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二章 新たな出会い

第十一話・ドラゴンの頼み事

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「なるほどのう...もしかしてここ部屋の中に上へとあがる階段ある
やもしれんと思い、ここへ入ってきた...そういう訳なのじゃな?」

「.........ああ」

ドラゴンの確認の問いに対し、俺は頭を縦にコクンと小さく下げて
返事を返す。

「しかし貴様。いくら出口があるやもしれんといって、よくもまぁ
そんな低い可能性の低い理由であんな馬鹿重い扉を開けようと思った
ものじゃな?」

「それはこんな扉の部屋だからな。もしかしたらこの部屋に何か良い
おたか――ゲフン、ゲフン!イヤ......な、なんでもない......ぞ」

俺は理由を語っている途中で「この部屋の宝=このドラゴンの持ち物じゃん!?」
と、ふと気づき、うっかり喋りそうになった言葉を強引に口の中に引っ込めた。

「ほう...この部屋には、お宝が目的で入ったわけ...か...?」

ヤベェェェェ―――ッ!

誤魔化せてなかったぁぁぁああぁぁぁっ!!

「はは...え、えっと。い、今のは言葉のあやというか、なんというか、
つ、つまりはその......」

俺はドラゴンの地獄耳に目を丸くして驚き、身振り手振りで説明して、
懸命に言い訳を吐き続けていると......

「そんなに我のお宝を欲しいのなら、別にお前にくれてやっても構わんぞ?」

え!

マジで!?

このドラゴンさん、今俺に宝をあげてもいいって言った...よな!?

「ほ、本当に貰っちゃってもいいの?マジで貰っちゃうよ?」

あっさりと宝をくれてやると述べてくるドラゴンに、つい俺の素の性格が
表に出てしまう。

「ああ...構わん。別にあんな物は我に取って、全くいらん無用の長物じゃしのう。
じゃからお前にくれてやっても良い...のじゃが、但し...ひとつだけ条件がある!」

「条件...ですか?」

そ、それは俺に叶えられる範囲の条件なんでしょうか?

身体の一部や、命に関わる何かを差し出せとかだったら、嫌だな...

もしそうだったら、どうしよう。

そうなった場合は、全力で逃げなきゃなっ!

でも絶対に無理だよね。

だって、これから逃げ切れるとは思えないし......。

くぅ、こうなったらお願いします!

どうか俺でも簡単に叶えられる様な条件ごとでありますようにっ!

俺がドラゴンの条件とは一体なんなんだと、思考をグルグル、グルグルと
懸命になって必死に回していたその時、


『我をお前の仲間として、一緒に連れて行け!』


ドラゴンがニヤリと口角を上げて、お宝との交換条件を発してくる。

それを聞いた俺は、

「は、はいぃぃいいっ!?あ、貴方を連れていけぇぇぇええっ!??」

予想の範囲を越えた条件だったからか、目を丸くして喫驚してしまう。
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