幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

あおアンドあお

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第七章 ダンジョン探索テスト開始

4話・鈍感という名のトラウマ

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まぁ、納得はいった。

「......けど、ひとつだけどうしても気になる事があるんで、それを
聞いても良いですか?先輩達は、一体俺の何に対し、不愉快や不満を
持ったんでしょうか?」

「―――はぐ!?」

「―――うぐ!?」

「―――ひゃい!?」

「ねぇ、先輩方?何にですか?教えて下さいよ!お願いしますからっ!」

俺は真剣な表情で先輩達の事を上目遣いでジッと見つめ、その理由と
訳を聞く。

が、

「ハァ…ホント鈍感ですね、ザック君は......」

「――――ど、鈍感!?」

「後輩くん、マジで鈍感野郎過ぎ......」

「――――鈍感野郎!?」

「呆れ返るくらいの愚鈍感さですわね、平凡三下は......」

「――――愚鈍感!?」

先輩達から返ってきた答えは、全て『鈍感』という言葉だった。

そんな先輩達に、

「お、俺のどこが鈍感なんですか!お、俺はいつだって...気を......
使う...性......格......」

俺は必死な口調で鈍感を否定しようとしたその時、俺の頭の中に
あのトラウマ...幼馴染達に振られた映像が浮かんできた。

あぎゃあぁぁあぁぁあ―――――――っ!

そ、そうだった!

俺、思いっきり鈍感だったぁぁぁああっ!?

「......あは、あははは.........」

それに気付いた俺は、心の中でパニった叫声を大きく荒らげると、
その場に倒れ込む様にガクッと項垂れてしまった。

「―――ちょっ!ザ、ザック君っ!?」

「―――えええぇぇ!こ、後輩くんっ!?」

「―――な、平凡三下っ!?」

そんな俺のしょうちん振りを見た先輩達が、ビックリして目を大きく見開いてしまう。

「.......はぁぁぁあ~~いいんだ。どうせ俺なんて......ぶつぶつ、ぶつぶつ」

「ちょっと!ど、ど、どうしたというです、平凡三下!?な、何もそこまで
ショックを受けなくても、良いじゃないかと思うんですけどっ!?」

「ゴ、ゴメンね、後輩くん!わ、わたし達、少し言い過ぎたみたいだねっ!」

ザックが頭を垂れ、深い嘆息を吐いている姿を見て、サーシュ先輩と
ミカリ先輩があたふたした表情で動揺を隠せないでいた。

「と、取り敢えず、こっちに来てザック君。キミが安堵するまで、私が
ハグしてあげるから!」

そしてアンネ先輩もまた、申し訳ないという表情で俺を優しく抱き寄せると、
自分の胸にギュッと押し付ける様に包容してくる。

「――――なあぅ!!?……こ、これは!?!?」

はわわ~いい感じの……はあああ~~~。

し~あ~~わ~~~せ~~~~。

アンネ先輩からの熱い包容を受けた俺は、顔と身体中に次々と伝わって
くるこの世のものとは思えない至福なる感触に、トラウマで暗く淀んだ心が
少しずつ、少しずつと解けては消えていく。

「ちょっ!お、おお、お、お待ちなさいな、アンネッ!?そ、それはいくら
なんでも、や、やり過ぎではないかと思うのですけれどもっ!?」

「もう、何を言っているのよ、サーシュちゃん。落ち込んでいる殿方を
安堵させるには、これが一番なんだよ♪母性愛を与える包容力が....ねぇ♪」

「―――うひゃ!?」

アンネ先輩がそう言うと同時に、更に両腕の力を強くし、母性愛タップリの
胸に俺の顔を埋めていく。

「そういう訳だからさ、サーシュちゃん。ザック君の回復の…為にも...あなたも
その母性愛の......あ!え、えっと...そ、その......ゴ、ゴメンね、サーシュちゃん!
サーシュちゃんの……それ……じゃ、無理だった......よね。ホントゴメンね……!」

「――――なっ!?」

アンナが何に謝ってきたのか、それに気付いたサーシュが慌てて自分の胸を
両腕でバッと覆い隠すと、静かにチェックシートを取り出し、減点を付けるべく
ペンをソッと動かしていく。

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