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第1章 召喚編
010 力の確認
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#010 力の確認
部屋に戻ってから夕食の時間まで時間が空いたので、さっきまで問題になっていた加護?力?能力?の検証をしてみようと思う。
まずはお金だな。
(金貨が一枚欲しいなー)
心の中で棒読みのセリフを言ってみる。
・・・手のひらに金貨が一枚乗っていた。
次は物だな。
(雑巾が欲しいなー)
もちろん心の中で思ってみる。
・・・手に雑巾が乗っている。作ったばかりのような綺麗な雑巾だ。そのまま顔が拭けそうな綺麗さだ。
さて、問題はここからだ。俺の予想ではこれだけでは終わらない。
(この雑巾が消えるといいなー)
・・・手に持っていたはずの雑巾が消えた。
やっぱり出すだけじゃなくて消すことも出来るみたいだ。
あとはもう一つ、いや、二つ確認しないといけないことがある。
(指先に火が灯ったら便利だろうなー)
・・・指先がライターになったかのように火が出た。10秒ほどで消えたが多分出してようと思えばずっと出てるような気がする。
火が出ると言うことは魔法と同じことが出来ると言う事だ。しかも多分属性がない。頭で思うだけで実現するんだから属性なんて関係あるわけがない。
最後の確認だ。
(金属のプレートがあるといいなー鉄で充分かなー)
目の前に金属のプレートが出現した。まあこれはさっき確認した事なので今更驚くことではない。
問題はこれからだ。
(この金属プレートが粉々になればいいのになー)
・・・金属のプレートがあった場所に粉が溜まっていた。多分さっきの金属が粉末状になったんだろうな。
はあ。
やっぱり作るだけじゃなくて壊すこともできるのか。試す気はないけど、生物を死亡させるのも出来そうな気がする。もしこの想像が正しかったなら回避不能の即死攻撃だ。
やっばい能力だな。
それに頭で考えただけで実現するってのが一番やばい気がする。俺が望んだだけで結果が出るんだから。無闇に欲しがったり気を荒立てたりしたら何が起きるか分からない。
やっぱりあのイングリッドとか言う女神様の加護なんだろうな。下級神の上位互換って言ってたから、多分下級神よりも上なんだろうし。上級神とか?
この世界一神教だから他の女神様がいるってだけでも問題なのに、信じてる女神様よりも上位の女神様がいるってなったら大変な事になるよな。
教会は確実に敵になるだろうし、国だってどうなるか分からない。なんせ女神教は国教だしな。
でも、この世界神託とかあるんだよな。俺のこと神託でバラしたりしないよな?上司に気を使って俺の保護をとか・・・無いと思いたい。
翌朝、起きると、俺のベッドの枕元に冒険者のような服と革鎧が置かれていた。昨日冒険者ギルドに行ったことを聞いて、リリアーナさんが用意してくれたのかもしれない。
ありがたく着せてもらおう。今日は薬草を納品しに行かないといけないからな。馬車も目立つから歩いていくか。
朝食の席でリリアーナさんと一緒になったんだけど、目を合わせてくれなかった。よっぽど昨日ことがショックだったんだろう。
だけど、クレアが反応した。
「カンザキ様、そのお召し物はどうされたんでしょうか?」
「え、クレアが冒険者用の服を用意してくれたんじゃ無いの?」
「いえ、私は用意しておりませんが?クローゼットに一通りは揃えておきましたので、それ以外は特に購入しておりません」
「起きたら枕元にあったんだけど?」
「私は置いてませんよ?」
「か、カンザキ様?」
死にそうな声でリリアーナさんが声をかけてくる。
「なんでしょう?」
「その服をちょっと見せて頂いてもよろしいですか?」
「もちろんです」
俺が近づくと、袖を引っ張ったりして何かを確認している。
そのままフラッと力が抜けて倒れ込んでしまった。
「ちょ、ちょっと、どうしたんですか?!」
「お嬢様!お嬢様!」
幸いリリアーナさんはすぐに復活したが、俺の方を恨めしげに睨み付けて来た。
いやそんなに情熱的に見られても。
「カンザキ様、昨日力は使わないでくださいって言いましたよね?」
「ええ。覚えてますよ」
「じゃあなんでこんな服があるんですか?!
この服、耐刃、耐熱、耐寒、防汚、自動修復、魔力耐性までついてますよ!
どこに頼んだらこんな出鱈目な服が出来上がるんですか!こんな服存在しませんよ!」
「え、でも俺が願った物じゃ無いですよ?」
「でもそれしか考えられません!
これだけの付与ができる素材なんて伝説のオリハルコンくらいですよ!現在国宝になっている鎧でも耐刃と魔力耐性しか付いてないんですよ?!こんな服があったらそれだけの為に国が動きます!
国宝より防御力の高い服って意味が分かりませんよ!」
いや、そう言われても。俺が欲しがったわけじゃ無いしな。それとも寝てる間に夢とかで願ったんだろうか?それなら自信ないな。でも夢は見なかったと思うんだけど。まあ夢は覚えてないのも多いらしいからな。
「カンザキ様、これは多分冒険者用の服ですよね?」
「ええ、たぶん。革鎧とセットで置いてありましたから」
「服も鎧もこちらで最上級のものを用意します。もちろん常識的な範囲で。
ですからこんなあってはならない物はどうにかしてください」
リリアーナさんが泣きそうだ。いや、ちょっと泣いてるかもしれない。なんか申し訳ない。
部屋に戻ってから夕食の時間まで時間が空いたので、さっきまで問題になっていた加護?力?能力?の検証をしてみようと思う。
まずはお金だな。
(金貨が一枚欲しいなー)
心の中で棒読みのセリフを言ってみる。
・・・手のひらに金貨が一枚乗っていた。
次は物だな。
(雑巾が欲しいなー)
もちろん心の中で思ってみる。
・・・手に雑巾が乗っている。作ったばかりのような綺麗な雑巾だ。そのまま顔が拭けそうな綺麗さだ。
さて、問題はここからだ。俺の予想ではこれだけでは終わらない。
(この雑巾が消えるといいなー)
・・・手に持っていたはずの雑巾が消えた。
やっぱり出すだけじゃなくて消すことも出来るみたいだ。
あとはもう一つ、いや、二つ確認しないといけないことがある。
(指先に火が灯ったら便利だろうなー)
・・・指先がライターになったかのように火が出た。10秒ほどで消えたが多分出してようと思えばずっと出てるような気がする。
火が出ると言うことは魔法と同じことが出来ると言う事だ。しかも多分属性がない。頭で思うだけで実現するんだから属性なんて関係あるわけがない。
最後の確認だ。
(金属のプレートがあるといいなー鉄で充分かなー)
目の前に金属のプレートが出現した。まあこれはさっき確認した事なので今更驚くことではない。
問題はこれからだ。
(この金属プレートが粉々になればいいのになー)
・・・金属のプレートがあった場所に粉が溜まっていた。多分さっきの金属が粉末状になったんだろうな。
はあ。
やっぱり作るだけじゃなくて壊すこともできるのか。試す気はないけど、生物を死亡させるのも出来そうな気がする。もしこの想像が正しかったなら回避不能の即死攻撃だ。
やっばい能力だな。
それに頭で考えただけで実現するってのが一番やばい気がする。俺が望んだだけで結果が出るんだから。無闇に欲しがったり気を荒立てたりしたら何が起きるか分からない。
やっぱりあのイングリッドとか言う女神様の加護なんだろうな。下級神の上位互換って言ってたから、多分下級神よりも上なんだろうし。上級神とか?
この世界一神教だから他の女神様がいるってだけでも問題なのに、信じてる女神様よりも上位の女神様がいるってなったら大変な事になるよな。
教会は確実に敵になるだろうし、国だってどうなるか分からない。なんせ女神教は国教だしな。
でも、この世界神託とかあるんだよな。俺のこと神託でバラしたりしないよな?上司に気を使って俺の保護をとか・・・無いと思いたい。
翌朝、起きると、俺のベッドの枕元に冒険者のような服と革鎧が置かれていた。昨日冒険者ギルドに行ったことを聞いて、リリアーナさんが用意してくれたのかもしれない。
ありがたく着せてもらおう。今日は薬草を納品しに行かないといけないからな。馬車も目立つから歩いていくか。
朝食の席でリリアーナさんと一緒になったんだけど、目を合わせてくれなかった。よっぽど昨日ことがショックだったんだろう。
だけど、クレアが反応した。
「カンザキ様、そのお召し物はどうされたんでしょうか?」
「え、クレアが冒険者用の服を用意してくれたんじゃ無いの?」
「いえ、私は用意しておりませんが?クローゼットに一通りは揃えておきましたので、それ以外は特に購入しておりません」
「起きたら枕元にあったんだけど?」
「私は置いてませんよ?」
「か、カンザキ様?」
死にそうな声でリリアーナさんが声をかけてくる。
「なんでしょう?」
「その服をちょっと見せて頂いてもよろしいですか?」
「もちろんです」
俺が近づくと、袖を引っ張ったりして何かを確認している。
そのままフラッと力が抜けて倒れ込んでしまった。
「ちょ、ちょっと、どうしたんですか?!」
「お嬢様!お嬢様!」
幸いリリアーナさんはすぐに復活したが、俺の方を恨めしげに睨み付けて来た。
いやそんなに情熱的に見られても。
「カンザキ様、昨日力は使わないでくださいって言いましたよね?」
「ええ。覚えてますよ」
「じゃあなんでこんな服があるんですか?!
この服、耐刃、耐熱、耐寒、防汚、自動修復、魔力耐性までついてますよ!
どこに頼んだらこんな出鱈目な服が出来上がるんですか!こんな服存在しませんよ!」
「え、でも俺が願った物じゃ無いですよ?」
「でもそれしか考えられません!
これだけの付与ができる素材なんて伝説のオリハルコンくらいですよ!現在国宝になっている鎧でも耐刃と魔力耐性しか付いてないんですよ?!こんな服があったらそれだけの為に国が動きます!
国宝より防御力の高い服って意味が分かりませんよ!」
いや、そう言われても。俺が欲しがったわけじゃ無いしな。それとも寝てる間に夢とかで願ったんだろうか?それなら自信ないな。でも夢は見なかったと思うんだけど。まあ夢は覚えてないのも多いらしいからな。
「カンザキ様、これは多分冒険者用の服ですよね?」
「ええ、たぶん。革鎧とセットで置いてありましたから」
「服も鎧もこちらで最上級のものを用意します。もちろん常識的な範囲で。
ですからこんなあってはならない物はどうにかしてください」
リリアーナさんが泣きそうだ。いや、ちょっと泣いてるかもしれない。なんか申し訳ない。
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