幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

あおアンドあお

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第二章 新たな出会い

7話・黒髪さんと金髪さん

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「え?これが学生食堂......?」

寮母さんのソーニャさんに聞いた学生食堂に足を運んだ俺は、
思い描いていた学生食堂とは全く異なるレベルの小綺麗で、
少し呆然としていた。

「おっと、そんな事よりまだ開いているよね?」

呆然から回復した俺は、学生食堂に近づいて行く。

明かりは灯っているみたいけども?

俺はおそるおそる学生食堂の引き戸に手を置くと、ゆっくり引き戸を
開けていく。

「あ、どうやらまだ営業していたみたいだ♪」

開けた出入り口から食堂の中を見ると、数名の生徒が食事をしていた。

「えっと...食事はこの販売機で食事券を買ってというシステムかな?」

学生食堂の中に入ると、出入り口近くに設置されていた食事チケットの
販売機らしき物が目線に入った俺は、他に食事をしている生徒のテーブル上に
置かれた半券に目をやる。

お、やっぱりこれで食事を注文するんだな。

食事の注文のやり方を理解すると、早速何を食うか、販売機のボタンに
書いてあるメニューを見て選んでいく。

へぇ...結構バラエティーあふれた食べ物があるんだな?

「さて...どれがいいかな~♪」

一体どれを食おうか、あれこれと考え、しばらく頭を悩ませていると、

「おい!そこの男子後輩よ!今日のオススメはこのBランチだぞっ!」

「―――はひゃ!?」

突如、背後から俺に誰かが声を掛けてくる。

いきなり声を掛けられてしまったので、俺はビックリして少し高い声が
出てしまう。

「おっと、スマン。どうやらビックリさせてしまったようだ。何を食うべき
かと悩んでいたみたいなので、ちょっとしたアドバイスをしたくてなっ!」

その声にビックリし、慌てて声がする背後に顔を振り向かせると、そこには
艶ある長い黒髪がキラキラと輝く、凛とした顔立ちの女子生徒が立っていた。

「そ、そうなんですか。それはありがとうございます。こ、このBランチが
オススメなんですね?」

俺はオススメと書かれてある、Bランチのボタンに目をやる。

「ああ、そうだ。今日のBランチの唐揚げはまた絶品でな!衣はサクサク。
肉は噛めば噛むほどに肉汁が口の中でジュワジュワだぞっ!」

「ご、ごくり......」

「味はわたしが保証してやるから、是非とも堪能してみてくれっ!」

目の前の女子生徒はキラキラと艶の出ている長い黒髪をフワッとさせ、
ドンと胸を強く叩き、したり顔を決める。

「わ、分かりました。そ、それじゃその自慢の味、堪能させてもらいますね!」

俺は腹が減っている事もあり、早速言われた通りにBランチのボタンを押そうと
手を伸ばしたその瞬間、

「ちょっと待つなのぉぉぉぉおっ!可愛い後輩よぉぉぉおおっ!!」

「―――へっ!?」

誰かがそう叫声を荒らげ、俺の手をバッと掴むと、食券ボタンを押すのを
静止させる。

「今日のオススメは絶対にAランチなの!トンカツなの!こっちの方が衣は
サクサク。肉は噛めば噛むほど肉汁がジュワジュワなの!そう言う訳だから、
キミは選ぶべきはBランチじゃなく、Aランチなの~~っ!!」

俺の手を掴んだ相手に目線を移すと、そこには肩まで伸びた金髪をブローチや
ヘアピンで着飾った、綺麗というより可愛い系の顔立ちをした藍眼をキラリと
輝かせる女子生徒がプンプンと怒った顔で立っていた。

「おい、貴様!いきなり割り込んでくるんじゃない!鬱陶しい奴めっ!」

「うっさいなの。そっちこそ、あっちいけなのっ!ガルルルッ!」

黒髪さんと金髪さんが目を合わせ、お互いにバチバチと火花を迸らせる。

そしてしばらくバチバチと火花を迸らせた後、

「で、男子後輩。キミはどっちの方を食べるつもりなのか?」

「で、可愛い後輩よ。あんたはどっちの方を食べるつもりなの?」


...と、俺にどっちを食うのかと、究極に近い選択を迫ってくる。


「え、えっと......そ、その.........」

うう、何でこんな事に!?

俺はご飯を食べたいだけなので、正直どっちだって良いんですけど!?

まぁ、思考もお口も唐揚げモードになっているので...

「そ、それじゃ、Bランチを......」

「んんんん!ビィィィイ?今、Bラン何とかって聞こえた気がするんだけど、
気のせいなのぉぉお~~~っ!?」

「はう!?そ、それじゃ、Aランチを......」

「ほほう、わたしの前で他のランチに浮気をするとは...中々良い度胸じゃ
ないか貴様。どうやらその命、惜しくはないようだな?」

「はう!?い、命っ!?」

金髪さんが怖いので、仕方がなくAランチを選択しようとすると、次に
黒髪さんが鋭い眼光をこっちを向けてきて、静かなる声で威圧の込もった
脅しを掛けてきた。

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