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第2章 ロザリア王国編
061 なんでこうなった?
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#061 なんでこうなった?
翌日、婚約の申し込みを断りに陛下に謁見を申し出たら時間がないとかで断られた。
まあ王様は忙しいだろうし、仕方ないな。時間が空いた時にちゃんと断ろう。
「ジン様、来てくださって嬉しいですわ!」
ハルフェ殿下のお茶会だ。昨日に続いて連続だ。
「ジン様、聞いてください、お父様って酷いんですのよ。早くジン様と婚約したいって言ったら待てってしか言ってくださらなくて。せめていつまで待てば良いかくらい仰ってくださっても良いとは思いませんか?」
国王様、俺と会う時間はなくてもハルフェ殿下と会う時間はあるんですね。
「あの、俺の、いえ私の何がそんなに気に入ったのでしょうか?」
「ジン様、俺で構いませんわ。これから婚約者になるのですし、よそよそしいのはなしですわ」
何故婚約が前提になってる?俺の意見はどうなった?
「じゃあ、改めて、俺のどこが気に入ったのでしょうか?」
「お話が上手なところとか、笑った時のお顔とか。たくさんありますわ!」
いや、俺って社畜人生長いからコミュ障レベルで会話は上手くないんだけど。それに俺の顔のレベルで笑顔を褒められても。
昨日も言ってたけど「だってお父様の決められた婚約者ですもの。きっと素敵な方に違いありませんわ」を本気で信じてるんだろうな。
「でもこんなおっさんとか嫌じゃないですか?もっと若い人とかいると思うんですけど」
「ジン様はお一人しかいませんわ!ええ、昨日お話しして分かったんです。ジン様が運命のお人だと!」
いや、絶対勘違いです。何かの小説にでも影響されたんだろうか?
結局一緒にお昼もいただいて、その後も一緒にお話を続けてしまった。
流されちゃダメだ!俺頑張れ!
「は、晩餐会?」
「はい、招待状が届いています」
「俺に?何かの間違いじゃないの?」
「陛下直筆のサインがあります。間違いはありません」
結局毎日国王様には会えず、ハルフェ殿下にはお茶会に誘われる。そんな日が続いていた。
そして今日届いた晩餐会の招待状。嫌な予感がぷんぷんする。
これは病欠でもした方が良いか?っていうか、晩餐会あるならもっと前に招待状送ってよ。今日言って今日って何?他の貴族招待してるんだから俺にももっと前に伝えれたよね?
「それと・・・」
「まだ何かあるの?」
「騎士が迎えに来ています」
「え?」
「もうすでに迎えが来ております。馬車が待っていますので準備を急いでください」
ちょ、ちょっと、俺の病欠の時間が・・・。
「まさか断りませんよね?婚約はともかく、晩餐会を断るとあとが面倒ですよ?」
いやまあね、さっきまでハルフェ殿下とお茶してたから病欠出来ないのはわかるんだけど、なんだけど・・・。
「ジン様、晩餐会に行って陛下に挨拶だけでもしてください。早退するのは問題ありませんから」
そうか、挨拶だけで帰れば最低限で済むな。よし、それで行こう。何か変な動きがある前に退場しよう。
「ジン=カンザキ様とハルフェ第7王女殿下ご入来!」
何故俺は大扉から入場してるんだ?しかも扉番の案内付きで。隣には着飾ったハルフェ殿下までいるし。
騎士に連れられてきたらハルフェ殿下が待っていて、案内してくれるっていうから一緒に来て。
なんかハルフェ殿下が俺の腕組んでるし、この状況はまずいのでは。
あぁ、扉開けないで。まだ頭の整理が出来てないの!
「さあ、行きましょう、ジン様」
俺は引きずられるように会場に入ったが、全員が俺をみてる気がする。確かこういう公式な晩餐会のエスコートは身内(夫婦や家族)もしくは婚約者だったはず。この世界でもそうなのかは知らないけど、違ったとしても問題がありそうな気がする。
「まずはお父様にご挨拶ですわ」
まあそれは元々予定にあったから問題ない。まさか最初だとは思ってなかったけど。こういうのって爵位の高い順で・・・ああ、ハルフェ殿下、王族だわ。
「お父様、ジン様を連れてきましたわ」
「うむ、ご苦労。
皆!ここで発表させてもらう!第7王女ハルフェとジン=カンザキとの婚約をここに認める!」
「「おぉぉ」」
「とうとうハルフェ様の婚約者が決まったか」
「あれだけ可愛がっていたのに嫁にやるとは。ジンとかいう男はそれほど気に入られているのか?」
「誰が婚約を申し込んでも断っていたのに・・・」
ちょ、ちょっと、ハルフェ殿下、何ほっぺにチューなんてしてるの?!
「「「おぉぉ」」」
「殿下があれほど積極的だったとは」
「これは涙する男が大勢でそうですな」
こ、この状況で国王様の言葉を否定したら反逆罪かな?物理的に首が飛ぶやつ?
なんでこうなった?
翌日、婚約の申し込みを断りに陛下に謁見を申し出たら時間がないとかで断られた。
まあ王様は忙しいだろうし、仕方ないな。時間が空いた時にちゃんと断ろう。
「ジン様、来てくださって嬉しいですわ!」
ハルフェ殿下のお茶会だ。昨日に続いて連続だ。
「ジン様、聞いてください、お父様って酷いんですのよ。早くジン様と婚約したいって言ったら待てってしか言ってくださらなくて。せめていつまで待てば良いかくらい仰ってくださっても良いとは思いませんか?」
国王様、俺と会う時間はなくてもハルフェ殿下と会う時間はあるんですね。
「あの、俺の、いえ私の何がそんなに気に入ったのでしょうか?」
「ジン様、俺で構いませんわ。これから婚約者になるのですし、よそよそしいのはなしですわ」
何故婚約が前提になってる?俺の意見はどうなった?
「じゃあ、改めて、俺のどこが気に入ったのでしょうか?」
「お話が上手なところとか、笑った時のお顔とか。たくさんありますわ!」
いや、俺って社畜人生長いからコミュ障レベルで会話は上手くないんだけど。それに俺の顔のレベルで笑顔を褒められても。
昨日も言ってたけど「だってお父様の決められた婚約者ですもの。きっと素敵な方に違いありませんわ」を本気で信じてるんだろうな。
「でもこんなおっさんとか嫌じゃないですか?もっと若い人とかいると思うんですけど」
「ジン様はお一人しかいませんわ!ええ、昨日お話しして分かったんです。ジン様が運命のお人だと!」
いや、絶対勘違いです。何かの小説にでも影響されたんだろうか?
結局一緒にお昼もいただいて、その後も一緒にお話を続けてしまった。
流されちゃダメだ!俺頑張れ!
「は、晩餐会?」
「はい、招待状が届いています」
「俺に?何かの間違いじゃないの?」
「陛下直筆のサインがあります。間違いはありません」
結局毎日国王様には会えず、ハルフェ殿下にはお茶会に誘われる。そんな日が続いていた。
そして今日届いた晩餐会の招待状。嫌な予感がぷんぷんする。
これは病欠でもした方が良いか?っていうか、晩餐会あるならもっと前に招待状送ってよ。今日言って今日って何?他の貴族招待してるんだから俺にももっと前に伝えれたよね?
「それと・・・」
「まだ何かあるの?」
「騎士が迎えに来ています」
「え?」
「もうすでに迎えが来ております。馬車が待っていますので準備を急いでください」
ちょ、ちょっと、俺の病欠の時間が・・・。
「まさか断りませんよね?婚約はともかく、晩餐会を断るとあとが面倒ですよ?」
いやまあね、さっきまでハルフェ殿下とお茶してたから病欠出来ないのはわかるんだけど、なんだけど・・・。
「ジン様、晩餐会に行って陛下に挨拶だけでもしてください。早退するのは問題ありませんから」
そうか、挨拶だけで帰れば最低限で済むな。よし、それで行こう。何か変な動きがある前に退場しよう。
「ジン=カンザキ様とハルフェ第7王女殿下ご入来!」
何故俺は大扉から入場してるんだ?しかも扉番の案内付きで。隣には着飾ったハルフェ殿下までいるし。
騎士に連れられてきたらハルフェ殿下が待っていて、案内してくれるっていうから一緒に来て。
なんかハルフェ殿下が俺の腕組んでるし、この状況はまずいのでは。
あぁ、扉開けないで。まだ頭の整理が出来てないの!
「さあ、行きましょう、ジン様」
俺は引きずられるように会場に入ったが、全員が俺をみてる気がする。確かこういう公式な晩餐会のエスコートは身内(夫婦や家族)もしくは婚約者だったはず。この世界でもそうなのかは知らないけど、違ったとしても問題がありそうな気がする。
「まずはお父様にご挨拶ですわ」
まあそれは元々予定にあったから問題ない。まさか最初だとは思ってなかったけど。こういうのって爵位の高い順で・・・ああ、ハルフェ殿下、王族だわ。
「お父様、ジン様を連れてきましたわ」
「うむ、ご苦労。
皆!ここで発表させてもらう!第7王女ハルフェとジン=カンザキとの婚約をここに認める!」
「「おぉぉ」」
「とうとうハルフェ様の婚約者が決まったか」
「あれだけ可愛がっていたのに嫁にやるとは。ジンとかいう男はそれほど気に入られているのか?」
「誰が婚約を申し込んでも断っていたのに・・・」
ちょ、ちょっと、ハルフェ殿下、何ほっぺにチューなんてしてるの?!
「「「おぉぉ」」」
「殿下があれほど積極的だったとは」
「これは涙する男が大勢でそうですな」
こ、この状況で国王様の言葉を否定したら反逆罪かな?物理的に首が飛ぶやつ?
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