おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした

あおアンドあお

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六章 おっさん、初めてのクエスト

第百二十四話・あれも駄目!これも駄目ってさぁっ!

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「くふふ♪どう?中々の良いアイディアでしょ?そのオッパイお化けならさ、
奴隷商人達にも分のある言い値で買ってくれると思うんだ♪」

「い、いや。いやいや...さ、流石に借金奴隷はやり過ぎなんじゃねぇか!?
なぁ、サオリナ。お、お前もそう思うよなっ!」

「え、ええ、そうですね!借金奴隷に落ちてしまいますと、規約上受付嬢に
復帰する事ができなくなってしまいますから......」

ドヤ顔で述べるルコールの意見アイディアに対し、ギルマスとサオリナが慌てた
表情と苦笑をこぼし、全力でルコールの意見アイディアに待ったをかけてくる。

「はあぁぁ...ったく!もう、なんなのさ!斬首あれも駄目!借金奴隷これ
駄目ってさぁ!犯罪者の片棒を担いでいた分際で、ちょいとばっかし、我儘が
過ぎやしませんかねぇっ!」

そんなギルマスやサオリナの言い分にルコールが嘆息を深く吐くと、椅子から
バッと立ち上がって呆れ口調でそう述べ終わった後、ギルマスとサオリナを
ジロリと睨む。

「う、うぐ......お、おい、レンヤ!お、お前はどうなんだよ?お、お前も
ルコールと同意見なのか?違うよな!違うと言ってくれぇぇっ!」

「ち、違うと言って下さい、レンヤ様っ!」

ルコールの少しだけ正論の入った愚痴に対し、思いっきり動揺している
ギルマスとサオリナが、救いの手を求めるような目線でレンヤに顔を勢い
良くバッと向けると、激おこ中のルコールに、

「俺はお前の意見には反対だぞっ!」

そう言えと言わんばかりの形相でこっちを二人が見てくる。


なので俺は、

「あ、ああ。うん、そ、そうだなぁ...お、俺もギルマスとサオリナさんが
言う様に、ランカさんの借金奴隷落ちには、ちと反対...かな?」

俺はニガ笑いを浮かべつつ、ルコールの意見に反対しておく。

「ほ、ほぉれ、見ろ!レンヤの奴もランカの奴隷落ちには反対だと言って
いるんだ!だ、だからよ、ルコール。ランカを借金奴隷落ちにするっていう
アイディアは却下!それでいいよなっ!」

「い、いいですよね、ルコール様!」

「ハァ、やれやれ~。その方が面倒もなく話が終わるっていうのにさぁ~。
ホォンット、レンヤはお人好しだよねぇ......」

みんなに諭され、ルコールが嘆息と呆れ口調をこぼして肩を竦めると、
さっき座っていた椅子に再び腰をゆっくりと落とす。

そして椅子に座ったルコールは、背もたれに身体を預けるように寄り
かかって足を組むと、

「でもさぁ~現実問題、どうするつもりなのよ?そこのオッパイお化けの
足りないお金の件はさぁ~?」

ジト目でジィィーッとギルマスを睨みながらそう問う。

「うぐぅ!そ、それは.........そうだな。責任って言うんだったら、
俺もここの最高責任者なんだ。俺も何かしらの責を取らないといけねぇか。
よし!こうなったら、可愛い部下の為だ!俺の大事なヘソクリの全財産、
金貨二十枚を全てランカの詫び金に寄付してやろうじゃないかっ!」

ギルマスは頭をポリポリ掻いて、意を決めた表情に変わると、ギルマスは
自分のヘソクリをランカのお詫び金に寄付してやると告げる。

「駄目ですよ、ギルマス!そのヘソクリはコツコツと頑張って貯めて
いたじゃないですか!それを――」

だがランカは、ギルマスがそのヘソクリを地道に地道に貯めていた事を
知ってたので、慌てて辞退を口にしようとするが、

「二言を言わせるな、ランカ。可愛い部下の為に使うんだ。何を勿体なく
思うものか!」

しかしギルドは手を前にバッと突き出すと、ランカの言葉をとめる。

「ギ、ギルマス!ありがとう...ございま...すっ!」

そんなギルマスの心意気に、ランカは感嘆の表情を見せてギルマスに深々と
頭を下げると、瞳に溜まった涙が頬を流れて落ちていく。

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