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五章 おっさんとテンプレ

第六十九話・初めての食事

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ここはリタイの町の大通りを少し進んだ場所にある屋台通り。


そこにグーグーと音を奏でる小腹さんを満たす為、俺はルコールと
共にやって来ていた。

「げっぷり...軽い間食のつもりだったのに、美味しそうな屋台が色々と
あるから、つい想定以上に食ってしまったぜっ!」

「ホントだねぇ。この町は昔から格の高い美味しい食べ物を売る屋台が
多かったけど、今は更に格が上がってるよぉ~パク、くぅ~旨いっ♪」

「ふう。さて...腹ごしらえも済んだし、そろそろギルド御用達って
いう宿屋に向かおうか!」

レンヤが最後のひと口をパクっと食い終えると、宿屋に向けて歩き出す。

「ちょ、待っててば!まだ食い終わって......ハグ、モグモグ!」

ルコールがそれに慌てて手に持っていた食べ物を口にパクッと放り込み、
レンヤの後を急ぎ追いかける。


―――それから宿屋を目指して歩く事、数十分。


「ねぇねぇ、レンヤ。ギルド御用達の宿屋ってさ、一体どんな感じの
宿屋なんだろうね?」

「さぁな?でもイメージとして考えると、ギルド内にあった冒険者の
憩いの場...あれに近いんじゃねえか?」

俺はギルドの中にあった酒場...そこで屯っている冒険者達を思い出し、
それを今から向かう宿屋のイメージとシンクロさせる。

「ああ...なるほどね。まぁ確かにギルドの御用達って言うんだから、
冒険者達がいっぱいいるでしょうしねぇ~」

ルコールもレンヤと同じく、ギルドの内の酒場を想像する。

「でももし冒険者だらけとなると、治安は大丈夫なのか?だってよ、
さっきもいきなり......」

「あはは、そうだった、そうだった♪あたし達がギルドを出た途端、
レンヤのいうテンプレが発動したんだっけ♪」

そう、俺とルコールがミュミュ達に別れを告げた後、

ルコールの案で屋台通りに行く事となり、そこを目指して歩いている
途中で起こった出来事テンプレ



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ぐふふふ...」

「ど、どうしたの、レンヤ?変な笑い声を出しちゃって?めっちゃ、
キモいんですけど...」

「キモい言うな!いや~実は俺、この世界に来て何も食べていなくてさぁ...」

「え、そうなの?」

まぁ、ルコールのいたダンジョンを捜索中に城の連中あいつらからドロップした
薬草なんかは口にしたんだが、あれはカウントには入んない。

だって、回復アイテムだし。

「......そういう事なんで、今から食う食べ物がこの世界に来て俺が初めて
口にする食いもんになるって訳なのさ!」

ハテナ顔をしてこっちを見てくるルコールに、俺は期待感の溢れ出す、
にこやかな笑顔でそう語る。

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