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第一章 カルディナ王国編
第10話 アルテミス、国王陛下に会う②
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「愚息が迷惑を掛けたな。愚息の件は、一応片付いたから早速、娘を紹介してくれ」
「アルテミス。自己紹介してやりなさい」
お父様の口調がいつもと違いますが、そこは二人の関係があってのことでしょうし、公の場ではないので許されているのでしょう。
「はじめまして、カエサルの娘のアルテミスです。国王陛下にお会いすることができ、光栄に思います。よろしくお願いします」
「ワォッン、ワォッン」
私の隣に立っていたイリスが国王陛下に向かって吠えた。
何でいきなり鳴いたのか理解できないだろうから通訳した方がいいよね。
「えっと……イリスが、私はフェンリルのイリスだ。王子には迷惑を掛けられたが、この国をどうこうする気はないから安心していい。この国の王よ。
ただし、主に何かしたらわからないけどな。だそうです」
「アルテミス。こちらこそよろしくな。会えて嬉しいぞ。フェンリル様と契約しておるのだな」
「ワォッン」
国王陛下がイリスをフェンリル様と種族名で呼んだことに対して、イリスが吠えたのでまた通訳する。
「イリスという名を付けてもらったから、イリスと呼ぶようにとのことです」
「わかりました。イリス様。こちらも紹介させてもらう。両隣にいるのが、第一王妃のマリアンヌと第二王妃のジェシカ、マリアンヌの隣にいるのが王太子のマルスだ」
「はじめまして、マリアンヌよ。可愛いわね」
「はじめまして、第一王妃殿下」
「ジェシカよ。やっぱり男の子より女の子の方がいいわね。よろしくね」
「第二王妃殿下。よろしくお願いします」
「王太子のマルスだ。仲良くして欲しい」
王太子殿下は、顔を赤く染めながらそう言った。
「マルスよ。顔を赤くしてどうした?アルテミスに惚れたか?」
十歳くらいの少年が六歳の少女に惚れるということもありえるだろう。
しかし私には、前世の記憶があるから精神年齢は二十七歳なのだ。
もし惚れられていたとしても私にショタの趣味はないから躊躇うよ。
「違いますよ。可愛らしいので、妹が居たらこんな感じかなとか可愛がってあげたいなと思っただけですよ」
王太子殿下は、あの元王子が可愛がっていたとは思えないけど、末っ子たがら可愛がられる側で、下に弟や妹が居ないから下の子を可愛がりたいと思ったのか。
「カエサル。マルスのために今後もたまにでいいからアルテミスを王城に連れて来てくれ。私も会いたいしな」
「「「それはいいですね((わね))」」」
国王陛下の提案に第一、第二王妃殿下と王太子殿下が賛成した。
「断る!!ロベルト。お前が頑張って、王太子のためにマリアンヌ王妃かジェシカ王妃に産んでもらえばいいだろう。
そうすれば王太子は、たまにではなく何時でも弟か妹を可愛がることができるだろう」
お父様……私の存在がエルフの国に発覚したら、エルフの国の者が何かしてくるかもという懸念があるのでしょうけど、もっと言い方があるでしょう。
「お父様。私の事が心配で反対されてくれているのでしょうけど、イリスや仲良くなった魔獣や動物たちはいますが私も森の中だけでは、つまらないです。
たまにお父様が王城で仕事をしている間だけお世話になるのもありだと思います。
お母様も毎日のように私の世話をしてくれているので、たまには息抜きもしたいでしょうし……」
「そんなことをアルテミスが心配する必要ないのよ。
母親なんだから娘の世話をするのは、当たり前の事なんだから。でも、たまにならいいかもしれないわね」
お母様は反対するのかと思いきや乗り気みたいだ。
「カエサル。お前よりマリア様や娘のアルテミスの方が物わかりがいいではないか」
「ググッグ……わかった。たまに連れてくる」
お父様は、私とお母様が賛成側なので、歯を食い縛り悔しそうにしながら国王陛下の提案に了承した。
今日は顔合わせをしただけで、国王陛下たちは、元王子の今後について決めなければいけないのだろうからと、お父様がこれで帰ることに決めてしまい、私たちは森に転移した。
もう少しお城に居たかったな。
「アルテミス。自己紹介してやりなさい」
お父様の口調がいつもと違いますが、そこは二人の関係があってのことでしょうし、公の場ではないので許されているのでしょう。
「はじめまして、カエサルの娘のアルテミスです。国王陛下にお会いすることができ、光栄に思います。よろしくお願いします」
「ワォッン、ワォッン」
私の隣に立っていたイリスが国王陛下に向かって吠えた。
何でいきなり鳴いたのか理解できないだろうから通訳した方がいいよね。
「えっと……イリスが、私はフェンリルのイリスだ。王子には迷惑を掛けられたが、この国をどうこうする気はないから安心していい。この国の王よ。
ただし、主に何かしたらわからないけどな。だそうです」
「アルテミス。こちらこそよろしくな。会えて嬉しいぞ。フェンリル様と契約しておるのだな」
「ワォッン」
国王陛下がイリスをフェンリル様と種族名で呼んだことに対して、イリスが吠えたのでまた通訳する。
「イリスという名を付けてもらったから、イリスと呼ぶようにとのことです」
「わかりました。イリス様。こちらも紹介させてもらう。両隣にいるのが、第一王妃のマリアンヌと第二王妃のジェシカ、マリアンヌの隣にいるのが王太子のマルスだ」
「はじめまして、マリアンヌよ。可愛いわね」
「はじめまして、第一王妃殿下」
「ジェシカよ。やっぱり男の子より女の子の方がいいわね。よろしくね」
「第二王妃殿下。よろしくお願いします」
「王太子のマルスだ。仲良くして欲しい」
王太子殿下は、顔を赤く染めながらそう言った。
「マルスよ。顔を赤くしてどうした?アルテミスに惚れたか?」
十歳くらいの少年が六歳の少女に惚れるということもありえるだろう。
しかし私には、前世の記憶があるから精神年齢は二十七歳なのだ。
もし惚れられていたとしても私にショタの趣味はないから躊躇うよ。
「違いますよ。可愛らしいので、妹が居たらこんな感じかなとか可愛がってあげたいなと思っただけですよ」
王太子殿下は、あの元王子が可愛がっていたとは思えないけど、末っ子たがら可愛がられる側で、下に弟や妹が居ないから下の子を可愛がりたいと思ったのか。
「カエサル。マルスのために今後もたまにでいいからアルテミスを王城に連れて来てくれ。私も会いたいしな」
「「「それはいいですね((わね))」」」
国王陛下の提案に第一、第二王妃殿下と王太子殿下が賛成した。
「断る!!ロベルト。お前が頑張って、王太子のためにマリアンヌ王妃かジェシカ王妃に産んでもらえばいいだろう。
そうすれば王太子は、たまにではなく何時でも弟か妹を可愛がることができるだろう」
お父様……私の存在がエルフの国に発覚したら、エルフの国の者が何かしてくるかもという懸念があるのでしょうけど、もっと言い方があるでしょう。
「お父様。私の事が心配で反対されてくれているのでしょうけど、イリスや仲良くなった魔獣や動物たちはいますが私も森の中だけでは、つまらないです。
たまにお父様が王城で仕事をしている間だけお世話になるのもありだと思います。
お母様も毎日のように私の世話をしてくれているので、たまには息抜きもしたいでしょうし……」
「そんなことをアルテミスが心配する必要ないのよ。
母親なんだから娘の世話をするのは、当たり前の事なんだから。でも、たまにならいいかもしれないわね」
お母様は反対するのかと思いきや乗り気みたいだ。
「カエサル。お前よりマリア様や娘のアルテミスの方が物わかりがいいではないか」
「ググッグ……わかった。たまに連れてくる」
お父様は、私とお母様が賛成側なので、歯を食い縛り悔しそうにしながら国王陛下の提案に了承した。
今日は顔合わせをしただけで、国王陛下たちは、元王子の今後について決めなければいけないのだろうからと、お父様がこれで帰ることに決めてしまい、私たちは森に転移した。
もう少しお城に居たかったな。
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