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五章 おっさんとテンプレ
第八十六話・膨張した俺様主義
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「さっきから何回も説明しているけどさ、お前た...コホン!キミ達は
大きな誤解をしているだけなんだよ!その誤解はこのプレシアさんが
キッチリ解いてくれる筈だから、とにかくそっちで誤解を解く為の説明を
受けてくれ!」
俺はこれ以上、こいつらに関わったらマジで胃に穴が開きそうだったので、
やんわりした丁寧口調で、ランス達にそう説明する。
「...と、いう事なので、後の事はよろしく頼むね、プレシア。それじゃ、
おっさんは食堂に人を待たせているので、この辺でお暇させてもらうね!」
そしてイケメン君達に説明をし終えた俺は、プレシア達に軽く会釈すると、
ルコールの待つ食堂へ足を向ける。
...がしかし、
「お待ちなさい!そんな戯れ言でわたくし達を煙に巻こうとしても、
そうはいきませんわよ!あなたの様な不届き者、このまま黙って見逃しては
名誉あるグラシャス神官の名にキズがついてしまいます!」
「そう、そう。それにここでプレシアちゃんに迷惑をかけたおっちゃんを
逃したとあったら、Aランク冒険者の名が泣くってもんだぜぇっ!」
俺の行く手を邪魔する為、二人の女性がバッと素早く俺の前に回り込むと、
ここから逃がさないと言わんばかりに、ジロッと睨みながら戦闘体勢に入る。
ああ、もうぉおおっ!
本っっっ当に、人の話を聞かない連中だな、こいつらはぁぁああっ!
ここまで説明して、何でまだ理解できないんだよっ!
それに名がキズつく?
その名が泣く?
どう見てもお前達の名は既にキズだらけだし、泣きまくっていると
思うんだけど?
その証拠にさ、回りを見てみろよ。
みんなの憧れであろうAランクのこいつらの事を誰ひとりとして、
応援していないじゃんか!
それどころか、まるで腫れ物でも扱うかの様に、
こっち見んなっ!
関わんなっ!
そう言わんばかりの目線で、こいつらを見ている連中だらけだよっ!
俺はそんな冒険者達を見て、やれやれといったポーズを取ると、もう何度
吐いたかも分からない呆れの混じった嘆息を口からハァ~と大きく洩らす。
「なぁ、プレシアさんよ......。こいつらって、最初からこんな感じで
人気がなかったのか?」
「あはは...そうですね。わたしの記憶では最初の方は人気がありましたよ。
期待のニューフェイスって感じで、持て囃されてましたから!」
「へぇ、こいつらにもそんな時代があったんだ。ちょっとビックリだな......」
でもまあ恐らく、最初の頃はあんまり地を出していなかったんだろう。
黙ってたら、こいつらの見た目ってイケメンと美女二人だもんな。
「ですが、それもいっときの間だけでしたけどねぇ。本性がバレる度、
皆さんから煙たがれていましたから......」
......だろうね。
「おじ様も既にお気づきになっていると思いますが、この人達って...基本、
斜に構えた俺様主義なんですよ......」
ああ...うん。
それはファーストコンタクトから、とっくに気付いてましたよ。
「さっきも言いましたが、最初はあの美貌の持ち主で、加えてお家は爵持ちの
お金持ち。更に実力も人並み外れた腕っぷしだったもので、ランクの方も
次々アップしていき、あっという間にランクはAランクパーティ。なので、
当時はみなさんから尊敬され、ホント男女問わずモテモテだったんですよ!」
プレシアが当時のランス達の事を思い出し、それを懐かしいそうな表情で
語っていく。
そして少し間が開いた後、
「......ですが、ランスさん達の持って生まれた、斜に構える思考と
俺様主義の性格が、それと相互してきちゃいまして......」
その時のランス達の事で、何かしらの嫌な思い出があるのだろう、
プレシアの表情がドンドン暗くなって雲りを見せる。
「......ハァ~なるほどね。つまり、沢山の人々から尊敬や羨望の
眼差しを受け続けたその結果、俺様主義の性格がドンドン、ドンドン
膨れ上がってしまい、今現在に至る。そういう訳か......?」
「たはは。まあ、そう言う事ですね......」
大体の事情を察した俺は、ランスとパーティ仲間の女性二人に対し、
呆れて嘆息は吐くと、
その俺の表情を見ていたプレシアも、またそれにつられるかの様に、
同じく苦笑をこぼしてしまう。
大きな誤解をしているだけなんだよ!その誤解はこのプレシアさんが
キッチリ解いてくれる筈だから、とにかくそっちで誤解を解く為の説明を
受けてくれ!」
俺はこれ以上、こいつらに関わったらマジで胃に穴が開きそうだったので、
やんわりした丁寧口調で、ランス達にそう説明する。
「...と、いう事なので、後の事はよろしく頼むね、プレシア。それじゃ、
おっさんは食堂に人を待たせているので、この辺でお暇させてもらうね!」
そしてイケメン君達に説明をし終えた俺は、プレシア達に軽く会釈すると、
ルコールの待つ食堂へ足を向ける。
...がしかし、
「お待ちなさい!そんな戯れ言でわたくし達を煙に巻こうとしても、
そうはいきませんわよ!あなたの様な不届き者、このまま黙って見逃しては
名誉あるグラシャス神官の名にキズがついてしまいます!」
「そう、そう。それにここでプレシアちゃんに迷惑をかけたおっちゃんを
逃したとあったら、Aランク冒険者の名が泣くってもんだぜぇっ!」
俺の行く手を邪魔する為、二人の女性がバッと素早く俺の前に回り込むと、
ここから逃がさないと言わんばかりに、ジロッと睨みながら戦闘体勢に入る。
ああ、もうぉおおっ!
本っっっ当に、人の話を聞かない連中だな、こいつらはぁぁああっ!
ここまで説明して、何でまだ理解できないんだよっ!
それに名がキズつく?
その名が泣く?
どう見てもお前達の名は既にキズだらけだし、泣きまくっていると
思うんだけど?
その証拠にさ、回りを見てみろよ。
みんなの憧れであろうAランクのこいつらの事を誰ひとりとして、
応援していないじゃんか!
それどころか、まるで腫れ物でも扱うかの様に、
こっち見んなっ!
関わんなっ!
そう言わんばかりの目線で、こいつらを見ている連中だらけだよっ!
俺はそんな冒険者達を見て、やれやれといったポーズを取ると、もう何度
吐いたかも分からない呆れの混じった嘆息を口からハァ~と大きく洩らす。
「なぁ、プレシアさんよ......。こいつらって、最初からこんな感じで
人気がなかったのか?」
「あはは...そうですね。わたしの記憶では最初の方は人気がありましたよ。
期待のニューフェイスって感じで、持て囃されてましたから!」
「へぇ、こいつらにもそんな時代があったんだ。ちょっとビックリだな......」
でもまあ恐らく、最初の頃はあんまり地を出していなかったんだろう。
黙ってたら、こいつらの見た目ってイケメンと美女二人だもんな。
「ですが、それもいっときの間だけでしたけどねぇ。本性がバレる度、
皆さんから煙たがれていましたから......」
......だろうね。
「おじ様も既にお気づきになっていると思いますが、この人達って...基本、
斜に構えた俺様主義なんですよ......」
ああ...うん。
それはファーストコンタクトから、とっくに気付いてましたよ。
「さっきも言いましたが、最初はあの美貌の持ち主で、加えてお家は爵持ちの
お金持ち。更に実力も人並み外れた腕っぷしだったもので、ランクの方も
次々アップしていき、あっという間にランクはAランクパーティ。なので、
当時はみなさんから尊敬され、ホント男女問わずモテモテだったんですよ!」
プレシアが当時のランス達の事を思い出し、それを懐かしいそうな表情で
語っていく。
そして少し間が開いた後、
「......ですが、ランスさん達の持って生まれた、斜に構える思考と
俺様主義の性格が、それと相互してきちゃいまして......」
その時のランス達の事で、何かしらの嫌な思い出があるのだろう、
プレシアの表情がドンドン暗くなって雲りを見せる。
「......ハァ~なるほどね。つまり、沢山の人々から尊敬や羨望の
眼差しを受け続けたその結果、俺様主義の性格がドンドン、ドンドン
膨れ上がってしまい、今現在に至る。そういう訳か......?」
「たはは。まあ、そう言う事ですね......」
大体の事情を察した俺は、ランスとパーティ仲間の女性二人に対し、
呆れて嘆息は吐くと、
その俺の表情を見ていたプレシアも、またそれにつられるかの様に、
同じく苦笑をこぼしてしまう。
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