107 / 130
六章 おっさん、初めてのクエスト
第百七話・初めてのクエスト
しおりを挟む
冒険ギルドを出て、リタイの町を離れたレンヤとルコールは、
急ぎ足でゴブリンのいる森に移動すると、討伐クエストである
ゴブリン退治を開始する。
「そっちに行ったよ、レンヤッ!」
「分かった!こいつで食らえっ!とりゃぁぁぁあっ!!」
「グギャァハッ!?」
レンヤの剣攻撃を食らったゴブリンは命を刈り狩られ、その場にバタンと
崩れ落ちる。
「おお!やるじゃん、レンヤ!今の攻撃は中々良い攻撃だったよ♪」
ゴブリンを見事倒し、ひと息付いているレンヤにルコールが顔を向けて
ニヒヒと笑い賛辞の言葉を送ると、両手をパチパチと叩く。
「ギャギャ...グギャアアァァァ―――――ッ!!」
余所見をしていたルコールの隙を狙って、ゴブリンが棍棒を大きく
振りかぶりルコールを攻撃してこようとしてくる。
...が、
「甘い!そんなの読め過ぎる攻撃、食らったりしないって♪」
大きく振りかぶった棍棒をゴブリンが勢い良く振り下ろし、攻撃して
きたが、しかしルコールはその攻撃を涼しげな顔をしてひょいと
受け流す。
そして、
『敵を焼き貫けっ!竜の火炎弾ッ!!』
間を入れず、ルコールが右手を素早く前にバッと突き出し、1メートルは
あろうか火炎の弾を目の前に作り出すと、それをゴブリンに直撃させた。
「......って、ああ!し、しまったぁぁぁあっ!?」
「――――――ッ!!?」
だがルコールの撃ち出した火炎攻撃弾は、あまりにも威力が凄過ぎたのか、
ゴブリンが断末魔をあげる事も叶わず、その姿をこの世から完全に
消し去った。
「ちょ!ル、ルコールさん!?いくらなんでもその攻撃はオーバーキル
過ぎだと思うんですけどっ!」
「いかん、いかん!ちょっとばっかし、力加減を間違ちゃった...えへへ♪」
「間違えちゃった...えへへ♪......じゃねぇっ!!くぅ...こ、こんなに
なってしまったら、流石に討伐記録はされないじゃないか!」
「それは大丈夫。ギルドカードをかざせば、ちゃんと記録されるから!」
「ホ、ホントか!?」
「ホント、ホント!だからさ、ほれギルドカードをかざしてみなって♪」
落胆している俺に、その落胆原因のルコールがあっけらかんとしたニッコリ
笑顔でそう言ってくるので、
「ま、まぁいい。ルコールの言う事がホントかどうかは、こいつをかざせば
分かる事だしな......」
俺はルコールに言われた通り、懐からギルドカードを急ぎ取り出すと、
それをルコールの火炎攻撃にて消滅したゴブリンのいた場所にスッと
かざしてみた。
い、いけるか!?
......。
............。
..................。
―――ピカッ!
しばらくギルドカードをかざしていると、ギルドカードが一瞬キラッと
光輝いて、そしてその後、討伐カウント数がひとつ増えていた。
「おお!ちゃんとカウントが発動した!」
どうやら魔物がその場から消えても、討伐カウントは発動するんだな。
「でも何でなんだろう?」
俺はその疑問に首を傾げて、どういう原理だと思考していると、
「あたしもどんな原理かは知らないけどさ。多分魔物を討伐した後、
しばらくの間はその場にその魔物の魔力らしきものが漂ってるんじゃ
ないのかな?そして恐らく、その魔力にギルドカードが反応をして
いるんじゃないの?」
「な、なるほど。魔物を倒したという事にカウントするのではなく、
その漂う魔物の残留魔力に反応し、それを捉える事によってカウントを
するって事か!」
「多分恐らくの領域だけどね。ま、その事は後でミュミュの奴にでも
聞くとして。それよりもレンヤ。ギルドカードが何か青く光ってる
みたいだよ?」
「なぬ?あっ!?」
ルコールの言葉を受けて俺はギルドカードに目を移すと、言われた通り、
ギルドカードが青く光っていた。
「『クエスト』の文字が赤から青に変わっているな?それじゃ、これで
ゴブリン討伐は無事に完了したって事か?」
「だと思うよ。討伐カウンター数も五って刻まれているしねぇ♪」
おお、ホントだ!
「よっしゃぁぁっ!初クエスト、無事に完了だぜぇぇえっ!!」
「正確にはギルドに報告した後じゃないと、完了にはならないけどねぇ♪」
レンヤが異世界で初のクエスト達成に喜んでいると、ルコールがニカリと
笑って、レンヤの喜びに茶を濁すツッコミを入れる。
「こら、細かい茶化しを入れるんじゃありません!せっかく初クエストの
達成に感動しているのにさぁっ!」
そんなルコールに、俺は少し拗ねた表情でムムッと頬を膨らませる。
急ぎ足でゴブリンのいる森に移動すると、討伐クエストである
ゴブリン退治を開始する。
「そっちに行ったよ、レンヤッ!」
「分かった!こいつで食らえっ!とりゃぁぁぁあっ!!」
「グギャァハッ!?」
レンヤの剣攻撃を食らったゴブリンは命を刈り狩られ、その場にバタンと
崩れ落ちる。
「おお!やるじゃん、レンヤ!今の攻撃は中々良い攻撃だったよ♪」
ゴブリンを見事倒し、ひと息付いているレンヤにルコールが顔を向けて
ニヒヒと笑い賛辞の言葉を送ると、両手をパチパチと叩く。
「ギャギャ...グギャアアァァァ―――――ッ!!」
余所見をしていたルコールの隙を狙って、ゴブリンが棍棒を大きく
振りかぶりルコールを攻撃してこようとしてくる。
...が、
「甘い!そんなの読め過ぎる攻撃、食らったりしないって♪」
大きく振りかぶった棍棒をゴブリンが勢い良く振り下ろし、攻撃して
きたが、しかしルコールはその攻撃を涼しげな顔をしてひょいと
受け流す。
そして、
『敵を焼き貫けっ!竜の火炎弾ッ!!』
間を入れず、ルコールが右手を素早く前にバッと突き出し、1メートルは
あろうか火炎の弾を目の前に作り出すと、それをゴブリンに直撃させた。
「......って、ああ!し、しまったぁぁぁあっ!?」
「――――――ッ!!?」
だがルコールの撃ち出した火炎攻撃弾は、あまりにも威力が凄過ぎたのか、
ゴブリンが断末魔をあげる事も叶わず、その姿をこの世から完全に
消し去った。
「ちょ!ル、ルコールさん!?いくらなんでもその攻撃はオーバーキル
過ぎだと思うんですけどっ!」
「いかん、いかん!ちょっとばっかし、力加減を間違ちゃった...えへへ♪」
「間違えちゃった...えへへ♪......じゃねぇっ!!くぅ...こ、こんなに
なってしまったら、流石に討伐記録はされないじゃないか!」
「それは大丈夫。ギルドカードをかざせば、ちゃんと記録されるから!」
「ホ、ホントか!?」
「ホント、ホント!だからさ、ほれギルドカードをかざしてみなって♪」
落胆している俺に、その落胆原因のルコールがあっけらかんとしたニッコリ
笑顔でそう言ってくるので、
「ま、まぁいい。ルコールの言う事がホントかどうかは、こいつをかざせば
分かる事だしな......」
俺はルコールに言われた通り、懐からギルドカードを急ぎ取り出すと、
それをルコールの火炎攻撃にて消滅したゴブリンのいた場所にスッと
かざしてみた。
い、いけるか!?
......。
............。
..................。
―――ピカッ!
しばらくギルドカードをかざしていると、ギルドカードが一瞬キラッと
光輝いて、そしてその後、討伐カウント数がひとつ増えていた。
「おお!ちゃんとカウントが発動した!」
どうやら魔物がその場から消えても、討伐カウントは発動するんだな。
「でも何でなんだろう?」
俺はその疑問に首を傾げて、どういう原理だと思考していると、
「あたしもどんな原理かは知らないけどさ。多分魔物を討伐した後、
しばらくの間はその場にその魔物の魔力らしきものが漂ってるんじゃ
ないのかな?そして恐らく、その魔力にギルドカードが反応をして
いるんじゃないの?」
「な、なるほど。魔物を倒したという事にカウントするのではなく、
その漂う魔物の残留魔力に反応し、それを捉える事によってカウントを
するって事か!」
「多分恐らくの領域だけどね。ま、その事は後でミュミュの奴にでも
聞くとして。それよりもレンヤ。ギルドカードが何か青く光ってる
みたいだよ?」
「なぬ?あっ!?」
ルコールの言葉を受けて俺はギルドカードに目を移すと、言われた通り、
ギルドカードが青く光っていた。
「『クエスト』の文字が赤から青に変わっているな?それじゃ、これで
ゴブリン討伐は無事に完了したって事か?」
「だと思うよ。討伐カウンター数も五って刻まれているしねぇ♪」
おお、ホントだ!
「よっしゃぁぁっ!初クエスト、無事に完了だぜぇぇえっ!!」
「正確にはギルドに報告した後じゃないと、完了にはならないけどねぇ♪」
レンヤが異世界で初のクエスト達成に喜んでいると、ルコールがニカリと
笑って、レンヤの喜びに茶を濁すツッコミを入れる。
「こら、細かい茶化しを入れるんじゃありません!せっかく初クエストの
達成に感動しているのにさぁっ!」
そんなルコールに、俺は少し拗ねた表情でムムッと頬を膨らませる。
5
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる