12 / 79
第二章 新たな出会い
7話・黒髪さんと金髪さん
しおりを挟む
「え?これが学生食堂......?」
寮母さんのソーニャさんに聞いた学生食堂に足を運んだ俺は、
思い描いていた学生食堂とは全く異なるレベルの小綺麗で、
少し呆然としていた。
「おっと、そんな事よりまだ開いているよね?」
呆然から回復した俺は、学生食堂に近づいて行く。
明かりは灯っているみたいけども?
俺はおそるおそる学生食堂の引き戸に手を置くと、ゆっくり引き戸を
開けていく。
「あ、どうやらまだ営業していたみたいだ♪」
開けた出入り口から食堂の中を見ると、数名の生徒が食事をしていた。
「えっと...食事はこの販売機で食事券を買ってというシステムかな?」
学生食堂の中に入ると、出入り口近くに設置されていた食事チケットの
販売機らしき物が目線に入った俺は、他に食事をしている生徒のテーブル上に
置かれた半券に目をやる。
お、やっぱりこれで食事を注文するんだな。
食事の注文のやり方を理解すると、早速何を食うか、販売機のボタンに
書いてあるメニューを見て選んでいく。
へぇ...結構バラエティーあふれた食べ物があるんだな?
「さて...どれがいいかな~♪」
一体どれを食おうか、あれこれと考え、しばらく頭を悩ませていると、
「おい!そこの男子後輩よ!今日のオススメはこのBランチだぞっ!」
「―――はひゃ!?」
突如、背後から俺に誰かが声を掛けてくる。
いきなり声を掛けられてしまったので、俺はビックリして少し高い声が
出てしまう。
「おっと、スマン。どうやらビックリさせてしまったようだ。何を食うべき
かと悩んでいたみたいなので、ちょっとしたアドバイスをしたくてなっ!」
その声にビックリし、慌てて声がする背後に顔を振り向かせると、そこには
艶ある長い黒髪がキラキラと輝く、凛とした顔立ちの女子生徒が立っていた。
「そ、そうなんですか。それはありがとうございます。こ、このBランチが
オススメなんですね?」
俺はオススメと書かれてある、Bランチのボタンに目をやる。
「ああ、そうだ。今日のBランチの唐揚げはまた絶品でな!衣はサクサク。
肉は噛めば噛むほどに肉汁が口の中でジュワジュワだぞっ!」
「ご、ごくり......」
「味はわたしが保証してやるから、是非とも堪能してみてくれっ!」
目の前の女子生徒はキラキラと艶の出ている長い黒髪をフワッとさせ、
ドンと胸を強く叩き、したり顔を決める。
「わ、分かりました。そ、それじゃその自慢の味、堪能させてもらいますね!」
俺は腹が減っている事もあり、早速言われた通りにBランチのボタンを押そうと
手を伸ばしたその瞬間、
「ちょっと待つなのぉぉぉぉおっ!可愛い後輩よぉぉぉおおっ!!」
「―――へっ!?」
誰かがそう叫声を荒らげ、俺の手をバッと掴むと、食券ボタンを押すのを
静止させる。
「今日のオススメは絶対にAランチなの!トンカツなの!こっちの方が衣は
サクサク。肉は噛めば噛むほど肉汁がジュワジュワなの!そう言う訳だから、
キミは選ぶべきはBランチじゃなく、Aランチなの~~っ!!」
俺の手を掴んだ相手に目線を移すと、そこには肩まで伸びた金髪をブローチや
ヘアピンで着飾った、綺麗というより可愛い系の顔立ちをした藍眼をキラリと
輝かせる女子生徒がプンプンと怒った顔で立っていた。
「おい、貴様!いきなり割り込んでくるんじゃない!鬱陶しい奴めっ!」
「うっさいなの。そっちこそ、あっちいけなのっ!ガルルルッ!」
黒髪さんと金髪さんが目を合わせ、お互いにバチバチと火花を迸らせる。
そしてしばらくバチバチと火花を迸らせた後、
「で、男子後輩。キミはどっちの方を食べるつもりなのか?」
「で、可愛い後輩よ。あんたはどっちの方を食べるつもりなの?」
...と、俺にどっちを食うのかと、究極に近い選択を迫ってくる。
「え、えっと......そ、その.........」
うう、何でこんな事に!?
俺はご飯を食べたいだけなので、正直どっちだって良いんですけど!?
まぁ、思考もお口も唐揚げモードになっているので...
「そ、それじゃ、Bランチを......」
「んんんん!ビィィィイ?今、Bラン何とかって聞こえた気がするんだけど、
気のせいなのぉぉお~~~っ!?」
「はう!?そ、それじゃ、Aランチを......」
「ほほう、わたしの前で他のランチに浮気をするとは...中々良い度胸じゃ
ないか貴様。どうやらその命、惜しくはないようだな?」
「はう!?い、命っ!?」
金髪さんが怖いので、仕方がなくAランチを選択しようとすると、次に
黒髪さんが鋭い眼光をこっちを向けてきて、静かなる声で威圧の込もった
脅しを掛けてきた。
寮母さんのソーニャさんに聞いた学生食堂に足を運んだ俺は、
思い描いていた学生食堂とは全く異なるレベルの小綺麗で、
少し呆然としていた。
「おっと、そんな事よりまだ開いているよね?」
呆然から回復した俺は、学生食堂に近づいて行く。
明かりは灯っているみたいけども?
俺はおそるおそる学生食堂の引き戸に手を置くと、ゆっくり引き戸を
開けていく。
「あ、どうやらまだ営業していたみたいだ♪」
開けた出入り口から食堂の中を見ると、数名の生徒が食事をしていた。
「えっと...食事はこの販売機で食事券を買ってというシステムかな?」
学生食堂の中に入ると、出入り口近くに設置されていた食事チケットの
販売機らしき物が目線に入った俺は、他に食事をしている生徒のテーブル上に
置かれた半券に目をやる。
お、やっぱりこれで食事を注文するんだな。
食事の注文のやり方を理解すると、早速何を食うか、販売機のボタンに
書いてあるメニューを見て選んでいく。
へぇ...結構バラエティーあふれた食べ物があるんだな?
「さて...どれがいいかな~♪」
一体どれを食おうか、あれこれと考え、しばらく頭を悩ませていると、
「おい!そこの男子後輩よ!今日のオススメはこのBランチだぞっ!」
「―――はひゃ!?」
突如、背後から俺に誰かが声を掛けてくる。
いきなり声を掛けられてしまったので、俺はビックリして少し高い声が
出てしまう。
「おっと、スマン。どうやらビックリさせてしまったようだ。何を食うべき
かと悩んでいたみたいなので、ちょっとしたアドバイスをしたくてなっ!」
その声にビックリし、慌てて声がする背後に顔を振り向かせると、そこには
艶ある長い黒髪がキラキラと輝く、凛とした顔立ちの女子生徒が立っていた。
「そ、そうなんですか。それはありがとうございます。こ、このBランチが
オススメなんですね?」
俺はオススメと書かれてある、Bランチのボタンに目をやる。
「ああ、そうだ。今日のBランチの唐揚げはまた絶品でな!衣はサクサク。
肉は噛めば噛むほどに肉汁が口の中でジュワジュワだぞっ!」
「ご、ごくり......」
「味はわたしが保証してやるから、是非とも堪能してみてくれっ!」
目の前の女子生徒はキラキラと艶の出ている長い黒髪をフワッとさせ、
ドンと胸を強く叩き、したり顔を決める。
「わ、分かりました。そ、それじゃその自慢の味、堪能させてもらいますね!」
俺は腹が減っている事もあり、早速言われた通りにBランチのボタンを押そうと
手を伸ばしたその瞬間、
「ちょっと待つなのぉぉぉぉおっ!可愛い後輩よぉぉぉおおっ!!」
「―――へっ!?」
誰かがそう叫声を荒らげ、俺の手をバッと掴むと、食券ボタンを押すのを
静止させる。
「今日のオススメは絶対にAランチなの!トンカツなの!こっちの方が衣は
サクサク。肉は噛めば噛むほど肉汁がジュワジュワなの!そう言う訳だから、
キミは選ぶべきはBランチじゃなく、Aランチなの~~っ!!」
俺の手を掴んだ相手に目線を移すと、そこには肩まで伸びた金髪をブローチや
ヘアピンで着飾った、綺麗というより可愛い系の顔立ちをした藍眼をキラリと
輝かせる女子生徒がプンプンと怒った顔で立っていた。
「おい、貴様!いきなり割り込んでくるんじゃない!鬱陶しい奴めっ!」
「うっさいなの。そっちこそ、あっちいけなのっ!ガルルルッ!」
黒髪さんと金髪さんが目を合わせ、お互いにバチバチと火花を迸らせる。
そしてしばらくバチバチと火花を迸らせた後、
「で、男子後輩。キミはどっちの方を食べるつもりなのか?」
「で、可愛い後輩よ。あんたはどっちの方を食べるつもりなの?」
...と、俺にどっちを食うのかと、究極に近い選択を迫ってくる。
「え、えっと......そ、その.........」
うう、何でこんな事に!?
俺はご飯を食べたいだけなので、正直どっちだって良いんですけど!?
まぁ、思考もお口も唐揚げモードになっているので...
「そ、それじゃ、Bランチを......」
「んんんん!ビィィィイ?今、Bラン何とかって聞こえた気がするんだけど、
気のせいなのぉぉお~~~っ!?」
「はう!?そ、それじゃ、Aランチを......」
「ほほう、わたしの前で他のランチに浮気をするとは...中々良い度胸じゃ
ないか貴様。どうやらその命、惜しくはないようだな?」
「はう!?い、命っ!?」
金髪さんが怖いので、仕方がなくAランチを選択しようとすると、次に
黒髪さんが鋭い眼光をこっちを向けてきて、静かなる声で威圧の込もった
脅しを掛けてきた。
0
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる
まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。
そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる