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第一章 カルディナ王国編
第3話 アルテミスは両親と再会する
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私の所為で、騒ぎが大きくなってしまったが、男の人を助けることができてよかった。
馬車の積み荷は、割れたり、壊れたりして、ダメになっちゃっているみたいで、大損失だけど命があれば、また商売もできるもんね。
それより私は、人の心配よりお父様とお母様を探さないと……絶賛迷子中なのだから。
「はぁはぁ……アルテミス。見つかってよかった」
「はぁはぁ……離れちゃダメって言ったでしょう」
お父様とお母様が居ないから周りをキョロキョロ見て、探していると慌てて私の元にお父様とお母様が駆けつけてきた。
二人とも息を切らしているので、迷子になった私を探し回ってくれたんだな。
「お父様、お母様。どこに行っていたのですか?
探しましたよ」
「いやいや。どこかに一人で行ってしまい、迷子になっちゃったのは、アルテミスだからね」
迷子になった子供の言い訳を言ってみたが、お父様には、通じなかった。
まあ、騒ぎが大きくなったお陰で、両親と再会できたから結果オーライだね。
「あまり反省しているようには、見えないけど……これからは一人で、黙って勝手にどこかに行ってはダメよ。
お父さんもお母さんもとっても心配したんですからね」
「はい。わかりました」
心配をさせ、迷惑をかけてしまったのは事実なので、二人に謝った。
「それで、この騒ぎはなんなのかな?」
「馬車の下敷きになった男の人がいて、大怪我をしているのに、みんな周りで見ているだけで助けてあげようとしないので……」
「治癒師のマリア様ではないですか!!」
「「「!!」」」
私がお父様とお母様に騒ぎの説明をしていると、人族は魔法を使えないと教えてくれたおじさんが叫んだ。
治癒師のマリア様?マリアは、お母様の名前だよね……ということは、おじさんが話していた街にたまに来る治癒師ってお母様のことだったんだ。
おじさんが叫んだ所為で、また騒ぎが大きくなって、人が集まってきてしまった。
「あら!ナダルさんじゃないの。ナタリアさんの調子はどうですか?」
おじさんのことを知っているらしいお母様は、周りの騒ぎなど気にすることなく、おじさんにそう言った。
ナタリアさんって、ナダルさんっていうらしいこのおじさんの奥さんかな?
「マリア様のお陰で女房は、元気になって働いてます。マリア様には、感謝しております」
「いいのですよ。怪我した人や病気の人を治療するのが私の仕事ですからね。」
お母様がたまに街に出掛けていたのは、病気の人の治療とかをするためだったんだ。
「そちらの子供はマリア様の……」
「はい。娘のアルテミスです。娘が何か迷惑をかけてしまいましたか?」
騒ぎを大きくしちゃったけど、おじさんに迷惑はかけていないよ。
子供が見るものじゃないから、あっちに行けとかは、言われたけどね。
「おじさんにあっちに行けって言われた」
「!!……怪我が酷かったから、子どもに見せられるようなものではなかったので……トラウマになってしまってはいけませんから……マリア様の娘とは知らず申し訳ないです」
私の発言におじさんは、お母様に言い訳を言い始めた。
「いいのですよ。ナダルさんは、アルテミスのことを思って言ってくれたのですからね」
「怪我をした方は、大丈夫なのですか?治療が必要なら私が見ますよ」
「いいえ。娘さんが魔法で治療してくれたので、怪我は治りました。
出血が多かったので、治療院に連れて行かれたみたいですから、大丈夫です」
「そうですか。無事でよかったです」
「娘さんもマリア様のように素晴らしい治癒師になられますな」
「私は、治癒師にはならない。お父様みたいに魔物を倒したりしたい」
「らしいですよ。治癒魔法も使えますが、女の子なのに今は、剣や魔法に夢中なお転婆な娘になってしまったので、どうしたものかと悩んでます」
お父様が魔物を倒すのを見て、カッコいいって思って憧れたんだから仕方がない。
女の子が目指すものじゃないから、お転婆と言われてしまうが、やりたいのだからいいじゃないか。
今世は、自由に好きなことをやって生きていくと決めたのだから。
馬車の積み荷は、割れたり、壊れたりして、ダメになっちゃっているみたいで、大損失だけど命があれば、また商売もできるもんね。
それより私は、人の心配よりお父様とお母様を探さないと……絶賛迷子中なのだから。
「はぁはぁ……アルテミス。見つかってよかった」
「はぁはぁ……離れちゃダメって言ったでしょう」
お父様とお母様が居ないから周りをキョロキョロ見て、探していると慌てて私の元にお父様とお母様が駆けつけてきた。
二人とも息を切らしているので、迷子になった私を探し回ってくれたんだな。
「お父様、お母様。どこに行っていたのですか?
探しましたよ」
「いやいや。どこかに一人で行ってしまい、迷子になっちゃったのは、アルテミスだからね」
迷子になった子供の言い訳を言ってみたが、お父様には、通じなかった。
まあ、騒ぎが大きくなったお陰で、両親と再会できたから結果オーライだね。
「あまり反省しているようには、見えないけど……これからは一人で、黙って勝手にどこかに行ってはダメよ。
お父さんもお母さんもとっても心配したんですからね」
「はい。わかりました」
心配をさせ、迷惑をかけてしまったのは事実なので、二人に謝った。
「それで、この騒ぎはなんなのかな?」
「馬車の下敷きになった男の人がいて、大怪我をしているのに、みんな周りで見ているだけで助けてあげようとしないので……」
「治癒師のマリア様ではないですか!!」
「「「!!」」」
私がお父様とお母様に騒ぎの説明をしていると、人族は魔法を使えないと教えてくれたおじさんが叫んだ。
治癒師のマリア様?マリアは、お母様の名前だよね……ということは、おじさんが話していた街にたまに来る治癒師ってお母様のことだったんだ。
おじさんが叫んだ所為で、また騒ぎが大きくなって、人が集まってきてしまった。
「あら!ナダルさんじゃないの。ナタリアさんの調子はどうですか?」
おじさんのことを知っているらしいお母様は、周りの騒ぎなど気にすることなく、おじさんにそう言った。
ナタリアさんって、ナダルさんっていうらしいこのおじさんの奥さんかな?
「マリア様のお陰で女房は、元気になって働いてます。マリア様には、感謝しております」
「いいのですよ。怪我した人や病気の人を治療するのが私の仕事ですからね。」
お母様がたまに街に出掛けていたのは、病気の人の治療とかをするためだったんだ。
「そちらの子供はマリア様の……」
「はい。娘のアルテミスです。娘が何か迷惑をかけてしまいましたか?」
騒ぎを大きくしちゃったけど、おじさんに迷惑はかけていないよ。
子供が見るものじゃないから、あっちに行けとかは、言われたけどね。
「おじさんにあっちに行けって言われた」
「!!……怪我が酷かったから、子どもに見せられるようなものではなかったので……トラウマになってしまってはいけませんから……マリア様の娘とは知らず申し訳ないです」
私の発言におじさんは、お母様に言い訳を言い始めた。
「いいのですよ。ナダルさんは、アルテミスのことを思って言ってくれたのですからね」
「怪我をした方は、大丈夫なのですか?治療が必要なら私が見ますよ」
「いいえ。娘さんが魔法で治療してくれたので、怪我は治りました。
出血が多かったので、治療院に連れて行かれたみたいですから、大丈夫です」
「そうですか。無事でよかったです」
「娘さんもマリア様のように素晴らしい治癒師になられますな」
「私は、治癒師にはならない。お父様みたいに魔物を倒したりしたい」
「らしいですよ。治癒魔法も使えますが、女の子なのに今は、剣や魔法に夢中なお転婆な娘になってしまったので、どうしたものかと悩んでます」
お父様が魔物を倒すのを見て、カッコいいって思って憧れたんだから仕方がない。
女の子が目指すものじゃないから、お転婆と言われてしまうが、やりたいのだからいいじゃないか。
今世は、自由に好きなことをやって生きていくと決めたのだから。
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