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四章 リタイの町
第五十九話・クエスト依頼書
しおりを挟む「いい!次またババアって言ったら、マジでその顔面粉々に砕くからね!」
「は、はい。以後気を付けます......」
ルコールが俺の顔近くに人差し指をビシッと突きつけ、威圧感タップリの
表情で次はないぞと忠告してくるので、取り敢えず頭を下げて謝罪をしておく。
そんな騒動があった後、数十分が経過した。
「遅ぉぉぉぉい!ミュミュの奴、一体いつまであたし達を待たせる
つもりなんだぁぁあっ!」
待っても待っても、未だに戻ってこないミュミュに、ルコールがプンプンと
激怒りしている。
「ねぇ、レンヤ。ここでボケッと待ってても何か暇だしさ、ミュミュが
ここに戻ってくるまで、あそこに見えるクエストボードに貼り出されている
クエストの依頼書でも見に行ってみない?」
ミュミュを待つ事に飽きたルコールが、俺にそう述べて目線を後ろへ向ける。
「クエスト...ボード?ああ、あれの事かな?」
ルコールの目線の先へ自分の目線を向けると、そこには大きな掲示板らしき
ものが俺の目に映った。
良く見ると、あのボードに色々な大きさの紙が沢山貼ってあるな?
あ、ひょっとして、
「なぁ、なぁ、ルコール。さっきクエストの依頼書って言っていたけど、
あの紙がそのクエストの依頼なのか?」
「うん、そうだよ。あのクエストボードはね、その名の通り、様々な人々から
発注されたクエストの依頼を貼る場所なんだよ!」
へぇ...様々な人々からの依頼か。
あれを見るに、結構クエスト依頼の数って多いんだな。
ざっと見ても、五十以上はあるもんな?
「ほら、レンヤ!ミュミュの奴が戻って来ない内に、どんなクエストが
依頼されているのかを見に行くよ!」
ルコールが俺の袖をクイッと引っ張りそう言うと、掲示板に貼ってある
依頼書の確認の為、急ぎクエストボードに向かってダッシュして駆けて行く。
「ちょっ!そんなに急かすなって!おっさんはな、ノンビリ動きたい生き物
なんだから!」
全く...うんびゃく歳のババアの癖に、何であんなにあいつは元気なんだ。
元気にクエストボードへ駆けて行くルコールに呆れつつ、俺は疲れの貯まった
腰をトントンと叩くと、ルコールの後をゆっくりとついて行くのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ほほう...結構、色々な依頼があるんだな?」
ルコールに急かされてクエストボードに移動した俺は、目の前に映る
数々のクエストの依頼書に目線を動かしていく。
......どれどれ?
魔物退治に、薬草の素材の採取か。
うん、テンプレな依頼だ。
他には...っと。
ボディーガードの依頼に......お!馬車移動の守備もあるな。
「ねぇねぇ、レンヤ。レンヤは一体どんな依頼をやってみたい?」
「ん、俺か?そうだな、俺は.........こいつかな?」
ルコールに問われ、俺がやってみたいと思ったクエスト依頼書が
貼られている場所へ人差し指をスッと向ける。
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