」
クレアの言い分は分かるんだけどね。人が命がけで戦ってるのに俺だけがここでのんのんとしてるのは気がひけるというか。
「ジン様に戦闘力は期待されていません。騎士団もそんな事は望んでないでしょう。それに万が一ジン様に何かあったら騎士も無事では済みません」
まあそうなんだろうけどさあ。
「ジン様に出来る事は戦闘が終わった後に労いの言葉をかける程度です。またそれで十分だとも言えます。貴族とはそういう物です」
いや、貴族になった覚えはないけど、守られるってのはそういう事なのか。オークの時は労ったりはしなかったけど、今回はちゃんと言葉をかける事にしよう。
「倒したぞ!」
「おぉー!」
どうやら無事倒したらしい。
隊長のマルクさんが報告にきた。
「重症1名、軽症5名です。警護に影響はありません。出来れば重傷者を荷馬車に乗せたいのですが、許可いただけますでしょうか?」
「もちろんですよ。怪我はひどいのですか?」
「腕の骨が折れた程度です。ポーションを飲ませてあるので痛み止めにはなるでしょう」
ああ、腕がー、とか言ってた人がいたな。握りつぶされたんだろうか。複雑骨折とかだと大変そうだな。
「それって治るんですか?」
「ええ、ちゃんと教会で治療を受けたら治ります。お金はかかるでしょうが」
「そのお金ってちゃんと騎士団から出るんですよね?」
「ええ、費用は問題ありません。ですが、帝国の高位の治療が受けれるのは中央神殿にいる上級の神官だけなんです。それまでに怪我が常態化すると回復魔法では治らない可能性があります」
「帝都までは十日ほどでしたよね。常態化しそうなんですか?」
「微妙なところですね。治ったとしても骨が真っ直ぐに繋がらなかったりとかして騎士をやめないといけないかもしれません」
それはかわいそうだな。
(ウンディーネ、回復も得意だって言ってたよね?なんとかなる?)
(私のは回復力を上げる形での治療なので、教会の回復魔法と違って骨折を正常な位置にしてまで直す力はありません)
うーん、やっぱりダメか。
(ちゃんと骨の形が残っていれば出来るんですよ?でもさっき見た限りでは粉砕骨折です。流石に骨の形も残ってないのを元の位置に戻すのは無理です)
必死に出来るアピールをしてくるけど別に疑ってはいない。回復方法の違いなんだろうし、仕方ないと思う。
精霊も万能ではないという事だ。女神様との違いはそこかね。
騎士さんには悪いけど、不思議パワーは使うつもりはない。陛下からも女神様の力が使える事は”絶対に”ばれてはいけないと釘を刺されている。
女神様とお話しできるというだけで王女を嫁がせる話になるのに、その力を借りれるとなったら、俺を巡って戦争が始まるらしい。いくら仲が良くても女神様の力が手に入るとなれば動く国は必ずいるとか。大国が動かなくても小国はまず確実に動くそうだ。
だから騎士さんには悪いけど直してあげれない。
ごめんよ名も知らない騎士さん。もし騎士に復帰できなかったら見舞金として俺からも出すからね。
順調に山を登っていく。ワイバーンも襲ってこないし、他の魔物も出てこない。こう言った順調な旅が良いよね。
周りの景色は変わりばえないけど、ウンディーネと念話しながらだとすぐに時間が経つ。
ウンディーネは最近の情報にこそ疎いが、昔の話は結構詳しい。興味本位で人間の街にも行ったことがあるそうな。今の生活レベルがあまり変わってない事に驚いていたが、魔法があるこの世界の技術革新なんてそんなもんだと思う。
他にも精霊魔法というのがどういう物なのかを学んだ。まあ何をするかのイメージを念話経由で伝達して、必要分の魔力を持っていかれる。そして魔法のように現象が現れるという事だ。魔法のように特別決まった魔法があるわけでなく、イメージさえ出来れば何でもできるらしい。
ただ、力の強さは周囲の水気の多さに影響を受けるらしい。砂漠では飲み水を出すのがせいぜいだとか。まさか精霊魔法の水が空気中の水を集めているわけじゃないだろうから単純に水分があった方が精霊が強化されると思っておいた方が良いだろう。
「ジン様、そろそろ山の頂上につくようです。そこで休憩を取るらしいですので風景を楽しまれてはいかがですか?」
高い山の山頂か。まあこの場合は峰と言った方が正しいかもしれない。出来るだけ低い場所を選んで街道になってるみたいだし。
それでも他の場所よりも高い場所にあるのには変わりないので王国側と帝国側の両方が楽しめるだろう。
馬車が止まったら外に出て伸びをする。これをしておかないと後で大変な事になる。一日中同じ格好で固定しているのを想像して欲しい。体が固まってしまって普段使わない筋肉が痛み出したりする。
王国側を見ると山肌は森で一面を覆い、その更に下には少し先に村が見える。最後に水を補給した村だろう。基本的には草原と言っても良い平原が広がっており、豊かな土なのがよくわかる。
反対側の帝国側を見ると、目立つのは山の下にある城塞都市だ。俺たちもまずはそこに寄る予定だ。そして他に感じるのは王国側と違って山肌に生えている木々がまばらな事だ。森というより林という感じかもしれない。
山の稜線を跨ぐだけでこれだけ違うというのも不思議だが、どうやら帝国側から乾いた風が吹いているせいらしい。
ウンディーネがあちこち回って水が足りない土地に水を巻いて回っているようだが、その程度では大した違いは出ないだろうと思う。
こちらの林にはたまに高ランクの魔物が出没するらしく、騎士たちが注意事項を確認しあっている。漏れ聞こえる限りでは、2人でコンビを組んで先行偵察を行うようだ。
「問題ありませんでした!」
「なら出発するぞ!全員隊列をくめ!」
調査も終わり、再度出発する。体を伸ばした後だけに同じ体勢を撮り続けるのが余計に苦痛に感じる。時間が経てば筋肉が悲鳴をあげ出すんだが。
「ジン殿、姿勢が悪くなっておりますぞ」
「この程度で音を上げるとは気合が入ってない証拠ですな」
「貴族の子女でさえきちんとしてるというのに」
うるさいな。分かってるよ。だけど馬車の振動がもろにお尻に来るんだよね。前屈みになって太ももで受けるとまだマシなんだけど、背筋を伸ばすと直接尾てい骨に来るんだ。クッションがあるとはいえ結構きつい。
「オーガが出たぞ!」
「第2小隊は前方に移動しろ!」
どうやら大物が出たようだ。数で攻めてくるゴブリンも厄介だが、力のある単機の方が厄介だ。今回は人数がいるから魔物の数が増えても対応できる。だけど単機の強い敵だと攻撃力不足などでダメージが与えられない場合は相手が疲れるのを待つのが基本戦略になる。
だけど魔物の体力はほとんど無尽蔵だ。ある程度普通の攻撃でダメージが与えられないとこちらの体力が先に尽きてしまう。
「よし、棍棒を落としたぞ!」
「ギャァ、腕が、腕が握り潰される!」
ボゴッ
なんかやばそうな悲鳴が上がってるけど大丈夫だよね?
「ジン殿、そんなに落ち着きがなくては国の代表として・・・」
はいはい。お説教はもう良いですよ。それよりも騎士たちだ。この辺りの魔物ならなんとかなると話してたけど、結構苦戦してるっぽいし、何か手伝った方が良いのだろうか?
「ジン様、ジン様が出て行かれても守りに人を割くだけ戦力が落ちます。ここで大人しくしてるのが1番の貢献です」
クレアの言い分は分かるんだけどね。人が命がけで戦ってるのに俺だけがここでのんのんとしてるのは気がひけるというか。
「ジン様に戦闘力は期待されていません。騎士団もそんな事は望んでないでしょう。それに万が一ジン様に何かあったら騎士も無事では済みません」
まあそうなんだろうけどさあ。
「ジン様に出来る事は戦闘が終わった後に労いの言葉をかける程度です。またそれで十分だとも言えます。貴族とはそういう物です」
いや、貴族になった覚えはないけど、守られるってのはそういう事なのか。オークの時は労ったりはしなかったけど、今回はちゃんと言葉をかける事にしよう。
「倒したぞ!」
「おぉー!」
どうやら無事倒したらしい。
隊長のマルクさんが報告にきた。
「重症1名、軽症5名です。警護に影響はありません。出来れば重傷者を荷馬車に乗せたいのですが、許可いただけますでしょうか?」
「もちろんですよ。怪我はひどいのですか?」
「腕の骨が折れた程度です。ポーションを飲ませてあるので痛み止めにはなるでしょう」
ああ、腕がー、とか言ってた人がいたな。握りつぶされたんだろうか。複雑骨折とかだと大変そうだな。
「それって治るんですか?」
「ええ、ちゃんと教会で治療を受けたら治ります。お金はかかるでしょうが」
「そのお金ってちゃんと騎士団から出るんですよね?」
「ええ、費用は問題ありません。ですが、帝国の高位の治療が受けれるのは中央神殿にいる上級の神官だけなんです。それまでに怪我が常態化すると回復魔法では治らない可能性があります」
「帝都までは十日ほどでしたよね。常態化しそうなんですか?」
「微妙なところですね。治ったとしても骨が真っ直ぐに繋がらなかったりとかして騎士をやめないといけないかもしれません」
それはかわいそうだな。
(ウンディーネ、回復も得意だって言ってたよね?なんとかなる?)
(私のは回復力を上げる形での治療なので、教会の回復魔法と違って骨折を正常な位置にしてまで直す力はありません)
うーん、やっぱりダメか。
(ちゃんと骨の形が残っていれば出来るんですよ?でもさっき見た限りでは粉砕骨折です。流石に骨の形も残ってないのを元の位置に戻すのは無理です)
必死に出来るアピールをしてくるけど別に疑ってはいない。回復方法の違いなんだろうし、仕方ないと思う。
精霊も万能ではないという事だ。女神様との違いはそこかね。
騎士さんには悪いけど、不思議パワーは使うつもりはない。陛下からも女神様の力が使える事は”絶対に”ばれてはいけないと釘を刺されている。
女神様とお話しできるというだけで王女を嫁がせる話になるのに、その力を借りれるとなったら、俺を巡って戦争が始まるらしい。いくら仲が良くても女神様の力が手に入るとなれば動く国は必ずいるとか。大国が動かなくても小国はまず確実に動くそうだ。
だから騎士さんには悪いけど直してあげれない。
ごめんよ名も知らない騎士さん。もし騎士に復帰できなかったら見舞金として俺からも出すからね。
1
お気に入りに追加
4,980
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
羽海汐遠
ファンタジー
最強の魔王ソフィが支配するアレルバレルの地。
彼はこの地で数千年に渡り統治を続けてきたが、圧政だと言い張る勇者マリスたちが立ち上がり、魔王城に攻め込んでくる。
残すは魔王ソフィのみとなった事で勇者たちは勝利を確信するが、肝心の魔王ソフィに全く歯が立たず、片手であっさりと勇者たちはやられてしまう。そんな中で勇者パーティの一人、賢者リルトマーカが取り出したマジックアイテムで、一度だけ奇跡を起こすと言われる『根源の玉』を使われて、魔王ソフィは異世界へと飛ばされてしまうのだった。
最強の魔王は新たな世界に降り立ち、冒険者ギルドに所属する。
そして最強の魔王は、この新たな世界でかつて諦めた願いを再び抱き始める。
彼の願いとはソフィ自身に敗北を与えられる程の強さを持つ至高の存在と出会い、そして全力で戦った上で可能であれば、その至高の相手に完膚なきまでに叩き潰された後に敵わないと思わせて欲しいという願いである。
人間を愛する優しき魔王は、その強さ故に孤独を感じる。
彼の願望である至高の存在に、果たして巡り合うことが出来るのだろうか。
『カクヨム』
2021.3『第六回カクヨムコンテスト』最終選考作品。
2024.3『MFブックス10周年記念小説コンテスト』最終選考作品。
『小説家になろう』
2024.9『累計PV1800万回』達成作品。
※出来るだけ、毎日投稿を心掛けています。
小説家になろう様 https://ncode.syosetu.com/n4450fx/
カクヨム様 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896551796
ノベルバ様 https://novelba.com/indies/works/932709
ノベルアッププラス様 https://novelup.plus/story/998963655

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる