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第2章 ロザリア王国編
067 婚約
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#067 婚約
結局婚約を受け入れる事になった。
あくまで婚約だからね?数年後俺が居なくなった後でも、婚約状態なら次があるだろうし。
はあ、まいったな。
「ジン様、婚約を受け入れるんですね」
「クレアか、もうどうしようもないな。夜這いにでもきたなら追い返せばいいと位に考えてたけど、社会的に追い詰められるとは思ってなかったよ。アウグスティヌス陛下が女に注意しろって言ってのが良く分かったよ。
でも出来レースとは言え、国王様が各国に婚約を発表した以上、撤回は出来ないだろうし、あの感じだと陛下も断れないだろう。
もう俺だけの問題じゃなくなってるみたいだしね。多分俺が断ったらハンバルニ王国とロザリア王国の間にヒビが入る。俺が気にする事でもないのかもしれないけど、俺が原因で仲が良い国が険悪になるのは避けたい」
「そうですか。
ところでジン様、複数の妻を娶る事に関してはどう思われますか?」
「うん?この世界は一夫多妻みたいだけど、俺は一人かなあ。たくさん居ても全員を愛する自信ないしね。それに女同士のゴチャゴチャは遠慮したい。あれは男が関わるとロクでもない結果になる。
以前会社の先輩が二股かけてたんだけど、バレてえらい事になった挙句会社を辞めてった事があってね。他人事だけどああはなりたくないと思ったよ」
「そうですか。
ところでお嬢様のことはどうお考えで?」
「リリアーナさん?しっかりしてる人だね。尊敬できる人だと思うよ」
「尊敬、ですか。・・・これはお嬢様も大変ですね」
「ともかく婚約を受け入れるという事で良いんですね?国に戻るのはどうされますか?このままこの国に残って結婚されますか?」
「いや、国には帰るよ。なんだかもうあそこが自分の家って感じがしてるし」
「それはようございました。では帰る算段は続行してもよろしいですか?」
「ああ、頼むよ。ハルフェ殿下も一緒にハンバルニ王国に行くとか言ってたからそっちのすり合わせもしといて」
「承知しました。ですが、殿下も一緒となりますと準備にまだ時間がかかるかと思いますが」
「そうなの?」
「はい。向こうは輿入れのつもりで来るでしょうから、色々と準備がございます。当然ハンバルニ王国にも通達が行くでしょうし、王国側でも出迎えの準備が必要です」
「あれ、俺は貴族じゃないから陛下の許可は必要ないって言ってたけど?」
「法的には問題ありませんが、他国の姫が嫁いでくるのです。出迎えくらいはしないといけません。それに護衛の問題もあります。今回なら騎士団をこちらに寄越して、この国の騎士団と合同で護衛となるでしょう。
おそらく婚約の手紙を送った時点で騎士団を派遣してるでしょう。それがついてから戻る形になるかと思います」
ああそうか。姫様の護衛だもんな。冒険者やとって野宿でってわけにもいかないか。
「それとジン様。ロザリア王国の姫と婚約したとなると他の国も黙ってませんよ?」
「え、どういう事?」
「他の各国も誰かを寄越すでしょう。女神様との話は他の国の王もご存知のはず。ならばジン様と縁を結びたいと思うのは当然。
当初はジン様が受け入れないと行っていたので言いませんでしたが、一国でも受け入れたら他の国の方も受け入れざるを得なくなります。もちろんハンバルニ王国からもです」
ありゃそうか、一国だけ女神様と交流を持つのは他の国も見逃せないか。
別に俺と婚約したからって良い事ないと思うんだけどね。女神様は俺にしか興味ないみたいだし。
でも周りはそうは見てくれないんだろうなあ。
「そういう訳で、国に戻ったらすでに他国との婚約の話が来てる可能性もあります。こういう部分での動きは早いですからね。お役所の手続きとは違うんです。王様が婚約させると言ったらそうなるんです」
はあ、気が重いね。確かこの世界は大国が四つ。他に小さな都市国家がいくつかだっけ。
最低でも4人か。
「それと正妻を誰にするかも問題になります」
「え、順番決めるの?」
「もちろんです。継承権の問題がありますから」
「でも俺貴族じゃないから家の継承とかないよ?」
「貴族でなくても家の財産を誰かがつがなくてはいけないでしょう?基本は正妻の男児が継承しますが、女子しか生まれなかった場合は側室の男子が継承権を持ちます。ただこの場合、正妻の女子と側室の男子で継承権を争う場合があります」
面倒くせえ。
「それとも全員愛人扱いされますか?それなら継承権も順位付けも不要ですが」
「いや、俺婚約は諦めたけど、結婚はしないから」
「え?」
「え?じゃないよ。俺は数年したら元の世界に戻るの。だからこの世界の誰とも結婚するつもりはないよ。子供なんてもってのほかだ。責任取れないからね」
「ですが他の貴族も立候補しますよ?大手の商会からも話は出るでしょう。相手が王族ですから運が良ければ側室、悪くても愛人として送り込んでくるでしょう」
「そんなのは断るから良いよ。王様相手だから断れなかっただけで貴族なら断れると思ってるよ」
「ジン様は人がよろしいのでなんかかんだと受け入れそうな気がするんですよね」
「それは流石にないよ。そんなにたくさん婚約者作ってどうするのさ」
「まあジン様ですからなんとかするんでしょうけど。・・・お嬢様も忘れないでくださいね」
「うん?リリアーナさんがどうしたって?」
「いえ、なんでもありません。多分陛下もわかってらっしゃるでしょうし」
話が見えないな。
とにかく婚約はもう動かしようがないけど、結婚を数年引き延ばせば元の世界に帰れるんだ。そうしたら婚約も自動的に解消だろう。
四年後としてもハルフェ殿下は20だ。王族なら行先くらいあるだろう。
結局婚約を受け入れる事になった。
あくまで婚約だからね?数年後俺が居なくなった後でも、婚約状態なら次があるだろうし。
はあ、まいったな。
「ジン様、婚約を受け入れるんですね」
「クレアか、もうどうしようもないな。夜這いにでもきたなら追い返せばいいと位に考えてたけど、社会的に追い詰められるとは思ってなかったよ。アウグスティヌス陛下が女に注意しろって言ってのが良く分かったよ。
でも出来レースとは言え、国王様が各国に婚約を発表した以上、撤回は出来ないだろうし、あの感じだと陛下も断れないだろう。
もう俺だけの問題じゃなくなってるみたいだしね。多分俺が断ったらハンバルニ王国とロザリア王国の間にヒビが入る。俺が気にする事でもないのかもしれないけど、俺が原因で仲が良い国が険悪になるのは避けたい」
「そうですか。
ところでジン様、複数の妻を娶る事に関してはどう思われますか?」
「うん?この世界は一夫多妻みたいだけど、俺は一人かなあ。たくさん居ても全員を愛する自信ないしね。それに女同士のゴチャゴチャは遠慮したい。あれは男が関わるとロクでもない結果になる。
以前会社の先輩が二股かけてたんだけど、バレてえらい事になった挙句会社を辞めてった事があってね。他人事だけどああはなりたくないと思ったよ」
「そうですか。
ところでお嬢様のことはどうお考えで?」
「リリアーナさん?しっかりしてる人だね。尊敬できる人だと思うよ」
「尊敬、ですか。・・・これはお嬢様も大変ですね」
「ともかく婚約を受け入れるという事で良いんですね?国に戻るのはどうされますか?このままこの国に残って結婚されますか?」
「いや、国には帰るよ。なんだかもうあそこが自分の家って感じがしてるし」
「それはようございました。では帰る算段は続行してもよろしいですか?」
「ああ、頼むよ。ハルフェ殿下も一緒にハンバルニ王国に行くとか言ってたからそっちのすり合わせもしといて」
「承知しました。ですが、殿下も一緒となりますと準備にまだ時間がかかるかと思いますが」
「そうなの?」
「はい。向こうは輿入れのつもりで来るでしょうから、色々と準備がございます。当然ハンバルニ王国にも通達が行くでしょうし、王国側でも出迎えの準備が必要です」
「あれ、俺は貴族じゃないから陛下の許可は必要ないって言ってたけど?」
「法的には問題ありませんが、他国の姫が嫁いでくるのです。出迎えくらいはしないといけません。それに護衛の問題もあります。今回なら騎士団をこちらに寄越して、この国の騎士団と合同で護衛となるでしょう。
おそらく婚約の手紙を送った時点で騎士団を派遣してるでしょう。それがついてから戻る形になるかと思います」
ああそうか。姫様の護衛だもんな。冒険者やとって野宿でってわけにもいかないか。
「それとジン様。ロザリア王国の姫と婚約したとなると他の国も黙ってませんよ?」
「え、どういう事?」
「他の各国も誰かを寄越すでしょう。女神様との話は他の国の王もご存知のはず。ならばジン様と縁を結びたいと思うのは当然。
当初はジン様が受け入れないと行っていたので言いませんでしたが、一国でも受け入れたら他の国の方も受け入れざるを得なくなります。もちろんハンバルニ王国からもです」
ありゃそうか、一国だけ女神様と交流を持つのは他の国も見逃せないか。
別に俺と婚約したからって良い事ないと思うんだけどね。女神様は俺にしか興味ないみたいだし。
でも周りはそうは見てくれないんだろうなあ。
「そういう訳で、国に戻ったらすでに他国との婚約の話が来てる可能性もあります。こういう部分での動きは早いですからね。お役所の手続きとは違うんです。王様が婚約させると言ったらそうなるんです」
はあ、気が重いね。確かこの世界は大国が四つ。他に小さな都市国家がいくつかだっけ。
最低でも4人か。
「それと正妻を誰にするかも問題になります」
「え、順番決めるの?」
「もちろんです。継承権の問題がありますから」
「でも俺貴族じゃないから家の継承とかないよ?」
「貴族でなくても家の財産を誰かがつがなくてはいけないでしょう?基本は正妻の男児が継承しますが、女子しか生まれなかった場合は側室の男子が継承権を持ちます。ただこの場合、正妻の女子と側室の男子で継承権を争う場合があります」
面倒くせえ。
「それとも全員愛人扱いされますか?それなら継承権も順位付けも不要ですが」
「いや、俺婚約は諦めたけど、結婚はしないから」
「え?」
「え?じゃないよ。俺は数年したら元の世界に戻るの。だからこの世界の誰とも結婚するつもりはないよ。子供なんてもってのほかだ。責任取れないからね」
「ですが他の貴族も立候補しますよ?大手の商会からも話は出るでしょう。相手が王族ですから運が良ければ側室、悪くても愛人として送り込んでくるでしょう」
「そんなのは断るから良いよ。王様相手だから断れなかっただけで貴族なら断れると思ってるよ」
「ジン様は人がよろしいのでなんかかんだと受け入れそうな気がするんですよね」
「それは流石にないよ。そんなにたくさん婚約者作ってどうするのさ」
「まあジン様ですからなんとかするんでしょうけど。・・・お嬢様も忘れないでくださいね」
「うん?リリアーナさんがどうしたって?」
「いえ、なんでもありません。多分陛下もわかってらっしゃるでしょうし」
話が見えないな。
とにかく婚約はもう動かしようがないけど、結婚を数年引き延ばせば元の世界に帰れるんだ。そうしたら婚約も自動的に解消だろう。
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