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2020年 春
春 睦月22日 よくわからなくて閉じた本など
しおりを挟む鼻風邪、続行中である。
わたしはあまりパンが好きではない。
食べるのにたくさん噛まなくてはいけなくて大変なわりに、すぐにお腹がすくから、腹持ちのいいごはんが好きだ。
だが、あるパン屋に行ってから、パンが好きになった。
こんなにパンをおいしいと思ったのははじめてだった。
小さいころ、祖父がパンのメーカーで作って焼いてくれた時以来かな。
家で作るパンはなんともいえないしあわせの味だったので、あれと市販をくらべるのはよくないとは思う。
午前中のうちにすませようと、パン屋に行ってから買い物をすませた。
休みの日にひきこもるためである。
やっぱり巣ごもりしていたい…インドアである。
冬は寒いからと言い訳し、夏は暑いからと言って出てこない。
職場の人に、用事があろうがなかろうが出かけるのが大好きという人がいて、「用もないのに、外に出たい人がいるのか!」と、カルチャーショックをうけたくらいだ。
本気か。どれだけ外に出ないですむかばかり考えているわたしとは大違いである。
さて…。
今日のつまみ読みは、読んでみたものの「なんかよくわかんない」本である。
本は雑多に読むけれど、たまに「よくわからん」というものに出くわす。
たとえば…この間買ってみた、ロバート・マッキーの『ストーリー』。
もしかして脚本の専門家むけなのかもしれない。
単語から意味がわからないのだ。
たとえば、「クラシェ」。
推測するに、「陳腐な表現」だろう。
だったら「陳腐な表現」でいいのだから、翻訳者が不親切なんだろうか。
翻訳が、そのまま訳すればいいわけでなく、わかりやすいように言葉を選ばなくてはいけないという、高難度テクニックを要する分野だというのがよくわかる。
それから、ラノベの本である。
キンドルアンリミテッドで岬著の『穏やか貴族の休暇のすすめ。』の一巻を読んでみていたが、途中でざせつした。
こんなに巻数が出ているのだから面白いだろうと思い、BLっぽいならきっと面白いだろうと思った。レビューでは好き嫌いが分かれると書いてあったが。
読んでみたら、確かに分かれた。
私はむりだった。
主人公が何をしたいのかよくわからない。
↓
読んでいればわかるかなあ。お、新キャラ出てきたぞ。
↓
あれー? なんでこの孤高の戦士みたいな人、主人公を護衛するって決めたの??? よくわからない。
↓
いやいや、とりあえずもう少し読んでみよう。
↓
だからなんで、この誰ともなれあわない受付の人が、主人公を守る方向に動いたの???
よくわからない
よくわからないが三回続いて、たぶんわたしには合わないのだとあきらめて閉じた。
ひとによるらしいので、好きな人は好きだろう。
孤高設定の人が、「理由があやふやなまま」、初対面の人を受け入れる。
そういう「よくわからない」は苦手だ。
あと…これはわたしの地雷なだけだが。「初対面で頭をなでる人」が苦手なので、主人公が合わなかった…。
関係性を作ったうえでなでるのはありなんだけど、初対面はなれなれしすぎるし、大人の男にたいして、失礼ではないかな。
いや、女性だとしても失礼だ。
わたし自身、美容師以外に頭をさわられるのは嫌いなので、なんともいえずゾワッとしてしまった。
まあ、苦手な描写があっても、理解できるものなら読めるのだけれど。
「よくわからない」ので、閉じたんである。
自分で書く時は、この「よくわからない」をちゃんと納得できるように表現しようと自戒をいだく昼である。
『ストーリー』は、まだ16%しか読んでないみたいなので、もうちょっとがんばってみる。
こちらは共通の単語を知らないから意思疎通できないたぐいの「よくわからない」だ。
たぶん海外の作家が当たり前に勉強している分野を、わたしが知らないから起きるそごだろう。
あちらの定義では、「会話できない」=「教養が足りない」なので。
漠然と理由はわかるが、どこを勉強すりゃいいんだ…? と謎であるし、これを解読したいと思うほど、特に脚本に興味がないから、たぶん放置していると思う。
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