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三章 おっさん勇者の初めての人命救助

第二十八話・ギフトの説明 その2

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そして最後はある意味、俺にとって印象深いレアギフト!

その名も、

『絶対ドロップ』

敵を倒した後の出現するドロップアイテムの確率が100%になる。

しかもLVが上がれば、レアドロップ率が上昇するらしい。

そう...今アイテムボックスに入っている兵士や神官達の剣、槍、杖、
更に鎧やローブ等は、このギフト『絶対ドロップ』にてゲットしたのだ。


はぐわぁっ!?


「お、己...!脳裏のやつめぇえい。お、俺にまた、あのクソみたいな光景を
思い出させやがってぇぇぇぇええっ!!」

そう...あの城の兵士や神官達を倒した際、あいつらが装備していた鎧や服が
『絶対ドロップ』にて、ドロップアイテムへと変換した。

そしてその瞬間、俺の目の前のいた兵士や神官の姿が、むさ苦しい全裸状態へ
次々と変わるっ!!


「ウギャァァァァ―――ッ!イヤァァァァァ―――――ッ!!」


その光景を再び思い出してしまった俺は、発狂したかの様に悶絶し、
叫声を荒らげてしまうのだった。

「ハァ...ハァ...ハァ......く、くそぉぉ!あの脱出時に、ひとりでも女兵士か
女神官がいてくれれば、この不愉快なトラウマを回避できたっていうのにぃぃ!」

トラウマで意気悄然した心で、そんな事を考えてしまう俺だった。

因みにルコールから聞いたのだが、この『絶対ドロップ』は、自動か手動を
選択する事ができるらしい。

その情報をルコールから聞いた瞬間、

「その情報、もうちょっと早く知りたかったわぁああっ!!」

...と、地団駄を踏んで、俺は無念の言葉を叫んでいた。

「ま、まぁいい!今はそんなもしもより、現実的に......だっ!」

そうさ、この沈んだ気持ちを上昇させるには、もう美人&可愛い娘からの
熱いチューしかないと思うんだっ!

「...と、言う訳だ!俺の御褒美タイムの為にその命をくれやっ!」

俺はド真面目な表情で、盗賊達に向けて首を刈っ切るポーズを見せる。

「ふ、ふざけるなぁぁあっ!何で、お前みたいなおっさんに、俺の命を
くれてやらなきゃいけねぇんだぁぁああっ!」

「老人の分際で俺たち若者に喧嘩を売るなんて、十年早いんだよぉぉおっ!」

レンヤの挑発に激昂した盗賊達が、鼻息荒く息巻くとドタドタ足音を立てながら
突進してくる!

「ふう......なぁ、ひと言だけいいか?」

俺はため息を吐き、呆れ口調でそう呟くと、

「まずはお前っ!どう見ても、お前の方がおっさんだろがぁぁぁあいっ!」

「ブレロォォッ!?」

「それにお前っ!お前のそのツラのどこが若者なんじゃぁぁぁあっ!
どこをどう見ても、四十歳過ぎたおっさんヅラじゃねぇかぁぁぁああいっ!」

「ハンギャジッ!?」

俺に向かって突っ込んで来た盗賊達の中心に、ギフト技...『瞬歩』で素早く
移動すると、左右にいる盗賊達の頬を目掛けて、しなりを効かせたビンタを、
歯が折れる程の強さとスピードで思いっきり叩きつけた!

「あれ?ひと言だけって、言っていなかっけ?」

「ふ。気にすんな、ルコール。ひと言もふた言も似た様なもんだ!」

ルコールのツッコミに対し、「細かい奴だな...」と思いつつも、俺は口角を上げて
不適な笑みを浮かべると、ルコールのツッコミを誤魔化すのだった。

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