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第七章 ダンジョン探索テスト開始
2話・減点1......とっ♪
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―――エクトス学園、第一ダンジョン一階層。
「今回は違うパーティメンバー......か」
エレア達と潜ってダンジョンには結構慣れたつもりでいたけど、
別のパーティメンバーでってなると、やっぱちょっと緊張しちゃうな。
「さて…後輩くん。キミはこれからどういう風にダンジョンを攻略して
いくつもりなのかな?」
初めて組むパーティメンバー、更にテストという事もあって、緊張で胸が
ドキドキしている中、ミカリ先輩がこれから俺がどう動くのか聞いてくる。
なので俺は、
「......どういう風に攻略をですか?う~ん、そうですねぇ?取り敢えず、
最初は場に手慣れている先輩方の意見をお聞きし、それらの中で参考に
する点を纏めた後、行動を開始する......って感じでしょうかね?」
首を傾げて少し思考した後、こう答える。
「......うん正解だ!これはパーティメンバーでどう行動するっていう
テストだから、もしキミが好き勝手な意見や無茶な行動をとる様な事を
ほざいていたら、即減点だったよ!」
「げ、減点!?」
「いい、平凡三下。ダンジョンというものは、常に死と隣合わせの
存在なんだ。それを忘れて油断した行動を取っていると、一発で
あの世行きになっちゃうんだからね!」
「し、死と隣合わせ......!?」
「こらこら二人とも、そんなにプレッシャーをザック君に与えない!
緊張で本気の力を発出来なくなるでしょうが!安心してザック君。
大丈夫だからね、私達がサポートをしっかりするからさ。だから
そんな焦らず、ゆっくりでいいから頑張るんだよ♪
サーシュ先輩、ミカリ先輩、そしてアンネ先輩が、俺にそれぞれ
発破を掛けてくる
そんな先輩達に対し、
「あ、ありがとうございます、アンネ先輩!それにサーシュ先輩も
ミカリ先輩も、忠告と助言ありがとうございます!」
俺は元気を込めた感謝の返事を返す。
......そうだった、そうだった!
テストとはいえ、これは実戦だったよ!
先輩達の言う様に、油断が命取りになるよね。
でもダンジョンを使ったテストか。
ランベール学園では実力不足という事もあって、ダンジョンに潜るテストを
受ける事が出来なかったんだよねぇ。
でもサキナ達は俺と違って実力があったから、テストでは勿論のこと、
授業でもダンジョンに潜らせてもらっていたみたいだけどな。
まぁ仮にダンジョンに潜れていたとしても、サキナ達との差を見せつけ
られて過ぎて、俺の自尊心が完璧に砂と化していただろうけどね。
...あはは、ハァ。
俺がそんなもしもを考えて苦笑をこぼし、嘆息を洩らしていると、
「おいこら、平凡三下!何をボケッとしているのかしらっ!」
「うひゃ!?」
目の吊り上ったサーシュ先輩からお叱りを受けてしまう。
「す、すいません、サーシュ先輩!少し考えごとをしていました!」
「ハァ、考えごとですって!わたくし先程言いましたわよね?
ダンジョンは常に死と隣合わせだから油断をす―――」
注意散漫な俺に、サーシュ先輩が怒りの説教モードへ入ろうと
したその時、
「――ザック君のその表情......もしかしてその考えごとというのは、
異性の事なんじゃないのかな?」
サーシュ先輩の横にいたアンネ先輩が会話に割って入り、俺の顔を
ジト目で見ながら図星を突いてきた。
「――な!?い、いいえ!ち、違いますよ、アンネ先輩!い、異性の
事なんて、ちっとも考えていませんからね、俺っ!」
俺はその異性...つまりは幼馴染に嫉妬をしていたせいか、その図星に
慌ててしまい、しなくていい誤魔化しをあたふたしながら口に出す。
だが、
「ああ、その露骨に焦った表情。やっぱりそうだったんだね?」
アンネ先輩はバレてるぞという表情を返されてしまう。
「それでザック君?その異性って、一体誰の事を考えていたのかしら?
あ!ひょっとして私達の事をだったかしら♪」
そして好奇心旺盛なニヤリとした表情で、アンネ先輩が俺に質問してくるが、
俺は首を左右に振って、
「いいえ、違います」
...と、あっさり口調でそう答える。
「ふ~ん、私達じゃないのかぁ~♪そっか、そっか~♪」
アンネ先輩が俺の言葉を聞いた瞬間、ニコニコした表情で腰に下げていた
ポーチから、一枚の紙らしき物をソッと取り出し、手に持った。
「あ、その紙!それって、テストの点数チェックシートじゃないですか!?」
ポーチから取り出された紙らしき物が、テスト点数チェックシートだと
気付いた俺は「何故それを取り出したんだろう?」と、ハテナ顔になっていると、
「何かそのあっさり口調がとっても癪に障ったので、減点1……とっ!」
アンネ先輩が手に持った点数チェックシートにペン先を乗せ、減点1を示す
横線をピッと静かに一本引いた。
「はぁぁあっ!?なな、な、なんでえぇぇですかぁぁああ~~~~っ!?」
俺はそのアンネ先輩の行動にビックリしてしまい、どういう事ですかと
叫声を荒らげ、パニクってしまう。
「今回は違うパーティメンバー......か」
エレア達と潜ってダンジョンには結構慣れたつもりでいたけど、
別のパーティメンバーでってなると、やっぱちょっと緊張しちゃうな。
「さて…後輩くん。キミはこれからどういう風にダンジョンを攻略して
いくつもりなのかな?」
初めて組むパーティメンバー、更にテストという事もあって、緊張で胸が
ドキドキしている中、ミカリ先輩がこれから俺がどう動くのか聞いてくる。
なので俺は、
「......どういう風に攻略をですか?う~ん、そうですねぇ?取り敢えず、
最初は場に手慣れている先輩方の意見をお聞きし、それらの中で参考に
する点を纏めた後、行動を開始する......って感じでしょうかね?」
首を傾げて少し思考した後、こう答える。
「......うん正解だ!これはパーティメンバーでどう行動するっていう
テストだから、もしキミが好き勝手な意見や無茶な行動をとる様な事を
ほざいていたら、即減点だったよ!」
「げ、減点!?」
「いい、平凡三下。ダンジョンというものは、常に死と隣合わせの
存在なんだ。それを忘れて油断した行動を取っていると、一発で
あの世行きになっちゃうんだからね!」
「し、死と隣合わせ......!?」
「こらこら二人とも、そんなにプレッシャーをザック君に与えない!
緊張で本気の力を発出来なくなるでしょうが!安心してザック君。
大丈夫だからね、私達がサポートをしっかりするからさ。だから
そんな焦らず、ゆっくりでいいから頑張るんだよ♪
サーシュ先輩、ミカリ先輩、そしてアンネ先輩が、俺にそれぞれ
発破を掛けてくる
そんな先輩達に対し、
「あ、ありがとうございます、アンネ先輩!それにサーシュ先輩も
ミカリ先輩も、忠告と助言ありがとうございます!」
俺は元気を込めた感謝の返事を返す。
......そうだった、そうだった!
テストとはいえ、これは実戦だったよ!
先輩達の言う様に、油断が命取りになるよね。
でもダンジョンを使ったテストか。
ランベール学園では実力不足という事もあって、ダンジョンに潜るテストを
受ける事が出来なかったんだよねぇ。
でもサキナ達は俺と違って実力があったから、テストでは勿論のこと、
授業でもダンジョンに潜らせてもらっていたみたいだけどな。
まぁ仮にダンジョンに潜れていたとしても、サキナ達との差を見せつけ
られて過ぎて、俺の自尊心が完璧に砂と化していただろうけどね。
...あはは、ハァ。
俺がそんなもしもを考えて苦笑をこぼし、嘆息を洩らしていると、
「おいこら、平凡三下!何をボケッとしているのかしらっ!」
「うひゃ!?」
目の吊り上ったサーシュ先輩からお叱りを受けてしまう。
「す、すいません、サーシュ先輩!少し考えごとをしていました!」
「ハァ、考えごとですって!わたくし先程言いましたわよね?
ダンジョンは常に死と隣合わせだから油断をす―――」
注意散漫な俺に、サーシュ先輩が怒りの説教モードへ入ろうと
したその時、
「――ザック君のその表情......もしかしてその考えごとというのは、
異性の事なんじゃないのかな?」
サーシュ先輩の横にいたアンネ先輩が会話に割って入り、俺の顔を
ジト目で見ながら図星を突いてきた。
「――な!?い、いいえ!ち、違いますよ、アンネ先輩!い、異性の
事なんて、ちっとも考えていませんからね、俺っ!」
俺はその異性...つまりは幼馴染に嫉妬をしていたせいか、その図星に
慌ててしまい、しなくていい誤魔化しをあたふたしながら口に出す。
だが、
「ああ、その露骨に焦った表情。やっぱりそうだったんだね?」
アンネ先輩はバレてるぞという表情を返されてしまう。
「それでザック君?その異性って、一体誰の事を考えていたのかしら?
あ!ひょっとして私達の事をだったかしら♪」
そして好奇心旺盛なニヤリとした表情で、アンネ先輩が俺に質問してくるが、
俺は首を左右に振って、
「いいえ、違います」
...と、あっさり口調でそう答える。
「ふ~ん、私達じゃないのかぁ~♪そっか、そっか~♪」
アンネ先輩が俺の言葉を聞いた瞬間、ニコニコした表情で腰に下げていた
ポーチから、一枚の紙らしき物をソッと取り出し、手に持った。
「あ、その紙!それって、テストの点数チェックシートじゃないですか!?」
ポーチから取り出された紙らしき物が、テスト点数チェックシートだと
気付いた俺は「何故それを取り出したんだろう?」と、ハテナ顔になっていると、
「何かそのあっさり口調がとっても癪に障ったので、減点1……とっ!」
アンネ先輩が手に持った点数チェックシートにペン先を乗せ、減点1を示す
横線をピッと静かに一本引いた。
「はぁぁあっ!?なな、な、なんでえぇぇですかぁぁああ~~~~っ!?」
俺はそのアンネ先輩の行動にビックリしてしまい、どういう事ですかと
叫声を荒らげ、パニクってしまう。
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