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六章 おっさん、初めてのクエスト

第百二十八話・みんなで土下座!

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「そうだぞ、レンヤ。ランカの言う通りだ。せっかく纏まりかけている
ランカの救済処置を、お前のその余計な要らん茶々でオジャンにして
ぶち壊すつもりか?」

ギルマスが頼むぜと言わんばかりに呆れ顔でレンヤをジロリと睨む。

ぐぬぬ......おのれ、このマッチョハゲめぇぇぇえっ!

何が余計な要らん茶々だっ!

お前もその余計な要らん茶々とやらで、俺の決定をさっき散々と
邪魔した癖にぃいぃぃっ!!

よ、よし!

「き、寄付が駄目っていうなら......」

「あ。先に言っておくけど、レンヤ。貰ったお詫び金を後でこっそり、
オッパイお化けに返却しちゃ駄目だからねっ!」

「はう!?」

俺の目論見はルコールの鋭い一言にてあえなく崩れ去った。

「...と、いう訳だから、ギルマス。あたしやレンヤからこれ以上は何も
言わない。だから、あの新人ルーキー殺し達の処分や、オッパイお化けの処遇は
あんたやギルドに任せたからね!」

「ああ。済まんな、ルコール。それにレンヤもよ。そしてありがとうな。
こいつらの気持ちを酌んでくれてよ!」

レンヤの配慮に感謝し、涙を目尻に潤ませるギルマスが指で鼻を擦りながら
感謝の言葉を口にした後、深々と頭を下げた。

そして、

「あ、ありがとうございました、レンヤさん、ルコールさんっ!」

「本当に感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございましたっ!」

ムーホとステイがギルマスと同じ様にレンヤとルコールへ深々と頭を
下げると、その場に感謝を込めて再び土下座をしてくる。

そんなムーホとステイの土下座を見たランカが、

「わ、わたしからも是非ありがとうを言わせて下さい!本当に...本当に
ありがとうございました、レンヤさん!ルコールさん!」

ムーホとステイの横に立つと、レンヤとルコールに向けて二人同様に
土下座をしてきた。

「ちょ!?ラ、ランカさんまでっ!?」

「ふふふ。ほら、ギルマス。私達もあれ...やりますよ♪」

「お、おう、そうだな!」

サオリナがニコリと笑ってギルマスの腕をグイッと引っ張ってそう言うと、
ギルマスと共にランカ達のいる場所に駆けて行く。

「レンヤ様、ルコール様。私からも同期の罪に恩情をかけてくれた事に感謝を
申し上げます。誠にありがとうございましたっ!」

「ホントありがとな、レンヤ!ルコール!この礼はよ、後でキッチリ返させて
もらうからなっ!」

そして、サオリナとギルマスもレンヤとルコールに向けて土下座を敢行してくる。

「だぁぁぁっ!わ、わかった、もうわかったから!取り敢えず、その土下座を
やめてくれぇぇぇえっ!た、頼むからみんな立ってくれってばぁぁあっ!...って、
ちょっとミュミュさん!?何で被害者のキミまで土下座をしようとしてるの!?」


続ける様に土下座する、ムーホ、ステイ、ランカ、サオリナ、そしてギルマスを
見たミュミュは、鼻息を荒くしてみんなと同様に土下座をしてこようとするので、
俺は慌ててそれをとめる。

その後、みんなの土下座も何とかやめさせ、

俺は嫌な重圧感から解放させるのだった。

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