千里眼の魔法使い

夜乃すてら

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番外編

グエン家へ引っ越し ※少しだけR18表現あり

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「もう、こことはお別れか」

 その夜、イスルは馴染んだ借家を見回した。
 王都からの追放のごたごたがあり、一度は引き上げた家だが、元々アレット家の所有ということもあって、宮廷魔法使いとして復帰がかなった際、また住み始めたのだ。
 といっても、死の風の特効薬作成に協力で多忙だったので、ほとんど倉庫みたいなものだった。

「イスル、俺だよ」
「サリタス?」

 扉がノックされ、サリタスの声がかけられる。
 イスルは驚いてすぐに玄関に向かい扉を開けた。その瞬間、サリタスの眉が寄る。

「イスル、チェーンの使いかたを教えたよね?」
「声で分かったので」
「声真似だったらどうするんだ。まったくもう、相変わらず危機管理が……まあいいや。それも今日までだもんな」

 訪問するなり小言を口にするサリタスに、イスルは苦笑する。こちらも相変わらず、都会育ちの人は面倒くさいなあと考えていた。

「入っても?」
「どうぞ。でも、落ち着かないと思いますよ」
「様子見に来ただけだから、大丈夫だよ」

 荷物のほとんどは箱に仕舞われ、あとは寝具や朝に使うものを鞄に入れるだけだ。
 明日、イスルはサリタスの屋敷に引っ越す。左手の薬指にはめている婚約指輪を見下ろして、イスルは微笑した。
 この国では、同性婚はできない。
 だが、形を示してくれたサリタスの気持ちが嬉しいのだ。

「やっと君が俺の家に来るんだね。これでもう心配ともおさらばってわけだ」
「なんだかすみません」
「君の危機意識の低さも怖いんだけど、イスルは可愛いから横恋慕されそうなのが、ね」
「サリタスは買い被りすぎですよ」

 イスルは困った。サリタスはたびたびイスルを可愛いと言うが、イスルは自分を平凡で地味で、どこにでもいるタイプの人間だと思っている。それに成人男子を可愛いと呼ぶのもどうなのだろう。

「明日の昼に業者が来るから、俺も立ち会うよ。近衛騎士としてしっかりにらみをきかせておくから安心して」
「壊れて困るものは持っていませんから、大丈夫ですけど」

 妹のリリーからもらった腕輪と、サリタスからもらった指輪以外にたいした執着はない。トランク一つ分の荷物でも、イスルはその気になればどこでも暮らしていけるのだ。

「……心配だな」
「え?」

 きょとんとした時、サリタスはイスルをやんわりと抱きしめた。

「君はいつでもどこにでも旅立てるんだ。ふいに羽ばたいてどこかに飛んでいきそう。どうしよう、屋敷で一緒に暮らせば安心できるかと思ったけど、それでも不安になりそうだ」
「サリタスの迷惑にならない限り、僕はサリタスと一緒にいたい」

 もし邪魔になるなら、イスルはきっと身を引くだろう。イスルはどこでも暮らせるけれど、サリタスは違うのを知っている。

「俺が? そんなことはこの先、一生ないよ。でも俺の親戚は邪魔だと言うかもしれない。その時は教えてくれ。対処するから」
「はい。よろしくお願いします」

 サリタスは静かに言ったけれど、どこか仄暗さがある。ときどき垣間見える、サリタスの持つ、障害を排除しようとする容赦なさに、イスルは気付いている。だがそれは、例えば親猫が子猫を守ろうとする時に、威嚇するようなものだ。
 怖いのに、愛情を感じられて、イスルは頬を緩めた。背中に手を回して、サリタスを抱きしめる。安心したのだろうか、サリタスはほっと息をついた。
 そして、悪戯っぽくイスルの耳元でささやく。

「ねえ、俺、一回でいいからここでも寝てみたかったんだよね」
「ええ、いいですよ。僕は土間でも寝られますから」

 一つしかないベッドをあっさりと譲ることにしたイスルだが、サリタスはイスルを離し、呆れ顔をした。

「無邪気というか天然というか……。ねえ、俺達、伴侶になるんだよね? なんで意味が分からないかな」
「え? 意味って。伴侶……あ」

 遅れて気付くと、イスルは顔を赤くした。

「で、でも、ええと……」

 イスルはベッドを見て、それから荷物を見る。

「あの、夜伽をするにはその、準備が、ええと」

 まさか引っ越し前夜にそういう流れになるとは思わず、香油などは全部箱に入れてしまった。

「うん。そんなことだろうと思って持ってきたから、大丈夫。はい」
「うっ」

 流石は用意周到なサリタスに、下剤や香油入りの小瓶を渡されたイスルは顔を引きつらせた。

「あの、明日は忙しいので、一回だけですよ?」
「分かった」

 あっさりとサリタスは受け入れた。イスルはちょっとだけ困った顔をしたものの、求められるのは嬉しいので、カーテンをきちんと閉めてから、いったん風呂場に消えた。



「さ、サリタス、ちょっと待って! 一回の約束です!」

 後始末をしてから寝ようと、ベッドから出ようとしたイスルは、サリタスにうつぶせにされて後ろからのしかかられ、大いに慌てた。

「ごめん、一回じゃ足りない」
「でも明日は引っ越しでっ」
「大丈夫、君の代わりに俺が働くから。指示だけしてくれればいいよ」
「もしかして最初からそのつもりだったのでは」
「肉体労働なら俺のほうが得意だし、君は細いから筋を痛めそうではらはらする」
「田舎育ちはこんなものですよ。確かに細い人が多いですが、体力はあって……、ね、サリタス、駄目だってば」

 身じろぎして、なんとかサリタスを押しのけようと踏ん張るが、脇の辺りをするりと撫でられると腕から力が抜ける。

「ふわっ」
「細いけど、体力はあるんだ? それなら大丈夫だね」
「え? いや、そういう意味じゃなくて、ちょっ」

 後ろから膝を割られ、足を大きく開かせられる。バランスを崩して慌てて両手をベッドについたイスルは、この姿勢に顔を赤くした。
 サリタスはどうやら、後ろからするのが好きらしい。まるで獣の交わりのような体勢だから、村では家畜の世話もしていたイスルはいたたまれない気分になる。表情が見えるほうが好きだ。
 とはいえ強引なわりに、無理矢理はしない。
 サリタスはイスルのうなじに口付けながら、イスルに懇願する。

「ねえ、イスル。良いだろ? あと一回だけ。君を前に、すぐに離れるなんて拷問みたい」
「う……うううう」
「俺の可愛いパンドリ」
「だから、僕は鳥じゃ……」

 せめてもの抵抗で言い返すが、耳を軽く甘噛みされ、弱いところを撫でられるうちにこちらも熱が再び灯りだす。

「イスル、君が欲しい」

 甘いささやきに、イスルは陥落した。
 駄目だ。惚れた弱味というやつだ。好きな人にこんな風に言われて、頷けないわけがない。

「……あと一回だけですよ?」
「ありがとう!」

 勝利を確信していたくせに、子どもみたいにはしゃいで礼を言うサリタスに、イスルは尚のこと負けた気分になる。

「それじゃあ、あと一回だけなら、次は長めに頑張るよ」
「へ? ちょ、サリタス……うああっ」

 嫌な予感がして止めようとしたが、すでに遅い。後ろから一気に突き入れられて、イスルは悲鳴を上げる。
 結局、焦らされまくってどうでも良くなり、三回目も許したイスルだった。



「まったくもう、サリタスってば」

 椅子に座り、引っ越しのやりとりを眺めながら、イスルはむすっとぼやく。
 イスルが案じた通り、引っ越し当日だというのに、足腰が痛くてろくに動けないでいる。体調不良と断り、代わりにサリタスとサリタスの家の執事と庭師が采配していた。屋敷のほうでは、ベテラン侍女のばあやが待っているようだ。
 頃合いを見て、老執事がイスルのほうにやって来た。

「ありがとうございます、イスル様」
「え?」

 突然のお礼に、イスルはきょとんとする。
 サリタスの屋敷には何度か行ったのですでに面識はあるものの、イスルはまだこの年老いた執事と親しくはない。お陰で、何を言いたいのか推測もできない。

「旦那様はここ数日、子どものようにはしゃいでおられましてね。イスル様のお部屋のインテリアなど、それは楽しそうに整えてお待ちしております」
「そうなんですか。空いている部屋ならどこでも良かったんですけど」

 イスルは首を傾げる。
 村では、薬師なので多少は周りよりも広い家に住んでいたが、それでも小さなものだ。個室というものがなく、どこにいようと共有スペースである。寝る時は土間での雑魚寝だ。
 老執事は困った顔をした。

「ふむ、旦那様からお伺いしておりましたが、常識が違うご様子。よろしければそのようにどこでも良いなどおっしゃらず、喜んでいただけると嬉しいです。……こちらの言い分で、勝手ではございますが」
「え? あっ、そうですね。失礼なことを申し上げました」

 遅れて、自分がサリタスの心遣いを無視したことに気付き、イスルは顔をしかめる。

「申し訳ありません、僕には個室があるだけで立派なので、部屋があるんだすごいなあ……くらいな感じでした」

 イスルの言葉に、執事は目を丸くする。

「そうですか。では、到着してのお楽しみですね」

 それから執事はイスルに小声で言う。

「旦那様も可愛らしいですな。浮かれつつも、他の男を近付けまいとするなんて。あの賢さを、悪知恵とは違う方面でお使いになればよろしいのに」
「え……?」

 ぽかんと執事を見上げると、執事は茶目っ気をこめてウィンクをして、手伝いに戻った。
 イスルは赤くなった顔を、両手で覆う。
 単にいつもと違う場所で楽しみたかったのかと思っていたが――外食ついでに宿に泊まったり、サリタスの屋敷に泊まったりがほとんどだった――つまりイスルを業者から遠ざけるのが目的だったらしい。

(何、その独占欲)

 大の男に対して可愛いと思ってしまい、イスルは更に動揺する。サリタスがイスルを可愛いという意味が、少しだけ分かった気がした。

「イスル? 執事と何を話してたの?」
「いや、大したことじゃないよ。引っ越しの手伝いありがとう。それに、ラナも受け入れてくれて」

 イスルの弟子であるラナのために、サリタスが子ども部屋を用意してくれたと聞いている。
 ラナはほとんど白の団で過ごしているが、師匠であるイスルがサリタスと住むと聞いて、自分も一緒に住みたいと言い出した。子どもにとって住環境は大事だ。

「気にしなくていいよ。ラナは妹みたいなものだしね。それに、護衛はアレット伯爵が出してくださるっていうから、たいした手間じゃない」

 そしてちらっと使用人のほうを見た。

「ばあやだけでなくて、皆も喜んでいてね。子どもがいると屋敷が明るくなっていいって」

 他の生き残りの子ども達は、今はエイダの町屋敷で暮らしている。
 死の風の生き残りの血が、高価な薬に化けることを知った悪党から守るためのものだ。

「本当は他の子も引き取ってあげたかったんだけど」

 サリタスは言葉をにごした。彼が下級貴族といえ、屋敷は小ぢんまりとしていて、部屋はさほど多くはない。子ども達が生活するのに充分なスペースがなかったのだ。

「いいんです、アレット様とお話ししていますから。成人するまでという条件ですし、望めば使用人や兵士に取りたててもくださるそうなので。領地で子どもを亡くしたかたの中には、養子縁組を希望しているかたもいるらしいので、子ども達と相談しているところです」

 出来れば親がいるほうがいいだろう。ほとんど小さな子ばかりだ。アレット伯爵の領地の者ならば、目が届くだけ安心だ。
 その辺りは、子ども達の意見を尊重することにしている。

「ラナの養育費も、僕が出すので大丈夫です」
「俺も出すよ」
「でも、僕の弟子ですし」
「イスル」

 サリタスの負担になるのは嫌だから、イスルはそう言ったのに、サリタスは怖い顔をした。

「違うよ」
「何がですか?」
「負担だとか重荷とか、そんな話じゃないんだ。俺はこれから、イスルと色んなものを分かち合って生きていきたい。ラナのことや、子ども達のことでお金を出すのは、責任を持つってこと。愛情表現の一種だよ」

 なるほどと咀嚼していると、サリタスはイスルの額に軽く口付ける。

「俺は仕事で家を空けがちかもしれないけど、これくらいはさせて欲しいんだ。もちろん、お金だけ出して、後は放置ってするつもりはないよ。何かあったら手伝うし、あの子達が興味があるなら、騎士として稽古をつけてあげられる」
「はい。その時は頼りにします。ありがとう、サリタス」

 思わず抱き着きそうになった時、向かいの家に住むアミルの黄色い声が響いた。

「まあまあ、仲良しさんね!」

 慌てて離れると、アミルは嬉しそうににこにこしている。アミルの家も引っ越し作業中だ。というのも、イスルがアミルのことを心配していたら、サリタスの家の料理人として雇うことに決まったのだ。
 ばあやが高齢なので、一人では家事が大変だろうということで。
 アミルの料理がおいしいのは、イスルが保証できる。
 アミルも旦那の遺産で細々と暮らしていて、子どもも縁者もいないので今後の生活に困っていたらしく、サリタスのスカウトに乗ってくれた。これから一緒に引っ越して、近所の借家から通うことになっている。

「イスル君のお弟子さんが引っ越してきたら、皆でお祝いするんでしょう? 結婚祝いにご馳走を作らなくてはね」

 アミルははりきっていて、その後ろでは、アミルの旦那の幽霊が嬉しそうに大きな口を開けて笑っている。
 はは、とイスルは苦笑した。幽霊がナイスだと言いたげに、イスルに親指を立てて見せたのだ。
 浮かれているアミルを眺め、イスルとサリタスは顔を見合わせて笑い合う。
 そして、穏やかな日差しの下、新天地へと旅立った。


 <終わり>
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