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本編
第31話 グレンの失敗
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グレンが家族の一員に加わってから、二ヶ月が過ぎた。
季節は、夏が終わって、秋になった。
二ヶ月の間に住民も増えてきて、アリステラ領からも行商が来るようになってきた。
「おにく~オニ~ク、お肉♪ おいも、お芋、さつま芋♪」
私は、歌ってしまうぐらいテンションが高かった。
(アイリス、どうされたのですか?)
(えっとね。グレンやスノーが魔獣を狩って来てくれるからお肉がいっぱいあるし、各代表者たちがまとめている所の野菜がたくさん収穫できたから明日、収穫祭をやるんだよ)
(なるほど。アイリスは、食べるの大好きですからね。私もアイリスが作る料理が好きですから楽しみです)
食べることは好きだけど、そんな言われ方したら私が大食いみたいじゃん。
念話で、会話しているから他の人に聞かれることはないけどさ。
秋は、食欲の秋なんだよ。美味しいものがたくさんあるんだから食べちゃうのは、仕方ないよね。
「カイル兄様、ハルクさん、準備は進んでいますか?」
「順調だよ。何に使うかわからないが、アイリスから頼まれていた若干深めの大き目の穴は、スノーが掘ってくれているからね」
スノーを見るとここ掘れワンワンばりに勢いよく五つ目の穴を掘っていた。
あのサイズの穴なら、住民が増えたけど、五つもあれば十分だね。
(スノー、お疲れ様。その穴が掘り終わったら、もう穴は掘らなくていいよ)
(わかった。アイリスに感謝してくれるならお安いご用だよ)
スノーは、念話で会話しながら、振っていた尻尾を更に激しく振って、穴を掘り続けている。
もうすぐ、準備も終わりそうだし、明日が楽しみだな。
翌日、全住民が集まった。
スノーが掘ってくれた穴には、薪が組まれ、グレンの炎魔法で、火がつけられ燃えている。
焚き火での焼き芋がやりたかったし、他の料理した時にも役立つので、キッチンペーパーとアルミホイルを創造魔法で作った。
カイル兄様には、これは私にしか作れないんじゃないかなどと説教された。
アルミホイルはアルミが、キッチンペーパーなら原料になる木があれば、錬金術で作れるということを鑑定してわかってくれたので、説明したら何とか納得してくれた。
錬金術なら材料さえあれば、前世の製造方法より簡単に短時間で大量にできるだろうね。
「皆さん、今はまだ焚き火がボウボウ燃えていますので、炭になり始めて、炎が落ち着いてきたら、さつま芋を火の中にいれてくださいね」
焼き芋は、ボウボウ燃え上がる盛大な炎ではなく、落ち着いた状態の熾火。
灰になりかけたような状態がベストで、じっくり低温で火を通すのが、焼き芋を作る上で重要なポイントなのだ。
「アイリス様、濡らしたキッチンペーパーとやらでさつま芋を包んだあとアルミホイルとやらで、隙間ができないように包みましだが、火の中に入れてしまって、さつま芋が炭になってしまわないのですか?」
「ゾイルさん、それは大丈夫ですよ。炭にならずにおいしく焼けますので、皆さんも楽しみにしていてくださいね」
そうして、火が落ち着くのを待ちながら、肉や他の野菜などを焼いて食べた。
(アイリス、私がやれば肉もさつま芋も、もっと早くやけますよ)
グレンがそう言ってきたので、みんなの食べる分ではなく、グレンとスノーが食べる分のお肉の塊一つとアルミホイルとキッチンペーパーで包んであるさつま芋を二つ地面に置いた。
(では、参ります)
グレンがお肉の塊とさつま芋に火魔法で、火を放った。
うん。この威力だとマズいな。
案の定、お肉の塊は、真っ黒焦げになって、さつま芋も包みを剥がし中を見ると真っ黒焦げで、触れると崩れてしまった。
さつま芋は、炭になっちゃったね。
お肉の塊は、外は真っ黒焦げだけど、中は生だから焦げた部分を切り落として、また焼けば大丈夫かな多分……
焦げたお肉は、発がん物質に変わるって言われているから食べない方がいいけど、焦げた部分を切り落とせば大丈夫だろうし、私は、不老不死だし、スノーとグレンは聖獣だから食べても大丈夫だよね。
(アイリス、申し訳ありません)
(失敗しちゃっね。さつま芋の方はダメだけど、お肉は焦げちゃった部分を切り落とせれば、食べられるだろうから、私たちで食べようね。勿体ないからさ。)
(はい。責任を持って食べさせていただきます)
みんなで、お肉や野菜を食べている間に炎が落ち着いてきたので、どんどんさつま芋を各穴にみんなで火の中に入れていった。
「もうそろそろいいかな」
火ばさみで、焼き芋を挟んだ感触が心もち柔らかかったので、ちゃんと焼き上がっているだろう。
念のため確実に火が通っているか確かめるために、火から出して、使っていない串で、包まれたままの焼き芋を刺してみた。
スッと串が入ったので完全に火が通っている証拠だ。
「焼き芋が焼き上がりましたので、火ばさみで取って、包みを剥がして食べてみてください」
火ばさみをゾイルさんに渡したので、ゾイルさんがどんどん焼き芋を火の中から出していく。
他の穴では、他の大人たちが同じようにやっていた。
私は、包みを剥がして、焼き芋を半分に割って、一口食べるとねっとりホクホクで美味しかった。
「焼き芋最高~」
つい叫んでしまい注目された。
恥ずかしくなり、照れ笑いをして、スノーとグレンの元に向かった。
スノーとグレンもホフホフしながら美味しそうに食べていた。
住民たちも幸せそうな顔で、焼き芋を食べているので、おいしかったのだろう。
何度見てもこういう顔を見るとやってよかったって思うよね。
季節は、夏が終わって、秋になった。
二ヶ月の間に住民も増えてきて、アリステラ領からも行商が来るようになってきた。
「おにく~オニ~ク、お肉♪ おいも、お芋、さつま芋♪」
私は、歌ってしまうぐらいテンションが高かった。
(アイリス、どうされたのですか?)
(えっとね。グレンやスノーが魔獣を狩って来てくれるからお肉がいっぱいあるし、各代表者たちがまとめている所の野菜がたくさん収穫できたから明日、収穫祭をやるんだよ)
(なるほど。アイリスは、食べるの大好きですからね。私もアイリスが作る料理が好きですから楽しみです)
食べることは好きだけど、そんな言われ方したら私が大食いみたいじゃん。
念話で、会話しているから他の人に聞かれることはないけどさ。
秋は、食欲の秋なんだよ。美味しいものがたくさんあるんだから食べちゃうのは、仕方ないよね。
「カイル兄様、ハルクさん、準備は進んでいますか?」
「順調だよ。何に使うかわからないが、アイリスから頼まれていた若干深めの大き目の穴は、スノーが掘ってくれているからね」
スノーを見るとここ掘れワンワンばりに勢いよく五つ目の穴を掘っていた。
あのサイズの穴なら、住民が増えたけど、五つもあれば十分だね。
(スノー、お疲れ様。その穴が掘り終わったら、もう穴は掘らなくていいよ)
(わかった。アイリスに感謝してくれるならお安いご用だよ)
スノーは、念話で会話しながら、振っていた尻尾を更に激しく振って、穴を掘り続けている。
もうすぐ、準備も終わりそうだし、明日が楽しみだな。
翌日、全住民が集まった。
スノーが掘ってくれた穴には、薪が組まれ、グレンの炎魔法で、火がつけられ燃えている。
焚き火での焼き芋がやりたかったし、他の料理した時にも役立つので、キッチンペーパーとアルミホイルを創造魔法で作った。
カイル兄様には、これは私にしか作れないんじゃないかなどと説教された。
アルミホイルはアルミが、キッチンペーパーなら原料になる木があれば、錬金術で作れるということを鑑定してわかってくれたので、説明したら何とか納得してくれた。
錬金術なら材料さえあれば、前世の製造方法より簡単に短時間で大量にできるだろうね。
「皆さん、今はまだ焚き火がボウボウ燃えていますので、炭になり始めて、炎が落ち着いてきたら、さつま芋を火の中にいれてくださいね」
焼き芋は、ボウボウ燃え上がる盛大な炎ではなく、落ち着いた状態の熾火。
灰になりかけたような状態がベストで、じっくり低温で火を通すのが、焼き芋を作る上で重要なポイントなのだ。
「アイリス様、濡らしたキッチンペーパーとやらでさつま芋を包んだあとアルミホイルとやらで、隙間ができないように包みましだが、火の中に入れてしまって、さつま芋が炭になってしまわないのですか?」
「ゾイルさん、それは大丈夫ですよ。炭にならずにおいしく焼けますので、皆さんも楽しみにしていてくださいね」
そうして、火が落ち着くのを待ちながら、肉や他の野菜などを焼いて食べた。
(アイリス、私がやれば肉もさつま芋も、もっと早くやけますよ)
グレンがそう言ってきたので、みんなの食べる分ではなく、グレンとスノーが食べる分のお肉の塊一つとアルミホイルとキッチンペーパーで包んであるさつま芋を二つ地面に置いた。
(では、参ります)
グレンがお肉の塊とさつま芋に火魔法で、火を放った。
うん。この威力だとマズいな。
案の定、お肉の塊は、真っ黒焦げになって、さつま芋も包みを剥がし中を見ると真っ黒焦げで、触れると崩れてしまった。
さつま芋は、炭になっちゃったね。
お肉の塊は、外は真っ黒焦げだけど、中は生だから焦げた部分を切り落として、また焼けば大丈夫かな多分……
焦げたお肉は、発がん物質に変わるって言われているから食べない方がいいけど、焦げた部分を切り落とせば大丈夫だろうし、私は、不老不死だし、スノーとグレンは聖獣だから食べても大丈夫だよね。
(アイリス、申し訳ありません)
(失敗しちゃっね。さつま芋の方はダメだけど、お肉は焦げちゃった部分を切り落とせれば、食べられるだろうから、私たちで食べようね。勿体ないからさ。)
(はい。責任を持って食べさせていただきます)
みんなで、お肉や野菜を食べている間に炎が落ち着いてきたので、どんどんさつま芋を各穴にみんなで火の中に入れていった。
「もうそろそろいいかな」
火ばさみで、焼き芋を挟んだ感触が心もち柔らかかったので、ちゃんと焼き上がっているだろう。
念のため確実に火が通っているか確かめるために、火から出して、使っていない串で、包まれたままの焼き芋を刺してみた。
スッと串が入ったので完全に火が通っている証拠だ。
「焼き芋が焼き上がりましたので、火ばさみで取って、包みを剥がして食べてみてください」
火ばさみをゾイルさんに渡したので、ゾイルさんがどんどん焼き芋を火の中から出していく。
他の穴では、他の大人たちが同じようにやっていた。
私は、包みを剥がして、焼き芋を半分に割って、一口食べるとねっとりホクホクで美味しかった。
「焼き芋最高~」
つい叫んでしまい注目された。
恥ずかしくなり、照れ笑いをして、スノーとグレンの元に向かった。
スノーとグレンもホフホフしながら美味しそうに食べていた。
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