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第六章 新たなる先輩達との出逢い
5話・ミカリ先輩の気配を察知しにくいその訳
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アンネ先輩とサーシュ先輩と共に、ミカリ先輩の下に辿り着いた俺は、
直ぐ様、右手を前にサッと突き出し、そして頭を深々と下げると、
「どうか俺のパーティに入って下さいミカリ先輩!お願いしやあぁぁすっ!」
ミカリ先輩に、パーティメンバーへの参加を嘆願する。
「え?わ、わたし!?わたしをパーティに......ですか?」
「はい!」
そんな熱ある俺の嘆願に、ミカリ先輩がビックリしつつ、オロオロと
戸惑ってしまう。
「そ、それで返答はどっちでしょうか、ミカリ先輩?」
「....入る入らないの前に聞いても良いかな?何でキミはわたしの名前を
知っている......ああ、そういう事か。そこにいるアンネさんから
わたしの事を聞いたんだね?」
ザックの横にいるアンネに気付き、ミカリはなるほどと納得する。
「そしてアンネさんからわたしの事を聞いたキミは、知り合いだったら
交渉しやすいと思い、ここにやって来たというわけだ?」
「え?違いますよ?俺がミカリ先輩とパーティを組みたいと思ったのは、
アンネ先輩とほぼ同時でしたから!」
ミカリの言葉に対し、ザックは首を軽く横に何度か振って否定する。
「あら?そ、そうなの?それじゃ、そこにいるサーシュさんでしたっけ?
その人もそんな感じでお仲間に?」
「いいえ、サーシュ先輩の場合は少し違う感じですかね?サーシュ先輩は
俺からではなく、自ら望んで仲間になりたいと直談判してきたので」
「ち、ちょっとお待ちなさい、平凡三下!その言葉にはかなりの語弊が
ありますわっ!その言いぐさでは、まるでこのわたくしが貴方のパーティに
どうしても入りたいと直訴した感じに聞こえてしまうではないですかぁあっ!
い、言い直しなさいっ!あ、貴方の方がわたくしにど~~~しても仲間に
なって欲しかったと切望し、媚び諂って頼み込んだ、そう訂正し直すの
ですっ!!」
「ええぇぇ......」
面倒くさいなぁ。
でも言い直さないと、もっと面倒そうだな。
「ああ.....はいはい、そうですねぇ。サーシュ先輩の言う通りです。
俺からどうか仲間になって下さいと、お願いを、お誘いを、直訴を
致した次第であります!」
俺はやれやれと思いながらも、適当な感じでサーシュ先輩の言葉通りに
言い直す。
しかしそれがお気に召さなかったのか、
「おい!平凡三下!なんですか、そのあからさまな棒読みはぁぁあっ!?
なげやりにも程がございますでしょうがっ!もっと心を込め、もう一度
言い直しさないっ!誠意と心を込めてえぇぇぇえっ!!」
サーシュ先輩はプンプンと激モードで、俺に猛烈なる抗議してくる。
「まぁまぁ。落ち着きなって、サーシュちゃん。ザック君の交渉の邪魔を
しちゃ駄目でしょう!ほら。取り敢えず、ザック君から離れて離れて♪」
「――な!は、離しなさいな、アンネ!?はうぐぅう!?え、衿で首が
締まる.....!?ち、ちょっとアンネ!つ、強い!引っ張る力が強過ぎでは
ありませんかしらぁぁあ~~~っ!?」
これ以上は埒が開かないと踏んだアンネ先輩が、サーシュ先輩の首根っこを
グイッと軽く掴むと、そのままズルズルと引っ張り俺から離れて行った。
ナイスです、アンネ先輩!
では交渉の続きを、
「あはは...すいませんね、ミカリ先輩。少し話が脱線してしまいしたね!」
俺は苦笑いを浮かべながら頭を小さくペコッと下げ、ミカリ先輩に謝る。
「あはは。あのサーシュって子、噂通りの性格みたいだね♪でもそっか、
アンネさんからの助言じゃなかったんだ?助言じゃないとしたら、よく
わたしの事を見つける事が出来たわね、キミ?」
「――へ?そ、それってどういう意味でしょうか?」
ミカリ先輩の疑問に、俺が首を傾げてハテナ顔をしていると、
「えっとね。わたしって、いわゆる人見知りってやつでさ。だから初めての
人とはあんまり関わりたくないんだよ。そういう事もあって、わたし常時
≪認識阻害≫のスキルを発動させているんだ。けど、キミはそんなわたしを
見つけてしまった......つまりそういう事よ!」
ミカリ先輩がその疑問の答えを、教えてくれた。
「ああ~≪認識阻害≫のスキルですか!なるほど、だからミカリ先輩を
少しだけ認識しずらかったんですね!」
「いやいや、少しだけ認識しずらかったって済む話じゃないんだけど!?
何故なら、わたしの認識阻害のレベルは5で、キミみたいな一年生が
認識できる筈がないんだよ!」
ミカリ先輩が納得いかないという疑問顔をしているので、
「え、えっと...実は俺、その≪気配察知≫を習得しているんですよ」
俺はミカリ先輩の事をあっさり発見できた、その理由を口にする。
直ぐ様、右手を前にサッと突き出し、そして頭を深々と下げると、
「どうか俺のパーティに入って下さいミカリ先輩!お願いしやあぁぁすっ!」
ミカリ先輩に、パーティメンバーへの参加を嘆願する。
「え?わ、わたし!?わたしをパーティに......ですか?」
「はい!」
そんな熱ある俺の嘆願に、ミカリ先輩がビックリしつつ、オロオロと
戸惑ってしまう。
「そ、それで返答はどっちでしょうか、ミカリ先輩?」
「....入る入らないの前に聞いても良いかな?何でキミはわたしの名前を
知っている......ああ、そういう事か。そこにいるアンネさんから
わたしの事を聞いたんだね?」
ザックの横にいるアンネに気付き、ミカリはなるほどと納得する。
「そしてアンネさんからわたしの事を聞いたキミは、知り合いだったら
交渉しやすいと思い、ここにやって来たというわけだ?」
「え?違いますよ?俺がミカリ先輩とパーティを組みたいと思ったのは、
アンネ先輩とほぼ同時でしたから!」
ミカリの言葉に対し、ザックは首を軽く横に何度か振って否定する。
「あら?そ、そうなの?それじゃ、そこにいるサーシュさんでしたっけ?
その人もそんな感じでお仲間に?」
「いいえ、サーシュ先輩の場合は少し違う感じですかね?サーシュ先輩は
俺からではなく、自ら望んで仲間になりたいと直談判してきたので」
「ち、ちょっとお待ちなさい、平凡三下!その言葉にはかなりの語弊が
ありますわっ!その言いぐさでは、まるでこのわたくしが貴方のパーティに
どうしても入りたいと直訴した感じに聞こえてしまうではないですかぁあっ!
い、言い直しなさいっ!あ、貴方の方がわたくしにど~~~しても仲間に
なって欲しかったと切望し、媚び諂って頼み込んだ、そう訂正し直すの
ですっ!!」
「ええぇぇ......」
面倒くさいなぁ。
でも言い直さないと、もっと面倒そうだな。
「ああ.....はいはい、そうですねぇ。サーシュ先輩の言う通りです。
俺からどうか仲間になって下さいと、お願いを、お誘いを、直訴を
致した次第であります!」
俺はやれやれと思いながらも、適当な感じでサーシュ先輩の言葉通りに
言い直す。
しかしそれがお気に召さなかったのか、
「おい!平凡三下!なんですか、そのあからさまな棒読みはぁぁあっ!?
なげやりにも程がございますでしょうがっ!もっと心を込め、もう一度
言い直しさないっ!誠意と心を込めてえぇぇぇえっ!!」
サーシュ先輩はプンプンと激モードで、俺に猛烈なる抗議してくる。
「まぁまぁ。落ち着きなって、サーシュちゃん。ザック君の交渉の邪魔を
しちゃ駄目でしょう!ほら。取り敢えず、ザック君から離れて離れて♪」
「――な!は、離しなさいな、アンネ!?はうぐぅう!?え、衿で首が
締まる.....!?ち、ちょっとアンネ!つ、強い!引っ張る力が強過ぎでは
ありませんかしらぁぁあ~~~っ!?」
これ以上は埒が開かないと踏んだアンネ先輩が、サーシュ先輩の首根っこを
グイッと軽く掴むと、そのままズルズルと引っ張り俺から離れて行った。
ナイスです、アンネ先輩!
では交渉の続きを、
「あはは...すいませんね、ミカリ先輩。少し話が脱線してしまいしたね!」
俺は苦笑いを浮かべながら頭を小さくペコッと下げ、ミカリ先輩に謝る。
「あはは。あのサーシュって子、噂通りの性格みたいだね♪でもそっか、
アンネさんからの助言じゃなかったんだ?助言じゃないとしたら、よく
わたしの事を見つける事が出来たわね、キミ?」
「――へ?そ、それってどういう意味でしょうか?」
ミカリ先輩の疑問に、俺が首を傾げてハテナ顔をしていると、
「えっとね。わたしって、いわゆる人見知りってやつでさ。だから初めての
人とはあんまり関わりたくないんだよ。そういう事もあって、わたし常時
≪認識阻害≫のスキルを発動させているんだ。けど、キミはそんなわたしを
見つけてしまった......つまりそういう事よ!」
ミカリ先輩がその疑問の答えを、教えてくれた。
「ああ~≪認識阻害≫のスキルですか!なるほど、だからミカリ先輩を
少しだけ認識しずらかったんですね!」
「いやいや、少しだけ認識しずらかったって済む話じゃないんだけど!?
何故なら、わたしの認識阻害のレベルは5で、キミみたいな一年生が
認識できる筈がないんだよ!」
ミカリ先輩が納得いかないという疑問顔をしているので、
「え、えっと...実は俺、その≪気配察知≫を習得しているんですよ」
俺はミカリ先輩の事をあっさり発見できた、その理由を口にする。
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