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四章 リタイの町
第六十三話・クロー攻撃再び
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「うおぉっ!」
今ドスンッと重い音が鳴ったぞ!ドスンッと!
これは一体どれくらいの硬貨が入っているんだろうか?
俺がワクワク感な表情で、目の前に置かれた皮袋をジィィーッと
見ていると、
「全部で金貨が三枚、大銀貨が一枚、銀貨が二枚、そして使いやすい様に
崩した銅貨が三十枚入っています!」
ミュミュが皮袋の中身...換金結果がいくらだったのか、それを俺に
伝えてくれた。
「何度か数え直しておりますので、数は合っていると思いますが、
可能性として、こちらの不手際で枚数が足りない場合があります。
ですので、もしお気になれますのでしたら、レンヤ様の手で
もう一度キチンと枚数分が入っているかどうか、ご確認下さいませ!」
「はは。大丈夫だよ、ミュミュ。俺はキミを信用しているから、
このまま頂くよ!」
俺はニコッとした爽やか笑顔を浮かべ、ミュミュに右手を前に
ビシッと突き出し、サムズアップを決めると、テーブル上の皮袋を
手に取った。
「おうおう。嬉しい事を言ってくれるじゃねえか、レンヤ。ここの
ギルマスとして、受付嬢を信用してくれるのは大変嬉しいぜっ!」
レンヤに信用された事で、頬をほんのりと染めテレているミュミュの
横にギルマスが立つと、感涙の言葉をレンヤに贈る。
だがその後、ギルマスがバツの悪そうな顔をして両手を大きくパンッと
叩き合わせ、
「しかしスマンな、レンヤ。実はそいつを数え入れたのは、俺なんだよ!」
...と、その換金の枚数を数えたのは自分だという事を、レンヤに告げる。
「.........」
それを聞いたレンヤは、静かに皮袋の口を広げて中に入っていた硬貨を
テーブルの上にバッとバラ撒くと、
「えっと、一枚...二枚...三枚......」
硬貨の数がちゃんと合っているかどうか、その確認をするべく、せっせと
硬貨を一枚、一枚、丁寧に数えていく。
「ちょ、お前!?俺が数えたと知った途端、その手のひら返しは、
いくらなんでも酷すぎじゃねえかっ!?」
そんなレンヤの行動を見て、ギルマスが目を丸くしてビックリしてしまう。
「......ったく。せっかく遠路遥々このリタイにやって来たお前を労うべく、
今夜辺りにでも俺のお薦め、大人の隠れ家に連れて行ってやろうかと
思っていたのに......」
「―――ひ、秘密の隠れ家!?」
なに?そ、その素敵な響きっ!?
「しかしそんな横柄な態度を取るんなら、もう連れて行くのは止めて
おくとしよ―――」
「―――も、もう、何を言ってるんですか、マスター!今のはほんの
他愛のない冗談に決まっているではありませんか、あは、あはは♪」
「大人の隠れ家」
そのキーワードを聞いた瞬間、
レンヤは硬貨を数えるのを即座に止め、そして先程の言葉は冗談だと
慌て口調で撤回すると、テーブルの上にバラ撒いた硬貨を皮袋の中へと
ポイポイ放りこんでいく。
「お前...ホント、強かな性格だな......まぁ、そういう性格、俺は嫌いでは
ねぇけどな。んじゃ、さっき言ったように今夜辺りにでも行っとくか?」
「おう、いいですねぇ!それじゃ今夜、是非行きま―――――ハガァ!?」
「ん~今なんて言おうとしたのかな、レンヤさん♪」
レンヤがギルマスの誘いに乗ろうとしたその瞬間、いきなりルコールから
後頭部を思い切り鷲掴みにされ、そのままグッと上に吊り上げられた。
「うふふ♪何も言っていないよね?あたしの気のせいだよね♪」
そしてルコールが、瞳の奥が笑っていないニコニコした表情で、
もう一度レンヤに改めてそう問い掛けると、クロー攻撃をじわりじわり
強めていく。
「は、はい!い、い、いい、言ってませ......あいだただだぁぁああっ!!?
な、なな、何も、い、い、言って...ませんですぅぅうぅぅうっ!!!」
「そっか、言ってないのか♪それだったらゴメンなさいね、レンヤ。
どうやらあたしの早合点のようだった♪」
ルコールがレンヤから言質を取申し訳ないという表情をしてレンヤの
後頭部から手を離し、クロー攻撃を解くのだった。
今ドスンッと重い音が鳴ったぞ!ドスンッと!
これは一体どれくらいの硬貨が入っているんだろうか?
俺がワクワク感な表情で、目の前に置かれた皮袋をジィィーッと
見ていると、
「全部で金貨が三枚、大銀貨が一枚、銀貨が二枚、そして使いやすい様に
崩した銅貨が三十枚入っています!」
ミュミュが皮袋の中身...換金結果がいくらだったのか、それを俺に
伝えてくれた。
「何度か数え直しておりますので、数は合っていると思いますが、
可能性として、こちらの不手際で枚数が足りない場合があります。
ですので、もしお気になれますのでしたら、レンヤ様の手で
もう一度キチンと枚数分が入っているかどうか、ご確認下さいませ!」
「はは。大丈夫だよ、ミュミュ。俺はキミを信用しているから、
このまま頂くよ!」
俺はニコッとした爽やか笑顔を浮かべ、ミュミュに右手を前に
ビシッと突き出し、サムズアップを決めると、テーブル上の皮袋を
手に取った。
「おうおう。嬉しい事を言ってくれるじゃねえか、レンヤ。ここの
ギルマスとして、受付嬢を信用してくれるのは大変嬉しいぜっ!」
レンヤに信用された事で、頬をほんのりと染めテレているミュミュの
横にギルマスが立つと、感涙の言葉をレンヤに贈る。
だがその後、ギルマスがバツの悪そうな顔をして両手を大きくパンッと
叩き合わせ、
「しかしスマンな、レンヤ。実はそいつを数え入れたのは、俺なんだよ!」
...と、その換金の枚数を数えたのは自分だという事を、レンヤに告げる。
「.........」
それを聞いたレンヤは、静かに皮袋の口を広げて中に入っていた硬貨を
テーブルの上にバッとバラ撒くと、
「えっと、一枚...二枚...三枚......」
硬貨の数がちゃんと合っているかどうか、その確認をするべく、せっせと
硬貨を一枚、一枚、丁寧に数えていく。
「ちょ、お前!?俺が数えたと知った途端、その手のひら返しは、
いくらなんでも酷すぎじゃねえかっ!?」
そんなレンヤの行動を見て、ギルマスが目を丸くしてビックリしてしまう。
「......ったく。せっかく遠路遥々このリタイにやって来たお前を労うべく、
今夜辺りにでも俺のお薦め、大人の隠れ家に連れて行ってやろうかと
思っていたのに......」
「―――ひ、秘密の隠れ家!?」
なに?そ、その素敵な響きっ!?
「しかしそんな横柄な態度を取るんなら、もう連れて行くのは止めて
おくとしよ―――」
「―――も、もう、何を言ってるんですか、マスター!今のはほんの
他愛のない冗談に決まっているではありませんか、あは、あはは♪」
「大人の隠れ家」
そのキーワードを聞いた瞬間、
レンヤは硬貨を数えるのを即座に止め、そして先程の言葉は冗談だと
慌て口調で撤回すると、テーブルの上にバラ撒いた硬貨を皮袋の中へと
ポイポイ放りこんでいく。
「お前...ホント、強かな性格だな......まぁ、そういう性格、俺は嫌いでは
ねぇけどな。んじゃ、さっき言ったように今夜辺りにでも行っとくか?」
「おう、いいですねぇ!それじゃ今夜、是非行きま―――――ハガァ!?」
「ん~今なんて言おうとしたのかな、レンヤさん♪」
レンヤがギルマスの誘いに乗ろうとしたその瞬間、いきなりルコールから
後頭部を思い切り鷲掴みにされ、そのままグッと上に吊り上げられた。
「うふふ♪何も言っていないよね?あたしの気のせいだよね♪」
そしてルコールが、瞳の奥が笑っていないニコニコした表情で、
もう一度レンヤに改めてそう問い掛けると、クロー攻撃をじわりじわり
強めていく。
「は、はい!い、い、いい、言ってませ......あいだただだぁぁああっ!!?
な、なな、何も、い、い、言って...ませんですぅぅうぅぅうっ!!!」
「そっか、言ってないのか♪それだったらゴメンなさいね、レンヤ。
どうやらあたしの早合点のようだった♪」
ルコールがレンヤから言質を取申し訳ないという表情をしてレンヤの
後頭部から手を離し、クロー攻撃を解くのだった。
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