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六章 おっさん、初めてのクエスト
第百二十九話・そしておっさんと竜娘は宿屋に帰る
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「ホント、ギルドに人がいなくて助かったよ。いたいけな少年少女と
看板娘達を土下座させているこの状況を見られでもしたら、マジで
極悪人扱いをされるどころの話じゃなかったわっ!」
レンヤは最悪な状況を想像してしまい、そうならなかった事に心の底から
安堵で胸をホッと撫で下ろす。
「あ。そう言われれば、確かにギルドの中に人っ子ひとりいないね?」
レンヤの言葉を聞き、ルコールも周囲に人がいない事に気づく。
「ん?ああ、それはだな。新人殺しの一件でギルドの営業時間を急遽早めに
終えているからだよ」
「今ここにいるのは優先のある仕事を持つギルド員が数人だけで、それ以外は
冒険者も含めて全員ご退場を願っています」
「なるほど......だからここに冒険者の連中が入って来ないよう、建物の出入りで
ギルド員が突っ立っていたんだ?」
何故ギルド内に人が誰もいないのか、その理由をギルマスやサオリオから
聞いたルコールはそういう事かと納得した。
「あれ?だったら、ムーホとステイはどうやってここに入っていたんだ?」
「え、ボク達ですか?え、えっと、ボク達は...建物前に立っているギルド員の
隙を何とか上手く突き、強引に入ってきました...」
「ス、スイマセン!どうしてもランカお姉ちゃんの危機に、いてもたっても
いられなくて.........」
レンヤの素朴な疑問に、ムーホとステイがバツの悪そうな表情をして頭を
下げると、申し訳ないといわんばかりに謝ってくる。
「まったく...本来なら、ルールを破って勝手にギルドに入ってきたお前達には
何かの罰則を食らわせなきゃいけねぇんだが...まぁ、お前達は本当にランカを
慕っていたしなぁ。ランカの危機を知ったとあらば、その心は気がきでは
なかったことは容易に想像ができる。よって、今回のお前達の罰はランカの
寄付行為にて不問として許す!」
ギルマスがそう述べた後、ムーホとステイの頭に手をポンと置く。
「ありがとう、ギルマス!」
「あ、ありがとうございます、ギルマス!」
ギルマスのかけた恩情に、ムーホとステイは今にも泣きそうだった表情を
笑顔へと変えると、ギルマスに感謝の言葉をおくる。
「さて、ランカさんの処罰も何とか良い方向に無事に傾いたみたいだし。
俺は色々あり過ぎて神経や心が疲れきった身体を回復させるべく、ここら
辺でおいとまさせてもらうとするよ......」
俺は両手をグッと上に上げて背伸びをすると、宿に帰る準備を始める。
「...ってな訳で俺は宿に帰るけど、ランカさんの処分の件は任せたからな。
もし悪い方向に行ったらマジ許さんからなっ!」
「それは任せておけってえのっ!お前の情が無駄にならないよう、今から
ギルド員総動員でキッチリと纏めあげ、上には報告するからよっ! 」
レンヤの言葉にギルマスが口角をニヤリと吊り上げると、大きく胸をドンと
叩き、そしてサムズアップをビシッと突き出す。
「後、お金の方もしっかり集めておきなさいよ。もし集めていなかったら...
これだからねっ!!」
ルコールはそう言うと、自分の喉元の前に右手を持っていき真横にスッと引く。
「わ、分かってる!分かってるってっ!ま、間違いなくちゃんと集めておくっ!
だ、だからその仕草はマジでやめてくれぇぇえっ!!」
ルコールのジェスチャーを見たギルマスは、大慌ての表情で御詫び金はしっかり
集めるからとルコールに誓う。
「よろしい!そんじゃ、レンヤ。さっきからお腹のやつが何か食わせろ、もう
限界だぞって叫んでいるから、さっさと宿屋に戻って御飯食べっぞぃ!」
「――はぐ!?首根っこを馬鹿力で掴むんじゃな......って、そんな早足で
引っ張るんじゃない!?靴底が磨り減ってまうだろうがぁぁぁあ~~~~っ!?」
ギルマスから言質を取ったルコールは、レンヤの首根っこをグイッと力強く掴むと、
宿屋で夕御飯を食べるべくギルドから早足で出て行った。
看板娘達を土下座させているこの状況を見られでもしたら、マジで
極悪人扱いをされるどころの話じゃなかったわっ!」
レンヤは最悪な状況を想像してしまい、そうならなかった事に心の底から
安堵で胸をホッと撫で下ろす。
「あ。そう言われれば、確かにギルドの中に人っ子ひとりいないね?」
レンヤの言葉を聞き、ルコールも周囲に人がいない事に気づく。
「ん?ああ、それはだな。新人殺しの一件でギルドの営業時間を急遽早めに
終えているからだよ」
「今ここにいるのは優先のある仕事を持つギルド員が数人だけで、それ以外は
冒険者も含めて全員ご退場を願っています」
「なるほど......だからここに冒険者の連中が入って来ないよう、建物の出入りで
ギルド員が突っ立っていたんだ?」
何故ギルド内に人が誰もいないのか、その理由をギルマスやサオリオから
聞いたルコールはそういう事かと納得した。
「あれ?だったら、ムーホとステイはどうやってここに入っていたんだ?」
「え、ボク達ですか?え、えっと、ボク達は...建物前に立っているギルド員の
隙を何とか上手く突き、強引に入ってきました...」
「ス、スイマセン!どうしてもランカお姉ちゃんの危機に、いてもたっても
いられなくて.........」
レンヤの素朴な疑問に、ムーホとステイがバツの悪そうな表情をして頭を
下げると、申し訳ないといわんばかりに謝ってくる。
「まったく...本来なら、ルールを破って勝手にギルドに入ってきたお前達には
何かの罰則を食らわせなきゃいけねぇんだが...まぁ、お前達は本当にランカを
慕っていたしなぁ。ランカの危機を知ったとあらば、その心は気がきでは
なかったことは容易に想像ができる。よって、今回のお前達の罰はランカの
寄付行為にて不問として許す!」
ギルマスがそう述べた後、ムーホとステイの頭に手をポンと置く。
「ありがとう、ギルマス!」
「あ、ありがとうございます、ギルマス!」
ギルマスのかけた恩情に、ムーホとステイは今にも泣きそうだった表情を
笑顔へと変えると、ギルマスに感謝の言葉をおくる。
「さて、ランカさんの処罰も何とか良い方向に無事に傾いたみたいだし。
俺は色々あり過ぎて神経や心が疲れきった身体を回復させるべく、ここら
辺でおいとまさせてもらうとするよ......」
俺は両手をグッと上に上げて背伸びをすると、宿に帰る準備を始める。
「...ってな訳で俺は宿に帰るけど、ランカさんの処分の件は任せたからな。
もし悪い方向に行ったらマジ許さんからなっ!」
「それは任せておけってえのっ!お前の情が無駄にならないよう、今から
ギルド員総動員でキッチリと纏めあげ、上には報告するからよっ! 」
レンヤの言葉にギルマスが口角をニヤリと吊り上げると、大きく胸をドンと
叩き、そしてサムズアップをビシッと突き出す。
「後、お金の方もしっかり集めておきなさいよ。もし集めていなかったら...
これだからねっ!!」
ルコールはそう言うと、自分の喉元の前に右手を持っていき真横にスッと引く。
「わ、分かってる!分かってるってっ!ま、間違いなくちゃんと集めておくっ!
だ、だからその仕草はマジでやめてくれぇぇえっ!!」
ルコールのジェスチャーを見たギルマスは、大慌ての表情で御詫び金はしっかり
集めるからとルコールに誓う。
「よろしい!そんじゃ、レンヤ。さっきからお腹のやつが何か食わせろ、もう
限界だぞって叫んでいるから、さっさと宿屋に戻って御飯食べっぞぃ!」
「――はぐ!?首根っこを馬鹿力で掴むんじゃな......って、そんな早足で
引っ張るんじゃない!?靴底が磨り減ってまうだろうがぁぁぁあ~~~~っ!?」
ギルマスから言質を取ったルコールは、レンヤの首根っこをグイッと力強く掴むと、
宿屋で夕御飯を食べるべくギルドから早足で出て行った。
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