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第1章 召喚編
029 馬鹿な伯爵家3男
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#029 馬鹿な伯爵家3男
「ジン様、お嬢様がお呼びです。出来れば応接室に来ていただきたいと」
クレアさんが呼びに来たけどなんだろう?最近は呼ばれる時は執務室で軽く話す程度のが多いからわざわざ応接室ってのも不自然だけど。
「貴族と面会の最中のようです。どうやらジン様にも同席して欲しいようです」
「貴族との面会に同席?俺がいても何も出来ないけど」
「私にもわかりませんが、お嬢様はそうお望みです」
「そう。じゃあ顔だけでも出しますか」
俺は気軽な気持ちで行く事を決めたがちょっと早まったかもしれない。
コンコン
「お嬢様、ジン様をお連れしました」
「入ってちょうだい」
俺が入ると、部屋の中にはリリアーナさんとメイドのマリーさん、そして知らない20代のイケメンがいた。
「やー、君がジンくんか。異世界から来たんだって?大変だったねー。今度リリアちゃんと結婚することになったケルンっていうんだ。申し訳ないんだけど君には出て行ってもらうからそのつもりでいてねー」
この人は何を言ってるんだろうか?
リリアーナさんが結婚?初めて聞いたが。今決まったんだろうか?
リリアーナさんを見ると首を振っていた。
リリアーナさんの隣に座るとメイドのマリーさんがお茶を入れてくれたので一口。うん、美味しい。
「ジン様、来ていただいてありがとうございます。この方が話を聞いてくれなくて」
「リリアちゃーん、この方なんて他人行儀な呼び方せずにさ、ダーリンとか呼んでよねー」
再度思うが、この人は何を言ってるんだろうか?
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「あれー、聞いてない?僕っちはロザリア王国の伯爵家の3男でケルンって言うんだよー。今日から俺っちもここに住むからよろしくねー」
「リリアーナさん?」
「いえ、承諾した覚えはないんですが、勝手に言ってるだけです。でも何を言っても聞いてくれなくて」
なるほど、以前言ってた他国の3男か。金の無心をしてるんだっけか。
「ケルン様、リリアーナさんは結婚するつもりはないようですよ?」
「そんなわけないジャーン。俺っちが結婚してあげるって言ってるんだよ?もう決まったも同然じゃん。リリアちゃんも可愛いしwin-winだーね!」
いや、お前実家から何言われてきたんだ?
こそっとリリアーナさんが手紙を渡してくる。
『背景リリアーナさま
本日はお日柄もよく・・・
・・・・・・
・・・という訳で息子のケルンとの結婚を承諾願いたく思います。
結納金は金貨五百枚程度をお願いします。
親愛なる ケビン=マリンドルフより』
うん?結納金って迎える側が出すんだっけ?男が出すんだっけ?あれ?
それにこの手紙、誤字というか書き方が間違ってるというか。この世界の手紙の書き方ってこんな感じなのか?
「手紙はめちゃくちゃです。こんな手紙は初めて見ました」
こっそり教えてくれたリリアーナさん。こんな一方的な通告無視しちゃえば?
「内容はめちゃくちゃですが、仮にも他国の伯爵家当主からの手紙です。むげには出来ません。結婚も結納金も論外ですが」
なるほど。なら問題ないね。
「クレア、誰か呼んできて。このたわけを放り出して」
「はい、承知しました」
「ちょっとちょっとー、何かってに進めちゃてるのー。出て行くのは君だよ君ー。新婚の邪魔になるから出てけって言ってるんだよー」
「ご当主さまには後で断りの手紙を送らせていただきますのでお帰りください」
俺がいるので安心したのか、ようやくリリアーナさんも断固たる態度が取れたようだ。
「ちょっとー、じゃあ俺っち今晩どこに止まれってのー。もうお金ないしー」
知らん。着てる服でも売れば一晩くらい宿が取れるだろう?
「ちょ、離せってば、俺っちは伯爵家の人間だよ?そんな態度とって、ああ、連れてかないでー」
うるさいやつだった・・・。
「ジン様、お手を煩わせて申し訳ありませんでした。私だけでは女だと侮られて話にもならなくて。来てくださって助かりました」
「いや、別にあのくらいどうって事はないですが、放り出して問題なかったですよね?」
「ええ、結婚とか以前にアポイントもなく来て泊めろという方が礼儀に反しています。食事程度ならわからないでもないですが」
「うん、なら早いうちに追い出して正解でしたね。ああいうのは少しでも譲歩すると際限無く要求してきますから。最初のうちに断固として断ってしまった方がいいです」
社畜時代にもいたんだよ。そういう上司が。徹夜してようやく仕事を終わらせたら、軽い気持ちで採算の合わない仕事とってきて、今日中にやっといてとかいうやつが。自分は重役出勤+定時帰りのくせに。
こちとら休みも返上、徹夜までして頑張ってるのに適当なことするんだよな。そして文句でも言おうものなら急にキレて、自分の方が上司だから言うこと聞けっていうんだ。あんな連中とは2度と関わりたくない。
「リリアちゃーん!」
外で何か叫んでる奴がいるが迷惑だ。護衛の人に追い払ってもらおう。場合によっては衛兵を呼んでもらってもいいしね。
「ジン様、お嬢様がお呼びです。出来れば応接室に来ていただきたいと」
クレアさんが呼びに来たけどなんだろう?最近は呼ばれる時は執務室で軽く話す程度のが多いからわざわざ応接室ってのも不自然だけど。
「貴族と面会の最中のようです。どうやらジン様にも同席して欲しいようです」
「貴族との面会に同席?俺がいても何も出来ないけど」
「私にもわかりませんが、お嬢様はそうお望みです」
「そう。じゃあ顔だけでも出しますか」
俺は気軽な気持ちで行く事を決めたがちょっと早まったかもしれない。
コンコン
「お嬢様、ジン様をお連れしました」
「入ってちょうだい」
俺が入ると、部屋の中にはリリアーナさんとメイドのマリーさん、そして知らない20代のイケメンがいた。
「やー、君がジンくんか。異世界から来たんだって?大変だったねー。今度リリアちゃんと結婚することになったケルンっていうんだ。申し訳ないんだけど君には出て行ってもらうからそのつもりでいてねー」
この人は何を言ってるんだろうか?
リリアーナさんが結婚?初めて聞いたが。今決まったんだろうか?
リリアーナさんを見ると首を振っていた。
リリアーナさんの隣に座るとメイドのマリーさんがお茶を入れてくれたので一口。うん、美味しい。
「ジン様、来ていただいてありがとうございます。この方が話を聞いてくれなくて」
「リリアちゃーん、この方なんて他人行儀な呼び方せずにさ、ダーリンとか呼んでよねー」
再度思うが、この人は何を言ってるんだろうか?
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「あれー、聞いてない?僕っちはロザリア王国の伯爵家の3男でケルンって言うんだよー。今日から俺っちもここに住むからよろしくねー」
「リリアーナさん?」
「いえ、承諾した覚えはないんですが、勝手に言ってるだけです。でも何を言っても聞いてくれなくて」
なるほど、以前言ってた他国の3男か。金の無心をしてるんだっけか。
「ケルン様、リリアーナさんは結婚するつもりはないようですよ?」
「そんなわけないジャーン。俺っちが結婚してあげるって言ってるんだよ?もう決まったも同然じゃん。リリアちゃんも可愛いしwin-winだーね!」
いや、お前実家から何言われてきたんだ?
こそっとリリアーナさんが手紙を渡してくる。
『背景リリアーナさま
本日はお日柄もよく・・・
・・・・・・
・・・という訳で息子のケルンとの結婚を承諾願いたく思います。
結納金は金貨五百枚程度をお願いします。
親愛なる ケビン=マリンドルフより』
うん?結納金って迎える側が出すんだっけ?男が出すんだっけ?あれ?
それにこの手紙、誤字というか書き方が間違ってるというか。この世界の手紙の書き方ってこんな感じなのか?
「手紙はめちゃくちゃです。こんな手紙は初めて見ました」
こっそり教えてくれたリリアーナさん。こんな一方的な通告無視しちゃえば?
「内容はめちゃくちゃですが、仮にも他国の伯爵家当主からの手紙です。むげには出来ません。結婚も結納金も論外ですが」
なるほど。なら問題ないね。
「クレア、誰か呼んできて。このたわけを放り出して」
「はい、承知しました」
「ちょっとちょっとー、何かってに進めちゃてるのー。出て行くのは君だよ君ー。新婚の邪魔になるから出てけって言ってるんだよー」
「ご当主さまには後で断りの手紙を送らせていただきますのでお帰りください」
俺がいるので安心したのか、ようやくリリアーナさんも断固たる態度が取れたようだ。
「ちょっとー、じゃあ俺っち今晩どこに止まれってのー。もうお金ないしー」
知らん。着てる服でも売れば一晩くらい宿が取れるだろう?
「ちょ、離せってば、俺っちは伯爵家の人間だよ?そんな態度とって、ああ、連れてかないでー」
うるさいやつだった・・・。
「ジン様、お手を煩わせて申し訳ありませんでした。私だけでは女だと侮られて話にもならなくて。来てくださって助かりました」
「いや、別にあのくらいどうって事はないですが、放り出して問題なかったですよね?」
「ええ、結婚とか以前にアポイントもなく来て泊めろという方が礼儀に反しています。食事程度ならわからないでもないですが」
「うん、なら早いうちに追い出して正解でしたね。ああいうのは少しでも譲歩すると際限無く要求してきますから。最初のうちに断固として断ってしまった方がいいです」
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こちとら休みも返上、徹夜までして頑張ってるのに適当なことするんだよな。そして文句でも言おうものなら急にキレて、自分の方が上司だから言うこと聞けっていうんだ。あんな連中とは2度と関わりたくない。
「リリアちゃーん!」
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