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二章 新たな出会い
第十八話・ドラゴンのお宝を説明する その2
しおりを挟む「んでもって...最後はこれ!【あたしの素材一式】これはあたしから
抜け落ちた鱗や、脱皮した皮、そして生え変わった時に落ちた角とかを
集めたものだよ......テへヘ♪」
ぬ、抜け落ちた鱗に脱皮の皮って...
それってとどのつまり、
「単なるゴミじゃねえかぁぁあああっ!」
「はあぁぁああんっ!こんな可愛いあたしの脱ぎたて...じゃない
けどさ、とにかくあたしの諸々なんだよ!マニアがヨダレを垂らして
欲しがる事は間違いない代物んだよ!......って、おいこら、レンヤッ!
何してんのじゃぁぁぁああぁいっ!!」
ええ~何をしたと言われましても、
いらないゴミを投げ捨てただけですけど?
俺が遠くへポイッと投げ捨てたゴミ?を猛ダッシュで取りに行った
ルコールが、戻ってくるなり、目の色を変えてマジ説教をしてくるので
俺は仕方なく捨てるのをやめる事にした。
「まったく、レンヤは......ブツブツ。まぁいいわ、以上のアイテム
たちがあたしからレンヤへ贈る、選びに選びぬいたお宝五点セットだよ!
さぁ!受け取りたまえぇぇぇいっ!」
ルコールが気を取り直して、フンスッと鼻息を荒くすると、レンヤへ
お宝五点セットを差し出す。
「おう!それじゃ、遠慮なくいただくよ!」
俺は五種類のお宝たちをもう一回確認しながら、手に取っていく。
しかし予想以上に良いお宝だったな!
......ひとつを除いて。
「......って、おい!あたしの素材セットに全く瞳も輝かせていないじゃ
ないかっ!あたしの分身たちも嬉しがって可愛がりやがれやぁぁあっ!」
「いやいや。これもちゃんと嬉しって!ほら...輝かせた!これでいいか?」
ルコールに言われ、俺は仕方なく【あたしの素材一式】を一瞬だけチラッと
見てニコッと微笑むと、再び他のお宝に目を移す。
「何じゃ、その面倒くさいなぁっていう行動はぁぁあっ!もっとちゃんと
喜び満悦な表情と瞳で見てやれやあぁぁぁああぁぁっ!!」
「―――はぎゅゅゅっ!??」
ルコールが苛立ちの叫声を荒らげた瞬間、自分の両手を大きくバッと
広げると、俺の顔をその広げた両手で挟む様に思いっきり叩きつけた。
そして、
「ほら~レンヤちゃん~♪そのオイタをするワガママな両の眼で、
もう一度あたしの素材たちを改めてじっくりたっぷりと凝視しなさいな♪」
ニコニコとした笑顔、然れど目の奥がちっとも笑っていない表情で、
自分の分身【あたしの素材一式】に俺の顔を強引に持っていく。
「イタダダタァァアッ!?み、見るから、めっちゃガン見するからっ!
だ、だからそれ以上、顔を無理矢理に捻らないでぇぇえ!もげるからっ!
くく、首がもげちゃうからぁぁあっ!」
そ、それに付け加え、
さっきから限界を超えた首の骨さんからペキペキ、ペキペキって、
変な音が聞こえてきていらっしゃいますからぁぁぁあっ!!
マ、マジで凄過ぎるだろ、ドラゴンパワー!?
「こ、こんな華奢な腕をしているって,,,,,,いうのに...な、なんて...馬鹿力
なんだよ!?お、女の子に変身しても...ドラゴンの力は...やっぱり、
そ、そのまま...なんだ―――――――はぎゃっ!?」
俺がルコールの力に驚愕していたその瞬間、何かが思いっきり折れる様な
音が脳内に鳴り響いた。
そしてその瞬間、
俺の意識がプツリと切れ、視界が暗転してしまうのだった。
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