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第六話 親睦会と打ち合わせ

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「いらっしゃいませ。マリン王女殿下。特別個室にどうぞ。」

「ありがとう。」

 私たちは特別個室に案内され、個室にはいるとそれぞれ好きな席に座った。

 奥から、私、アリス、ソフィアさん、ミリーナさん、私の向かいからアルトさん、サイさん、ゴンザレスさんと言う感じだ。

「本当に何も言われずに入店出来て、個室に案内されたな。」

「だから大丈夫だと言ったではないですか。」

 サイさんは見た目はクールな印象なのに話すと軽い感じだ。

「普通はコースで、食べたい物があれば追加注文するのですが、皆さんの好みもわかりませんし、その都度食べたい物や飲みたい物を頼んだ方がいいでしょうし、コースのような堅苦しいのは苦手かも思いましたので、特にサイさんが」

「なぜ、わかった。」

「見た目に反して話すとノリが軽いので……」

「うぅ……」

 正直に言ったらサイさんが精神的にダメージを受けられたようです。

 パーティメンバーや知り合いから言われなれていると思ってましたが、そうでもないのでしょうか。

「こちらがメニューですので、好きな物を頼んで、話はそれからにしましょう。
他の個室も防音の魔道具が設置されていますが、この特別個室は、聞かれるとマズいことや非公式に内密な話をする時にも使われ、完全防音の魔道具が設置されているので、個室内の話は絶対に個室外に漏れないのでどんな話をしても大丈夫ですわ。」

「マリンは、アルトよりしっかりリーダーの役割とサイを弄ることができている。」

 ミリーナさんの発言で、精神的ダメージを受けた方が一人増えた。

 まあ、店を決めたのは私ですし、馴染みの店ではないのですから仕方がないと思います。

 サイさんを弄るのもリーダーであるアルトさんの役割なのでしょうか……

 そして、それぞれ食べたい物や飲み物決めて、店員を呼び注文を伝え、今はそれぞれが頼んだ物がテーブルに並べられている。

「それでは、マリンとアリスとの出会いと依頼達成を願って乾杯。」

「「「「「「乾杯」」」」」」」

 アルトさんの乾杯の音頭で、親睦会がスタートしました。
 それぞれ頼んだ飲み物を口にし、食事を取りながら話し始めた。

「こんなの始めてよ。高級店たがら当然なんだけどこのステーキのソース、いつも食べなれている雑な味付けではなく、すごく洗礼された味付けで、こんなの食べてしまったらいつもの何てもう食べられなくなっちゃう。」

「喜んでも貰えたようでよかったですわ。大衆店には大衆店のよさがあると思いますから一緒にしてはダメだと思いますわ。」

「それもそうね。」

「じゃ、食べながらそれぞれの魔法属性の話しとかするか。」

 アルトさんから順番に反時計回りに話していくことになった。私は最後ですね。

「俺は火、風、無の三属性だ。剣に炎を纏わせたり、風の刃を飛ばしたり、無属性の強化魔法で身体強化して切りかかったりだな。」

「俺は火、雷、無の三属性だ。俺は槍だがアルトのように炎や雷を槍に纏わせたり、強化魔法で身体強化して突撃したりだな。」

「俺は雷、無のに属性だ。身体強化して格闘したり、更に雷を体に纏わせ移動速度を上げて戦ったりする。」

「私は土、聖、闇、無の四属性です。土や聖魔法で障壁を展開して仲間を護ったり、聖魔法で怪我や疲労した仲間を治癒させたり回復させたり、闇魔法で敵を拘束したり、状態異常で動きを鈍くさせたりとかかな。」

「私は風、水、雷 、無の四属性よ。風、水、雷の魔法を中距離から遠距離での攻撃かな。」

「私は風、水、雷、聖、無の五属性です。ギルドで軽く話しましたので補足になりますが、属性もほぼ一緒なので攻撃方法はソフィアさんと同じ感じですね。」

「最後は私ですね。私は全属性で、剣も使うので、近距離から遠距離までOKですので、オールラウンドに戦えますわね。」

「王族で魔力量もかなりの多いだろうし、全属性ならマリン一人でなんでもOKじゃないのか。」

 私の話を聞いて、サイさんがそうなことを言ってきました。

「いえいえ。確かに私は全属性で、魔力量は国一番らしいですが、高位貴族でも深紅の翼の皆さんより魔力量も属性も少ない方もいたりしますし、アリスさんは男爵令嬢ですが、魔力量は私に引けを取らないくらい多いですし、聖属性魔法に限れば私より遥かに上ですわよ。」

「マジかよ。ギルマスに負けたの模擬戦だからとか言い訳しちまったけど、本気で戦っても負けるな。
もしかしたら模擬戦では、勝てたけどアリスにも負ける可能性あるかも……」

「まあ、私たちが深紅の翼の皆さんと敵対することはないと思いますから気にしなくていいと思いますわ。」

「そうですね。」

 皆さんいい人たちですからこれからも仲良くしていただければ思ってますからね。

 それは、アリスも同じ気持ちみたいですわね。

「そうだぜ。アルト、今後も共闘したり、一緒に依頼受けたりすることもあるかもだし、いいことじゃねえか。」

「というか話を聞いて、レッドハット盗賊団やキングタイガーウルフが可哀想に思えてきたわ。
 経験ないから私たちと一緒にってなったけど、二人だけで大丈夫な気がするわね。」

「ですです。」

 ソフィアさんの話を聞いて私は経験不足は、失敗につながることも多いにあるから一緒なのは助かるし、ありがたいことだと思ったのだが、ソフィアさんの言うことをミリーナさんが肯定した。

 そんなことより依頼について話さなければですわね。

「ところで、盗賊討伐を先にやるということでしたが、レッドハット盗賊団とはどのくらいの規模でどのような作戦でいくのですか。」

 ギルマスの話では、三組のBランクパーティがやられているとのことでしたが、少人数の小規模盗賊団で三組のパーティが一組のパーティごとに討伐依頼を受けたが精鋭揃いだったのかこれまで三組のパーティともやられたのか、それなりの人数のいる中規模から大規模盗賊団で三組のパーティ合同で依頼を受けて返り討ちにあったのか。

「ああ、レッドハット盗賊団は、二十人の中規模に分類される盗賊団だな。
作戦は基本的には俺とサイ、ロドリゴ、マリンが前衛で接近戦闘、ソフィア、アリスが魔法で中距離攻撃、ミリーナが後衛でレッドハット盗賊は副団長含め数人の魔法職のやつがいるらしいからソフィアとアリスを敵の魔法攻撃から障壁で護ったり、誰かが怪我をして下がってきたら治療したりだな。
  ソフィアとアリスには盗賊団の魔法職をなるべく早めに潰してもらうつもりでいるが、なかなか潰せない状況で俺、サイ、ロドリゴ、ソフィアのうち複数がやられたり、怪我をして下がってきた場合は、ミリーナに闇魔法で盗賊団を状態異常にさせて、その隙に前衛をいったん全員下がらせマリンに強力な攻撃魔法を撃ってもらって盗賊団の魔法職含め、出来るだけ戦闘不能にしてもらいその間にアリスに後方に下がってもらい治療する感じだな。」

「盗賊団に落ちぶれたとはいえ、魔法職には私の闇魔法防いだりするやつが可能性もあるけど、マリンが魔法を撃つまでの間の敵からの魔法攻撃を防いだりとかも私の役目だね。」

「そうだ……「私は、攻撃魔法撃ちながら魔法障壁など防御魔法展開できるので、ミリーナさんはその場合の防御魔法は気にしないで大丈夫ですよ。私以外も敵が狙ってきたら私たちの周りだけ結界張っちゃいますから」

 結界魔法や攻撃魔法も防御魔法もってなると魔力消費多いから、敵が少なかったり、魔力量が多かったりする人でない限りは両方やることはなく、攻撃魔法と防御魔法は分担する。
 その方が魔力を節約できるからだ。

「そうか。わかった。
奴らのアジトはわかっているからな。予定外ではあったが豪華な飯もたらふく食えたし、明日討伐に行く。」

「「「「「了解(です)」」」」」」

 そして、支払いを済ませ、店を出て馬車に乗り込みまずアリスを男爵家まで送り届けたあと、深紅の翼を大衆区域の入り口まで送り、私は王城に戻った。

「明日は冒険者になっての初依頼ですわね。油断はいたしませんが、楽しみですわ。」
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