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第五章 エレアと先輩達
3話・スズ先輩とルル先輩と一緒に登校
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「はは、元気を出して、か......」
けど元気を出せっていうのは、無理という話だよ。
だってさ、十六年だぞ。
そりゃ俺だって、忘れられるものなら、全て忘れ去りたいよ。
だけど、
それでも俺はあいつらを忘れらなきゃいけない。
俺はその為にここ、エクトス学園に来たんだから。
頑張って、ちょっとずつ、ちょっとずつでも、あいつらの事を忘れる
努力をしていかないとな。
俺は改めて、あいつらを忘れる事を決意すると、床に置いたカバンを
手に取り、ソーニャに行ってきますと言うと、みんなの後を追うように
食事部屋を出て行く。
そして靴箱のある出入り口に差し掛かった時、
――ん?
「どうしたんだ?みんな騒いで?」
まだ外に出ていないトーマ君達が、何かにざわめいている姿が俺の目線に
映ってくる。
「おい。どうしたんだい、みんな?そんな出入口で騒い……で…って、
嗚呼!?ス、スズ先輩!?ルル先輩!?」
「よう、ザック。おはよう!」
「うふふ。おっはようなの、あーしの可愛いザック♪」
寮の出入口にスズ先輩とルル先輩がいて、俺に朝の挨拶をしてくる。
「な、なな、何故お二人がここにいるんですかっ!?」
「ふ。どうしてここにとは随分なご挨拶じゃないか、ザックよ。
想い人と共に登校をしたい。そう考えるのは乙女としては真っ当な
思考だと思うのだがな?そうだろ、ザックよっ!」
「―――のわ!」
スズ先輩がフッと微笑み、ここにいる訳を口にした後、俺の右腕に手を
回してギュッとしてくる。
「うふふ♪そういうことなの、あーしのザックよ♪まぁこいつは正直
どうでもいいから、あーしとは一緒に登校しろなのっ!」
「―――うわ!」
そしてルル先輩がニコニコな笑顔で俺の左腕に飛び付き、ギュッとする。
「お、おお…さっき、ザックから告白を受けたと確認はしていたがよぉ。
やっぱり聞くと見るとじゃ段の違いだなっ!」
「す、凄いな、ザック君ッ!あの冷徹な性格の持ち主であるスズ先輩と、
男性をゴミとしか見ていないルル先輩がこんなにもデレッとした表情を
異性に見せるとはねぇっ!」
ハサード君とトーマ君が、俺に見せるスズ先輩とルル先輩の恍惚な
表情に、唖然と感心の入り混じった表情をしてしまう。
「ふん……朝から鬱陶しい連中だ。行こうぜ、ジロン!」
「う、うんそうだね。そ、それじゃ失礼しますね、スズ先輩、ルル先輩!」
露骨に嫌そうな表情をしたアダロが、恋愛関係にはあまり興味のないジロンと
一緒に寮を早足で先に出て行く。
「ふむ。僕達もザック君の恋路を邪魔しちゃいけないな!ではハサード君、
我々も行くとするかっ!」
「お、おう、そうだな!そんじゃな転校生。あっちで何があったかは
知らんが、それを忘れるくらいに先輩達からイチャイチャしてもらえ♪」
トーマの言葉にハサード君が賛同すると、俺に頑張れと手を振った後、
二人で寮を出て行く。
「あはは!元気ありふれた連中だな、お前の寮仲間達は♪」
そんな寮を出て行くみんなを、スズ先輩が満面な笑みで見送る。
そしてその後、表情を恍惚に変えて俺の耳元近くにゆっくりと顔を
近づけると、
「ではザック。あいつらのお言葉に甘え、早速イチャイチャしようか!」
恍惚な表情でそう言ってくる。
「ちょ、ちょっと、スズ先輩!?い、息がぁあ~~!?」
スズ先輩の行動に慌てて顔を離そうとした瞬間、今度はルル先輩が俺の耳を
クイッと摘まんで自分に近づけた後、
「ほれほれ。スズなんか放っておいて、あーしと沢山イチャイチャしろなのっ!」
ニヒヒと笑った顔を見せると、俺の腕にギュッとご自慢の胸を押し付けてくる。
「わきゃ!むむ、胸がぁあ!ルル先輩の胸が、ああ、あ、当たってますよ!?」
スズ先輩の甘い吐息攻撃、そしてルル先輩の胸をギュッと攻撃に、俺は思いっきり
たじろぎ、動揺し、テンパっていると、
「あらあら騒がしいと思ったら♪もうザックちゃんたら、モテモテだねぇ♪
むふふふ~~♪」
何の騒ぎと、寮の出入り口にやって来たソーニャさんが俺達のイチャつきを
見て「いやだわ、この子達ったら朝から大胆な事を♪」と言わんばかりに
身体をクネクネとくねらせて、頬を赤く染めていた。
けど元気を出せっていうのは、無理という話だよ。
だってさ、十六年だぞ。
そりゃ俺だって、忘れられるものなら、全て忘れ去りたいよ。
だけど、
それでも俺はあいつらを忘れらなきゃいけない。
俺はその為にここ、エクトス学園に来たんだから。
頑張って、ちょっとずつ、ちょっとずつでも、あいつらの事を忘れる
努力をしていかないとな。
俺は改めて、あいつらを忘れる事を決意すると、床に置いたカバンを
手に取り、ソーニャに行ってきますと言うと、みんなの後を追うように
食事部屋を出て行く。
そして靴箱のある出入り口に差し掛かった時、
――ん?
「どうしたんだ?みんな騒いで?」
まだ外に出ていないトーマ君達が、何かにざわめいている姿が俺の目線に
映ってくる。
「おい。どうしたんだい、みんな?そんな出入口で騒い……で…って、
嗚呼!?ス、スズ先輩!?ルル先輩!?」
「よう、ザック。おはよう!」
「うふふ。おっはようなの、あーしの可愛いザック♪」
寮の出入口にスズ先輩とルル先輩がいて、俺に朝の挨拶をしてくる。
「な、なな、何故お二人がここにいるんですかっ!?」
「ふ。どうしてここにとは随分なご挨拶じゃないか、ザックよ。
想い人と共に登校をしたい。そう考えるのは乙女としては真っ当な
思考だと思うのだがな?そうだろ、ザックよっ!」
「―――のわ!」
スズ先輩がフッと微笑み、ここにいる訳を口にした後、俺の右腕に手を
回してギュッとしてくる。
「うふふ♪そういうことなの、あーしのザックよ♪まぁこいつは正直
どうでもいいから、あーしとは一緒に登校しろなのっ!」
「―――うわ!」
そしてルル先輩がニコニコな笑顔で俺の左腕に飛び付き、ギュッとする。
「お、おお…さっき、ザックから告白を受けたと確認はしていたがよぉ。
やっぱり聞くと見るとじゃ段の違いだなっ!」
「す、凄いな、ザック君ッ!あの冷徹な性格の持ち主であるスズ先輩と、
男性をゴミとしか見ていないルル先輩がこんなにもデレッとした表情を
異性に見せるとはねぇっ!」
ハサード君とトーマ君が、俺に見せるスズ先輩とルル先輩の恍惚な
表情に、唖然と感心の入り混じった表情をしてしまう。
「ふん……朝から鬱陶しい連中だ。行こうぜ、ジロン!」
「う、うんそうだね。そ、それじゃ失礼しますね、スズ先輩、ルル先輩!」
露骨に嫌そうな表情をしたアダロが、恋愛関係にはあまり興味のないジロンと
一緒に寮を早足で先に出て行く。
「ふむ。僕達もザック君の恋路を邪魔しちゃいけないな!ではハサード君、
我々も行くとするかっ!」
「お、おう、そうだな!そんじゃな転校生。あっちで何があったかは
知らんが、それを忘れるくらいに先輩達からイチャイチャしてもらえ♪」
トーマの言葉にハサード君が賛同すると、俺に頑張れと手を振った後、
二人で寮を出て行く。
「あはは!元気ありふれた連中だな、お前の寮仲間達は♪」
そんな寮を出て行くみんなを、スズ先輩が満面な笑みで見送る。
そしてその後、表情を恍惚に変えて俺の耳元近くにゆっくりと顔を
近づけると、
「ではザック。あいつらのお言葉に甘え、早速イチャイチャしようか!」
恍惚な表情でそう言ってくる。
「ちょ、ちょっと、スズ先輩!?い、息がぁあ~~!?」
スズ先輩の行動に慌てて顔を離そうとした瞬間、今度はルル先輩が俺の耳を
クイッと摘まんで自分に近づけた後、
「ほれほれ。スズなんか放っておいて、あーしと沢山イチャイチャしろなのっ!」
ニヒヒと笑った顔を見せると、俺の腕にギュッとご自慢の胸を押し付けてくる。
「わきゃ!むむ、胸がぁあ!ルル先輩の胸が、ああ、あ、当たってますよ!?」
スズ先輩の甘い吐息攻撃、そしてルル先輩の胸をギュッと攻撃に、俺は思いっきり
たじろぎ、動揺し、テンパっていると、
「あらあら騒がしいと思ったら♪もうザックちゃんたら、モテモテだねぇ♪
むふふふ~~♪」
何の騒ぎと、寮の出入り口にやって来たソーニャさんが俺達のイチャつきを
見て「いやだわ、この子達ったら朝から大胆な事を♪」と言わんばかりに
身体をクネクネとくねらせて、頬を赤く染めていた。
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